ここから本文です。

ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成24年度(第62回)税理士試験出題のポイント>国税徴収法

国税徴収法

出題のポイント

国税徴収法 〔第一問〕

問1

 国税徴収法の目的は、私法秩序との調整を図りつつ、国民の納税義務の適正な実現を通じて国税収入を確保することであるが(徴法1)、この私法秩序との調整を手続的に担保するため、同法には第三者の権利を保護するための各種の措置が設けられている。本問は、この第三者の権利を保護するための措置についての説明を求めるものである。

  1. (1) 質権、抵当権等の第三者の権利の目的となっている財産が差し押さえられた場合には、その第三者は、税務署長に対し、滞納者が他に換価の容易な財産で他の第三者の権利の目的となっていないものを有し、かつ、その財産によりその滞納者の国税の全額を徴収することができることを理由として、その差押換えを請求することができる(徴法50丸1)。
     また、被相続人の国税について相続人の固有財産が差し押さえられた場合には、その相続人は、税務署長に対し、他に換価が容易な相続財産で第三者の権利の目的となっていないものを有しており、かつ、その財産によりその国税の全額を徴収することができることを理由として、その差押換えを請求することができる(徴法51丸2)。
     本問は、これら第三者の権利の目的となっている財産の差押換え及び相続人の固有財産の差押換えの請求についての理解度を問うものである。
  2. (2) 強制換価手続により配当を受けることができる債権者は、交付要求があったときは、税務署長に対し、丸1その交付要求により自己の債権の全部又は一部の弁済を受けることができないこと及び丸2滞納者が他に換価の容易な財産で第三者の権利の目的となっていないものを有しており、かつ、その財産によりその交付要求に係る国税の全額を徴収することができることを理由として、その交付要求を解除すべきことを請求することができる(徴法85丸1)。
     本問は、この交付要求の解除の請求についての理解度を問うものである。

問2

 税務署長等は、震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害により納税者がその財産につき相当な損失を受けた場合において、その者がその損失を受けた日以後1年以内に納付すべき国税でその納期限がその損失を受けた日以後に到来するもののうち一定のものがあるときは、その災害のやんだ日から2月以内にされたその者の申請に基づき、その国税の全部又は一部の納税を猶予することができるとされている(通法46丸1)。
 本問は、この災害を受けた納税者の納期限未到来の国税について、納税の猶予が認められる要件及び期間についての理解度を問うものであり、滞納となっている国税について認められる納税の猶予(通法46丸2)との差異についての正確な理解がポイントとなる。

国税徴収法 〔第二問〕

 国税徴収法は、徴税手続の合理化を図るため、形式的には第三者に財産が帰属する場合であっても、実質的には、納税者にその財産が帰属していると認めても公平を失しないような場合には、形式的な権利の帰属を否認して、私法秩序を乱すことを避けつつ、その形式的に権利が帰属している者に対して補充的に納税義務を負担させるという第二次納税義務の制度を設けている。
 本問は、滞納整理における具体的な設例の下、滞納者の財産について滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められる場合に、国税徴収法上どのような徴収方途が考えられるかを問う総合問題であり、清算人等の第二次納税義務(徴法34丸1)及び無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務(徴法39)の追及という徴収方途を見いだすことができるか、追及する場合における対象者、限度額等についての正確な理解がポイントとなる。