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官総8−103
直所1−90
昭和38年12月3日

国税局長 殿

国税庁長官

小企業納税者の税務指導について

標題の件については、去る10月30日に全国青色申告会総連合、日本税理士会連合会および当庁との間において協議が成立し、その趣旨にそつて各地において事実上それぞれの地域に則した指導態勢がとられつつあることと思うが、協議決定された了解事項(別紙1)に基づく「小企業納税者に対する税務指導要領」が今回別紙2のとおり三者間において了解に達したので、この旨了解されたい。
 なお、実施の細目は、各局、署において、それぞれ現地の実情に即して青色申告会および税理士会と協議のうえ決定し、可及的速かに実施するよう万全の措置を講ぜられたい。
 おつて、日本税理士会連合会においても、別紙3のとおり、各単位会に対して、局、署に対する全面的な協力方指示済であるので、申し添える。


別紙1

小企業納税者に対する税務指導に関する了解事項

 我が国の申告納税制度は、納税者自身による申告の他には、税理士の関与、青色申告会の指導、税務署の納税相談によつて支えられてきたが、特に小企業納税者については、記帳から申告までの一貫した積極的な指導に欠けるところがあつた。
 このようなことは、申告納税制度の今後の健全な発展の上からみて好ましくないので、この際、これらの納税者のために、税のよき相談の場を提供し、記帳から申告に至る一貫した、かつ、継続的な指導を行うことが特に必要であり、これはまたこれらの納税者の求めるところでもあると思われる。
 このような目的にそい、小企業納税者の要望に応えるため、全国青色申告会総連合、日本税理士会連合会および国税庁は、下記の施策を行うことを了解する。

1 全国青色申告会総連合および日本税理士会連合会は、その組織を通じ青色申告会の機能および税理士の職能に応じて相協力し、その地の実情に即した方法により、小企業納税者に対する記帳、決算から申告に至るまでの一貫した指導(特に必要がある場合は記帳代行を含む)を可及的速かに実施する。

2 国税庁は、上記の施策に対しできる限りの支援、協力を行う。
 また、関係機関を通じて特殊法人たる商工会議所および商工会に対して協力を求める。

3 全国青色申告会総連合および日本税理士会連合会ならびに国税庁は上記1の円滑な実現を図るため、それぞれの組織を通じ、必要に応じ協議会を設け諸般の問題を協議する。

昭和38年10月30日
全国青色申告会総連合会長 林慶之助
日本税理士会連合会会長 前田幸蔵
国税庁長官 木村秀弘


別紙2

小企業納税者に対する税務指導要領

1 方針
 小企業納税者に税に関する知識を普及するとともに、記帳方法の指導、決算書作成の指導援助、申告書作成等申告納税に必要な諸手続の履行について、低廉な費用で、具体的な援助を与え、とかく小企業納税者がいだきがちな税に対する不安とい怖感を払拭し、自主申告制度の本姿の実現に寄与することを目的とする。

2 要領

(1) 小企業納税者に対する納税指導は、できるだけ低廉な費用で行なう。

(2) 税務指導は青色申告者に限定せず、広く白色申告者も対象とする。
 なお、青色申告会及び税理士会は、相互に相手の立場を尊重し、税理士の職域の拡大と税務指導をうける納税者の数の増大確保に努める。

(3) 小企業納税者に対する税務指導の必要性については、地域により緩急があるので、緊急を要する地域から早急に着手し、重点的に実施する。

(注) 緊急を要する地域以外の地域においても、昭和38年分の確定申告期、または昭和39年分の記帳開始期までには税務指導が行える体制をとれることが望ましい。

(4) 協力方法は地域ごとの協議会において協議して定めることとするがこの場合次の点に留意する。

(イ) 協力は、それぞれの組織を通じて行なう。

(ロ) 税理士は、無料ないしできるだけ低廉な費用で税務指導に協力する。

(ハ) 協力の方法は、その地域の実状に即した方法による。

(5) 国税庁は、税務指導を行う民間団体の職員に対する税務研修を積極的に援助しその資質の向上に努める。

(注) 研修会場の供与、講師の派遣を行う。

(6) 中小企業庁と協議し、特殊法人たる商工会議所および商工会の協力をうける。

3 協議会の設置

(1) 協議会は、庁、局、署の各段階に設け、了解事項の線にしたがつて具体的に協力する。
 協議会は定期または随時に開催するが状況に応じ商工会議所、商工会、地方公共団体、納税貯蓄組合の参加を求める。

(2) 現地で協議が整わないときは、上部の協議会でさらに協議する。この場合全国青色申告会総連合および日本税理士会連合会の指導を期待する。


別紙3

日連総38第141号
昭和38年11月30日

税理士会長 殿

日本税理士会連合会
会長  前田幸蔵

三者了解事項にもとづく地区協議会への参画について

 昭和38年10月30日付をもつて、全国青色申告会総連合、日本税理士会連合会および国税庁との間に小企業納税者に対する税務指導について、別紙のとおり了解事項が成立しましたが、これにもとづく実施要綱(別紙)が協議決定しました。
 本要綱はあくまで、現地事情を主体とし、その実体に即応した適切な運営を期待し、具体的な細目の決定は、地区協議会の協議に一任し、大綱のみを示したものであります。
 今回の施策の意義を充分理解され、地区協議会に積極的参画されると共に、傘下支部、部会等に対しても本施策の徹底と可及的速やかに実施できる態勢の確立に各段のご協力をお願いします。
 なお、協議会は、庁、局、署の各段階に設置され、現地協議会で了解に至らないときは、局協議会で、局協議会で調整のできないときは庁協議会で調整する。
 庁協議会でもなお調整のできないときは国税庁において適宜な措置をとることも想定されるので、かかる事態のおこらないよう充分な協議と理解をされるよう期待します。