ホーム>調達・その他の情報>税理士試験情報>平成19年度(第57回)税理士試験出題のポイント>出題のポイント
問1 所得税の納税義務者たる個人は居住者と非居住者に区分され、また、居住者は非永住者と非永住者以外の居住者とに区分される。
非永住者以外の居住者は国内及び国外から生ずるすべての所得について所得税が課され、非永住者は国内源泉所得及びこれ以外の所得で国内において支払われ又は国外から送金された所得に対して所得税が課される。また、非居住者は国内源泉所得についてのみ所得税が課される。
居住者は、給与所得及び不動産貸付けに係る不動産所得のいずれも総合課税の方法により課税される。
また、国内に恒久的施設を有しない非居住者は、給与については20%の税率による源泉分離課税により、不動産貸付けによる対価については20%の税率による源泉徴収の上、総合課税により課税される。
なお、国内に恒久的施設を有しない非居住者に係る総合課税の課税標準及び所得税の額の計算は居住者の計算に準ずるが、所得控除については雑損控除、寄付金控除及び基礎控除のみ適用される。
国際間の二重課税防止の観点から、居住者は、外国に納付することとなる所得税額がある場合、その外国所得税額をわが国で納付すべき所得税額から控除する。
本問は、居住者・非居住者の区分、それぞれの課税所得の範囲、課税方法及び外国税額控除制度について、どの程度正確に理解しているか説明を求めるものである。
問2 納税申告書を提出した者で、納付すべきものとして記載した税額に不足額があるときなどの場合には、その申告について更正があるまでは、その申告に係る課税標準等を修正する納税申告書を税務署長に提出することができる。
また、納税申告書を提出した者で、課税標準等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより納付すべき税額が過大であったときなどの場合には、当該申告書に係る法定申告期限から1年以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等につき更正をすべき旨の請求をすることができる。
なお、その申告に係る課税標準等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したときは、その確定した日の翌日から2月以内に更正の請求をすることができる。
本問は、納税者が課税標準等に誤りのあることが分かったときにおける修正申告及び更正の請求について、その相違点を含め、十分理解しているか説明を求めるものである。
問1 所得税法では、所得を10種類に分類した上でこれらの各種所得ごとにその金額を計算し、これを合算して課税標準である総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額を計算することとしている。そして、これらの課税標準を計算する場合に、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、一定の順序によって、これを他の各種所得の金額から控除することとしている(損益通算)。そこで、本問においては、以下の事項を中心に、課税標準及び税額の計算方法を総合的に理解しているかどうかを問うものである。
(1) 事業等に関して収入する金額の所得区分の取扱い
(2) 事業所得の金額の計算上必要経費となる支出の範囲、減価償却費及び繰延資産の償却費の計算
(3) 事業所得の必要経費に算入されない家事費及び家事関連費の取扱い
(4) 総合課税の譲渡所得の金額、分離課税の譲渡所得の金額及び株式等に係る譲渡所得等の金額の区分とその計算方法
(5) 給与所得と退職所得の区分とその計算方法
(6) 山林所得の金額の計算方法
(7) 損益通算の順序
(8) 所得控除と税額控除の計算
問2 給与所得者の多くは、「年末調整」の方法により所得税が精算されるので、確定申告をする必要がないが、給与所得者であっても「給与所得及び退職所得以外の所得金額」が20万円を超える場合には確定申告が必要となる。そこで、本問においては、以下の事項を中心に、給与所得者の確定申告の要否を問うものである。
(1) 確定申告を要しない配当所得の金額の計算
(2) 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算
(3) 総合課税の譲渡所得の金額の計算
(4) 「収用交換等の場合の譲渡所得の特別控除」の適用がある場合の譲渡所得の金額の計算
(5) 「居住用財産の譲渡所得の特別控除」の適用がある場合の譲渡所得の金額の計算