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ホーム調達・その他の情報税理士制度フォローアップ検討会(平成13年度税理士法改正)>連結納税制度を適用している法人の書面添付等について

フォローアップ検討会

連結納税制度を適用している法人の書面添付等について

1 趣旨

税理士法(以下「法」という。)第33条の2に規定する書面添付制度に基づく事前通知前の意見聴取は、書面を添付した税理士又は税理士法人(以下「税理士等」という。)が申告に当たって計算等を行った事項に関することや、実際の意見聴取に当たって生じた疑問点を解明することを目的として、法第30条に規定する書面(以下「税務代理権限証書」という。)を提出した税理士等に対して行われるものです。
 一方、連結納税制度は連結親法人及び連結子法人の所得や欠損を通算して所得計算を行うなど、連結グループをあたかも一つの法人であるかのように捉えて課税するものであるため、連結納税制度を適用している法人が書面添付制度の適用を受ける場合及び税務代理権限証書を提出する場合には、それぞれ独立した法人格を有する親法人や子法人が個々の税理士と各々税務に関する委任契約を交わしている実態を踏まえ、その取扱いなどについて齟齬のないよう、Q&A形式により取りまとめたものです。

2 Q&A

(問1) 連結納税制度を適用している連結グループの各法人について、税務代理権限証書は各々どのように作成することとなりますか。

(答) 連結グループの各法人に関与する各々の税理士等は、関与先の各法人から個々に税務代理権限証書を得ることとなります。また、これとは別に、例えば連結親法人の関与税理士等が包括的に連結グループ全体の税務代理を行う場合、全法人から税務代理の委任を受ける必要があります。

【解説】
 連結納税制度は、連結親法人及び連結子法人の所得や欠損を通算して所得計算を行うなど、連結グループをあたかも一つの法人であるかのように捉えて課税するものですが、個々の連結親法人又は連結子法人はあくまでも独立した法人格を有しており、連結納税においても連結親法人が申告等の義務、連結子法人が届出等の義務をそれぞれ負うこととされています。
 同様に独立した法人格に基づく権利も有しており、例えば税務代理権限についても基本的に個々の法人と各税理士等との間に委任関係が存在するのであって、仮に連結グループ全体を包括して税務代理を行う税理士等に委任する場合、連結グループの全ての法人から税務代理の委任を受ける必要があります。

(注) この場合の関与税理士等とは、連結所得に対する法人税に関し、税務代理権限証書を提出している税理士等をいいます(以下同じ。)。

(問2) 連結子法人の個別帰属額等の届出に関して税務代理の委嘱を受ける税理士等は、税務代理権限証書を提出する義務がありますか。

(答) 連結子法人の個別帰属額等の届出に関して代理・代行することは、法第2条第1項第1号に規定する税務代理に該当するため、当該代理・代行を行う税理士等は法第30条に規定する税務代理権限証書を提出しなければなりません。

【解説】
 法第2条第1項第1号に規定する税務代理とは、税務官公署に対する申告等若しくは税務官公署の調査等に関して、税務官公署に対し、主張若しくは陳述を代理・代行することを指しますが、これらの税務代理を行う場合、税務代理権限証書を提出しなければならないこととされています(法第30条)。
 したがって、連結子法人の個別帰属額等の届出(法人税法第81条の25)も税務代理に該当することから、当該連結子法人に関与する税理士等は税務代理権限証書を提出しなければなりません。

(問3) 連結確定申告書に、法第33条の2に規定する書面を添付することができますか。

(答) 連結確定申告書には、法第33条の2に規定する書面を添付することができます。

【解説】
 法第33条の2に規定する書面とは、申告書を作成又は審査したときに、計算又は審査した事項等を記載し、当該申告書に添付することができることとされている所定の書面であり、この場合の申告書とは、国税通則法第16条第1項第1号に掲げる申告納税方式等による租税の課税標準等を記載したものとされています。
 一方、連結確定申告書は、連結所得に対する法人税の課税標準等を記載したもの(法人税法第81条の22)であることから、連結親法人の税理士等が当該申告書を作成又は審査したときは、法第33条の2に規定する書面を添付することができます。

(問4) 連結子法人が提出する「個別帰属額等の届出書」には、法第33条の2に規定する書面を添付することができますか。

(答) 連結子法人が提出する「個別帰属額等の届出書」には、法第33条の2に規定する書面を添付することはできません。

【解説】
 連結子法人が提出する「個別帰属額等の届出書」(法人税法第81条の25)は、連結子法人の個別所得金額や連結法人税の個別帰属額等を記載したものですが、連結所得に対する法人税の課税標準等を記載したものではありません。
 したがって、「個別帰属額等の届出書」は、国税通則法第16条第1項第1号に掲げる申告納税方式等による租税の課税標準等を記載したものとはいえず、ここでいう申告書には該当しないことから、法第33条の2に規定する書面を添付することはできません。
 なお、税理士等が連結確定申告書の作成に当たって、連結子法人の個別所得金額等に関し、計算、整理した事項がある場合には、法第33条の2に規定する書面に記載して連結確定申告書に添付することができます。

(問5) 連結所得に対する法人税に関し、連結法人に事前に通知して帳簿書類の調査が行われる場合、法第34条に規定する関与税理士等に対する調査の事前通知はどのように行われますか。

(答) 連結所得に対する法人税に関し、

  1. 1 連結親法人に対する調査を行う場合には、連結親法人の関与税理士等
  2. 2 連結親法人及び連結子法人に対する調査を行う場合には、連結親法人及び当該連結子法人の関与税理士等
  3. 3 連結親法人に対する調査に先立って連結子法人に対する調査を行う場合には、連結親法人及び当該連結子法人の関与税理士等

 に調査の事前通知が行われます。

【解説】
 法第34条は、「租税の課税標準等を記載した申告書を提出した者について、当該申告書に係る租税に関しあらかじめその者に日時場所を通知してその帳簿書類を調査する場合において、当該租税に関し法第30条の規定による書面を提出している税理士があるときは、あわせて当該税理士に対しその調査の日時場所を通知しなければならない」と規定しています。
 一方、連結納税制度は、連結親法人が連結グループの所得(連結所得)に対する法人税の課税標準等を一の申告書(連結確定申告書)に記載して法人税の申告・納税を行うものであるため、連結子法人に係る帳簿書類の調査(個別帰属額等の届出書に係る調査)については、連結確定申告書を提出した連結親法人及び個別帰属額等の届出書を提出した連結子法人に対して行われることとなります。
 したがって、連結子法人の帳簿書類の調査を行う場合に連結親法人に事前に通知するときは、あわせて連結親法人の関与税理士等に事前通知を行い、更に、連結子法人に事前に通知する場合には、あわせて連結子法人の関与税理士等に対しても、事前通知を行います。
 また、連結親法人に対する法人税の調査に着手した後に連結子法人に対する調査を行う場合には、あわせて連結子法人の関与税理士等に対して連結子法人に対して調査することをあらかじめ通知します。
 なお、連結子法人の所轄部署の職員が連結子法人に対して法人税の調査を行う場合、通常、消費税等についてもあわせて調査を行うことから、消費税等に関して法第30条の規定による書面を提出している税理士等があるときは、当該関与税理士等にも事前通知を行います。

(問6) 連結所得に対する法人税に関し、連結法人に事前に通知して帳簿調査を行う場合、連結確定申告書に法第33条の2に規定する書面が添付されていたときには、法第35条に規定する意見聴取はどのように行われますか。

(答) 法第35条に規定する意見聴取については、次のいずれの場合であっても、連結親法人の関与税理士等に対し、意見を述べる機会が与えられることとなります。

  1. 1 連結親法人に対する調査を行う場合
  2. 2 連結親法人及び連結子法人に対する調査を行う場合
  3. 3 連結親法人に対する調査に先立って、連結子法人に対する調査を行う場合

【解説】
 法第35条は、「法第33条の2に規定する書面が添付されている申告書を提出した者について、当該申告書に係る租税に関し、事前に通知してその帳簿書類を調査する場合において、当該通知をする前に、法第30条の書面を提出している税理士に対し、意見を述べる機会を与えなければならない」と規定しています。
 一方、連結納税制度は、連結親法人が連結グループの所得(連結所得)に対する法人税の課税標準等を一の申告書(連結確定申告書)に記載して法人税の申告・納税を行うものであるため、連結子法人への帳簿書類の調査(個別帰属額等の届出書に係る調査)は、連結確定申告書を提出した連結親法人に対して行われることとなります。
 したがって、連結子法人に対する調査に際して、連結確定申告書に法第33条の2に規定する 書面が添付されている場合、法第35条の規定により事前通知をする前に、連結親法人の関与税理士等に対し、当該添付書面に記載された事項に関して意見を述べる機会を与えなければなりません。

(注) 連結子法人の消費税申告書に法第33条の2に規定する書面が添付されていたときは、当該書面に記載された事項に関し、連結子法人の関与税理士等に対し、意見を述べる機会を与えなければなりません。

(問7) 連結納税制度において、連結親法人が連結子法人の個別帰属額等の届出書を作成することは、法第52条に違反しませんか。
また、連結子法人が連結親法人の連結確定申告書や他の連結子法人の個別帰属額の届出書を作成することは、法第52条に違反しませんか。

(答) 連結親法人が自己の税務書類を作成する上で派生的に連結子法人の個別帰属額等の届出書が作成される場合は、法第52条に違反しません。しかし、連結子法人が、連結親法人の連結確定申告書や他の連結子法人の個別帰属額の届出書を作成することは、他人の求めに応じて税務書類の作成を行うこととなり、法第52条に違反することとなります。

【解説】
 法第52条は、税理士等でない者は、別段の定めがある場合を除き、税理士業務を行ってはならない旨を規定しています。
  一方、連結納税制度は、連結親法人が連結グループの所得(連結所得)に対する法人税の課税標準等を一の申告書(連結確定申告書)に記載して法人税の申告・納税を行うものであり、当該連結確定申告書には、連結親法人及び連結子法人の貸借対照表及び損益計算書、損益金の処分表、勘定科目内訳明細書並びに個別帰属額等を計算したものなどの書類を添付しなければなりません。また、連結子法人は、個別帰属額等の届出書(内容的には、連結親法人が作成した個別帰属額等を計算したものと同じ。)を提出しなければなりません(連結親法人:法人税法施行規則第37条の12第4号。連結子法人:同規則第37条の16、第37条の17)。
 通常、連結親法人が個別帰属額等を計算したもの(多くの場合、各連結子法人の個別帰属額等の届出書をもってこれに当てることが想定される。)を作成するにあたって、必然的に個別帰属額等の届出書が作成され、当該写しが各連結子法人に交付されると考えられますが、この場合、連結親法人が自らの必要性によって作成した計算書類が、連結子法人が提出すべき個別帰属額等の届出書を兼ねることができるわけですから、法第52条の規定に違反しません。
 しかし、同一連結グループであっても、これらの法人はそれぞれ独立した法人格を有するものであり、連結確定申告書は連結親法人が、個別帰属額等の届出書は各連結子法人が提出しなければならないこととされていることから、連結子法人が連結親法人の連結確定申告書や他の連結子法人の個別帰属額等の届出書を作成することは、他人の求めに応じて税務書類の作成を行うこととなり、法第52条に違反することとなります。

(注) 消費税に関しては、連結親法人又は連結子法人は、それぞれ別個に独立した納税義務者となることから、連結親法人が連結子法人の消費税申告書などの税務書類を作成し提出することは、他人の求めに応じて税務書類の作成を行うこととなり、法第52条に違反することとなります。

(問8) 連結納税制度を適用している法人の関与税理士等が法第33条の2に定める書面や法第30条に定める書面(税務代理権限証書)を作成する際、一般の法人と違う記載をする必要がありますか。

(答) 特に法令に規定はありませんが、連結納税制度を適用している法人については、前問までに記載した事項等が円滑に取り扱われるよう、連結納税制度を適用している法人である旨を表示するなど、次の点に留意して記載する必要があります。

【解説】

  • ○ 法第33条の2に定める書面
    1. 1 標題
      法人税 連結確定申告書 (○年分・○年○月○日〜○年○月○日事業年度分・ )に係る・・
    2. 2 「依頼者」欄
       連結親法人の名称及び所在地を記載します。
    3. 3 「1 自ら作成記入した帳簿書類に記載されている事項」欄〜「5 その他」欄
       帳簿書類等について、特段の注記等を行わない場合、原則として連結親法人の帳簿書類等ないし連結申告に共通する帳簿書類等を指すものとして取り扱います。なお、包括的に連結グループ全体の税務代理の委任を受けている税理士等が特定の連結子法人に固有に帰属する帳簿書類等について記載する場合には、「連結子法人○○の○○台帳」などと記載することに留意する必要があります。

    * 第十号様式の位置付け
    連結親法人の関与税理士等が作成した申告書について、連結親法人から相談を受けてこれを審査した子法人の関与税理士等が記載する場合に使用します。なお、この場合、連結親法人から一定の委任を受ける必要があることに留意する必要があります。

  • ○ 法第30条に定める書面(税務代理権限証書)
    1. 1 「依頼者」欄
      連結親法人の名称及び所在地を記載します。
       (連結子法人の個別帰属額等の届出や消費税・源泉所得税に関して税務代理の委任を受ける当該連結子法人の関与税理士が提出する場合、連結子法人の名称及び所在地を記載します。)
    2. 2 「税目欄」
       法人税
    3. 3 「その他の事項」欄
       連結親法人に関する税務代理の委任を受けている場合には特にその旨を記載する必要はありませんが、連結子法人の個別帰属額等の届出に関して税務代理の委任を受けている場合、「連結子法人○○の個別帰属額等の届出に関する税務代理に限る。」などと記載します。