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ホーム税について調べる法令解釈通達法人税関係 個別通達目次>畜産団地造成事業により設置した資産に関する所得税および法人税の取扱いについて

直法2−61(例規)
直所2−39
昭和47年12月21日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

畜産団地造成事業により設置した資産に関する所得税および法人税の取扱いについて

 標題のことについて、農林省畜産局長から別紙2のとおり照会があり、当庁直税部長名をもって別紙1のとおり回答したから、通達する。

別紙 1

直法2−60
直所2−38
昭和47年12月21日

農林省畜産局長 殿

国税庁直税部長

畜産団地造成事業により設置した資産に関する所得税および法人税の取扱いについて
(昭47.11.11付47畜B第3325号照会に対する回答)

 標題のことについては、貴見のとおり取り扱うこととします。
 なお、今後同種の方式により実施される事業については、本件の事業の実施条件と全く同一であるものにつき、本件と同様に取り扱うことを申し添えます。

別紙 2

47畜B第3325号
昭和47年11月11日

国税庁長官 殿

農林省畜産局長

畜産団地造成事業により設置した資産に関する所得税および法人税の取扱いについて

 畜産団地造成事業は、都市化の進展等により経営の継続または発展が困難となった都市近郊の畜産経営農家を適地に集団移転させることにより、畜産経営に伴う環境汚染の防止と経営規模拡大の促進を図ることを目的としたもので、その概要は別紙1のとおりである。この場合、国または地方公共団体が交付する補助金については、その利益が実質的に移転農業者に帰属するよう配慮がされるが、その税務上の取扱いについて、下記事情をご参しゃくのうえ、別紙2の意見のように処理することを認められたく特段のご配慮をお願いする。
 おって、今後同種の方式により実施される事業についても、同様なご配慮をあわせてお願いする。

1 当該事業が個々の農業者を移転させることを目的としたものでありながら、事業主体を農協等の法人に限定したのは、当該事業が環境汚染の防止を主たるねらいとし、適地に完備した汚染防止施設を設置して集団移転させる極めて公共性の強い事業であること、および、当該事業は規模が大きく、事業実施について高度な技術的、事務的能力を必要とすることから、補助事業の最も効果的な実施を図ることとしたためである。

2 当該事業により移転農業者に提供する資産の譲渡価額、賃貸料、引渡し価額の基礎となる事業費の積算は、畜産団地造成事業実施要領(別添)第2の4により、団体営草地開発事業等事業費積算要領(別添)に基づき実施することとされており、また、設置した資産を移転農業者に譲渡または貸し付ける場合における譲渡価額および賃貸料は、申請または委託方式における負担金の徴収と同様に、補助金相当額が移転農業者にとり実質的に負担の軽減となる価額で決定されるよう指導している(「畜産団地造成事業実施計画樹立上の留意事項について」記の5(畜産局長通達、別添))。

3 以上のように、農協等が移転農業者に提供する資産の価額または賃貸料は、これらの資産の造成または取得に要した価額から国庫または地方公共団体の補助金相当額を控除した額または同額を基礎に算定した賃貸料となるが、このことは、当該補助事業の実施に当たり事業主体となる農協等に義務づけられた行為であり、国庫補助金等の利益を実質的に移転農業者に帰属させるものである。

添付書類(省略)

1 畜産経営に起因する環境汚染防止に関する措置について
 (昭和45年7月18日付45畜A第2967号農林事務次官通達)

2 畜産団地造成事業実施要綱
 (昭和45年7月20日付45畜B第1406号農林事務次官通達)

3 畜産団地造成事業費補助金交付要綱
 (昭和45年8月20日付45畜B第2217号農林事務次官通達)

4 畜産団地造成事業実施要領
 (昭和45年7月20日付45畜B第1407号畜産局長通達)

5 団体営草地開発事業等事業費積算要領
 (昭和46年4月19日付46畜B第945号畜産局長通達)

6 畜産団地造成事業実施計画の樹立上の留意事項について
 (昭和46年5月14日付46畜B第1242号畜産局長通達)

(別紙1)

畜産団地造成事業の概要

 最近における都市化の進展等により、経営の継続または発展が困難となった都市近郊の畜産経営農家を適地に集団移転させることにより、畜産経営に伴う環境汚染の防止と経営の規模拡大の促進を図る。

1 事業対象者

 住宅密集区域等環境汚染問題が発生するおそれのある区域にある畜産経営農家で5人以上で移転する場合

2 事業主体

(1) 移転農業者に造成した畜産団地を譲渡しまたは貸付ける農業協同組合、農業協同組合連合会、地方公共団体その他地方公共団体の設立にかかる農業開発公社等の公益法人(以下「公社等の公益法人」という。)

(2) 移転農業者から畜産団地の造成について申請または委託を受けた農業協同組合、農業協同組合連合会、地方公共団体、公社等の公益法人

3 事業採択の要件

(1) 造成される畜産団地の規模が酪農、肉牛にあってはおおむね10ha以上、養豚にあってはおおむね5ha以上、養鶏にあってはおおむね3ha以上であること。

(2) 造成される畜産団地が「農業振興地域の整備に関する法律」(昭和44年法律第58号)第6条第1項の規定により指定された農業振興地域または同予定地域内に位置するものであること。

4 補助対象

(1) 道路の整備費

(2) 用地の造成費(牧草地、飼料畑、畜産施設敷地)

(3) 施設の整備費(用排水施設、電気導入施設、家畜排せつ物処理施設)

(4) 事務費(事業費の4%の範囲内の金額で、うち都道府県3%以下、事業主体1%以上)

5 国庫補助率

(1) 事業費
道路整備 45%以内
用地造成 30%以内
施設整備 30%以内

(2) 事務費   50%以内

(注) 移転農業者の負担の軽減を図るため国庫補助金のほか地方公共団体独自の補助金も付加されて交付される。

6 事業の実施方法

(1) 譲渡方式

ア 地方公共団体が事業主体となる場合は、市町村等分譲条例に基づき移転農業者に譲渡される。また農業協同組合、農業協同組合連合会、公社等の公益法人が事業主体となる場合は、移転農業者との間の譲渡契約に基づき譲渡される。

イ 国庫補助金は都道府県を経由して事業主体に交付され、移転農業者は造成された畜産団地を補助金相当額の控除された価額で事業主体から譲り受け受益する。

(2) 貸付方式

ア 地方公共団体が事業主体となる場合は、市町村等賃貸条例に基づき移転農業者に賃貸される。また、農業協同組合、農業協同組合連合会、公社等の公益法人が事業主体となる場合は、移転農業者との間の賃貸借契約に基づき賃貸される。

イ 国庫補助金は都道府県を経由して事業主体に交付され、移転農業者は造成された畜産団地を、補助金相当額の控除された価額に基づき算定された賃貸料で事業主体から借り受け受益する。

(3) 申請委託方式

ア 地方公共団体が事業主体となる場合は、市町村等分担徴収条例に基づき、移転農業者は自己所有地の畜産団地造成を事業主体に申請し、事業が実施される(申請方式)。また、農業協同組合、農業協同組合連合会、公社等の公益法人が事業主体となる場合は、事業主体と移転農業者との間の委託契約に基づき、移転農業者所有地につき畜産団地造成事業が実施される(委託方式)。

イ 国庫補助金は都道府県を経由して事業主体に交付され、事業主体は畜産団地造成に要した経費から補助金相当額を減じた事業負担金を移転農業者から徴収する。

(別紙2)

処理意見

1 事業主体が市町村である場合

(1) 譲渡方式または申請方式の場合にあっては、その移転農業者に与えられる利益相当額は、国庫補助金等として法人税法第42条(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)または所得税法第42条(国庫補助金等の総収入金額不算入)の規定の適用があるものとする。

(2) 貸付方式の場合にあっては、その移転農業者に与えられる利益相当額は、賃貸料と相殺されたものとして処理する。

2 事業主体が農業協同組合、農業協同組合連合会または公社等の公益法人である場合

(1) 譲渡方式または委託方式の場合にあっては、国庫補助金等は単なる通り抜けと考え、事業主体においては、仮受経理をし、移転農業者に契約物件を引き渡した際に、その譲渡収入または委託収入に充当し、移転農業者においては、その国庫補助金等につき、法人税法第42条または所得税法第42条の規定の適用があるものとして取り扱うものとする。この場合、国庫補助金等相当額控除後の価額で取得したものとして処理した場合においても、同条の規定の適用を認めるものとする。

(2) 貸付方式の場合にあっては、事業主体が市町村の場合と同様の処理を認める。

(3) 事業主体が公社等の公益法人である場合における本件の事業は、法人税法施行令第5条に規定する収益事業に該当しないと解する。