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平成23年3月24日
国税庁

災害に関する主な税務上の取扱いについて

 災害に関して法人や事業を営む個人が支出する費用などの現行の主な税務上の取扱いについては、次のとおりとなっていますので、ご参考にしてください(取扱いの詳細は、それぞれの法令、通達をご覧ください。)。

【次の項目部分をクリックすると該当部分にジャンプします】
法人税及び所得税共通 法人税関係 所得税関係
相続・贈与税関係 印紙税関係 自動車重量税関係

法人税及び所得税共通

(1) 災害により滅失・損壊した資産等

法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます。
 なお、事業を営む個人の有する事業用資産についても、同様となります。

  1. 1 商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失の額
  2. 2 損壊した資産の取壊し又は除去のための費用の額
  3. 3 土砂その他の障害物の除去のための費用の額

(法人税法第22条第3項所得税法第37条第1項第51条第1項)

(2) 復旧のために支出する費用

 法人が、災害により被害を受けた固定資産(以下「被災資産」といいます。)について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります。

  1. 1 被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。
  2. 2 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用について、修繕費とする経理をしているときは、この処理が認められます。
  3. 3 被災資産について支出する費用(1又は2に該当するものを除きます。)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められます。

 なお、これらの取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。

(法基通7−8−6所基通37−1137−12の237−14の2)

(注) 法人が災害により被害を受けた製造設備に対して支出する修繕費用等について、企業会計上、適正な原価計算に基づいて原価外処理(費用処理)をしているときは、税務上もこの処理が認められます。

(3) 従業員等に支給する災害見舞金品

法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として損金の額に算入されます。
 また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、同様に損金の額に算入されます。
 なお、事業を営む個人においても同様に取り扱われます。

(措通(法)61の4(1)−10(2)61の4(1)−18(4) )

(4) 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等

法人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、同業団体等から賦課され、拠出する分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます。
 なお、この取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。

(法基通9−7−15の4所基通37−9の6)

法人税関係

(5) 取引先に対する災害見舞金等

 法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。

(措通(法)61の4(1) −10の3)

(6) 取引先に対する売掛金等の免除等

法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は寄附金又は交際費等以外の費用として損金の額に算入されます。
 また、既契約のリース料、貸付利息、割賦代金の減免を行う場合及び災害発生後の取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様に取り扱われます。

 (法基通9−4−6の2措通(法)61の4(1) −10の2)

(7) 取引先に対する低利又は無利息による融資

 法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として低利又は無利息による融資を行った場合における通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額は、寄附金に該当しないものとされます。

(法基通9−4−6の3)

(8) 自社製品等の被災者に対する提供

 法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されます。

(法基通9−4−6の4措通(法)61の4(1) −10の4)

(9) 災害による損失金の繰越し

 法人の各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額のうち、棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係るもの(災害損失欠損金額)がある場合には、その事業年度が青色申告書を提出しなかった事業年度であっても、その災害損失欠損金額に相当する金額は、その各事業年度において損金の額に算入されます。

(法人税法第58条第1項)

所得税関係

(10) 個人が支払を受ける災害見舞金

 個人が支払を受ける災害見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、課税しないものとされています。

(所基通9−23)

(11) 低利又は無利息により生活資金の貸付けを受けた場合の経済的利益

 災害により臨時的に多額な生活資金を要することとなった役員又は使用人が、使用者からその資金に充てるために低利又は無利息で貸付けを受けた場合に、その返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける利息相当額の経済的利益は、課税しなくて差し支えないこととされています。

(所基通36−28(1) )

(12) 被災事業用資産の損失の繰越し

 事業を営む個人のその年の前年以前3年内の各年において生じた純損失の金額のうち、棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係るもの(被災事業用資産の損失の金額)がある場合には、その損失の生じた年分が青色申告書を提出しなかった年分であっても、その被災事業用資産の損失の金額に相当する金額は、その年分の総所得金額等の計算上控除することとされています。

(所得税法第70条第2項)

相続・贈与税関係

(13) 農地等に係る納税猶予の特例の継続適用

相続税又は贈与税における「農地等に係る納税猶予の特例」の適用を受けている農地等が、農業に使用されなくなった場合には、納税が猶予されていた一定の税額を納付しなければならないこととされています。
 しかし、その農地等が、例えば建築資材の置き場に使用されるなど、災害のためにやむを得ず一時的に農業に使用されなくなった場合には、その土地は農業に使用しているものとして特例の適用が継続されます。

(措通(相)70の4−1270の6−13の3)

印紙税関係

(14) 災害義援金の受取書

新聞社、放送局等が、災害援助を目的として一般から広く義援金を募集する場合、災害義援金の受領事実を証明するために作成する受取書は、課税しないことに取り扱われます。
 なお、金融機関が災害義援金の振込依頼を窓口等で受け付けた際に作成する受取書で次のいずれにも該当するものについても同様に取り扱われます。

  1. 1 振込手数料が無料であること
  2. 2 振込先が広く一般に災害義援金を募っている団体等であること
  3. 3 災害義援金の振込金受取書であることがその文書上明らかにされていること

(印基通別表第1第17号文書33)

自動車重量税関係

(15) 被災自動車に係る自動車重量税の還付

自動車の販売業者又は自動車分解整備事業者が、自動車の使用者のために自動車検査証(車検証)の交付等又は車両番号の指定を受ける目的で保管している自動車のうち、自動車重量税を納付して車検証の交付等又は車両番号の指定を受けた後、被災により走行の用に供されることなく使用が廃止されたものについては、納付した自動車重量税の還付を受けることができます。
 なお、既に走行の用に供していた自動車については、使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)等に基づき適正に解体された場合には、還付される制度があります。

(災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律第8条租税特別措置法第90条の13)

(注) カッコ内の略語は、次のとおりです。

  • 法基通………法人税基本通達
  • 所基通………所得税基本通達
  • 印基通………印紙税法基本通達
  • 措通(法)……租税特別措置法関係通達(法人税編)
  • 措通(相)……租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて

※ 災害を受けた場合の取扱いについては、上記のほかにも、国税庁ホームページのタックスアンサーにて、ご案内しておりますので、そちらもご参考にしてください。

 災害に関する税務上の取扱いについて、お知りになりたいことがありましたら、電話相談センターをご利用ください。電話相談センターのご利用は、所轄の税務署にお電話いただき、自動音声にしたがって番号「1」を選択してください。なお、個別的なご相談については、番号「2」を選択して、所轄の税務署へご相談ください。