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ホーム 税について調べる法令解釈通達法人税関係 措置法通達目次通達目次 / 租税特別措置法関係通達 (法人税編)>第2款 補償金の範囲等

第2款 補償金の範囲等

(対価補償金とその他の補償金との区分)

64(2)−1 措置法第64条第1項又は第65条第1項に規定する補償金、対価又は清算金の額(措置法第64条第2項の規定により、同条第1項に規定する補償金又は対価の額とみなされるものを含む。)とは、名義のいかんを問わず、収用等による譲渡(措置法第64条第2項の規定により収用等による譲渡とみなされるものを含む。以下同じ。)の目的となった資産の収用等の対価たる金額(以下「対価補償金」という。)をいうのであるから、次の(1)から(4)までに掲げる補償金は、別に定める場合を除き、対価補償金に該当しないことに留意する。(平15年課法2−7「六十」、平23年課法2−17「三十四」により改正)

(1) 事業について減少することとなる収益又は生ずることとなる損失のほてんに充てるものとして交付を受ける補償金(以下「収益補償金」という。)

(2) 休廃業等により生ずる事業上の費用のほてん又は収用等による譲渡の目的となった資産以外の資産(棚卸資産を除く。)について実現した損失のほてんに充てるものとして交付を受ける補償金(以下「経費補償金」という。)

(3) 資産(棚卸資産を含む。)の移転に要する費用のほてんに充てるものとして交付を受ける補償金(以下「移転補償金」という。)

(4) その他対価補償金たる実質を有しない補償金

(補償金の課税上の取扱い)

64(2)−2 64(2)−1によって分類される補償金の課税上の取扱いは、次のとおりとなることに留意する。

補償金の種類 課税上の取扱い
1 対価補償金 収用等の場合の課税の特例の適用がある。
2 収益補償金 収用等の場合の課税の特例の適用はない。ただし、64(2)−5により、収益補償金として交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。
3 経費補償金 収用等の場合の課税の特例の適用はない。ただし、64(2)−7により、経費補償金として交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。
4 移転補償金 収用等の場合の課税の特例の適用はない。ただし、64(2)−8又は64(2)−9により、ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金又は移設困難な機械装置の補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。
 また、64(2)−21により、借家人補償金は、対価補償金とみなして取り扱う。
5  その他対価補償金たる実質を有しない補償金
収用等の場合の課税の特例の適用はない。


(対価補償金等の判定)

64(2)−3 法人が交付を受けた補償金等のうちにその交付の目的が明らかでないものがある場合には、当該法人が交付を受ける他の補償金等の内容及びその算定の内訳、同一事業につき起業者が他の収用等をされた者に対してした補償の内容等を勘案して、それぞれ対価補償金、収益補償金、経費補償金、移転補償金又はその他対価補償金たる実質を有しない補償金のいずれに属するかを判定するのであるが、その判定が困難なときは、課税上弊害がない限り、起業者が証明するところによることができるものとする。(昭55年直法2−15「十六」により改正)

(注) 収用等の補償の実施状況によれば、建物の所有者に対して特別措置の名義で建物の対価補償金たる実質を有する補償金が交付され、借家人に対して同じ名義で借家人補償金たる実質を有する補償金が交付される実例がある。

(2以上の資産について収用等が行われた場合の補償金)

64(2)−4 2以上の資産を同時に収用等をされた場合において、個々の資産ごとの対価補償金の額が明らかでないときは、当該収用等をされた個々の資産に係る対価補償金の額は、当該資産の収用等があった日における価額の比又は起業者が補償金等の算定の基礎とした当該資産の評価額の比その他適正な基準により区分する。

(収益補償金名義で交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合)

64(2)−5 法人の有する建物の収用等に伴い収益補償金名義で補償金の交付を受けた場合において、当該建物の対価補償金として交付を受けた金額(建物の譲渡に要した経費の額を控除する前の額とし、特別措置等の名義で交付を受けた補償金で64(2)−3により対価補償金と判定する金額があるときは、当該金額を含む額とする。)が、当該収用等をされた建物の再取得価額に満たないときは、当分の間、法人が、当該収益補償金の名義で交付を受けた補償金のうち当該満たない金額に達するまでの金額を、当該建物の対価補償金として計算したときに限り、これを認める。この場合における当該建物の再取得価額は次による。

(1) 建物の買取契約の場合は、起業者が買取対価の算定基礎とした当該建物の再取得価額によるものとし、その額が明らかでないときは、当該建物について適正に算定した再取得価額による。

(2) 建物の取壊契約の場合は次による。

イ 起業者が補償金の算定基礎とした当該建物の再取得価額が明らかであるときは、その再取得価額による。

ロ イ以外のときは、当該建物の対価補償金として交付を受けた金額(建物の譲渡に要した経費の額を控除する前の額とし、特別措置等の名義で交付を受けた補償金の額を含めない額とする。)に、当該建物の構造が木造又は木骨モルタル造であるときは65分の100を、その他の構造のものであるときは95分の100を、それぞれ乗じた金額による。

(注)

1 再取得価額とは、収用等をされた建物と同一の建物を新築するものと仮定した場合の取得価額をいう。

2 収益補償金名義で交付を受ける補償金を、借家人補償金に振り替えて計算することはできないことに留意する。

(収益補償金名義で交付を受ける補償金を2以上の建物の対価補償金とする場合の計算)

64(2)−6 64(2)−5の場合において、収用等をされた建物が2以上あり、かつ、収益補償金名義で交付を受けた金額及び建物の対価補償金として交付を受けた金額の合計額が当該建物の再取得価額の合計額に満たないときは、64(2)−5により対価補償金と判定する金額をその個々の建物のいずれの対価補償金として計算するかは、個々の建物の再取得価額を限度として、法人が計算したところによる。

(事業廃止の場合の機械装置等の売却損の補償金)

64(2)−7 土地、建物、漁業権その他の資産の収用等に伴い、機械装置等の売却を要することとなった場合において、その売却による損失の補償として交付を受ける補償金は、経費補償金に該当する(64(2)−1の(2)参照)のであるが、当該収用等に伴い事業の全てを廃止した場合又は従来営んできた業種の事業を廃止し、かつ、当該機械装置等を他に転用することができない場合に交付を受ける当該機械装置等の売却損の補償金は、対価補償金として取り扱う。この場合において、当該機械装置等の帳簿価額のうち当該対価補償金に対応する部分の金額は、次の算式により計算した金額によるものとする。ただし、当該収用等をされた者が当該機械装置等の帳簿価額のうち、その処分価額又は処分見込価額を超える部分の金額を当該対価補償金に対応する部分の帳簿価額として経理している場合には、これを認めるものとする。(昭52年直法2−33「40」、平23年課法2−17「三十四」により改正)

事業廃止の場合の機械装置等の売却損の補償金の算式

(注) 機械装置等の売却損の補償金は、一般には、次の1から2を控除して計算される。

1 当該機械装置等と同種の機械装置等の再取得価額から、当該再取得価額を基として計算した償却費の額の累積額に相当する金額を控除した残額

2 当該機械装置等を現実に売却し得る価額

(ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金)

64(2)−8 土地等の収用等に伴い、起業者から当該土地等の上にある建物又は構築物をひき(曳)家し又は移築するために要する費用として交付を受ける補償金であっても、その交付を受ける者が実際に当該建物又は構築物を取り壊したときは、当該補償金(当該建物又は構築物の一部を構成していた資産で、そのもの自体としてそのまま又は修繕若しくは改良を加えた上他の建物又は構築物の一部を構成することができると認められるものに係る部分を除く。)は、当該建物又は構築物の対価補償金に当たるものとして取り扱う。

(移設困難な機械装置の補償金)

64(2)−9 土地等又は建物等の収用等に伴い、機械又は装置の移設を要することとなった場合において、その移設に要する経費の補償として交付を受ける補償金は、対価補償金には該当しないのであるが、機械装置の移設補償名義のものであっても、例えば、製錬設備の溶鉱炉、公衆浴場設備の浴槽のように、その物自体を移設することが著しく困難であると認められる資産について交付を受ける取壊し等の補償金は、対価補償金として取り扱う。
 なお、これに該当しない場合であっても、機械装置の移設のための補償金の額が当該機械装置の新設のための補償金の額を超えること等の事情により、移設経費の補償に代えて当該機械装置の新設費の補償を受けた場合には、その事情が起業者の算定基礎等に照らして実質的に対価補償金の交付に代えてなされたものであることが明確であるとともに、法人が現にその補償の目的に適合した資産を取得し、かつ、旧資産の全部又は大部分を廃棄又はスクラップ化しているものであるときに限り、当該補償金は対価補償金に該当するものとして取り扱うことができる。

(除却損等がある場合の譲渡経費の額)

64(2)−9の2 法人が、64(2)−7から64(2)−9までに規定する補償金の交付を受けた場合において、当該補償金に係る資産を売却し又は取り壊したことにより生じた損失の額が当該補償金の額を超えるときは、当該補償金については64(2)−7から64(2)−9までの取扱いを適用しない。(昭51年直法2−39「25」により追加)

(注) 当該損失の額は、収用等をされた資産の譲渡に要した経費の額に該当する。

(残地補償金)

64(2)−10 法人の有する土地等の一部について収用等があった場合において、土地収用法第74条の規定によりその残地の損失について補償金の交付を受けたときは、当該補償金を当該収用等のあった日を含む事業年度の当該収用等をされた部分の土地等の対価補償金とみなして取り扱うことができる。この場合において、当該収用等をされた部分の土地等の収用等の直前の帳簿価額は、次の算式により計算した金額による。

残地補償金の算式

(残地買収の対価)

64(2)−11 法人の有する土地の一部について収用等があったことに伴い、残地が従来利用されていた目的に供することが著しく困難となり、その残地について収用の請求をすれば収用されることとなる事情があるため(土地収用法第76条第1項参照)、残地を起業者に買い取られた場合には、その残地の買取りの対価は、当該収用等があった日を含む事業年度の対価補償金として取り扱うことができる。

(注) 本文の取扱いを適用しない残地の買取りの対価については、措置法第65条の7の規定の適用があることに留意する。

(残地保全経費の補償金)

64(2)−12 法人の有する土地等の一部又は当該土地等の隣接地について収用等があったことにより、残地に通路、みぞ、かき、さくその他の工作物の新築、改築、増築若しくは修繕又は盛土若しくは切土(以下「工作物の新築等」という。)をするためのものとして交付を受ける補償金は対価補償金には該当しないのであるが、当該工作物の新築等が残地の従来の機能を保全するために必要なものであると認められる場合に限り、当該工作物の新築等に要した金額が資本的支出と認められるものであっても、法人が、当該要した金額のうち当該補償金の額に相当する金額までの金額を修繕費として損金に経理したときは、その計算を認めても差し支えないことに取り扱う。

(地域外の既存設備の付替え等に要する経費の補償金)

64(2)−12の2 法人の有する土地等又は当該土地等の隣接地について収用等があったことに伴い、当該法人の有する建物、構築物、機械及び装置その他の工作物で収用等に係る土地以外の土地の上に存するもの(以下「地域外の既存設備」という。)を従来どおり事業の用に供することが著しく困難となったため、これに代えて資産の取得をし、又は資産の改良を行うための経費に充てるものとして交付を受ける補償金は対価補償金には該当しないのであるが、当該法人が当該補償金の全部又は一部をもって補償の目的に適合した同種の資産の取得又は資産の改良を行った場合には、次の場合に応じ、それぞれ次により取り扱うことができるものとする。
 起業者から金銭以外の資産の交付を受け、又は起業者によって当該法人の有する資産について改良が行われた場合も、同様とする。(昭51年直法2−39「26」により追加、平6年課法2−5「三十六」により改正)

(1) 当該地域外の既存設備について修理又は改良を行った場合 当該修理又は改良に要した金額が資本的支出と認められるものであっても、法人が当該要した金額のうち当該補償金の額に相当する金額以下の金額を修繕費として損金経理をしたときは、その計算を認める。

(2) 当該地域外の既存設備に代えて同種の資産を取得した場合 法人が当該補償金の額のうち当該資産の取得に充てた部分の金額に次の算式の割合を乗じて計算した金額以下の金額をその取得価額に算入しないで損金経理をしたときは、これを認める。

(算式)

地域外の既存設備の付替え等に要する経費の補償金の算式

(注) 当該地域外の既存設備の取壊し等に要する費用の額が、当該費用に充てるために交付を受ける金額を超える場合には、上記の算式中の「当該補償金の額」は、その「当該補償金の額」からその超える部分の金額を控除したところによる。

(原木販売業者等の有する立竹木の補償金)

64(2)−13 土地等の収用等に伴い、その土地等の上にある立竹木が水没し、又は伐採しなければならないこととなった場合においても、原木販売業、製材業、製紙業、パルプ製造業等を営む法人が有する立竹木で当該収用等のあった日前1年以内に他から購入したもの(当該収用等のあった時において通常の伐期に達していないものを除く。)に係る補償金については、当該法人が当該立竹木を棚卸資産として経理していたかどうかにかかわらず、措置法第64条から第65条の2までの規定の適用はないものとする。(平2年直法2−1「二十七」により改正)

(伐採立竹木の損失補償金と売却代金とがある場合の損失補償金に係る帳簿価額の計算)

64(2)−14 措置法第64条第2項第2号に規定する補償金を取得して伐採した立竹木を他に売却した場合には、当該立竹木の帳簿価額のうち補償金に係る部分の金額は、当該帳簿価額(当該売却のために要した経費の額を含む。)から当該立竹木の売却代金に相当する金額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)とする。(昭50年直法2−21「43」、昭52年直法2−33「41」、平15年課法2−7「六十」により改正)

(権利変換による補償金の範囲)

64(2)−15 措置法第64条第1項第3号の2又は第3号の3に規定する補償金には、都市再開発法第91条第1項又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第226条第1項の規定により補償として支払われる利息相当額は含まれるが、都市再開発法第91条第2項又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第226条第2項の規定により支払われる過怠金の額及び都市再開発法第118条の15第1項の規定により支払われる利息相当額は含まれないことに留意する。(昭57年直法2−11「十三」、平16年課法2−14「二十」により改正)

(土地等の使用に伴う損失の補償金等を対価補償金とみなす場合)

64(2)−16 土地等が土地収用法等の規定により使用されたこと(土地等について使用の申出を拒むときは土地収用法等の規定に基づいて使用されることとなる場合を含む。)に伴い、当該使用に係る土地の上にある資産につき、土地収用法等の規定により収用をし又は取壊し若しくは除去をしなければならなくなった場合において交付を受ける当該資産の対価又は損失に対する補償金(措置法令第39条第17項に規定するものに限る。)は、当該土地等を使用させることが措置法第64条第2項第1号に規定する要件を満たさないときにおいても、対価補償金とみなして取り扱うことができるものとする。(昭50年直法2−21「43」、昭52年直法2−33「42」、平15年課法2−7「六十」、平16年課法2−14「二十」、平17年課法2−14「二十六」により改正)

(逆収用の請求ができる場合に買い取られた資産の対価)

64(2)−17 措置法第64条第2項第2号の収用等をされた土地の上にある資産につき土地収用法等に基づく収用をしなければならなくなった場合において、当該資産の対価で政令で定めるものを取得するときとは、収用等をされた土地の上にある資産が、次の(1)又は(2)に掲げるようなものであるため、その所有者たる法人が収用の請求をすれば収用されることとなる場合(いわゆる逆収用の請求ができる場合)において、現実に収用の請求又は収用の裁決の手続を経ないで買い取られ、その対価を取得するときをいうことに留意する。

(1) 移転が著しく困難であるか、又は移転によって従来利用していた目的に供することが著しく困難となる資産(土地収用法第78条参照)

(2) 公共用地の取得に関する特別措置法第2条各号に掲げる事業の用に供するために収用等をされた土地の上にある資産(同法第22条参照)

(注) これらの資産の存する土地等の収用等につき事業認定若しくは特定公共事業の認定があったかどうか、又は特定公共事業の起業者が緊急裁決の申立てをしたかどうかにかかわらない。

(取壊し又は除去をしなければならない資産の損失に対する補償金)

64(2)−18 措置法第64条第2項第2号の収用等をされた土地の上にある資産につき、取壊し又は除去をしなければならなくなった場合において、当該資産の損失に対する補償金で政令で定めるものを取得するときとは、収用等をされた土地の上にある資産につき、取壊し又は除去をしなければならなくなった場合において、当該資産自体について生ずる損失に対する補償金で措置法令第39条第17項第2号に掲げるものの交付を受けるときに限られることに留意する。(昭50年直法2−21「43」、平15年課法2−7「六十」、平16年課法2−14「二十」、平17年課法2−14「二十六」により改正)

(仮換地の指定により交付を受ける仮清算金)

64(2)−18の2 法人の有する土地について土地区画整理法等による仮換地の指定があった場合に交付を受ける仮清算金の額については、換地処分があるまでは益金の額に算入されないことに留意する。(昭55年直法2−15「十六」により追加)

(換地処分等に伴う損失補償金)

64(2)−19 土地等が措置法第65条第1項第1号に掲げる場合に該当することとなったことに伴い、当該土地等の上にある資産につき土地収用法等の規定に基づく収用をし、又は取壊し若しくは除去をしなければならなくなった場合において、当該資産の対価又は損失に対する補償金(措置法令第39条第17項に規定するものに限る。)を取得するときは、措置法第64条第2項第2号に準じて取り扱うことができるものとする。(昭50年直法2−21「43」、平15年課法2−7「六十」、平16年課法2−14「二十」、平17年課法2−14「二十六」により改正)

(発生資材等の売却代金)

64(2)−20 土地等の収用等に伴い、当該土地等の上にある建物、構築物、立竹木等を取壊し又は除去をしなければならないこととなった場合において、起業者が当該資産の損失に対する補償金の算定に当たり発生資材(資産の取壊し又は除去に伴って生ずる資材をいう。以下同じ。)又は伐採立竹木の評価額を控除していないときにおいても、これらの資材又は伐採立竹木の価額又はその売却代金の額は、措置法令第39条第17項第2号に規定する補償金の額には該当しないことに留意する。(昭50年直法2−21「43」、平15年課法2−7「六十」、平16年課法2−14「二十」、平17年課法2−14「二十六」により改正)

(借家人補償金)

64(2)−21 他人の建物を使用している法人が、当該建物が収用等をされたことに伴いその使用を継続することが困難となったため、転居先の建物の賃借に要する権利金に充てられるものとして交付を受ける補償金(従来の家賃と転居先の家賃との差額に充てられるものとして交付を受ける補償金を含む。以下「借家人補償金」という。)については、措置法第64条第2項第2号の場合の対価補償金とみなして取り扱う。この場合において、法人が借家人補償金をもって転居先の建物の賃借に要する権利金に充てたときは、当該権利金に充てた金額を代替資産の取得に充てた金額とみなして取り扱うことができる。

(注) 借家人補償金をもって土地又は建物の取得に充てた場合には、措置法令第39条第4項の規定による代替資産の特例の適用があるものについてはこれによる。

(権利変換により借家権を取得しない場合の補償金)

64(2)−22 第一種市街地再開発事業又は防災街区整備事業の施行地区内の建築物に借家権を有する法人が都市再開発法又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の規定による権利変換により借家権を取得しなかった場合に都市再開発法第91条第1項又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第226条第1項の規定により支払を受ける補償金で次に掲げるものについては、措置法第64条第2項第2号の補償金に該当するものとして取り扱う。この場合には、第一種市街地再開発事業又は防災街区整備事業の施行者のその旨を証する書類を当該事業年度の確定申告書等に添付しなければならないものとする。(昭51年直法2−39「27」、平14年課法2−1「四十九」、平15年課法2−7「六十」、平16年課法2−14「二十」、平17年課法2−14「二十六」、平19年課法2−3「四十」により改正)

(1) 都市再開発法第79条第3項又は同法第111条の規定により読み替えられた同法第79条第3項の規定により権利変換計画において借家権が与えられないように定められたことにより受ける補償金

(2) 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第212条第3項又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律施行令第43条の規定により読み替えられた同法第212条第3項の規定により権利変換計画において借家権が与えられないように定められたことにより受ける補償金

(3) 都市再開発法第71条第3項の規定による申出の理由が措置法令第39条第7項各号に掲げる場合に準ずるものであることにつき、第一種市街地再開発事業の施行者が審査委員の過半数の同意を得て、又は市街地再開発審査会の議決を経てこれに該当するものと認めた場合に受ける補償金

(4) 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第203条第3項の規定による申出の理由が措置法令第39条第10項各号に掲げる場合に準ずるものであることにつき、防災街区整備事業の施行者が審査委員の過半数の同意を得て、又は防災街区整備審査会の議決を経てこれに該当するものと認めた場合に受ける補償金

(借地人が交付を受けるべき借地権の対価補償金の代理受領とみなす場合)

64(2)−23 法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該土地に係る対価補償金と当該借地権に係る対価補償金とが一括して当該土地の所有者に交付され、その一部を当該借地人たる法人が当該土地の所有者から支払を受けたときは、その支払が立退料等の名義でされたものであっても、当該支払を受けた金額は、当該借地人たる法人に交付されるべき借地権の対価補償金が代理受領されたものとみなして、当該借地人たる法人について措置法第64条から第65条の2までの規定を適用することができる。この場合において、当該借地人たる法人が確定申告書等に添付する措置法規則第22条の2第4項に規定する書類は、当該土地の所有者から支払を受けた金額の計算に関する明細書及び収用等をされた土地に係る同項に規定する書類として当該土地の所有者が交付を受けたものの写しとする。(昭63年直法2−1「二十一」、平10年課法2−17「三十三」により改正)

(借地権の対価補償金の全部又は一部を土地所有者が取得した場合)

64(2)−24 法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該借地人たる法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金(その一部を当該借地人たる法人が起業者から交付を受けているときにおける当該交付を受けた部分を除く。以下64(2)−24において同じ。)が当該土地の所有者に交付されたときは、当該借地人たる法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金に相当する金額(64(2)−23により代理受領されたとみなされる金額の支払を受けたときにおける当該支払を受けた金額を控除した金額)については、当該借地人たる法人が一旦起業者から交付を受け、これを当該土地の所有者に贈与(当該所有者が当該法人の代表者等であるときは給与として支給)したものとして取り扱うことに留意する。この場合において、当該借地人たる法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の額は、原則として同一の事業について起業者が他の借地人に対してした補償の状況等を基礎として算定するが、その額が明らかでないときは当該土地の存する地域における借地権割合によっても差し支えない。
 なお、この取扱いにより贈与等をしたものと認定するに当たり、当該借地人たる法人が当該交付を受けたものとされた借地権の対価補償金について措置法第65条の2の規定による5,000万円の損金算入の特例(以下「5,000万円損金算入の特例」という。)の適用を受けたい旨を申し出たときは、その損金算入の申告書及び収用等をされた土地に係る措置法規則第22条の2第4項に規定する書類として当該土地の所有者が交付を受けたものの写しを提出した場合に限り、これを認める。(昭50年直法2−21「44」、昭63年直法2−1「二十一」、平2年直法2−1「二十七」、平3年課法2−4「二十二」、平10年課法2−17「三十三」、平23年課法2−17「三十四」により改正)

(注)

1 この取扱いによるのは、例えば法人が借地の上にある建物等を有している場合において、当該土地の所有者が当該法人の同族関係者である等のため、当該土地の所有者が借地権の対価補償金も一括して取得し、当該法人が建物等の補償金だけの交付を受けたような場合である。

2 土地所有者がこの取扱いにより贈与等を受けたものとされる額は対価補償金にはならないから、当該土地所有者については、圧縮記帳又は5,000万円損金算入の特例の適用がない。

3 当該借地人たる法人に対しては、土地所有者から立退料等の支払を受けることとすれば、64(2)−23の取扱いによることができるものであることを十分に指導する。

(借地権の対価補償金の交付を受けなかったことについて相当の理由がある場合)

64(2)−25 法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該借地人たる法人が起業者から借地権の対価補償金の交付を受けなかったとき又は当該土地の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、例えば、土地の一時使用に該当するものであること等その交付又は支払を受けなかったことについて相当の理由があると認められるときは、64(2)−24にかかわらず、これを認める。

(借地権の対価補償金の交付を受けることに代えて新たに借地権を取得する場合)

64(2)−26 法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該借地人たる法人が起業者から借地権の対価補償金の交付を受けなかったとき又は当該土地の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、当該交付又は支払を受けることに代えて、当該土地の所有者の有する他の土地について新たに借地権を取得したときは、当該借地人たる法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の交付を受け、これを新たに取得した借地権の取得に充てたものとして、措置法第64条から第65条の2までの規定を適用することができる。この場合において、当該借地人たる法人が確定申告書等に添付する措置法規則第22条の2第4項に規定する書類については、64(2)−23の後段に準ずるものとする。
 なお、この取扱いによる場合において、当該借地人たる法人が新たに取得した借地権の価額が当該通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の額に比して著しく差異があるときを除き、当該通常交付を受けるべきであった借地権の対価補償金は当該取得した借地権の価額と同額であるものとみなし、土地所有者との間に贈与等の事実がなかったものとすることができる。(昭63年直法2−1「二十一」、平10年課法2−17「三十三」により改正)

(注) 土地所有者が起業者から交付を受けた対価補償金のうち借地人たる法人が通常交付を受けるべきであったと認められる金額は、借地権の設定の対価の収入(新たに設定した借地権の価額が借地人たる法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の額に満たないときのその差額については贈与等の収入)とされるのであるから、圧縮記帳等の特例の適用がない。

(借家人が交付を受けるべき補償金についての準用)

64(2)−27 法人が使用している他人の建物について収用等があった場合において、当該借家人たる法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借家人補償金について、次に該当するときは、それぞれ次による。

(1) 当該建物に係る対価補償金が、当該建物の所有者に一括して交付され、その一部を当該借家人たる法人が当該建物の所有者から立退料等の名義で支払を受けたときは、64(2)−24に準ずる。

(2) 当該借家人たる法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借家人補償金(その一部を当該借家人たる法人が起業者から交付を受けているときにおける当該交付を受けた部分を除く。)が当該建物の所有者に交付されたときは、64(2)−24に準ずる。
 この場合において、当該借家人たる法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借家人補償金の金額は、同一の事業につき起業者が他の借家人に対してした補償の状況等を基礎として算定する。

(3) 当該借家人たる法人が起業者から借家人補償金の交付を受けなかったとき又は当該建物の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、例えば建物の一時使用に該当するものである等、その交付又は支払を受けなかったことについて相当の理由があると認められるときは、(2)にかかわらず、これを認める。

(4) 当該借家人たる法人が起業者から借家人補償金の交付を受けなかったとき又は当該建物の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、当該交付又は支払を受けることに代えて、当該建物の所有者の有する他の建物を使用することになったときは、64(2)−26に準ずる。

(法人が交付を受けるべき収益補償金等を他の者が取得した場合)

64(2)−28 法人が使用している他人の土地又は建物等について収用等があった場合において、当該法人が営業の休廃止又は移転により、交付を受けるべきであった収益補償金、経費補償金、移転補償金等を当該資産の所有者等当該法人以外の者が取得しているときは、当該法人がこれらの補償金に相当する金額を当該者に対して贈与(当該者が当該法人の代表者等であるときは給与として支給)したものとして取り扱うことに留意する。

(注) この取扱いにより建物の所有者が贈与等を受けたものとされる収益補償金については、当該所有者及び借家人たる法人のいずれについても、64(2)−5の取扱いによることはできないことに留意する。

(共同漁業権等の消滅等による補償金の仮勘定経理)

64(2)−29 漁業協同組合又は漁業協同組合連合会(以下64(2)−29において「組合等」という。)が、その有する共同漁業権、特定区画漁業権又は入漁権(以下64(2)−29において「共同漁業権等」という。)の消滅又はその価値の減少(以下64(2)−29において「消滅等」という。)により措置法第64条第1項第7号に掲げる補償金又は対価(以下64(2)−29において「補償金等」という。)を取得した場合において、当該補償金等の額の全部又は一部を当該共同漁業権等の範囲内において漁業を営む権利を有する組合員に対して当該権利の消滅等による補償として配分することとしているため、その配分することが予定されている部分の金額につきその配分をする日と当該補償金等の交付を受けた日から3年を経過する日とのいずれか早い日まで仮受金として経理しているときは、これを認める。この場合において、当該補償金等の交付を受けた日から3年を経過した日において配分が確定していない金額があるときは、当該金額については、同日において組合等が収用等により取得した補償金等であるものとして措置法第64条から第65条の2までの規定を適用する。(昭55年直法2−15「十六」により追加)

(注) 後段の場合において、その後組合員に対する配分が確定したときは、その配分が確定した部分の補償金等の額に係る税額について通則法第23条第2項の規定による更正の請求ができるものとする。

(収用等をされた資産の譲渡に要した経費の範囲)

64(2)−30 収用等をされた資産の譲渡に要した経費がある場合には、措置法第64条第1項の規定により、当該経費の額が当該経費に充てるべきものとして交付を受けた金額を超えるときのその超える金額(交付を受けた金額が明らかでないときは、当該経費の額)を、当該譲渡をした資産に係る対価補償金の額から控除することとなるのであるが、次に掲げる経費は、この場合の譲渡に要した経費に該当することに留意する。(昭55年直法2−15「十六」、平24年課法2−17「二十八」により改正)

(1) 譲渡に要したあっせん手数料、謝礼

(2) 譲渡をした資産の借地人又は借家人等に対して支払った立退料(64(2)−23又は64(2)−27の(1)により代理受領とみなされる場合の立退料を除く。)

(3) 資産が取壊し又は除去を要するものである場合における取壊し又は除去の費用(発生資材の評価額を64(3)−7により処分可能価額によっている場合には、その評価額に相当する金額を控除した金額とし、控除しきれない場合には、当該費用はないものとする。)

(4) 当該資産の譲渡に伴って支出しなければならないこととなった次に掲げる費用

イ 建物等の移転費用

ロ 動産の移転費用

ハ 仮住居の使用に要する費用

ニ 立木の伐採又は移植に要する費用

(5) (1)から(4)までに掲げる経費に準ずるもの

(2以上の資産について収用等をされた場合の資産の譲渡に要した経費の計算)

64(2)−31 措置法第64条第1項の規定により対価補償金の額から控除すべき資産の譲渡に要した経費の額を計算する場合において、同時に収用等をされた資産が2以上あるときは、資産の対価補償金の額から控除することとなる資産の譲渡に要した経費の額は、措置法規則第22条の2第1項の規定により、個々の資産の譲渡に要した経費の額の比によりあん分して計算した金額によるのであるが、その計算が困難であるときは、収用等をされた資産に係る対価補償金のうちに占める個々の資産に係る対価補償金の額の比によりあん分して計算した金額によることができる。(昭55年直法2−15「十六」、昭63年直法2−1「二十一」、平10年課法2−17「三十三」により改正)