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ホーム税について調べる法令解釈通達間接税関係 個別通達目次>平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)

課消1-9
課個4-1
課法4-3
課審8-7
査調4-1
平成25年3月25日

各国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)

 標題のことについては、下記のとおり定めたから、これにより取り扱われたい。
 なお、本通達に定めがない場合には、消費税法基本通達(平成7年12月25日付課消2-25ほか4課共同「消費税法基本通達の制定について」通達の別冊)の定めによる。

(理由)
 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」(平成24年法律第68号、以下「改正法」という。)附則及び「消費税法施行令の一部を改正する政令」(平成25年政令第56号、以下「改正令」という。)附則に規定する平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される税率等に関する経過措置の取扱いを定めるものである。

(用語の意義)

1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

  • (1) 新消費税法 改正法第2条《消費税法の一部改正》の規定による改正後の消費税法(昭和63年法律第108号)をいう。
  • (2) 施行日 改正法附則第2条《消費税法の一部改正に伴う経過措置の原則》に規定する施行日(平成26年4月1日)をいう。
  • (3) 指定日 改正法附則第5条第3項《工事の請負等の税率等に関する経過措置》に規定する指定日(平成25年10月1日)をいう。

(施行日前の契約に基づく取引)

2 新消費税法は、施行日以後に行われる資産の譲渡等並びに課税仕入れ及び保税地域からの課税貨物の引取り(以下「課税仕入れ等」という。)について適用されるのであるから、施行日の前日までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、これらが施行日以後に行われる場合には、別段の定めがある場合を除き、当該資産の譲渡等及び課税仕入れ等について新消費税法が適用されることに留意する。

(施行日の前日までに購入した在庫品)

3 新消費税法は、施行日以後に行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等について適用されるのであるから、例えば、施行日の前日までに他から仕入れた資産を施行日以後に販売する場合には、別段の定めがある場合を除き、資産の譲渡等については新消費税法が、当該資産の課税仕入れ等については改正法第2条《消費税法の一部改正》の規定による改正前の消費税法が適用されることに留意する。

(施行日前に「領収している場合」の意義)

4 改正法附則第5条第1項《旅客運賃等の税率等に関する経過措置》の規定は、施行日以後に行われる改正令附則第4条第1項各号《旅客運賃等の範囲等》に掲げる旅客運賃又は入場料金を対価とする役務の提供(いわゆる定期乗車券又は回数券等により、施行日の前後を通じて乗車、入場又は利用させる場合を含む。)について、当該旅客運賃又は入場料金を施行日前に領収している場合に適用されるが、具体的にはおおむね次のような場合がこれに該当する。

  • (1) 乗車、入場又は利用(以下この項において「乗車等」という。)をすることができる日が施行日以後の特定の日に指定されている乗車券、入場券又は利用券等(以下この項において「乗車券等」という。)を施行日前に販売した場合
  • (2) 乗車等の日が施行日以後の一定の期間又は施行日前から施行日以後にわたる一定の期間の任意の日とされている乗車券等を施行日前に販売した場合
  • (3) 施行日の前後を通じて又は施行日以後の一定期間継続して乗車等することができる乗車券等(いわゆる定期乗車券等)を施行日前に販売した場合
  • (4) スポーツ等を催す競技場等における年間予約席等について、施行日以後の一定期間継続して独占的に利用させるため、あらかじめ当該一定期間分の入場料金を一括して領収することを内容とする契約を施行日前に締結している場合

(「継続的に供給等することを約する契約」の意義)

5 改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》に規定する「継続的に供給し、又は提供することを約する契約」とは、改正令附則第4条第2項各号《電気料金等の範囲》に掲げる課税資産の譲渡等を不特定多数の者に対して継続して行うために定められた供給規定、提供約款等に基づく条件により、長期間にわたって継続して供給し、又は提供することを約する契約をいい、プロパンガスの供給契約でボンベに取り付けられた内容量メーターにより使用量を把握し料金が確定される内容のものもこれに含まれる。

(「支払を受ける権利の確定」の意義)

6 改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》に規定する「料金の支払を受ける権利が確定するもの」とは、電気・ガス等の使用量を計量するために設けられた電力量計その他の計量器を定期的に検針その他これに類する行為により確認する方法等により、一定期間における使用量を把握し、これに基づき料金が確定するものをいう。

(「電気通信役務」の範囲)

7 改正法附則第5条第2項《電気料金等の税率等に関する経過措置》の規定の適用を受ける電気通信役務は、事業者が継続して提供することを約する契約に基づき、施行日前から継続して提供し、かつ、施行日から平成26年4月30日までの間に、検針その他これに類する行為に基づきその役務の提供に係る料金の支払を受ける権利が確定するものであるから、同項に規定する電気通信役務であっても、その役務の提供に係る料金が一定期間の使用量に応じて変動しないものは、同項の規定の適用を受けることができないことに留意する。

(注) 同項に規定する電気通信役務とは、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第3号《定義》に規定する電気通信役務をいい、例えば、電話、インターネット接続に係る役務などがこれに該当する。

(変更契約の取扱い)

8 改正法附則第5条第3項から第5項《工事の請負等の税率等に関する経過措置等》まで並びに改正令附則第5条第1項及び第4項《予約販売に係る書籍等の税率等に関する経過措置等》に規定する契約には、指定日の前日までに既存の契約を変更した場合における当該変更後の契約も含まれることに留意する。

(指定日の前日までに締結した工事の請負等の契約)

9 改正法附則第5条第3項《工事の請負等の税率等に関する経過措置》の規定は、指定日の前日までに工事の請負等に係る契約を締結し、施行日以後に当該契約に係る目的物の引渡し等が行われる工事の請負等について適用されるから、指定日以後に締結された契約に基づく工事の請負等には同項の規定は適用されないのであるから留意する。

(注) 指定日以後に締結された契約に基づき施行日以後に当該契約に係る目的物の引渡しが行われる工事の請負であっても、消費税法第17条第1項《工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例》に規定する長期大規模工事又は同条第2項に規定する工事の請負に係る契約に基づき、施行日以後に当該契約に係る目的物の引渡しを行う場合において、当該長期大規模工事又は工事に係る対価の額についてこれらの規定の適用を受けるときは、改正法附則第7条《工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置》の規定を適用することとなるのであるから留意する。

(「工事の請負に係る契約」の範囲)

10 改正法附則第5条第3項《工事の請負等の税率等に関する経過措置》に規定する「工事の請負に係る契約」とは、日本標準産業分類(総務省)の大分類に掲げる建設業に係る工事につき、その工事の完成を約し、かつ、それに対する対価を支払うことを約する契約をいうものとする。

(「製造の請負に係る契約」の範囲)

11 改正法附則第5条第3項《工事の請負等の税率等に関する経過措置》に規定する「製造の請負に係る契約」とは、日本標準産業分類(総務省)の大分類に掲げる製造業に係る製造につき、その製造に係る目的物の完成を約し、かつ、それに対する対価を支払うことを約する契約をいうものとする。

(注) 製造物品であっても、その製造がいわゆる見込み生産によるものは、「製造の請負に係る契約」によって製造されたものにならないことに留意する。

(機械設備等の販売に伴う据付工事)

12 改正法附則第5条第3項《工事の請負等の税率等に関する経過措置》の規定は、指定日の前日までに工事の請負等に係る契約を締結し、施行日以後に当該契約に係る目的物の引渡し等が行われる工事の請負等について適用されるのであるが、事業者が機械設備等の販売に伴いその据付工事を行う場合で、当該機械設備等の販売に係る契約において、当該据付工事の対価の額を合理的に区分しているときは、当該据付工事については、同項に規定する工事の請負に係る契約に基づく工事に該当するものとして同項の規定を適用する。

(譲渡を受ける者の注文に応じて建築される建物の範囲)

13 改正令附則第4条第5項《工事の請負等に係る契約に類するものの範囲》に規定する「建物の譲渡に係る契約で、当該建物の内装若しくは外装又は設備の設置若しくは構造についての当該建物の譲渡を受ける者の注文に応じて建築される建物に係るもの」には、譲渡契約に係る建物について、注文者が壁の色又はドアの形状等について特別の注文を付すことができることとなっているものも含まれるのであるから留意する。

(工事の対価等に増額があった場合)

14 改正法附則第5条第3項《工事の請負等の税率等に関する経過措置》に規定する「工事(製造を含む。)の請負に係る契約」に係る対価が指定日以後に増額された場合には、その増額された対価の部分について同項の規定の適用を受けることができないのであるが、その増額された対価の部分については、その増額が工事(製造を含む。)に係る目的物の引渡し以前に確定した場合にはその引渡しの日を含む課税期間、引渡し後に確定した場合にはその確定した日を含む課税期間における消費税の課税標準額に算入するのであるから留意する。

(注) 工事(製造を含む。)の請負契約において、当該契約に係る役務の提供の性質上、当該契約に係る目的物の対価の額をあらかじめ定めることができないものにつき、あらかじめ定めた単価の額(一の役務の提供を単位とする対価をいう。)にその目的物に係る役務の提供量を乗じた金額を当該目的物に係る対価の額とすることを定めている場合に、その単価の額に増額があったときは、その増額された部分の金額にその目的物に係る役務の提供量を乗じて計算した金額について、この取扱いを適用する。

(転貸の取扱い)

15 事業者が、資産の貸付けを行っている場合において、当該貸付けに係る資産が、当該事業者が他の者から借り受けているものであるときは、事業者が当該貸付けに係る資産を取得したものではないことから、改正令附則第4条第6項《資産の貸付けの税率等に関する経過措置の要件》に規定する要件に該当せず、改正法附則第5条第4項第3号《資産の貸付けの税率等に関する経過措置の要件》の規定に該当しないこととなる。
 したがって、他の者から資産を借り受け、当該資産の貸付けを行ういわゆる転貸について、同項の規定が適用されるのは、同項第1号及び第2号に掲げる要件に該当する場合に限られることに留意する。

(資産の継続貸付け)

16 改正法附則第5条第4項《資産の貸付けの税率等に関する経過措置》に規定する「施行日前から施行日以後引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合」とは、その貸付けに係る資産の賃借人への貸付けのための引渡しが施行日前に行われ、かつ、施行日以後も引き続き貸付けを行っている場合をいうことに留意する。

(「対価の額の変更を求めることができる旨の定め」の範囲)

17 資産の貸付けに係る契約において、資産を借り受けた者が支払うべき消費税相当分について「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨を定めている場合の当該定めは、改正法附則第5条第4項第2号《資産の貸付けの税率等に関する経過措置の要件》に規定する「対価の額の変更を求めることができる旨の定め」に該当しないものとして取り扱う。

(注) 「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定めに基づき、指定日以後に賃貸料の額を変更した場合には、同項ただし書に該当することに留意する。

(事情変更等による建物の貸付けに係る対価の変更)

18 建物の賃貸借については借地借家法(平成3年法律第90号)が適用され、同法第32条《借賃増減請求権》の規定により、事情変更があった場合には賃料の増減請求をすることができるのであるが、建物の賃貸借に係る契約において、賃貸する者がその貸付けに係る対価につき増減することができる旨の定めがないときは、その契約は改正法附則第5条第4項第2号《資産の貸付けの税率等に関する経過措置の要件》に該当することに留意する。

(正当な理由による対価の増減)

19 資産の貸付けが改正法附則第5条第4項ただし書《対価の変更があった場合の経過措置の不適用》に該当することとなった場合には、対価を変更した後の資産の貸付けについて同項本文の規定を適用することができないのであるが、その対価の変更が、例えば、賃貸人が修繕義務を履行しないことにより行われたものであるなど正当な理由に基づくものである場合には、その対価の変更につき同項ただし書を適用しないものとする。

(指定役務の提供)

20 改正令附則第4条第7項《指定役務の提供》に規定する「指定役務の提供」とは、冠婚葬祭のための施設の提供その他の便宜の提供等に係る役務の提供をいい、資産の購入を前提にその購入対価を積み立てることとしているものは、これに含まれないことに留意する。

(事情の変更等による対価の変更)

21 改正法附則第5条第5項ただし書《対価の変更があった場合の経過措置の不適用》に規定する「役務の提供の対価の額の変更」には、当該役務の提供に係る契約において定められた対価の額の変更のほか、当該契約において定められた役務の提供の内容の変更による対価の変更が含まれることに留意する。

(注) 同項ただし書に該当する場合には、その役務の提供を行った課税期間において、当該役務の提供について同項本文の規定は適用されない。

(通知義務)

22 改正法附則第5条第8項《通知義務》の規定により、事業者が同条第3項又は第4項本文《工事の請負等の税率等に関する経過措置等》の規定の適用を受けた課税資産の譲渡等を行った場合は、その相手方に対し当該課税資産の譲渡等がこれらの規定の適用を受けたものであることについて書面により通知しなければならないのであるが、当該通知は、消費税法第30条第9項《請求書等の範囲》に規定する請求書等にその旨を表示することとして差し支えないものとする。

(リース延払基準の方法により経理した場合の長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例を受けないこととなった場合等における経過措置の取扱い)

23 改正令附則第6条第1項《リース延払基準の方法により経理した場合の長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置》に規定する事業者が、施行日前に行った長期割賦販売等につき消費税法施行令第32条の2第1項《リース延払基準の方法により経理した場合の長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例》の規定の適用を受けた場合において、同条第2項の規定により施行日以後に資産の譲渡等を行ったものとみなされる同項に規定する「リース譲渡延払収益額に係る部分」があるときは、当該部分については、改正法第2条《消費税法の一部改正》の規定による改正前の消費税法第29条《税率》に規定する税率(以下この項及び次項において「旧税率」という。)が適用されるのであるから留意する。

(注) 消費税法施行令第32条の2第3項の規定により読み替えて適用する同令第32条《延払基準の方法により経理しなかった場合等の処理》及び第33条《納税義務の免除を受けることとなった場合等の処理》から第35条《合併等の場合の長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例》までの規定の適用がある場合であっても、当該部分については旧税率が適用されるのであるから留意する。

(リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例を受けないこととなった場合等における経過措置の取扱い)

24 改正令附則第8条第1項《リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置》に規定する事業者が、施行日前に行ったリース譲渡につき消費税法施行令第36条の2第1項《リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例》の規定の適用を受けた場合において、同条第2項の規定により施行日以後に資産の譲渡等を行ったものとみなされる同項に規定する「リース譲渡収益額に係る部分」があるときは、当該部分については旧税率が適用されるのであるから留意する。

(注) 同条第3項の規定又は同条第4項において準用する同令第32条《延払基準の方法により経理しなかった場合等の処理》及び第33条《納税義務の免除を受けることとなった場合等の処理》から第35条《合併等の場合の長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例》までの規定の適用がある場合であっても、当該部分については旧税率が適用されるのであるから留意する。

(「旧税率適用課税仕入れ等に係る借入金等の返済金若しくは償還金」の意義)

25 改正令附則第14条第1項《国、地方公共団体等の仕入れに係る消費税額の特例に関する経過措置》に規定する「旧税率適用課税仕入れ等に係る借入金等の返済金若しくは償還金」とは、消費税法施行令第75条第1項第1号《特定収入に該当しない収入》に規定する借入金等を財源として改正令附則第14条第1項に規定する旧税率適用課税仕入れ等を行った場合の当該借入金等の返済金若しくは償還金をいうのであるから留意する。