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課法8−2
課所4−2

平成6年1月20日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについて

 標題のことについて、社団法人日本損害保険協会から別紙2のとおり照会があり、これに対し当庁課税部長名をもって別紙1のとおり回答したから了知されたい。



別紙1

課法8−1
課所4−1
平成6年1月20日

社団法人 日本損害保険協会
常務理事 ○○○○ 殿

国税庁 課税部長

○○○○

会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについて
(平成6年1月19日付協火新93−46号照会に対する回答)

 標題のことについては、貴見のとおり解して差し支えありません。
 なお、照会事項2に例示された「保険料負担の配分方法」は、経営活動等の状況からみて、その法人にとっての合理性があり、かつ、課税上の弊害も生じない場合に限り認められるものであることを、念のため申し添えます。




別紙2

協火新93−46号
平成6年1月19日

国税庁 課税部長
○○○○ 殿

社団法人 日本損害保険協会
 常務理事 ○○○○

会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについて(照会)

 拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
 弊業界につきましては、毎々格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、損害保険各社は、3年前より大蔵省のご認可をいただき会社役員賠償責任保険を販売してまいりました。開発の当時は主に海外において事業活動を行っている企業の役員が、海外で訴訟に巻き込まれる危険を想定しておりました。特に、役員訴訟がわが国とは比較にならない程多数提起されている米国におけるリスクを考え、英文にて約款を作成いたしました。その結果、わが国においては株主代表訴訟の提起が極めて稀であったことと相まって、本保険に対する関心はあまり高くなく、事実契約数も少数に留まっておりました。
 しかしながら、平成5年の商法改正を機に、特に、株主代表訴訟で役員敗訴のケースに対するリスクを担保する保険料を会社が負担することは、商法上問題ではないかとの指摘が出てまいりました。
 そこで、損害保険各社としては、かかる商法上の問題に配慮し、契約者の自由な選択に応え得る商品を提供すべく、このたび新たな和文約款及び英文約款にもとづく会社役員賠償責任保険の認可を取得いたしました。
 この新約款では、株主代表訴訟で被保険者が損害賠償責任を負う場合は普通保険約款では免責とし、このリスクの担保を契約者が希望する場合は、別途保険料を領収して特約条項を付すことと致しました。これにより、契約者は、普通保険約款で担保するリスクに相当する保険料と特約保険料とを明確に区分して保険会社に支払うことも可能となるなど、商法問題に配慮した契約を行うことが可能となりました。
 つきましては、この新約款による会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについて、下記の通り取り扱われるものと解して差し支えないかどうかご照会申し上げます。

敬具


1 支払保険料の税務処理

(1) 基本契約(普通保険約款部分)の保険料
 基本契約に係る保険料を会社が負担した場合の当該保険料については、役員個人に対する給与課税を行う必要はないものとする。

(理由)

1 第三者から役員に対し損害賠償請求がなされ役員が損害賠償責任を負担する場合の危険を担保する部分の保険料は、所得税基本通達36−33及び法人税基本通達9−7−16の趣旨に照らし、この部分の保険料を会社が負担した場合であっても、役員に対する経済的利益の供与はないものとして給与課税を行う必要はない。

2 役員勝訴の場合の争訟費用を担保する部分の保険料は、役員が適正な業務執行を行い損害賠償責任が生じない場合にその争訟費用を担保する保険料であり、この部分の保険料を会社が負担した場合であっても、役員に対する経済的利益の供与はないものとして給与課税を行う必要はない。

(2) 株主代表訴訟担保特約の保険料(特約保険料)
 この特約保険料について、契約者は商法上の問題を配慮し役員個人負担又は役員報酬から天引きとすることになると考えられるが、これを会社負担とした場合には、役員に対して経済的利益の供与があったものとして給与課税を要する。

2 保険料負担の配分方法

(1) 特約保険料の役員間の配分について
 取締役の報酬の総額及び監査役の報酬の総額は定款又は株主総会の決議により定めることになっているが、通常その配分は取締役会及び監査役の協議に委ねられている。したがって、特約保険料の役員間の配分もまた取締役会及び監査役の協議において合理的な配分方法を定め得るものと考えるが、実務上は、次のいずれかの方法など合理的な基準により配分を行った場合には、課税上許容される。

1 役員の人数で均等に分担する方法
 役員は会社に対し連帯して責任を負うものとされていることを考慮し、役員全員において均等に負担する方法(無報酬あるいはごくわずかな役員報酬しか得ていない取締役にまで均等に負担させることが適当でないと認められる場合には、その者への配分割合を縮小もしくは配分しない方法を含む。)

2 役員報酬に比例して分担する方法
 役員と会社との関係は有償の委任及び準委任と解されており、報酬に差がある以上危険負担も同程度の差があると考えられることから、報酬額に比例して保険料を負担する方法

3 商法上の区分別に分担する方法
 商法に定められた代表取締役、取締役、監査役ごとにそれぞれの役割に応じた額を定める方法

(2) 保険料の会社間の配分方法について
 子会社を含めた契約を契約者が希望する場合は、保険料は一括して算定されることになるが、契約に当たっては、保険会社からそれぞれの子会社ごとの保険料を内訳として示すこととしていることから、契約者においては、これに従って各社ごとの配分額を決定する。

以上