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直審4−30
直審3−115
直審5−8
昭和59年6月26日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

抵当証券に係る税務上の取扱い

 標題のことについて、東京抵当信用株式会社取締役社長小宮保から別紙2のとおり照会があり、これに対し直税部審理課長名で別紙1のとおり回答したから了知されたい。

別紙1

直審4−29
直審3−114
直審5−7
昭和59年6月26日

東京抵当信用株式会社
取締役社長 小宮保 殿

国税庁直税部
審理課長 加藤実

抵当証券に係る税務上の取扱いについて
 (昭和59.4.4付照会に対する回答)

 標題のことについては、貴見のとおりで差し支えありません。
 なお、債務者である法人が貴社に支払う管理手数料は、法人税法第23条(受取配当等の益金不算入)第3項に規定する負債の利子に含まれ、また、投資家の保有する抵当証券は、法人税法第52条(貸倒引当金)第1項又は所得税法第52条(貸倒引当金)第1項に規定する貸金には含まれませんので、念のため申し添えます。
 おって、抵当証券の販売に当たっては、口頭説明、パンフレットへの説明書記載等の方法を通じ、投資家(個人)が取得する抵当証券の利子及び同証券の売却損益に係る雑所得の金額について申告納税を要する旨、指導方よろしくお願いします。

別紙2

昭和59年4月4日

国税庁直税部審理課長 殿

東京抵当信用株式会社
取締役社長 小宮保

抵当証券に係る法人税、所得税及び有価証券取引税の取扱いについて

 当社の取り扱う抵当証券に係る税務上の取扱いについては、下記に記載したところにより処理したいと考えておりますが、貴意を得たく照会いたします。
 なお、抵当証券の発行と流通の仕組みは別添のとおりです。

一 法人税

1. 抵当証券に係る利息の計上
投資家が取得する抵当証券に係る利息は、期間対応により計上すべきものであるが、金融及び保険業を営む法人以外の法人については、履行期に計上することも認められる。

2. オーバーパー発行における利息調整手段としてのアモーチゼイションの適用
投資家が額面金額を超えて取得した抵当証券について、その帳簿価額につきその償還期間を基礎として、相当の減額の行ったことにより生じた損失の額は、法人税法上評価損に該当しないので、その減額時の損金算入が認められる。

3. 債務者の負担する抵当証券の発行に伴う費用
抵当証券の発行に伴い、その債務者が支出する抵当権設定登録税、不動産鑑定評価報酬その他の発行費用、発行引受手数料等の費用は、その支出時の損金とすべきであるが、その性質上、社債発行費用(商法286条の5)に準じて繰延資産に計上し、3年均等償却をすることも認められる。

二 所得税

1. 抵当証券に係る利子
投資家が支払を受ける抵当証券に係る利子は、所得税法上の利子等に該当しないことから、それを支払う際には所得税の源泉徴収を必要とせず、また、その支払を受けた者については、雑所得に該当する(所得税法23条、181条参照)

2. 抵当証券の償還損
投資家が抵当証券を額面金額を超えて取得したために生ずる償還時の償還差損は、雑所得の損失に該当する。

3. 抵当証券の売買損益
投資家が抵当証券を償還期限前に売却したことによる売却損益は、当該抵当証券が譲渡所得の基因となる資産に該当しないと認められるので、雑所得又は雑所得の損失に該当する。

三 有価証券取引税

 投資家が取得する抵当証券は、有価証券取引税法上の有価証券ではないので、有価証券取引税は課税されない。

以上

別添

抵当証券の発行と流通の仕組み

1 資金需要者は、抵当証券会社(以下「当社」という。)に、融資の申込みを行う。

2 当社は、調査のうえ不動産等に抵当権を設定し、融資を行う。

3 当社は、法務局に抵当証券の交付を申請する。

4 法務局は、担保の妥当性、充分性を厳格に審査する。

5 法務局は、当社に対し抵当証券を交付する。

6 当社は、当該抵当証券を銀行に保護預けする。

7 銀行は、当社に抵当証券の保護預り証を交付する。

8 投資家は、当社に抵当証券の購入を申し込み、購入代金を払い込む。

9 当社は、投資家が購入する抵当証券に対応するモーゲージ証書に銀行が保護預りしている旨の証明を受け、これを投資家に渡す。

10 資金需要者である債務者は、元利金をあらかじめ定められた日(1年以内の一定期間ごとに到来する。)に当社に支払う。

11 当社は、元利金を定められたとおり投資家に支払う。

12 投資家は、モーゲージ証書の譲渡はできない。ただし、当社に対しては、いつでも譲渡できる(譲渡価額は、時価と譲渡日までの利息との合計額である。)。

抵当証券の発行と流通の仕組みの図