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直審(法)46
昭和37年8月16日

国税局長 殿

国税庁長官

生命保険会社の所得計算等に関する取扱いについて

生命保険会社の責任準備金及び配当準備金への繰入額並びに益金の額に算入しない配当等の金額を計算する場合の生命保険契約に基づく利子に準ずるもの等の取扱いについて、下記のとおり定めるとともに、従来の取扱通達を改正したから、これにより取り扱われたい。

(趣旨) 生命保険会社が各事業年度において責任準備金又は配当準備金に繰り入れた金額で当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものについては、従来必ずしも、その取扱いが明らかでなかつたので、保険料積立金として積み立てた金額のうち平準純保険料方式積立額に相当する金額までの金額を損金の額に算入するなど、これらの準備金に繰り入れた金額についての損金算入の限度を明らかにするとともに、法人税法施行規則の一部を改正する法令(昭和36年政令第63号)等の施行に伴い、経済的性質が利子に準ずるものとして生命保険会社の受取配当の金額から控除する責任準備金繰入利子等の金額の計算方法等を定めたものである。

(責任準備金繰入額の損金算入)

1 生命保険会社が各事業年度において責任準備金の繰入れをした場合には、当該繰入額(保険料積立金及び未経過保険料の部分に限るものとし、これらの部分を担保するために再保険を付している場合の当該再保険を付している部分に相当する金額を除く。)は、算出方法書(保険料及び責任準備金の算出方法書をいう。以下同じ。)において定められている保険料の計算基礎を基として計算した額(特別勘定として区分して経理する保険契約にあつては、当該特別勘定における収支の残高)を限度として、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。この場合、保険料積立金部分(特別勘定に係る積立てを除く。)については、平準純保険料式により計算した金額を限度とする。
 ただし、標準責任準備金の積立方式及び計算基礎率を定める告示(平成8年2月29日付大蔵省告示第48号)の適用を受ける保険契約に係る保険料積立金にあつては、当該告示により定められている計算基礎を基として計算した額(当該計算した額が契約者価額を下回る場合には、当該契約者価額)をもつて保険料積立金の損金算入限度額とすることができる。

(注) 平準純保険料式以外の方式により繰入れをした責任準備金の保険料積立金部分の金額が、平準純保険料式により計算した損金算入限度額に満たない場合には、当該事業年度において責任準備金の危険準備金部分として繰り入れた金額のうち当該満たない部分の積立不足を補うものとして積み立てた金額を損金の額に算入することができるものとする。

(責任準備金の益金算入)

2 生命保険会社が責任準備金に繰り入れた金額(損金の額に算入されなかつた部分の金額を除く。)は、当該繰入れをした事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

(未収保険料に対応する責任準備金の取扱い)

3 生命保険会社が未収保険料を益金に計上しない場合においては、その計上していない未収保険料に対応する部分の責任準備金の金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。ただし、未収保険料で最近の実績を基として失効が見込まれる部分に相当する金額のうち危険保険料に相当するものの責任準備金については、この限りでない。

(配当準備金繰入額の損金算入)

4 生命保険会社が各事業年度において配当準備金(相互会社にあつては社員配当準備金、株式会社にあつては契約者配当準備金をいう。以下同じ。)として繰り入れた金額(未払配当の額として繰り入れた部分に限るものとし、法人税法施行令(以下「令」という。)第21条第2項第1号ハに規定する「未払の契約者配当の額に対して附されている利子に相当する金額」がある場合には、当該金額を除く。)については、当該事業年度の配当準備金繰入限度額に達するまでの金額を限度として、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

(注) 未払配当の額とは、各社員又は各契約者に割り当てている配当であつていまだ支払われていないものの額をいい、決算期においては翌期配当所要額を含む。

(配当準備金繰入限度額)

5 4の配当準備金繰入限度額とは、各事業年度終了の時における配当対象契約につき計算される翌期配当所要額をいう。

(注) 翌期配当所要額とは、生命保険会社が大蔵大臣に提出する決算状況表の資料14《翌期・翌々期契約者配当所要額明細表》の翌期配当所要額の欄に記載される金額をいう。

(配当準備金の益金算入)

6  4により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された配当準備金の金額は、据置配当の額及び未払の契約者配当の額を除き、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

(注) 当該翌事業年度において支払うこととなつた契約者配当の額は、当該翌事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されることに留意する。

(配当準備金のうち据置配当等の金額の益金算入)

7 4により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された配当準備金の金額のうち据置配当の額及び未払の契約者配当の額は、当該金額を支払うこととなつた事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

(注) この場合において、その支払うこととなつた金額は、当該支払うこととなつた事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されることに留意する。

(IBNR備金の損金算入)

8 生命保険会社が各事業年度において団体定期保険又は消費者信用団体生命保険について見込まれる既発生未報告の保険事故に係る保険金の支払に充てるため積み立てた支払備金の額は、これらの保険につきそれぞれ次の算式により計算した金額を限度として損金の額に算入する。

(算式)
当該事業年度に支払事由の発生の報告を受けた前事業年度発生の保険事故に係る支払備金積立所要額×83÷100×当該事業年度の被保険者数÷前事業年度の被保険者数

(注) 上記により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された支払備金の金額は、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

(生命保険契約に基づいて責任準備金に繰り入れる利子の金額の計算)

9 令第21条第2項第1号イに規定する保険料積立金に係る利子に相当する金額は、同号カッコ書の規定により積立利率の異なるごとに、次の算式により計算した額の合計額によるのであるから留意する。

(事業年度開始の時におけるh検量積立金+事業年度終了の時における保険料積立金)×積立利率÷(2+積立利率)

(注)

(1) 積立利率は、算出方法書において責任準備金に繰り入れるものとして定められている積立利率による。

(2) 保険料積立金の額は、責任準備金として積み立てられた金額のうち保険料積立金の部分の額をいう。

(責任準備金繰入額中に損金に算入しない金額がある場合の利子の計算)

10 令第21条第2項第1号イに規定する保険料積立金に係る利子に相当する金額を計算する場合において、責任準備金に繰り入れた金額のうちに責任準備金繰入限度額を超えたため損金の額に算入されないものがあるときは、その損金の額に算入されない金額は、責任準備金とならないものとして、その損金の額に算入されない部分の金額を責任準備金の金額から控除した金額を基として、当該利子の金額を計算する。この場合における控除は、その損金の額に算入されなかつた部分の金額を、まず、危険準備金の部分から控除し、なお、残額がある場合にその残額を保険料積立金の部分から控除する。

(配当準備金に係る契約者配当の額の計算)

11 令第21条第2項第1号ロに規定する契約者配当の額とは、当該事業年度末における配当対象契約につき4により損金の額に算入した配当準備金繰入額(以下12において同じ。)をいうのであるから留意する。

(配当準備金に繰り入れた金額のうち受取利子、受取配当その他資産の収益からなる部分の金額の計算)

12 令第21条第2項第1号ロに規定する「利子、配当その他の資産の収益から成る部分の金額」は、配当準備金繰入額に、翌期配当所要額のうちに翌期利差配当所要額(生命保険会社が大蔵大臣に提出する決算状況表の資料14《翌期・翌々期契約者配当所要額明細表》に記載される翌期利差配当所要額をいう。)の占める割合を乗じて算出した金額によるものとする。
 この場合において、翌期配当所要額のうちに翌期利差配当所要額の占める割合を乗ずべき配当準備金繰入額は、当該配当準備金繰入額のうちに団体定期保険についての配当準備金繰入額が含まれているときは、当該繰入額から当該金額を控除した金額によるものとし、その控除後の金額が配当準備金繰入限度額から団体定期保険に係る配当準備金繰入限度額に相当する金額を控除した金額を超えるときは、当該控除した金額を限度とする。

(据置配当等に附される利子に相当する金額)

13 令第21条第2項第1号ハに規定する「すえ置き配当の額又は未払の契約者配当の額に対して附されている利子に相当する金額」とは、生命保険会社が大蔵大臣に提出する業務報告書の損益計算書に記載される社員配当金積立利息繰入額又は契約者配当金積立利息繰入額をいう。

(保険契約の責任準備金等の農業協同組合等の共済事業の責任準備金等への準用)

14 1から7までの取扱いは、農業協同組合又は農業協同組合連合会の行う共済事業(被共済者の死亡又は生存を共済事故とするものに係る事業に限る。以下同じ。)における責任準備金及び割戻準備金について準用する。この場合における責任準備金は、次のようになるのであるから留意する。

(1) 農業協同組合又は農業協同組合連合会が責任準備金に繰り入れた金額のうち損金の額に算入される額は、当該繰入額(共済掛金積立金及び未経過共済掛金の部分に限るものとし、これらの部分を担保するために再共済、再々共済又は再保険を付している場合の当該付している部分に相当する金額を除く。)のうち、農業協同組合及び農業協同組合連合会の行う共済事業に係る責任準備金の積立に関する省令(昭和33年農林省令第7号)において定められているところにより計算した金額を限度とする。この場合、共済掛金積立金の部分の金額は、共済契約に係る共済掛金率の計算基礎を基として純共済掛金式により計算した額を限度として損金の額に算入する。

(注) 純共済掛金式以外の方式により繰入れをした責任準備金の共済掛金積立金部分の金額が、純共済掛金式により計算した損金算入限度額に満たない場合には、当該事業年度において責任準備金の異常危険準備金(租税特別措置法第57条の5の規定により損金の額に算入された部分の金額を除く。以下同じ。)として繰り入れた金額と当該事業年度開始の日における異常危険準備金の金額との合計額のうち、当該満たない部分の積立不足を補うものとして積み立てた金額を損金の額に算入することができるものとする。

(2) 農業協同組合又は農業協同組合連合会が責任準備金に繰り入れた金額で翌事業年度の所得金額の計算上益金の額に算入する金額は、責任準備金に繰り入れた金額(損金の額に算入されなかった部分の金額を除く。)のうち異常危険準備金として繰り入れた金額以外の金額とする。

(農業協同組合等の共済事業に係るIBNR備金の損金算入)

15 農業協同組合連合会が各事業年度において団体定期生命共済について見込まれる既発生未報告の共済事故に係る共済金の支払に充てるため積み立てた支払備金の額は、次の算式により計算した金額を限度として損金の額に算入する。

(算式)
当該事業年度に支払事由の発生の報告を受けた前事業年度発生の共済事故に係る支払備金積立所要額×10÷100×当該事業年度の被共済者数÷前事業年度の被共済者数

(注) 上記により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された支払備金の金額は、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

(未収保険料等の貸倒引当金の対象金銭債権からの除外)

16 生命保険会社の保険契約に係る未収保険料又は農業協同組合、農業協同組合連合会若しくは水産業協同組合共済会の行う共済事業に係る未収共済掛金は、法人税法第52条第1項に規定する金銭債権に該当しない。

(平成8年課法2―5改正に伴う適用時期及び経過的取扱い)

(1) 改正後の取扱いについては、平成8年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。

(2) 共済事業に係る改正前の通達12及び13の取扱いについては、当分の間、なお従前の例による。

(平成10年課法2―18改正に伴う経過的取扱い)

(1) 改正後の取扱いについては、平成10年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。

(2) 水産業協同組合共済会の行う共済事業に係る平成8年改正通達(平成8年9月30日付課法2―5「「生命保険会社の所得計算等に関する取扱いについて」通達の一部改正について」通達をいう。)による改正前の通達12の取扱いについては、なお従前の例による。