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ホーム調達・その他の情報税理士試験情報平成19年度(第57回)税理士試験出題のポイント>出題のポイント

出題のポイント

簿記論 〔第一問〕

 本問は、修正前・決算整理前の残高試算表を前提にして、未着品を含む商品売買取引、為替予約の振当処理、債権取引、有価証券の分類変更に伴う処理、固定資産の減損処理及び新株予約権付社債の処理等について、それぞれ適切な処理が施せるかを問うている。
 基本的には各問題点ごとに会計処理を行えば、それぞれ独立に設問の解答は得られることとなるが、若干注意を要するものとして、原価率算定の際の売上高と売上原価の金額、債権と貸倒引当金の関数関係の把握、有価証券の分類変更における振替時点の処理及び新株予約権付社債の代用払込の処理等がある。
 なお、設問の最後で関係会社株式に対する持分法の適用を出題しているが、これは連結会計技法に関する処理能力は、現代の会計実務家にとって必要不可欠との趣旨からである。

簿記論 〔第二問〕

 本問では、本支店会計の標準的な手続を取り上げた。すなわち「1本店及び支店による独自の決算 ⇒ 2本店による、企業全体の決算」という一連の流れを理解していれば容易に解答できる問題であり、引っかけ部分や推定部分はない。
 次に本問の特徴を整理しておこう。

(1) 本店及び支店が独自の決算を行う場合、未達事項を整理するか否かがしばしば問題になる。正確な決算のためには未達事項の整理が不可欠であるという強い主張もあるが、支店独立会計制度の主旨は本店及び支店を別個の会計単位とみなし、それぞれの決算に基づいて各店の業績を把握するところにある。その主旨を尊重し、ここでは本店及び支店独自の決算に当たり、未達事項を整理しない方法を採用した。また、それによって計算が簡単になり、解答時間を短縮できるものと考えた。

(2) 資料として本店からの仕入記録を提示した。この記録に基づいて売上原価、商品期末棚卸高及び内部利益を計算する必要がある。

(3) 未達事項についても標準的な内容を出題した。5の出張旅費の立替えについては営業員の出張旅費であることから、一見すると借方は営業費のように思えるが、概算額による支払いであることから借方は仮払金である。

(4) 本支店会計で最もやっかいな部分(初学者が理解しにくい部分)の一つが未達商品と売上原価の関係であろう。本問では、本支店合併財務諸表の作成時点で初めて未達事項を整理するため、若干の配慮が必要になる。具体的に述べると、未達商品は一旦「本店より仕入」勘定に記入する。そうしなければ「本店より仕入」勘定と「支店へ売上」勘定に差異が生じ、内部取引を相殺できなくなるからである。その上で未達商品を「繰越商品」勘定に記入するが、ただし、その相手勘定は「仕入」勘定あるいは「売上原価」勘定でなければならない。もし「繰越商品×× 本店より仕入××」の仕訳をすれば先の2つの勘定間に差異が生じ、内部取引を相殺できなくなるからである。本問では「繰越商品」の相手勘定は「売上原価」となる。

(5) 支店独立会計制度は、それぞれの決算に基づいて業績評価を行うことを前提としている。問5はその関連問題であり、支店長の主張の適否は、全社の一般管理費発生額を売上高あるいは一般管理費控除前の利益額で本支店に配分することで直ちに判定できる。
 なお、一般管理費の配分は本店及び支店独自の決算で配慮すべき事項であり、本支店合併財務諸表(精算表)の作成には無関係である。

簿記論 〔第三問〕

 税理士の実務においては、関与先からの受取資料には過不足があったり、また、その資料には誤った処理や未処理のまま放置されている取引が含まれていたりするということは決して珍しくない。したがって、税理士には、過不足ある資料から必要な情報を探し出し、誤った処理や未処理の取引を見抜き、あるべき会計処理への追加訂正処理を行った上で正規の決算を行う能力が必要とされる。これらを処理する仕訳の大半は、最新の会計知識を必要とするものではなく、基礎的な知識に基づくものである。
 この問題では、このような能力の基礎的部分を試すことをコンセプトとしている。具体的には、数多い資料を分析して、決算整理前残高試算表に含まれる間違いや未処理事項を把握し、その訂正処理や追加処理を行う。その上で決算整理を行って、整理後残高試算表を経由して損益計算書及び貸借対照表を作成するという一連の手続を行うことにより、上記能力を問うことを狙いとしている。
 本問の場合、資料の一項目を見て仕訳を導き出しても正解にはならず、別の資料でその仕訳を訂正することが必要となる設問や、あえて不要な資料を提示している場合等、資料を正確に読み取ることができないと正解できないような問題になっている。しかし、仕訳そのものは平易なものにしており、また、精算表の整理欄を与えているので、それを有効に活用して、一勘定科目に複数の処理事項があっても、混乱無く迅速に整理できることを期待している。


平成19年度(第57回)税理士試験出題のポイント