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直審4−6
直審3−17
昭和59年2月13日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

家畜導入事業資金供給事業及び肉用牛経営安定対策事業資金供給事業に係る法人税及び所得税の取扱いについて

 標題のことについて、農林水産省畜産局長から別紙2のとおり照会があり、これに対して別紙1のとおり回答したから了知されたい。


( 別紙1 )

直審4−5
直審3−16
昭和59年2月13日

農林水産省畜産局長 殿

国税庁長官

畜産総合対策事業の家畜導入事業資金供給事業及び肉用牛経営安定対策事業資金供給事業に係る法人税及び所得税に関する取扱いについて(昭58.4.11付58畜A第927号照会に対する回答)

 標題のことについては、お申出のとおり取り扱うこととします。
 なお、法人である農業者等(畜産経営者)が法人税法第23条第3項((受取配当等の益金不算入における負債利子の控除))の規定を適用する場合は、同項に規定する負債利子には、その農業者等が農協等の金融機関から経営安定のための資金を借りたときの利子が含まれますので念のため申し添えます。


( 別紙2 )

58畜A第927号
昭和58年4月11日

国税庁長官 殿

農林水産省 畜産局長

畜産総合対策事業の家畜導入事業資金供給事業及び肉用牛経営安定対策事業資金供給事業に係る法人税及び所得税に関する取扱いについて

 農林水産省においては,大家畜振興の一環として,肉用牛等の導入に関する事業及び肉用牛の経営安定に関する事業を内容とする大家畜振興対策事業を実施し,このうち,肉用牛等の導入に関する事業に係る税務上の取り扱いについては,昭和48年4月10日付直法2−35,直所2−28「家畜導入事業にかかる法人税および所得税に関する取扱いについて」により取り扱われてきた。
 しかしながら,最近における畜産をめぐる情勢の変化に対処して,従来の量的拡大を主眼として畜種別,生産行程別に実施されてきた畜産関係事業を抜本的に見直し,これまでの各種畜産関係施策を総合的に講ずる畜産総合対策事業を57年度から発足させ,従来の肉用牛等の導入に関する事業に新たに育成譲渡実験事業を加え家畜導入事業資金供給事業とし,肉用牛の経営安定に関する事業についても,肉用牛経営安定対策事業資金供給事業として,この畜産総合対策事業において実施することとした。
 また、これに伴い事業の機動的かつ安定的推進を図るため,国,都道府県,市町村からの補助金,関係団体からの助成金又は負担金により,市町村,農業協同組合,農業協同組合連合会,公社及び地方農政局長が適当と認める団体(以下「基金造成主体」という。)に基金を造成し,これにより事業を実施することとした。
 対象事業実施に当たって,都道府県,市町村,農業協同組合,農業協同組合連合会及び公社(以下「対象事業主体」という。)は,当該基金造成主体より助成金の交付を受け,対象事業を実施することとしているが,当該補助金及び助成金の利益は従来どおり実質的に農業者に帰属せしめるよう運用することとしている。
 この新しい事業の実施に伴う農業協同組合又は農業協同組合連合会(以下「農協等」という。)の経理等処理の明確化を期するため,下記により指導することとしたので,よろしくお取り計らい願いたい。
 なお,対象事業の種類及びその概要は別紙のとおりである。

1 農協等の経理について

(1) 基金造成主体で,かつ対象事業主体である場合
農協等が基金造成主体となり,国及び地方公共団体等から基金造成のために交付を受けた補助金については,事業の対象者である農業者等が受益することから基金造成主体たる農協等においては単なる通り抜けと考え,仮受金(畜産総合対策基金)として経理すること。

(2) 基金造成主体のみである場合
(1)と同様に農協等においては単なる通り抜けと考え,仮受金(畜産総合対策基金)として経理すること。

(3) 対象事業主体のみである場合
(1)と同様に農協等においては単なる通り抜けと考え,仮受金(補助金仮受金勘定)として経理すること。

(4) 農協等が肉用牛経営安定対策事業資金供給事業の対象事業を行う場合に自己負担分として基金への支出が義務づけられている額を支出したときは,その基金へ支出した額の多くが支出年度内に取り崩されること及び事業の対象者が当該農協等の組合員であることから,当該支出した額は,その支出のあった事業年度の損金(指導支出)として経理すること。ただし,損金計上した金額のうち事業推進上,翌事業年度に繰越した金額があるときはその金額については自己否認し,所得に加算して申告する。

(5) 家畜導入事業資金供給事業に係る対象事業主体である農協等が農業者等から飼養期間経過後に収受することとなる譲渡対価のうち,金利に相当する額については,飼養期間の経過に応じ毎期決算時に未収収益として益金の額に算入すること。

2 家畜導入事業資金供給事業に係る導入家畜の引渡しを受けた農業者等における経理について

(1) 農業者等が実質的に受益する補助金については,農業者等において家畜の引渡しを受けたとき,法人税法第42条(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)又は所得税法第42条(国庫補助金等の総収入金額不算入)の規定の適用があるものとして取り扱うものとする。
 この場合,補助金相当額控除後の価額で取得したものとして処理した場合においても同条の規定の適用ができるものとする。

(2) 家畜導入事業資金供給事業に係る導入家畜の引渡しを受けた農業者等は,当該家畜について自己の責任において飼養管理をし、自己の事業の用に供するものであり,かつ,農協等が1の(1)及び(3)により仮払い金として経理した金額に対して金利相当額を負担するものであるから,その実質においては家畜の引渡しを受けた時点で取得したものと考えられるので,当該家畜の成熟後は当該農業者等の減価償却資産として取り扱うものとする。

3 肉用牛経営安定対策事業資金供給事業に係る助成金の取扱いについて

 肉用牛経営安定対策事業資金供給事業のうちの肉用牛繁殖経営安定促進事業に係る助成金にあっては、その事業の内容が対象者が農協等の金融機関から経営安定のための資金を借りた場合の利子の全額について助成するものであるから,当該金銭消費貸借契約締結と同時に利子の支払いができるよう支出するものとする。
 したがって,当該助成金は対象者の収入としては取り扱わないものとし,また,対象者の支払う利子も対象者の支出としては取り扱わないものとする。

(注) 昭和56年度まで実施してきた沖縄家畜導入事業実施要領,肉用牛等導入事業実施要領,酪農対策事業実施要領,肉用牛生産緊急総合対策事業実施要領及び大家畜振興対策事業実施要領に基づく事業についての税法上の取り扱いについては,昭和48年4月10日付直法2−35直所2−28通達「家畜導入事業にかかる法人税及び所得税に関する取扱いについて」により取り扱うものとする。


添付書類(省略)

1 畜産総合対策基本要綱(昭和57年5月17日付け57畜B第1108号農林水産事務次官依命通達)

2 畜産総合対策事業実施要領(昭和57年5月17日付け57畜B第1109号農林水産事務次官依命通達)

3 畜産総合対策関係補助金交付要綱(昭和57年5月17日付け57畜B第1280号農林水産事務次官依命通達)

4 地域畜産総合対策の運用について(昭和57年5月17日付け57畜B第1281号農林水産省畜産局長通達)


(別紙)

対象事業の種類及びその概要

1 家畜導入事業資金供給事業

(1) 農協有等家畜導入事業

 農業協同組合,農業協同組合連合会又は公社が対象事業主体となり,一定地域の農業を営む個人及び農業生産法人又は農業者に生産子牛を供給する事業を行う農業協同組合等を対象者として,当該対象事業主体の購入又は所有に係る家畜を一定期間(3年又は5年)飼養管理させた後,その者に譲渡する事業

ア 肉用牛繁殖中核経営育成型事業
 肉用牛の飼養適地において,経営の規模拡大を指向する農業者等を対象として肉用牛を計画的かつ集団的に導入することにより,地域における肉用牛繁殖経営の中核的担い手の育成,肉用牛資源の拡大及び経営の安定向上を図る事業。

イ 水田等肉用牛定着化型事業
 水田再編対策の実施により転換水田において,稲から飼料作物への作付け転換を行う農業者を対象として,肉用牛を計画的に導入することにより,飼料作物の作付けの増加とその定着化を通じて肉用牛経営の安定及び水田再編対策の促進を図る事業。

ウ 高齢者等肉用牛飼育型事業
 高齢者等を対象として,肉用牛を計画的に導入することにより,肉用牛資源の確保及び高齢者等の福祉の向上等を図る事業。

エ 外国産肉用牛資源確保対策型事業
 外国産肉用牛の飼養適地において,放牧を主とした肉用牛経営計画を有する農業者等を対象として,外国産肉用雌牛を計画的かつ集団的に導入することにより,低コストの肉用牛の生産地域の育成及び肉用牛資源の拡大を図る事業。

オ 沖縄未利用資源活用肉用牛生産型事業
 沖縄県の肉用牛の飼養適地において,さとうきびの梢頭部,バカス及びパイン粕等の未利用資源を有効に活用して,肉用牛経営の合理化を図る農業者等を対象として肉用牛を導入する事業。

カ 沖縄乳用牛資質向上対策型事業
 沖縄県において,酪農経営の合理化を図る農業者を対象として乳用牛を導入する事業。

(2) 育成譲渡実験事業

 公共育成牧場等を設置している都道府県,市町村,農業協同組合,農業協同組合連合会又は公社が対象事業主体となり,一定地域の農業を営む個人を対象者として,当該対象事業主体の購入に係る家畜を,その設置する公共育成牧場等を活用し,対象者から預託を受ける等により育成の上,一定期間(2年未満)後,その者に譲渡する事業。

(3) 特別導入事業

 市町村が対象事業主体となり,一定地域の農業を営む個人を対象者として,当該対象事業主体が購入又は貸付期間中に貸付牛から生産された育成雌牛の納付を受け,対象者に一定期間(5年又は貸付牛から生産された育成雌牛を納付した場合は納付までの期間(沖縄乳用牛資質向上対策型事業の場合を除く。))飼養管理させた後,その者に譲渡する事業。

ア 高齢者等肉用牛飼育型事業、イ 沖縄未利用資源活用肉用牛生産型事業、ウ 沖縄乳用牛資質向上対策型事業 ア〜ウ 事業内容は農協有等家畜導入事業に同じ。

(4) 優良乳用雌牛整備事業
農業協同組合,農業協同組合連合会又は公社が対象事業主体となり,乳用牛群改良推進事業の検定組合に加入している酪農家等において,能力の判明している乳用牛群から生産された優良な雌牛を購入し,一定地域の牛群の改良を推進しようとする酪農家を対象者として,一定期間(3年間)飼養管理させた後,その者に譲渡する事業。

2 肉用牛経営安定対策事業資金供給事業

(1) 肉用牛繁殖経営安定促進事業

ア 肉用牛中核生産地域育成事業
肉用牛繁殖経営の規模拡大を行うため,子牛販売代金を見込んで農業協同組合等の金融機関から経営の安定に要する資金を借り入れた場合,又は農業協同組合との子牛の販売委託契約により子牛販売代金の一部について前払を受けた場合に当該借入れ,又は前払いを無利子とする措置を講ずる事業。

イ 稲作転換肉用牛生産地域育成事業
水田地帯における肉用牛経営が転作飼料作物を利用して繁殖経営の規模拡大を行うため,子牛販売代金を見込んで農業協同組合等の金融機関から経営の安定に要する資金を借り入れた場合,又は農業協同組合との子牛販売委託契約により子牛販売代金の一部について前払を受けた場合に当該借り入れ,又は前払いを無利子とする措置を講ずる事業。

(2) 肉用牛一貫生産促進事業

ア 肉用牛集約生産基地育成事業
肉用牛の地域内一貫生産体系の確立を推進するため,肉用牛集約生産基地内で生産された肥育素牛について,契約等によりその生産者から,同基地内の肥育経営者への供給を促進する事業。

イ 稲作転換肉用牛生産地域育成事業
肉用牛繁殖経営安定促進事業の稲作転換肉用牛生産地域育成事業の実施地域において,肉用牛肥育経営の開始及び定着を促進する事業。