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ホーム税について調べる法令解釈通達相続税関係 個別通達目次贈与税の非課税財産(公益を目的とする事業の用に供する財産に関する部分)及び公益法人に対して財産の贈与等があった場合の取扱いについて>第2 公益法人に対する贈与税の取扱い

第2 公益法人に対する贈与税の取扱い

 

(法第66条第4項の規定の趣旨)

12 法第66条第4項の規定は、公益を目的とする事業を行う法人に対する財産の贈与又は当該法人を設立するための財産の提供(以下「贈与等」という。)により贈与等をした者又はこれらの者と特別関係がある者が当該法人の施設又は余裕金を私的に利用するなど当該法人から特別の利益を受けているような場合には、実質的には、当該贈与等をした者が当該贈与等に係る財産を有し、又は特別の利益を受ける者に当該特別の利益を贈与したのと同じこととなり、したがって当該贈与等をした者について相続が開始した場合には、当該財産は遺産となって相続税が課され、又は特別の利益を受ける者に対し贈与税が課されるのにかかわらず、法人に対し財産の贈与等をすることによりこれらの課税を免れることとなることに顧み、当該法人に対する財産の贈与等があった際に当該法人に贈与税を課することとしているものであることに留意する。

(公益を目的とする事業を行う法人)

13 法第66条第4項に規定する「公益を目的とする事業を行う法人」とは、次に掲げる事業を行う法人をいい、当該事業の遂行に伴い収益を生じているかどうかを問わないのであるから留意する。(昭55直資2−182改正)

(1) 寄附行為、定款又は規則(これらに準ずるものを含む。以下同じ。)により公益を目的として行うことを明らかにして行う事業

(2) (1)に掲げる事業を除くほか、社会一般において公益事業とされている事業

(負担が不当に減少する結果となる場合)

14 法第66条第4項に規定する「負担が不当に減少する結果となると認められる場合」とは、次のいずれかに該当すると認められる場合がこれに該当するものとして取り扱う。(昭55直資2−182、昭57直資2−177、平元直資2−209、平4課資2−158改正、平8課資2−116、平10課資2−244、平12課資2−258、平15課資2−1、平16課資2−6改正)

(1) 贈与等を受けた法人の寄附行為、定款若しくは規則又は贈与契約書等において、次に掲げる者に対して、当該法人の財産を無償で利用させ、又は与えるなど特別の利益を与える旨の記載がある場合

イ 贈与等をした者

ロ 贈与等をした者の親族

ハ 贈与等をした者と次に掲げる特殊の関係がある者(次の(2)において「特殊の関係がある者」という。)

(イ) 贈与等をした者とまだ婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその者の親族でその者と生計を一にしているもの

(ロ) 贈与等をした者の使用人及び使用人以外の者で贈与等をした者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの並びにこれらの者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

(ハ) 贈与等をした者が法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第15号((定義))に規定する役員(以下「会社役員」という。)となっている他の会社

(ニ) 贈与等をした者、その親族、上記(イ)及び(ロ)に掲げる者並びにこれらの者と法人税法第2条第10号((定義))に規定する政令で定める特殊の関係にある法人を判定の基礎とした場合に同号に規定する同族会社に該当する他の法人

(ホ) 上記(ハ)又は(ニ)に掲げる法人の会社役員又は使用人

(2) 贈与等を受けた法人が、贈与等をした者又はその親族その他特殊の関係がある者に対して、次に掲げるいずれかの行為をし、又は行為をすると認められる場合

イ 当該法人の所有する財産をこれらの者に居住、担保その他の私事に利用させること。

ロ 当該法人の他の従業員に比し有利な条件で、これらの者に金銭の貸付をすること。

ハ 当該法人の所有する財産をこれらの者に無償又は著しく低い価額の対価で譲渡すること。

ニ これらの者から金銭その他の財産を過大な利息又は賃借料で借り受けること。

ホ これらの者からその所有する財産を過大な対価で譲り受けること、又はこれらの者から公益を目的とする事業の用に供するとは認められない財産を取得すること。

ヘ これらの者に対して、当該法人の理事、監事、評議員その他これらの者に準ずるものの地位にあることのみに基づき給与等(所得税法(昭40年法律第33号)第28条第1項に規定する「給与等」をいう。以下同じ。)を支払い、又は当該法人の他の従業員に比し過大な給与等を支払うこと。

ト これらの者の債務に関して、保証、弁済、免除又は引受け(当該法人の設立のための財産の提供に伴う債務の引受けを除く。)をすること。

チ 契約金額が少額なものを除き、入札等公正な方法によらないで、これらの者が行う物品の販売、工事請負、役務提供、物品の賃貸その他の事業に係る契約の相手方となること。

リ 事業の遂行により供与する公益を主として、又は不公正な方法で、これらの者に与えること。

(3) 贈与等を受けた法人について、次に掲げる事実が認められる場合

イ 寄附行為、定款又は規則において、次の(イ)に掲げる事項のほか、法人の態様に応じ、それぞれ、次の(ロ)、(ハ)又は(ニ)に掲げる事項が定められていないこと。

(イ) 共通事項

A その法人が解散した場合に、その残余財産が国若しくは地方公共団体又は他の公益を目的とする事業を行う法人に帰属すること。

B その法人の理事、監事、評議員その他これらの者に準ずるもの(以下「役員等」という。)のうち親族関係を有する者及びこれらと租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号)第25条の17第3項第1号に規定する特殊の関係がある者の数がそれぞれの役員等の数のうちに占める割合は、いずれも3分の1以下とすること。

(ロ) 民法第34条の規定により設立された財団法人

A 理事の定数は6人以上、監事の定数は2人以上であること。

B 事業の管理運営に関する事項を審議するため評議員会の制度が設けられており、評議員の定数は、理事の定数の2倍を超えていること。ただし、理事と評議員との兼任禁止規定が定められている場合には、評議員の定数は、理事の定数と同数以上であること。

C 理事、監事及び評議員の選任は、例えば、理事及び監事は評議員会の議決により、評議員は理事会の議決により選出されるなどその地位にあることが適当と認められる者が公正に選任されること。

D 理事会の議事の決定は、法令に別段の定めがある場合を除き、次によること。

(A) 重要事項の決定
 次のaからgまでに掲げる事項の決定は、理事会における理事総数(理事現在数)の3分の2以上の多数による議決を必要とするとともに、原則として評議員会の同意を必要とすること。
 なお、贈与等に係る財産が贈与等をした者又はその者の親族が会社役員となっている会社の株式又は出資である場合には、その株式又は出資に係る議決権の行使に当たっては、あらかじめ理事会において理事総数(理事現在数)の3分の2以上の同意を得ることを必要とすること。

a 収支予算(事業計画を含む。)

b 収支決算(事業報告を含む。)

c 基本財産の処分

d 借入金(その会計年度内の収入をもって償還する短期借入金を除く。)その他新たな義務の負担及び権利の放棄

e 寄附行為の変更

f 解散

g 公益を目的とする事業以外の事業に関する重要な事項

(B) その他の事項の決定
 上記(A)に掲げる事項以外の事項の決定は、原則として、理事会において理事総数(理事現在数)の過半数の議決を必要とすること。

E 評議員会の議事の決定は、法令に別段の定めがある場合を除き、評議員会における評議員総数(評議員現在数)の過半数の議決を必要とすること。

F 上記D及びEの議事の表決を行う場合には、あらかじめ通知された事項について書面をもって意思を表示した者は、出席者とみなすことができるが、他の者を代理人として表決を委任することはできないこと。

G 役員等に、その地位にあることのみに基づき給与等を支給しないこと。

H 監事には、理事(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び評議員(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)並びにその法人の職員が含まれてはならないこと。また、監事は、相互に親族その他特殊の関係を有しないこと。

I 贈与又は遺贈を受けた財団法人が、ハの(ト)又は(チ)に掲げる事業その他これらに類する事業を行うものである場合には、学資の支給若しくは貸与の対象となる者又は助成金の支給の対象となる者等を選考するため、理事会において選出される教育関係者又は学識経験者等により組織される選考委員会を設けること。

(ハ) 民法第34条の規定により設立された社団法人

A 理事の定数は6人以上、監事の定数は2人以上であること。

B 理事及び監事の選任は、例えば、社員総会における社員の選挙により選出されるなどその地位にあることが適当と認められる者が公正に選任されること。

C 理事会の議事の決定は、この(ハ)のEに該当する場合を除き、原則として、理事会において理事総数(理事現在数)の過半数の議決を必要とすること。

D 社員総会の議事の決定は、法令に別段の定めがある場合を除き、社員総数の過半数が出席し、その出席社員の過半数の議決を必要とすること。

E 次に掲げる事項(次のFにより評議員会などに委任されている事項を除く。)の決定は、社員総会の議決を必要とすること。
この場合において、次の(E)及び(F)以外の事項については、あらかじめ理事会における理事総数(理事現在数)の3分の2以上の多数による議決を必要とすること。

(A) 収支予算(事業計画を含む。)

(B) 収支決算(事業報告を含む。)

(C) 基本財産の処分

(D) 借入金(その会計年度内の収入をもって償還する短期借入金を除く。)その他新たな義務の負担及び権利の放棄

(E) 定款の変更

(F) 解散

(G) 公益を目的とする事業以外の事業に関する重要な事項

F 社員総会のほかに事業の管理運営に関する事項を審議するため評議員会などの制度が設けられ、上記Eの(E)及び(F)以外の事項の決定がこれらの機関に委任されている場合におけるこれらの機関の構成員の定数及び選任並びに議事の決定については、次によること。

(A) 構成員の定数は、理事の定数の2倍を超えていること。

(B) 構成員の選任については、上記Bに準じて定められていること。

(C) 議事の決定については、原則として、構成員総数の過半数の議決を必要とすること。

G 上記CからFまでの議事の表決を行う場合には、あらかじめ通知された事項について書面をもって意思を表示した者は、出席者とみなすことができるが、他の者を代理人として表決を委任することはできないこと。

H 役員等には、その地位にあることのみに基づき給与等を支給しないこと。

I  監事には、理事(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び評議員(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)並びにその法人の職員が含まれてはならないこと。また、監事は、相互に親族その他特殊の関係を有しないこと。

(ニ) 学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、宗教法人その他の公益を目的とする事業を行う法人
 その法人に社員総会又はこれに準ずる議決機関があるものについては上記(ハ)を準用し、それ以外の法人については上記(ロ)を準用する。この場合において、上記(ロ)のDの(A)のf又は(ハ)のEの(F)に「解散」とあるのは、「解散及び合併」と読み替えるものとする。

(注) 上記の法人のうち、別途、租税特別措置法(昭32年法律第26号)第40条第1項後段の規定の適用に関して通達により標準的な寄附行為、定款又は規則の定めがあるものについては、その標準的な寄附行為、定款又は規則に従って定められたものは、上記イに該当しないものとして取り扱うことに留意する。

ロ 贈与等を受けた法人の運営及び経理について次に掲げる事実が認められること。

(イ) 当該法人の事業運営及び役員等の選任等が、法令及び寄附行為、定款又は規則に基づき適正に行われていないこと。

(注) 他の一の法人(当該他の一の法人と法人税法施行令(昭和40年政令第97号)第4条第2項((同族関係者の範囲))に定める特殊の関係がある法人を含む。)又は団体の役員及び職員の数が当該法人のそれぞれの役員等のうちに占める割合が3分の1を超えている場合には、当該法人の役員等の選任は、適正に行われていないものとして取り扱う。

(ロ) 当該法人の経理については、その法人の事業の種類及び規模に応じて、その内容を適正に表示するに必要な帳簿書類が備えられておらず、また、収入及び支出並びに資産及び負債の明細が適正に記帳されていないと認められること。

(ハ) 当該法人の営む事業が営利企業的に行われていること。

ハ 公益を目的として行う事業が、原則として、その事業の内容に応じ、その事業を行う地域又は分野において社会的存在として認識される程度の規模を有していないこと。この場合において、例えば、次の(イ)から(ヌ)までに掲げる事業がその法人の主たる目的として営まれているときは、当該事業は、社会的存在として認識される程度の規模を有しているものとして取り扱う。

(イ) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条((学校の範囲))に規定する学校を設置運営する事業

(ロ) 社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条第2項各号及び第3項各号((定義))に規定する事業

(ハ) 更生保護事業法(平成7年法律第86号)第2条第1項((定義))に規定する更生保護事業

(ニ) 宗教の普及その他教化育成に寄与することとなる事業

(ホ) 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項((定義))に規定する博物館を設置運営する事業

(注) 上記の博物館は、博物館法第10条((登録))の規定による博物館としての登録を受けたものに限られているのであるから留意する。

(ヘ) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項((定義))に規定する図書館を設置運営する事業

(ト) 30人以上の学生若しくは生徒(以下「学生等」という。)に対して学資の支給若しくは貸与をし、又はこれらの者の修学を援助するための寄宿舎を設置運営する事業(学資の支給若しくは貸与の対象となる者又は寄宿舎の貸与の対象となる者が都道府県の範囲よりも狭い一定の地域内に住所を有する学生等若しくは当該一定の地域内に所在する学校の学生等に限定されているものを除く。)

(チ) 科学技術その他の学術に関する研究を行うための施設(以下「研究施設」という。)を設置運営する事業又は当該学術に関する研究を行う者(以下「研究者」という。)に対して助成金を支給する事業(助成金の支給の対象となる者が都道府県の範囲よりも狭い一定の地域内に住所を有する研究者又は当該一定の地域内に所在する研究施設の研究者に限定されているものを除く。)

(リ) 学校教育法第82条の2((専修学校))に規定する専修学校又は同法第83条第1項((各種学校))に規定する各種学校を設置運営する事業で、次の要件を具備するもの

A 同時に授業を受ける生徒定数は、原則として80人以上であること。

B 法人税法施行規則(昭和40年大蔵省令第12号)第7条第1号及び第2号((学校において行う技芸の教授のうち収益事業に該当しないものの範囲))に定める要件

(ヌ) 財団たる医療法人又は社団たる医療法人で出資持分の定めのないもの(民法第34条の規定により設立された法人で医療保健業を営むものを含む。)の行う医療事業で、その法人の開設する医療施設が租税特別措置法施行令第39条の25第1項第1号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たすもの

(判定の時期等)

15 法第66条第4項の規定を適用すべきかどうかの判定は、贈与等の時を基準としてその後に生じた事実関係をも勘案して行うのであるが、贈与等により財産を取得した法人が、財産を取得した時には「14」に該当している場合においても、当該財産に係る贈与税の申告書の提出期限又は更正若しくは決定の時までに、当該法人の組織、寄附行為等を変更すること等により「14」に該当しないこととなったときは、当該財産又は法人は「14」に該当しないものとして取り扱うことができる。(昭55直資2−182改正)

(負担が不当に減少しない法人)

16 次に掲げる法人に対する財産の贈与等については、贈与等をした者又はその者と特別関係がある者の相続税等の負担を不当に減少しないものとして法第66条第4項の規定を適用しないことに取り扱う。この場合において(1)に該当する法人に対する財産の贈与等があったときは、当該法人の出資者等について法第9条の規定を適用すべき場合があることに留意する。(昭55直資2−182改正)

(1) 出資持分の定めがある法人

(2) 租税特別措置法第40条の規定による承認を受けた贈与等により財産を取得した法人

(社会一般の寄附金程度の贈与等についての不適用)

17 「14」に該当すると認められる法人に対して財産の贈与等があった場合においても、当該財産の多寡等からみて、それが社会一般においてされている公益事業に対する寄附と同程度のものであると認められるときは、法第66条第4項の規定を適用しないものとして取り扱う。

(公益法人に対する贈与税課税の猶予等)

18 法令及びこの通達により判断して法第66条第4項の規定を適用すべき場合においては、贈与等をした者の譲渡所得について租税特別措置法第40条の規定による承認申請書が提出された場合においても、課税の猶予をしないことに留意する。

(贈与等をした者以外の者に特別の利益を与える場合)

19 公益を目的とする事業を行う法人が、当該法人に対する財産の贈与等に基因して、当該贈与等をした者及びその者と特別関係がある者以外の者で当該法人の設立者、社員、理事、監事若しくは評議員又はこれらの者と特別関係がある者に特別の利益を与えると認められる場合には、法第66条第4項の規定の適用はないが、当該特別の利益を受ける者に対して法第65条の規定が適用されることに留意する。
 この場合において、贈与等に基因して特別の利益を与えると認められる場合とは、「14」の(1)及び(2)に掲げる場合をいうものとして取り扱う。

 (公益法人から受ける利益の価額)

20  「19」の場合において、法第65条第1項に規定する「贈与により受ける利益の価額」とは、贈与等によって法人が取得した財産の価額によるのではなく、それらの者が与えられた特別の利益の実態により評価するのであるから留意する。


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