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4 税理士法人が遵守すべき税理士法上の義務等と処分

問4-1 税理士法人が遵守すべき税理士法上の義務等には、どのようなものがありますか。

答 税理士法人は、税理士業務を組織的に行うことを目的として、税理士が共同して設立した法人である(法第48条の2)ことから、税理士業務を行う際の税理士の義務等に関する法の規定については、自然人としての税理士に関するものを除き、税理士法人にも適用することとされ、税理士に関する規定が準用されています(法第48条の16)。また、税理士及び税理士法人の両者を対象とした義務に関する規定が設けられているほか、税理士法人のみを対象とした義務に関する規定も設けられています。
 これらの税理士法人が遵守すべき税理士法上の義務等を例示すると、以下のとおりとなります。

【税理士法人が遵守すべき主な税理士法上の義務等】

  • 1 税理士の使命(法第1条)
  • 2 税務代理の権限の明示(法第30条)
  • 3 特別の委任を要する事項(法第31条)
  • 4 脱税相談等の禁止(法第36条)
  • 5 信用失墜行為の禁止(法第37条)
  • 6 非税理士に対する名義貸しの禁止(法第37条の2)
  • 7 会則を守る義務(法第39条)
  • 8 事務所の設置(法第40条)
  • 9 帳簿作成の義務(法第41条)
  • 10 使用人等に対する監督義務(法第41条の2)
  • 11 助言義務(法第41条の3)
  • 12 成立の届出(法第48条の10第1項)
  • 13 社員の常駐(法第48条の12)
  • 14 定款の変更(法第48条の13第2項)
  • 15 業務の執行方法(法第48条の15)
  • 16 解散の届出(法第48条の18第3項)
  • 17 合併の届出(法第48条の19第3項)

(注)通知弁護士法人は、税理士業務を行う範囲において税理士法人とみなされて、次に掲げる税理士法上の義務等の規定が適用されます(法第51条第4項)。

【通知弁護士法人が遵守すべき主な税理士法上の義務等】

  • 1 税理士の使命(法第1条)
  • 2 税務代理の権限の明示(法第30条)
  • 3 特別の委任を要する事項(法第31条)
  • 4 署名押印の義務(法第33条)
  • 5 脱税相談等の禁止(法第36条)
  • 6 信用失墜行為の禁止(法第37条)
  • 7 非税理士に対する名義貸しの禁止(法第37条の2)
  • 8 帳簿作成の義務(法第41条)
  • 9 使用人等に対する監督義務(法第41条の2)
  • 10 助言義務(法第41条の3)

【参考法令等】

  • 法第1条、第30条、第31条、第33条、第36条から第37条の2、第39条、第40条から第41条の3、第48条の10第1項、第48条の12、第48条の13第2項、第48条の15、第48条の16、第48条の18第3項、第48条の19第3項

問4-2 税理士法人に対する処分は、どのような場合に行われ、どのような内容となるのですか。

答 法第48条の20第1項は、法第44条から第46条までにおいて自然人である税理士に対して懲戒処分の規定が定められていることとのバランスを踏まえ、「財務大臣は、税理士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その税理士法人に対し、戒告し、若しくは2年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は解散を命ずることができる。」と規定しています。
 また、法第48条の20第4項においては、同条第1項の規定により税理士法人を処分する場合において、その税理士法人の社員又は使用人である税理士(以下「社員等」といいます。)につき「法第45条又は第46条に該当する事実があるときは、その社員等である税理士に対し、懲戒処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない」こととされており、不正行為を行った社員等に対しても、その個人の税理士としての行為について懲戒処分を行うことができることとされています。
 法第48条の20に該当する場合については、告示において以下のとおり対象となる行為を例示しており、これらの行為をした場合の処分の量定は、法第48条の20及び告示の規定に基づき、次の1から9までのとおりとされています(問3−5参照)。

  • 1 法第48条の10(成立の届出等)、第48条の13(定款の変更)、第48条の18(解散)又は第48条の19(合併)に規定する届出をしなかったとき(法第48条の10、法第48条の13第2項、法第48条の18第3項、又は法第48条の19第3項違反)
     この場合の処分の量定は、戒告となります。
  • 2 自己脱税(法第48条の16において準用する法第37条違反)
     この場合の処分の量定は、不正所得金額等の額に応じて、2年以内の業務の全部若しくは一部の停止又は解散となります。
  • 3 多額かつ反職業倫理的な自己申告漏れ(法第48条の16において準用する法第37条違反)
     この場合の処分の量定は、申告漏れ所得金額等の額に応じて、戒告又は2年以内の業務の全部若しくは一部の停止となります。
  • 4 税理士会の会費の滞納(法第48条の16において準用する法第37条違反)
     この場合の処分の量定は、戒告となります。
  • 5 帳簿作成の義務違反(法第48条の16において準用する法第41条違反)
     この場合の処分の量定は、戒告となります。
  • 6 使用人等に対する監督義務違反(法第48条の16において準用する法第41条の2違反)
     この場合の処分の量定は、戒告又は1年以内の業務の全部若しくは一部の停止となります。
  • 7 業務の全部又は一部の停止の処分を受け、その処分に違反して業務を行ったとき(法第48条の20該当)
     この場合の処分の量定は、解散となります。
  • 8 上記以外の場合で法又は法に基づく命令に違反したとき(法第48条の20該当)
     この場合の処分の量定は、戒告、2年以内の業務の全部若しくは一部の停止又は解散となります。
  • 9 税理士法人の運営が著しく不当と認められるとき(法第48条の20該当)
     この場合の処分の量定は、次のとおりとなります。
    • イ 社員税理士に法第45条又は法第46条に規定する行為があった場合(上記2から4まで及び8に該当する場合を除きます。)は、その行為を行った社員税理士の量定(複数の社員税理士が関与している場合には、それぞれの量定を合計した量定)に応じて、戒告、2年以内の業務の全部若しくは一部の停止又は解散となります。
    • ロ 上記イ以外の場合で運営が著しく不当と認められるときは、戒告、2年以内の業務の全部若しくは一部の停止又は解散となります。

(注)通知弁護士法人は、税理士業務を行う範囲において税理士法人とみなされて、法第48条の20(解散の命令に関する部分を除きます。)の規定が適用されます(法第51条第4項)。

具体事例

  • ○ 社員税理士が故意に不真正の税務書類の作成を行い、かつ、税理士法人の運営が著しく不当である場合

社員税理士に対する懲戒処分

税理士法人に対する処分

(事例26)税理士法人Aの社員税理士甲は、税理士法人Aの関与先である法人Bの消費税の確定申告に当たり、法人Bの代表者乙から消費税の納付税額を少なくしてほしい旨の依頼を受け、課税仕入れとならない給与支払を外注費と仮装することにより、消費税額等を不正に圧縮した真正の事実に反する申告書を作成した。
 なお、税理士法人Aの社員税理士丙は、甲が行った不正行為を乙から知らされ認識していた。
 また、税理士法人Aにおいては、業務管理のための規定等が作成されていないほか、社員等の業務の遂行状況についてチェックする体制が構築されていないなど、業務運営の適正を確保するための内部規律や内部管理体制が整備されていなかった。

【解説】社員税理士甲は、外注費が架空であることを認識していながら、これを計上して申告書を作成したことから、法第45条第1項に規定する「故意に真正の事実に反して税務書類の作成をした場合」に該当します(告示2第1の1(1))。
 社員税理士丙は、社員税理士甲の不正行為を認識していることから、社員税理士丙もその不正行為を行ったものとして、法第45条第1項に規定する「故意に真正の事実に反する税務書類の作成をした場合」に該当します(告示1第2の2(1))。
 税理士法人Aは、その社員税理士である甲が不正行為を行っており、社員等の業務の遂行状況についてチェックする体制が構築されていないなど内部規律や内部管理体制が整備されていないことから、その運営が著しく不当と認められます(告示2第2の2(1))。

【参考法令等】

  • 法第37条、第41条、第41条の2、第45条第1項、第48条の10、第48条の13、第48条の15、第48条の18、第48条の19、第48条の20、第51条第4項
  • 告示1第2の2(1)、2第2