ここから本文です。

ホーム税について調べる法令解釈通達相続税関係 個別通達目次>相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて

課資2-58(例規)
直評9
昭和60年6月5日

〔改正〕平成3年12月18日 課資2-51
平成17年5月31日 課資2-4

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて

標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。

(趣旨)

 借地権の設定された土地について権利金の支払に代え相当の地代を支払うなどの特殊な場合の相続税及び贈与税の取扱いを定めたものである。
 したがって、借地権の設定に際し通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域において、通常の地代(その地域において通常の賃貸借契約に基づいて通常支払われる地代をいう。)を支払うことにより借地権の設定があった場合又は通常の地代が授受されている借地権若しくは貸宅地の相続、遺贈又は贈与があった場合には、この通達の取扱いによることなく、相続税法基本通達及び相続税財産評価に関する基本通達等の従来の取扱いによるのであるから留意する。

(相当の地代を支払って土地の借受けがあった場合)

1 借地権(建物の所有を目的とする地上権又は賃借権をいう。以下同じ。)の設定に際しその設定の対価として通常権利金その他の一時金(以下「権利金」という。)を支払う取引上の慣行のある地域において、当該権利金の支払に代え、当該土地の自用地としての価額に対しておおむね年6%程度の地代(以下「相当の地代」という。)を支払っている場合は、借地権を有する者(以下「借地権者」という。)については当該借地権の設定による利益はないものとして取り扱う。
 この場合において、「自用地としての価額」とは、昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」(以下「評価基本通達」という。)25((貸宅地の評価))の(1)に定める自用地としての価額をいう(以下同じ。)。
 ただし、通常支払われる権利金に満たない金額を権利金として支払っている場合又は借地権の設定に伴い通常の場合の金銭の貸付けの条件に比し特に有利な条件による金銭の貸付けその他特別の経済的な利益(以下「特別の経済的利益」という。)を与えている場合は、当該土地の自用地としての価額から実際に支払っている権利金の額及び供与した特別の経済的利益の額を控除した金額を相当の地代の計算の基礎となる当該土地の自用地としての価額とする。

(注)

1 相当の地代の額を計算する場合に限り、「自用地としての価額」は、評価基本通達25((貸宅地の評価))の(1)に定める自用地としての価額の過去3年間(借地権を設定し、又は借地権若しくは貸宅地について相続若しくは遺贈又は贈与があった年以前3年間をいう。)における平均額によるものとする。

2 本文のただし書により土地の自用地としての価額から控除すべき金額があるときは、当該金額は、次の算式により計算した金額によるのであるから留意する。

(算式)
その権利金または特別の経済的な権利の額×当該土地の自用地としての価値÷借地権の設定時における当該土地の通常の取引価格

(相当の地代に満たない地代を支払って土地の借受けがあった場合)

2 借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域において、当該借地権の設定により支払う地代の額が相当の地代の額に満たない場合、借地権者は、当該借地権の設定時において、次の算式により計算した金額から実際に支払っている権利金の額及び供与した特別の経済的利益の額を控除した金額に相当する利益を土地の所有者から贈与により取得したものとして取り扱う。

(算式)
自用地としての価値×ちゅうかっこ借地権割合×(1−実際に支払っている地代の年額−通常の地代の年額)ちゅうかっこ閉じる
 上記の算式中の「自用地としての価額」等は、次による。

(1) 「自用地としての価額」は、実際に支払っている権利金の額又は供与した特別の経済的利益の額がある場合に限り、1((相当の地代を支払って土地の借受けがあった場合))の本文の定めにかかわらず、借地権の設定時における当該土地の通常の取引価額によるのであるから留意する。

(2) 「借地権割合」は、評価基本通達27((借地権の評価))に定める割合をいう。

(3) 「相当の地代の年額」は、実際に支払っている権利金の額又は供与した特別の経済的利益の額がある場合であっても、これらの金額がないものとして計算した金額による。

(注) 通常権利金を支払う取引上の慣行のある地域において、通常の賃貸借契約に基づいて通常支払われる地代を支払うことにより借地権の設定があった場合の利益の額は、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる金額によるのであるから留意する。

(1) 実際に支払っている権利金の額又は供与した特別の経済的利益の額がない場合 評価基本通達27((借地権の評価))により計算した金額

(2) 実際に支払っている権利金の額又は供与した特別の経済的利益の額がある場合 通常支払われる権利金の額から実際に支払っている権利金の額及び供与した特別の経済的利益の額を控除した金額

(相当の地代を支払っている場合の借地権の評価)

3 借地権が設定されている土地について、相当の地代を支払っている場合の当該土地に係る借地権の価額は、次によって評価する。

(1) 権利金を支払っていない場合又は特別の経済的利益を供与していない場合 零

(2) (1)以外の場合 原則として2((相当の地代に満たない地代を支払って土地の借受けがあった場合))に定める算式に準じて計算した金額

(相当の地代に満たない地代を支払っている場合の借地権の評価)

4 借地権が設定されている土地について、支払っている地代の額が相当の地代の額に満たない場合の当該土地に係る借地権の価額は、原則として2((相当の地代に満たない地代を支払って土地の借受けがあった場合))に定める算式に準じて計算した金額によって評価する。

(「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の価額)

5 借地権が設定されている土地に ついて、平成13年7月5日付課法3-57ほか11課共同「法人課税関係の申請、届出等の様式の制定について」(法令解釈通達)に定める「土地の無償返還に関する届出書」(以下「無償返還届出書」という。)が提出されている場合の当該土地に係る借地権の価額は、零として取り扱う。(平成17課資2-4 改正)

(相当の地代を収受している場合の貸宅地の評価)

6 借地権が設定されている土地について、相当の地代を収受している場合の当該土地に係る貸宅地の価額は、次によって評価する。

(1) 権利金を収受していない場合又は特別の経済的利益を受けていない場合
 当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額

(2) (1)以外の場合
 当該土地の自用地としての価額から3((相当の地代を支払っている場合の借地権の評価))の(2)による借地権の価額を控除した金額(以下この項において「相当の地代調整貸宅地価額」という。)
 ただし、その金額が当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額を超えるときは、当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額

(注) 上記(1)及び(2)のただし書に該当する場合において、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対し土地を貸し付けている場合においては、昭和43年10月28日付直資3-22ほか2課共同「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」通達(以下「43年直資3-22通達」という。)の適用があることに留意する。
 この場合において、上記(2)のただし書に該当するときは、43年直資3-22通連中「自用地としての価額」とあるのは「相当の地代調整貸宅地価額」と、「その価額の20%に相当する金額」とあるのは「その相当の地代調整貸宅地価額と当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額との差額」と、それぞれ読み替えるものとする。

(相当の地代に満たない地代を収受している場合の貸宅地の評価)

7 借地権が設定されている土地について、収受している地代の額が相当の地代の額に満たない場合の当該土地に係る貸宅地の価額は、当該土地の自用地としての価額から4((相当の地代に満たない地代を支払っている場合の借地権の評価))に定める借地権の価額を控除した金額(以下この項において「地代調整貸宅地価額」という。)によって評価する。
 ただし、その金額が当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額を超える場合は、当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額によって評価する。
 なお、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対し土地を貸し付けている場合には、43年直資3-22通達の適用があることに留意する。この場合において、同通達中「相当の地代」とあるのは「相当の地代に満たない地代」と、「自用地としての価額」とあるのは「地代調整貸宅地価額」と、「その価額の20%に相当する金額」とあるのは「その地代調整貸宅地価額と当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額との差額」と、それぞれ読み替えるものとする。

(「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価)

8 借地権が設定されている土地について、無償返還届出書が提出されている場合の当該土地に係る貸宅地の価額は、当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額によって評価する。
 なお、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対し土地を貸し付けている場合には、43年直資3-22通達の適用があることに留意する。この場合において、同通達中「相当の地代を収受している」とあるのは「「土地の無償返還に関する届出書」の提出されている」と読み替えるものとする。

(注) 使用貸借に係る土地について無償返還届出書が提出されている場合の当該土地に係る貸宅地の価額は、当該土地の自用地としての価額によって評価するのであるから留意する。

(相当の地代を引き下げた場合)

9 借地権の設定に際し、相当の地代を支払った場合においても、その後その地代を引き下げたときは、その引き下げたことについて相当の理由があると認められる場合を除き、その引き下げた時における借地権者の利益については2((相当の地代に満たない地代を支払って土地の借受けがあった場合))の定めに準じて取り扱う。
 また、2((相当の地代に満たない地代を支払って土地の借受けがあった場合))又は上記により利益を受けたものとして取り扱われたものについて、その後その地代を引き下げたときは、その引き下げたことについて相当の理由があると認められる場合を除き、その引き下げた時における利益(2((相当の地代に満たない地代を支払って土地の借受けがあった場合))又は上記により受けた利益の額を控除したところによる。)については上記と同様に取り扱う。

(相当の地代を支払っている場合の貸家建付借地権等の価額)

10 (1) 3((相当の地代を支払っている場合の借地権の評価))から5((「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の価額))までに定める借地権(以下「相当の地代を支払っている場合の借地権等」という。)が設定されている土地について、貸家の目的に供された場合又は相当の地代の支払、相当の地代に満たない地代の支払若しくは無償返還届出書の提出により借地権の転貸があった場合の評価基本通達28((貸家建付借地権の評価))から31((借家人の有する宅地等に対する権利の評価))までに定める貸家建付借地権、転貸借地権、転借権又は借家人の有する権利の価額は、相当の地代を支払っている場合の借地権等の価額を基として1((相当の地代を支払って土地の借受けがあった場合)から9((相当の地代を引き下げた場合))までの定めによるものとする。

(2) 借地権((1)に該当する借地権を除く。)が設定されている土地について、相当の地代の支払、相当の地代に満たない地代の支払又は無償返還届出書の提出により借地権の転貸があった場合の評価基本通達29((転貸借地権の評価))から31((借家人の有する宅地等に対する権利の評価))までに定める転貸借地権、転借権又は借家人の有する権利の価額は、評価基本通達27((借地権の評価))の定めにより評価したその借地権の価額を基として1((相当の地代を支払って土地の借受けがあった場合))から9((相当の地代を引き下げた場合))までの定めによるものとする。

(地価税における借地権等の評価)

11 3((相当の地代を支払っている場合の借地権の評価))から8((「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の貸宅地の評価))まで及び10((相当の地代を支払っている場合の貸家建付借地権等の価額))の定めは、地価税の課税価格計算の基礎となる土地等の価額の評価について準用する。