ここから本文です。

ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成25年度(第63回)税理士試験出題のポイント財務諸表論

財務諸表論

出題のポイント

〔第一問〕

 本問は、企業会計が成立するための基本的前提の一つである継続企業の公準、すなわち企業は永久に存続し、その活動を継続させるという仮定の理解を問うと同時に、実際には倒産等の理由により企業が消滅することもあるという現実に財務諸表はいかに対応しようとしているのかについての理解を問う問題である。
 問1は、財務諸表上で「継続企業の前提に関する注記」が開示される際の必要な要件に係るキーワードについて問う問題である。(「会社計算規則」第100条)
 問2は、「継続企業の前提に関する注記」につながる財務指標の一つである「継続的な営業キャッシュ・フローのマイナスの状況」及びその改善について問う問題である。(「財務諸表等規則ガイドライン」8の27-2)
 問3は、税効果会計の方法として資産負債法が現在採用されていることを確認し、さらに繰延税金資産の回収可能性が相対的に低く見積もられた場合、その繰延税金資産金額は将来減算一時差異が解消されるときに課税所得を減少させ、税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上されるよう、その範囲を超える額を取り崩すべきことを問う問題である。(「税効果会計に係る会計基準」第二・二・1、「同注解」注5)
 問4は、キャッシュ・フロー計算書が対象とする資金の範囲のうち、現金同等物の定義とその具体例について問う問題である。(「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」第二・一・2、「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解」注2)
 問5は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」が採用しているマネジメント・アプローチに基づく事業セグメントの識別要件について問う問題である。(「セグメント情報等の開示に関する会計基準」第6項)
 問6は、資産除去債務が、その計上対象となる有形固定資産の耐用年数を基準とした将来の時点で、法令又は契約により要求される当該資産の除去ないし賃借資産の原状回復に要する割引前の将来キャッシュ・フローを見積り、割引後の金額で算定することに注目すると、この会計処理の手続が、継続企業の公準を前提とすることで正当化できることを問う問題である。(「資産除去債務に関する会計基準」6)
 問7は、「継続企業の前提に関する注記」と「重要な後発事象」との関係を問う問題である。(「財務諸表等規則」第8条の4、「財務諸表等規則ガイドライン」8の27-5)

〔第二問〕

 本問は、自己株式の取得権禁止型の会計制度から、取得権是認型の会計制度へ変更したことを踏まえて、企業会計における純資産に関する会計処理と、その背後にある論理を理解しているか否かを問う問題である。
 1は、「企業会計原則」、「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」(以下「自己株式基準」という。)、および「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」(以下「純資産基準」という。)の一部抜粋した文章を提示し、資本と利益の区別、自己株式および株主資本以外の項目に関する基本的な事項について問う問題である(「企業会計原則」一般原則三、「自己株式基準」3、5、41項および「純資産基準」7項)。
 2は、「企業会計原則注解」に関連させて、「自己株式基準」におけるその他資本剰余金が、分配可能額に含まれることを踏まえて、資本剰余金の利益剰余金への振替禁止の理由を問う問題である(「自己株式基準」38、60項)。
 3は、自己株式の本質に関して、資産として扱う考え方(資産説)と、資本の控除として扱う考え方(資本控除説)が理解できているかを問う問題である(「自己株式基準」30項)。
 4は、保有している自己株式は、純資産の部の株主資本から「自己株式」という表示で一括控除されるが、その理由を問う問題である(「自己株式基準」32項)。
 5は、ストック・オプション等の新株予約権が、純資産の部の株主資本と区別して表示している理由を問う問題である(「純資産基準」32項)。

出題のポイント

〔第三問〕

 本問は、会社法及び会社計算規則の基本的な理解度を広範囲に問うものである。

  1. (1) 金銭債権について、金融商品に関する会計基準における債権区分の考え方と貸倒引当金の設定の理解を問う。
  2. (2) 投資有価証券について、金融商品に関する会計基準における有価証券の評価方法等の理解を問う。
  3. (3) 棚卸資産について、帳簿棚卸高と実地棚卸高の差異についての会計処理の理解を問う。
  4. (4) 有形固定資産について、固定資産の減損に係る会計基準及び資産除去債務に関する会計基準の理解を問う。
  5. (5) 従業員賞与について、支給金額確定の有無及び支給対象期間の有無による会計処理の相違に関する理解を問う。
  6. (6) ポイント引当金について、引当金計上に関する理解を問う。
  7. (7) 社債について、金融商品に関する会計基準における社債の評価方法等の理解を問う。
  8. (8) 増資について、会社法及び会社計算規則による会計処理の理解を問う。
  9. (9) 配当について、会社法及び会社計算規則による会計処理の理解を問う。
  10. (10) 諸税金の処理について、納付税額の処理方法の理解を問う。
  11. (11) 税効果会計について、税効果会計に係る会計基準における繰延税金資産及び繰延税金負債等の処理方法の理解を問う。
  12. (12) 会社法及び会社計算規則に定める貸借対照表及び損益計算書の区分、項目及び名称に関する理解を問う。