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微徴 2−21(例規)
昭和54年10月30日

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

電話加入権等に対する滞納処分手続について

 標題のことについては、別冊のとおり定めたから、今後はこれにより取り扱われたい。
 なお、この通達による取扱いについては、日本電信電話公社の了承を得ているから念のため申し添える。
 おって、下記の通達は廃止する。
(趣旨)
 電話加入権に対する滞納処分について、現状に適合するよう所要の整備を図るとともに、新たに電話加入権の見積価額の評定方法及び着信用電話に係る権利に対する滞納処分の取扱いを定めたものである。

1 昭和29年1月26日付徴徴1−22「電話加入権の滞納処分について」通達

2 昭和34年12月15日付徴徴2−44「電話加入権の差押手続等について」通達

3 昭和37年4月17日付徴徴2−8「電話加入原簿および電話加入権質原簿の閲覧について」通達

【別冊】

電話加入権等に対する滞納処分手続について

目次

第1 電話加入権の滞納処分に当たっての基本的な態度

第2 電話加入権の意義・種類とその調査

【電話加入権の意義及び加入電話の種類】

1 電話加入権の意義

2 加入電話の種類

【電話加入権の調査】

3 電話番号の調査

4 電話加入権に関する事項の調査

第3  電話加入権の差押手続等

【差押えの手続】

1 差押通知書の公社への送達

2 差押調書の作成及び謄本の滞納者への交付

3 質権者等に対する差押えの通知

4 差押登録済みの差押通知事副本の処理

5 強制執行等による差押えがされている場合の差押手続

6  差押えに当たり留意すべき事項

7 差押通知書が受理されない場合の措置

【加入原簿の表示が実体と異なる場合の処理手続】

8 住所の移転による場合

9 氏名の変更による場合

10 売買又は贈与等による場合

11 相続又は合併による場合

【交付要求及び参加差押え】

12 滞納処分による差押えがされている場合の措置

13 滞納処分による差押えと強制執行による差押えとがされている場合の措置

14 強制執行続行の決定があった場合の措置

15 滞納処分続行承認の決定の請求

16 滞納処分続行承認の決定があった場合の措置

第4 電話加入権の差押えの効力等

【差押の効力の発生時期】

【差押え前にされた譲渡と差押えとの関係】

1 譲渡承認の請求がされていない場合

2 譲渡承認の請求が差押通知書の送達前にされている場合

【差押え後における加入電話の種類又は設置場所の変更】

3 加入電話の種類の変更

4 加入電話の設置場所の変更

【差押えに係る電話加入権について加入契約の解除予告通知を受けた場合の措置等】

5 差押えに係る電話加入権について加入契約の解除予告通知を受けた場合の措置

6 公社に対する公売期日の通知

7 加入契約解除の延期の申入れ

第5 電話加入権の差押解除等の手続

【差押えの解除手続】

1 差押解除通知書の公社への送達

2 滞納者等に対する差押解除の通知

3 参加差押えがされている電話加入権の差押解除に伴う措置

4 滞調法の適用がある電話加入権の差押解除に当たっての措置

【交付要求等の解除手続】

5 交付要求及び参加差押えの解除手続

第6 電話加入権の換価

【電話加入権の公売及び権利移転手続】

1 電話加入権の見積価格の評定

2 公売公告

3 売却決定及び買受人による権利移転手続

4 執行裁判所等に対する残余金の交付

5 公社の譲渡承認が得られない場合の売却決定の取消し

【買受人が譲渡承認の請求をしない場合の措置】

6 買受人に対する譲渡承認の請求の催告

第7 着信用電話に係る権利の滞納処分

1 着信用電話に係る権利の意義

2 着信用電話に係る権利の滞納処分

3 着信用電話の廃止に伴う取扱い

4 着信用電話に係る権利の公売上の留意事項

【様式】

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第1 電話加入権の滞納処分に当たっての基本的な態度
 電話加入権の滞納処分に当たっては、今日の社会において電話による通信手段が果たしている機能にかんがみ、滞納者の財産状況を十分調査した上で、原則として、他に適当な財産を有していないと認められる場合に限り行うよう配意する。

第2 電話加入権の意義・種類とその調査

〔電話加入権の意義及び加入権の種類〕

1 電話加入権の意義
 国税徴収法(以下「徴収法」という。)第73条第1項《電話加入権等の差押手続》に規定する電話加入権とは、日本電信電話公社(以下「公社」という。)と加入電話加入契約を締結した者が、その契約に基づいて加入電話により公衆電気通信役務(以下「通信役務」という。)の提供を受ける権利をいう(公衆電気通信法(以下「通信法」という。)31条3号かっこ書き)。

(注)

1 「加入電話加入契約」とは、加入電話の設置を受け、これにより通信役務の提供を受ける契約をいい、公社との間に、当該契約を締結することができる者は、一つの加入電話につき1人に限られる(通信法27条)。

2 「加入電話」とは、その交換に関する事務が電話取扱局によって行われる電話(船舶、航空機その他の交通機関に設置する無線電話及び公社が業務上の必要により設置する電話を除く。)であって、公社と特定の者との契約により設置する電話をいう(通信法25条1号)。

2 加入権の種類
加入権には、その電話回線並びに電話回線に接続する電話機及び交換設備により、単独電話、共同電話、集団電話及び構内交換電話の4種類がある(通信法26条1項)。

(注) 電話の種類には、加入権のほか、地域団体加入電話(一定の地域内に居住する者が公社から通信役務の提供を受けることを目的とする組合契約によって設立した組合と公社との契約により設置する電話をいう。)がある。
 なお、上記の地域団体加入電話に関する権利は、譲渡することができないこととされている(加入電話等利用規定(以下「利用規定」という。)69条)から、差押えることができないことに留意する基本通達(昭和41年8月22日付徴徴4−13ほか5課共同「国税徴収法基本通達の全文改正について」通達の別冊をいう。以下同じ。)第73条関係6の(2))。

〔電話加入権の調査〕

3 電話番号の調査
 電話加入権の調査に当たっては、まず、滞納者に帰属すると考えられる電話加入権について、その電話番号を調査する。
この調査は、電話帳によるほか、状況に応じて滞納者等からの聴取り、電話料金の支払請求書又は領収証書及び納税申告書等の資料により行う。

(注)

1 電話番号は、一つの加入電話ごとに公社が定めるが、加入電話の種類又は設置場所の変更等一定事由のある場合には変更されることがある(利用規程25条)。

2 電話帳に掲載される氏名(名称を含む。以下同じ。)は、加入電話加入者(以下「加入者」という。)が指定することとされているから、電話加入原簿(以下「加入原簿」という。)に記載されている加入者名簿と異なる表示がされている場合があるほか、加入者からの請求により電話帳等への掲載が省略される場合がある(利用規程239条、240条)ことに留意する。

4 電話加入権に関する事項の調査
 電話加入権に関する事項の調査は、3によって把握した電話番号に基づき次により加入原簿及び電話加入権質権簿(電話加入権質に関する臨時特例法(以下「電話質特例法」という。)5条、電話加入権質に関する臨時特例法施行令(以下「電話質特例令」という。)2条及び電話加入権質に関する臨時特例法施行規則(以下「電話質特例規則」という。)1条参照。以下「電話質原簿」という。)の閲覧によって行うものとする。

(1) 調査事項
 電話加入権の滞納処分に当たっては、加入原簿又は電話質原簿について、次の調査をする。

イ 加入者の氏名及び住所又は居所(事務所及び事業所を含む。以下同じ。)

口 加入電話の設置場所

ハ 加入電話の種類

ニ 第三者の権利の有無及びその内容

ホ その他徴収上参考となる事項

(2) 加入原簿の閲覧等
 加入原簿又は電話質原簿の閲覧は、所轄電話局において行う。この場所においては、次の点に留意する。

(注)

1 加入原簿は、加入電話加入申込みの承諾に関する事務を取扱う電話取扱局(以下「所轄電話局」という。)において加入電話ごとに作成の上備付けられており、電話加入権に関する事項が登録されていることに留意する(通信法40条、通信法規則2条、3条、利用規程51条)。

2 電話質原簿は、所轄電話局において質権の登録の請求書を、加入電話の電話番号の順序に従ってつづりこんで調製の上備付られていることに留意する(電話質特例法5条、電話質特例令2条、電話質特例規則1条。)

イ 滞納処分のため必要な場合に限り閲覧するものでなければならない。

ロ 閲覧は、徴収職員が直接所轄電話局に赴いて行うものとする。この場合において、所轄電話局から請求があったときは、その身分を示す証明書を呈示しなければならない。 なお、電話及び文書による照会は行わないものとする。

ハ 閲覧に当たっては、所轄電話局の日常業務の運営に支障を与えないよう、できるだけ所轄電話局の事務繁忙時を避け、所轄電話局から申入れがあった場合には、閲覧時期を変更するものとする。

ニ 加入原簿又は電話質原簿の閲覧に当たっては、手数料の納付は要しない取扱いとなっている。

第3 電話加入権の差押手続等

〔差押えの手続〕

1 差押通知書の公社への送達
 電話加入権の差押えは、第三債務者である公社に対し差押通知書を送達することによって行う(徴収法73条1項)。
この場合には、次の点に留意する。

(1) 第三債務者名及び送達先

イ 差押通知書に記載する第三債務者名は、「日本電信電話公社総裁何何殿」とする。

ロ 差押通知書の送達先は、所轄電話局とする(通信法38条の3第1項2号)。

(2) 差押通知書への加入原簿閲覧年月日の記載
 差押通知書には、その「備考」欄に当該電話加入権に係る加入原簿の閲覧をした年月日を記載するものとする。

(3) 送達方法
 差押通知書を送達する場合には、当該差押通知書とともに差押通知書副本及び返信用封筒(表書を記載し、かつ、郵便切手をちょう付する。)を同封するものとする。
 なお、差押通知書を郵便により送達する場合には、封筒の表に差押通知書在中」と表示し、原則として簡易書留郵便(郵便法58条5項《書留》に規程する取扱いに係るものをいう。)によることとし、交付送達の方法による場合には、国税通則法施行規則1条第2項《送達記録書の作成》に規定する送達記録書を作成しなければならない。

2 差押調書の作成及び謄本の滞納者への交付
 電話加入権を差押えた場合には、差押調書を作成するとともに、滞納者に対して差押調書謄本を交付しなければならない(徴収法54条)。

3 質権者等に対する差押えの通知
 電話質特例法1条の規定による質権の設定の登録がされている電話加入権又は仮差押え若しくは仮処分がされている電話加入権を差し押さえた場合には、「担保権設定等財産の差押通知書」により、遅滞なく当該質権者又は執行裁判所に対して、差押えをした旨の通知をする(徴収法55条)。

4 差押登録済みの差押通知書副本の処理
 所轄電話局から返送された差押登録済みの差押通知書副本は、滞納処分票に編てつしておくものとする。

(注)

1 公社は、差押通知書の送達を受けたときは、受け取った順序により、当該差押通知書に受付年月日及び受付番号を記載し(通信法38条の3第1項)、かつ、加入原簿に差押えの登録行った上(通信法規則3条10号)、同封に係る差押通知書副本に差押通知事の受付年月日、受付番号及び「差押登録済何何電話局」の表示をして返送することとしている。

2 公社は、差押通知書の送達を受けた場合において、差押通知書に記載されている加入原簿の閲覧年月日以降差押通知書が送達された時までの間に、強制執行又は担保権の実行(以下「強制執行等」という。)による差押え、仮差押えの執行、仮処分の執行又は質権の設定がされているときは、そのうち最も先にされているものに係る「執行裁判所名、事件番号、受付年月日、受付番号」又は「質権者の住所、氏名」を差押通知書の副本の「備考」欄に記載して返送することとしている。

5 強制執行等による差押えがされている場合の差押手続
 強制執行等による差押えがされている電話加入権について滞納処分をする場合には、当該電話加入権の差押えを行うとともに、強制執行等による差押えをしている執行裁判所に対して交付要求を行うものとする(滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律(以下「滞調法」という。)36条の14第1項、徴収法82条1項、滞調法逐条通達(56年2月7日付徴徴4−2ほか1課共同「滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の逐条通達(国税庁関係)の全文改正について」通達の別冊をいう。以下同じ。)第36条の14関係3の(1))。
 この場合の差押手続は、第3の1《差押通知書の公社への送達》から4 《差押登録済みの差押通知書副本の処理》 までに定めるところによるほか、次による。

(1) 執行裁判所に対しては、「差押通卸書及び交付要求書」(滞調法逐条通達の別紙様式16に所要の補正をしたもの)により、強制執行等による差押えがされている電話加入権について滞納処分による差押えをした旨及び交付要求をする旨の通知を行う。

(2) 滞納者及び徴収法55条各号に掲げる者のうち知れている者(以下「質権者等」という。)に対しては、交付要求をした旨の通知を行う(徴収法82条2項、3項)。この通知は、第3の2《差押調書の作成及び謄本の滞納者への交付》の「差押調書謄本」又は第3の3《質権者等に対する差押えの通知》の「担保権設定等財産の差押通知書」に交付要求を併せて行った旨を記載することによって行うこととしても差し支えない。
 なお、この場合においては、強制執行等による差押えをしている執行裁判所名及び事件番号を記載しなければならない(国税徴収法施行令(以下「徴収令」という。)36条2項)。

6 差押えに当たり留意すべき事項

(1) 共同電話及び集団電話の場合は、それらを構成する個々の電話について、それぞれ単独電話と同様に個別に電話加入権が存在しているから、単独電話の場合と同様に差押えができること。

(2) 構内交換電話は、交換設備と局交換設備との間の電話回線の数だけ電話加入権が存在するから、その差押えに当たっては、加入原簿により電話加入権を特定して差し押さえること。

(3) 加入電話共同使用契約(加入者が構内交換設備に接続される内線電話機の一部あるいは附属電話機により他人に通話をさせるための契約)を締結した電話加入権(利用規程9条2項、217条2項及び同条3項)については、当該使用者が現に利用している場合であっても加入者の財産として差し押さえることができること。

7 差押通知書が受理されていない場合の措置
 所轄電話局において、次に掲げる事由により差押通知書が受理されず、返戻を受けた場合には、改めて調査を行いそれぞれに掲げるところにより処理する。

(注) 公社は、差押通知書を受理せずに返戻する場合には、差押通知書(正本)の「備考」欄に返戻する旨及び返戻の理由並びに下記の(3)の理由によるときは、差押執行官署名及び受付年月日を記載することになっている。

(1) 差押えの目的となっている電話加入権が滞納者に帰属しない場合 滞納者及び質権者等に対して便宜差押解除通知書を使用して通知する。

(注) 差押えの目的となっている電話加入権が滞納者に帰属しない場合には、次に掲げる場合が含まれることに留意する。

1 加入原簿に譲渡承認の登録はされていないが、差押通知書到達前に譲渡承認の請求がされている場合において、その譲渡承認がされたとき(差押通知書送達後に譲渡承認がされた場合を含む。)(通信法38条の3第3項)。

2 所轄電話局へ差押通知書の到達前において、名義変更を命ずる仮の地位を定める仮処分命令により名義変更手続を完了している場合

(2) 差押通知書の記載内容と加入原簿の登録とが一致しない場合 登録内容が真実であるときは、その登録内容に基づき、改めて差押えを行う。この場合には、滞納者又は質権者等に対する差押調書謄本又は担保権設定等財産の差押通知書の「差押財産」欄の「備考」欄に「何年何月何日付で行った電話加入権(何局何番)の差押えは、これを取り消す」旨を付記する。
 なお、差押通知書の記載内容が真実であるが、加入原簿の登録内容と異なるときは、第3の8 《住所の移転による場合》から11《相続又は合併による場合》までに定めるところにより処理する。

(3) 既に滞納処分による差押えがされている場合 滞納者及び質権者等に対し便宜差押解除通知書を使用し、遅滞なく行政機関等に対して参加差押えを行う(徴収法86条1)。

〔加入原簿の表示が実体と異なる場合の処理手続〕

8 住所の移転による場合

 滞納者が住所を移転したことにより加入原簿に登録されている住所と異なっている場合は、差押通知書の滞納者の「住所」欄には現在の住所を記載し、住所変更を証する書面として、住民票謄本(住民票抄本を含む。以下同じ。)又は戸籍の附票を添付して所轄電話局に送付する。

(注) 住民票謄本又は戸籍の附票は、加入原簿上の住所から現在の住所までの移転の経緯を示すものでなければならないことに留意する。

9 氏名の変更による場合
 加入原簿に登録されている滞納者の氏名が、氏名の変更により異なっている場合は、差押通知書の「滞納者の氏名」欄に現在の氏名を記載し、氏名の変更を証する書面として戸籍謄本(戸籍抄本を含む。)又は商業登記簿謄本(商業登記簿抄本を含む。)を添付して所轄電話局に送付する。
 なお、滞納者が通称を用いているときは、差押通知書に「甲(通称)こと乙(本名)」と記載する。

10 売買又は贈与等による場合
 滞納者が売買又は贈与等により電話加入権を取得しているが公社の譲渡承認を受けていないときは、税務署長等(国税局長、沖縄国税事務所長、税務署長をいう。以下同じ。)は、国税通則法(以下「通則法」という。)42条《債権者の代位及び詐害行為の取消し》の規程により、滞納者に代位して公社に対し、譲渡承認の請求をすることができる。
 この場合には、次により滞納者に代位して公社の譲渡承認を受けるとともに差押えを行う。

(注) 公社は、譲渡承認の代位請求があった場合においてこれを承認したときは、加人原簿の名義の変更と差押えの登録をした後、差押通知書副本に第3の4《差押登録済みの差押通知書副本の処理》の注書の1による差押登録済みの表示のほかに、「備考」欄に「昭和何年何月何日名義変更」の表示をして、名義変更料の受領証書とともに返送することとしている。

(1) 滞納者が確定判決書正本等を有している場合
 滞納者が次のイに掲げる書類のうちいずれかの書類を有している場合には、電話加入権譲渡承認請求書(第1号様式)に当該書類とロ及びハに掲げる書類を添付し、かつ、名義変更料に相当する金銭を添えて、所轄電話局に送付する
(利用規程40条2項ただし書参照)。
 なお、この場合には、当該電話加入権の差押通知書を同時に送達する。

(注) 電話加入権譲渡承認請求書には、当事者の住所氏名を記載するが、押印は必要としない。
なお、この場合には譲渡人の氏名の下部余白に「右代位何税務署長 大蔵事務官何某」と記載し、この請求書と添付書類の譲受人代位書とに割り印をすることに留意する。

イ おおむね次に掲げる書類

(イ) 確定判決書正本

(ロ) 電話加入権譲渡命令書(民事執行法167条1項、161条参照)

(ハ) 競売調書

(ニ) 公正証書

(ホ) 裁判上の和解調書

(へ) 滞納処分による売却決定通知書

口 電話加入権譲渡承認請求における譲受人代位書(第2号様式)

ハ 代位原因を証する書面(差押調書謄本)

(2) (1)以外の場合

イ (1)のイに掲げる書類以外の書類で、譲渡の事実を確認するに足りるもの(例えば、当該電話加入権の売買契約書)が存する場合で譲渡承認請求について譲渡人の協力が得られるときは、電話加入権譲渡承認請求書に当該譲渡人の署名押印(押印は、譲渡人が印鑑登録をした印鑑で行い、かつ、その印鑑証明書を添付する。)を求め、当該電話加入権譲渡承認請求書にその譲渡の事実を確認するに足りる書類及び(1)のロ並びにハの種類を添付し、名義変更料に相当する金銭を添えて所轄電話局に送付する。
 なお、この場合には、当該電話加入権の差押通知書を同時に送達する。

ロ イによる譲渡人の協力が得られないときは、滞納者に代位して譲渡人に対し譲渡承認の請求に協力すべき旨を提起し、確定判決を得た上、(1)により請求することに留意する。

(3) 名義変更料の取扱い
(1)又は(2)により譲渡承認の代位請求をする場合における名義変更料は、庁費(目)、手数料(目の細分)から支出しておき、滞納処分費として徴収する。

11 相続又は合併による場合
 滞納者が相続又は合併により加入者の地位を承継しているが、通信法39条2項《加入者の地位の承継の届出》の規程による承継の届出をしていないときは、通則法42条の規定により、税務署長等は滞納者に代位して公社に対し加入承認届を提出することができる。
 この場合には、加入承継届出書(第3号様式)に次に掲げる書類を添付して、公社に加入承継の代位届出を行うとともに、当該電話加入権の差押えを行う。
 なお、代位者の表示については、第3の10《売買又は贈与等による場合》の(1)の注書のなお書と同様に記載し、この届出と添付書類の「加入承継届における届出人代位書」とに割り印することに留意する。

(注) 承継手続を終えた後の公社の処理は、第3の10の注書と同様である。

(1) 加入承継届における届出人代位書(別紙第4号様式)

(2) 代位原因を証する書面(差滞調書謄本)

(3) 加入者の地位を承継したことを証明する書類(利用規程44条3項)

(注) 「加入者の地位を承継したことを証明する書類」とは、相続の場合には戸籍謄本(遺産分割があったときの遺産分割協議書等を含む。)、合併の場合には商業登記簿謄本をいう。

〔交付要求及び参加差押え〕

12 滞納処分による差押えがされている場合の措置
 電話加入権について既に滞納処分による差押えがされている場合には、滞納処分による差押えをしている行政機関等に参加差押えを行う(徴収法86条)。
 なお、参加差押えの手続きについては、昭和35年9月27日付徴徴2−33「参加差押えおよび交付要求の実施要領の制定について」通達(以下「参加差押等実施要領」という。)に定めるところによるほか第3の1《差押通知者の公社への送達》から4《差押登録済みの差押通知書副本の処理》まで、6《差押えに当たり留意すべき事項》及び7《差押通知書が受理されない場合の措置》に定めるところに準じて行うものとする。

13 滞納処分による差押えと強制執行による差押えとがされている場合の措置
 滞納処分による差押えがされた後に強制執行等による差押えがされている場合又は強制執行等による差押えがされた後に滞納処分による差押えがされている場合の電話加入権(以下「二重差押えがされている電話加入権」という。)について、更に行う滞納処分は、滞納処分による差押えをしている行政機関等に対しては参加差押えを、強制執行等による差押えをしている執行裁判所に対しては交付要求を、それぞれ行うものとする(徴収法82条、86条、滞調法逐条通達36条の3の(1)の注書の2)。
  なお、参加差押えを行っている電話加入権について滞納処分による差押えが解除された場合においても、当該電話加入権について当該参加差押えの後に強制執行等による差押えがされているときは、当該参加差押えに係る滞納処分による差押えの時以前にさかのぼらないこととされている(滞調法20条の11第2項において準備する5条3項本文(11条の2において準用する場合を含む。))ので、滞納処分による換価のための手続は、滞納処分続行承認の決定があった場合を除き、強制執行等による差押命令の申立てが取り下げられた後又は強制執行等による差押命令を取り消す決定が効力を生じた後でなければすることができない(滞調法36条の14条1項、36条の11第1項前段(36条の13において準用する場合を含む。)において準用する30条)。

(注)

1 滞納処分による差押えがされている電話加入権に対して強制執行等による差押命令又は仮差押命令が発せられた場合において、執行裁判所がその滞納処分による差押えを知ったときは、裁判所書記官は、差押え命令又は仮差押命令が発せられた旨を徴収職員に通知しなければならないこととなっている(滞調法20条の11第1項、20条の3第2項本文(20条の9第1項前段及び20条の10において準用する場合を含む。)、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する規則(以下「滞調規則」という。)23条の5第1項及び23条の6において準用する15条)。

2 滞納処分による差押え後に強制執行等による差押えをした電話加入権については、強制執行等の執行裁判所による売却のための手続は、強制執行続行の決定があった場合を除き、滞納処分による差押えが解除された後でなければすることができないことになっている(滞調法20条の11第1項、20条の8第1項前段(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する13条1項)。

14 強制執行続行の決定があつた場合の措置
 滞納処分による差押え後に強制執行等による差押えがされた電話加入権について、強制執行続行の決定があった場合には、直ちに、強制執行等による差押えをしている執行裁判所に対して交付請求を行う(滞調法20条の11第1項、20条の8第1項(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する10条3項)。
 なお、強制執行続行の決定があった場合には、質権者等及び交付要求(参加差押えを含む。)をしている者に対して、その旨その他必要な事項を通知しなければならない(滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する政令(以下「滞調令」という。)12条の9第2項において準用する徴収法81条)。

(注)

1 強制執行続行の決定の申請ができる場合については、滞調法20条の11第1項、20条の8第1項(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する8条及び滞調法逐条通達8条関係参照。

2 裁判所は、強制執行続行の決定をするには、あらかじめ徴収職員の意見を聴かなければならないこととされている(滞調法20条の11第1項、20条の8第1項前段(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する9条2項)。この場合における意見の申述については、滞調法逐条通達9条関係及び2参照。

3 強制執行続行の決定は、徴収職員に告知することによってその効力が生ずることとされている(滞調法20条の11第1項、20条の8第1項前段(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する9条3項)。

15 滞納処分続行承認の決定の請求
 強制執行等による差押えがされている電話加入権について滞納処分による差押え をした場合において、当該強制執行等が中止又は停止されたときは、税務署長等は、 執行裁判所に滞納処分続行承認の決定を請求することができる(滞調法36条の14第1項、36条の11第1項前段(36条の13において準用する場合を含む。)において準用する25条)。

(注)

1 強制執行等が「中止」又は「停止」される場合については、滞調法逐条通達25条関係1及び2参照

2 滞納処分続行承認の決定の請求の手続については、滞調法逐条通達36条の11関係1において準用する第25条関係4から7まで参照

16 滞納処分続行承認の決定があつた場合の措置
 滞納処分続行承認の決定があったときは、裁判所書記官から徴収職員に対して、 執行裁判所に交付要求をしている徴収職員等(滞調法2条2項に規定する「徴収職員等」をいう。以下同じ。)の属する庁その他の事務所の名称及び所在が通知される(滞調規則45条(47条において準用する場合を含む。)において準用する36条(33条3号の準用))ので、この通知を受けた徴収職員は、通知に係る徴収職員等に滞納処分続行承認の決定があった旨を通知しなければならない(滞調令31条(33条において準用する場合を含む。)において準用する22条(20条の準用))。

第4 電話加入権の差押えの効力

〔差押えの効力の発生時期〕

電話加入権の差押えの効力は、差押通知書が所轄電話局に送達された時に生ずる(徹収法73条2項、通信法38条の3第1項参照)。

(注) 電話加入権の差押えは、その加入電話により通信役務の提供を受ける権利の行使を制限又は禁止させるものではないことに留意する。

〔差押え前にされた譲渡と差押えとの関係〕

1 譲渡承認の請求がされていない場合
 差し押さえた電話加入権について、当該差押えの前に事実上の譲渡がされている場合であっても、公社に対して譲渡承認の請求がされていないときは、当該譲渡をもって差押債権者に対抗することができない(通信法38条1項、38条の2参照)。

(注) 公社は、電話加入権の差押えの通知を受けた後にその電話加入権の譲渡承認の請求があっても、その承認はしないこととしている。

2 譲渡承認の請求が差押通知書の送達前にされている場合
 差し押さえた電話加入権について事実上の譲渡がされている場合に、いまだ公社の譲渡承認はされていないが、所轄電話局に対して当該電話加入権について既に譲渡承認 の請求がされているときは、その譲渡承認は、差押えとの関係において当該電話加入権の譲渡承認の請求に係る書類を受取った時にされたものとみなされることに留意する(通信法38条の3第3項)。

(注) 公社は、譲渡承認の請求がされている電話加入権について差押通知書の送達を受けた場合は、仮受理をした上、速やかに譲渡承認の可否を決し、譲渡承認をしノたときは、差押通知書にその旨を記載して返れいし、譲渡承認をしないときは差押通知書を受理することとしている。

〔差押え後における加入電話の種類又は設置場所の変更〕

3 加入電話の種類の変更

(1) 電話加入権を差押えた後における加入電話の種類の変更は、税務署長等は国に不利益とならない場合に限り、これを認めて差し支えないものとする(例えば、共同電話に係る電話加入権を差し押さえた後に、当該共同電話を単独電話に種類変更する場合。通信法33条)。この場合において加入電話の種類の変更を認めたときは、滞納者に対して適宜の方法により通知するとともに、公社にはその旨を文書により通知するものとする。
 なお、加入電話について種類の変更があった場合(種類の変更に伴い電話番号が変更される場合を含む。)においても、差押えの効力には影響がないことに留意する。

(2) 所轄電話局から加入電話の種類の変更をした旨の連絡があった場合は、差押調書の「備考」欄に変更年月日と変更後の加入電話の種類を記載しておくものとし、種類の変更に伴い電話番号が変更された場合は、変更後の電話番号を差押調書の余白に記載しておくこととし、その後における差押えの解除等は、変更後の電話番号により行うこととする。

(注)

1 公社は、差押通知書が所轄電話局に送達された後においては、加入電話の種類の変更の請求につき差押債権者よりその変更を認めた旨の通知がない場合には、その請求を承認しないこととしている。

2 公社は、差押えに係る電話加入権につき種類の変更をした場合は、変更事項を文書又は口頭により税務署長等に連格することとしている。

4 加入電話の設置場所の変更

(1) 電話加入権を差し押さえた後における加入電話の設置場所の変更は国に不利益とな らない場合及びやむを得ない事情があると認められる場合に限り、これを認めて差支えないものとする。
 なお、加入電話について設置場所の変更があった場合(設置場所の変更に伴い、電話番号が変更される場合を含む。)においても、差押えの効力には影響がないことに留意する。

(2) 所轄電話局から加入電話の設置場所の変更をした旨の連絡があった場合には、 第4の3《加入電話の種類変更》に準じて処理する。

(注) 公社は、差押えに係る電話加入権につき設置場所の変更をした場合は、変更事項を文書又は口頭により税務署長等に連絡することとしている。
なお、電話加入区域(通信法29条、利用規程10条参照)外への設置場所の変更の請求については、公社は承認しないこととしている。

〔差押えに係る電話加入権について加入契約の解除予告通知を受けた場合の措置等〕

5 差押えに係る電話加入権について加入契約の解除予告通知を受けた場合の措置

(1) 一般の場合
 当該電話加入権を速やかに換価するものとする。

(2) 猶予中の場合
 通則法46条2項及び3項の規定による納税の猶予又は徴収法151条1項の規定による換価の猶予(以下「猶予」という。)をしているときは、猶予の継続の可否を検討し、猶予の取消事由(通則法49条1項及び徴収法151条2項)があるときは、猶予を取り消して換価する。
 なお、猶予の取消事由がないときは、公社に対し猶予中で換価することができない旨及びその猶予期限を第4の6《公社に対する公売期日の通知》に準じて通知する。

(3) 不服申立中等の場合
 滞納者が、国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立てをしていること等により、法令上換価が制限されている場合には、公社に対し、当該事由を明らかにして換価できない旨を第4の6《公社に対する公売期日の通知》に準じて通知するものとする。
 なお、上記の理由により換価できない場合に、保全状況等から判断して、当該電話加入権の差押解除を相当と認めるときは、解除して差支えない。

6 公社に対する公売期日の通知
 第4の5《差押えに係る電話加入権について加入契約の解除予告通知を受けた場合の措置》により当該電話加入権を換価する場合には、公社に対し遅くとも加入契約の解除予定日の前日までに(その後、公売期日を変更したときは、その都度直ちに)公売期日を電話又は書面で通知するものとする。

7 加入契約解除の延期の申入れ
 猶予の継続の可否の調査等に日時を要すると認められる場合には、あらかじめ所轄電話局に加入契約の解除の延期について、期日を定めて申し入れるものとする。

(注)

1 公社は、加入者について次に該当する事実がある場合は、電話加入権が差押えされているときであっても加入契約の解除をすることができる。

(1) 通信法42条第1項《通話の停止及び加入契約の解除》各号及び通信法規則4条《通話等の停止及び加入契約等の解除》並びに利用規定47条《公社が行う加入契約の解除》に掲げる事実

(2) 有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法12条2項《戦災電話に係る加入契約の解除》掲げる事実

2 公社は、差押えに係る電話加入権について加入契約を解除しようとする場合には、遅くとも加入契約の解除予定日の3日前までに文書又は口頭によりその旨を税務署長等に通知することとしている。

3 公社は、税務者長等から公売期日の通知を受けた場合には、当該期日までは加入契約の解除をしないこととしている。

第5 電話加入権の差押解除等の手続

〔差押えの解除手続〕

1 差押解除通知書の公社への送達
電話加入権の差押えの解除は、第三債務者である公社に対し差押解除通知書によりその旨を通知することによって行う(徴収法80条1項)。

(1) 第三債務者名及び送達先
第3の1《差押通知書の公社への送達》の(1)に準ずる。

(2) 送達方法
 差押解除通知書を送達する場合には、当該差押解除通知書とともに差押解除通知書副本及び返信用封筒(表書を記載し、かつ、郵便切手をちよう付する。)を同封する。
 なお、差押解除通知書を郵便により送達する場合には、普通郵便によることとして差し支えない。

(3) 異なる税務署長等による差押えの解除
 納税地の移動があったこと等により、差押えをした税務署長等と異なる税務署長等が差押の解除を行う場合には、差押解除通知書の「備考」欄に当該差押えを行った税務署長等の名称及び異なることとなった事由(例えば国税通則法43条の規定により、昭和何年何月何日から本件国税徴収の所轄庁は何何税務署長である。))を記載する。

(注)

1  差押解除登録済により所轄電話局から返送された差押解除通知書副本は、滞納処分票に編てつしておくものとする。

2 所轄電話局が差押解除通知書の通知を受けたときは、受け付けた順序により、当該差押解除通知書に受付年月日及び受付番号を記載し(通信法38条の3第1項)、かつ、加入原簿に差押解除の登録を行った上(通信法規則3条10号)、同封に係る差押解除通知書副本に「差押解除登録済何何電話局」の表示をして返送することとなっている。

2 滞納者等に対する差押解除の通知

(1) 滞納者に対しては差押解除通知書によりその旨を通知する(徴収法80条2項2号)。なお、参加差押えがされている場合には、差押えに移行すべきこととなる参加差押えに係る行政機関等の名称及び差押解除の理由等必要と認める事項を記載する。

(2) 質権者等及び交付要求(参加差押えを含む。)をしている者があるときは、これらの者に対し差押解除通知書によりその旨を通知する(徴収法81条)。
なお、(1)のなお書に掲げる事項及び徴収令第41条第1項《参加差押えがある場合の差押解除時の装置》の規定により参加差押えをした行政機関等に引き渡した書類があるときはその旨を「備考」欄に記載する。

3 参加差押えがされている電話加入権の差押解除に伴う措置
 参加差押えがされている電話加入権の差押えを解除する場合には、第5の1《差押解除通知書の公社への送達》及び第5の2《滞納者等に対する差押解除の通知》の処理を行うとともに、次の処理をする。

(1) 差押解除により差押えに移行することとなる参加差押えの確認
 差押えを解除する場合においては、次に掲げるところにより差押えの効力を生ずることとなる参加差押えを確認する(参加差押等実施要領通達第一の二の4の(一))。

イ 参加差押えが一つである場合には、当該参加差押えが差押えに移行する。

ロ 参加差押えが二以上ある場合には、参加差押書の到達順位にかかわらず、参加差押えの登録が最も先にされたものが差押えに移行するものとして取り扱うものとする。
 この場合には、加入原簿により参加差押えの登録の順位を調査して、最も先にされたものを確認する。

ハ 参加差押えのすべてのものについてその登録がされていない場合には、もっとも先に参加差押書の到達しているものが差押えに移行すべきものとなる。
 この場合には、当該参加差押えをしている行政機関等に対して、公社に対する差押解除の通知前にその登録をするよう連絡する。

(2) 参加差押関係書類の引渡し
 差押えを解除した電話加入権についての参加差押関係書類は、次に掲げるところにより、 差押えに移行すべき参加差押えをしている行政機関等に引き渡す(参加差押等実施要領通達第一の二の4の(三))。

イ 参加差押関係書類の引渡しの時期は、原則として差押解除と同時とすること。

ロ 参加差押関係書類の引渡しをする場合には、参加差押関係書類引渡書正副2通を添えて送付し、その副本は引き渡した書類の受領証として返れいを求めること。

ハ 引渡しをする参加差押関係書類の範囲は、おおむね差押えを解除する電話加入権に関する次に掲げる書類とし、差押えの一部について解除したためその書類の原本を送付できないときは、その写しを送付する。

(イ) 参加差押書(差押えに移行すべき参加差押えに係る参加差押書を除く。)

(ロ) 徴収法130条第1項《債権現在申立書の提出》及び徴収令48条1項《債権現在額申立書の記載事項》の規定により質権者等から提出された債権現在額申立書及びその添付書類

二 参加差押書又はその写しを引き渡す場合には、その収受年月日及び到達順位を明らかにして引き渡すこと。

4 滞調法の適用がある電話加入権の差押解除に当たっての措置
 滞調法の適用がある電話加入権の差押えを解除する場合には、第5の1《差押解除通知書の公社への送達》から3《参加差押えがされている電話加入権の差押解除に伴う措置》までによるほか、次による。

(1) 執行裁判所に対する通知
 二重差押えがされている電話加入権又は滞納処分と競合する仮差押えの執行(滞納処分による差押えの前後を問わない。以下同じ。)がされている電話加入権について、滞納処分による差押えを解除した場合には、「差押え及び交付要求解除(通知)書」(滞調法逐条通達の別紙様式10)により、強制執行等又は仮差押えの執行裁判所に対してその旨を通知しなければならない(滞調法20条の11第1項、20条の8第1項(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する14条、滞調令12条の7第1項、12条の11第1項(10条2項及び12条の7第1項の準用。滞調法36条の14第1項、36条の10第2項(36条の13において準用する場合を含む。)、滞調令30条2項(12条の7第1項(3号を除く。)の準用)、32条において準用する12条の11第1項(10条2項及び12条の7第1項の準用))。
 この場合において、滞納処分による差押えに対して参加差押えがされているときは、その参加差押え(2以上の参加差押えがされているときは、そのうち最も先にされたもの(第5の3 《参加差押えがされている電話加入権の差押解除に伴う措置》の(1)参照))をしている徴収職員等の属する庁その他の事務所の名称及び所在をも通知しなければならない(滞調令12条の13第1項、34条)。

(注)

1 仮差押えの執行裁判所に対する通知は、徴収法81条の規定と滞調法20条の11第1項又は第36条の14第1項の規定の双方により行うものであることに留意する。
 なお、仮差押えの執行と強制執行等による差押えを行っている執行裁判所が同一裁判所であるときは、同一の用紙で通知して差し支えない。

2 二重差押えがされている電話加入権又は滞納処分と競合する仮差押えの執行がされている電話加入権について、強制執行等による差押命令の申立てが取り下げられた場合又は強制執行等による差押命令を取り消す決定が効力を生じた場合には、裁判所書記官は、その旨を徴収職員に通知しなければならないこととされている(滞調法20条の11第1項、20条の8第1項(20条の10において準用する場合を含む。)及び20条の9第1項において準用する15条、滞調規則23条の5第1項前段及び23条の6前段において準用する17条。滞調法36条の11第1項(36条の13において準用する場合を含む。)及び36条の12第1項において準用する31条、滞調規則45条1項前段(47条において準用する場合を含む。)において準用する33条、46条前段において準用する17条)。
 なお、強制執行等による差押えがされている電話加入権について滞納処分による差押えをしている場合において、裁判所書記官から上記の通知を受けたときは、徴収職員は、速やかに、その旨を裁判所に交付要求をした徴収職員等で裁判所から通知があったものに通知しなければならない(滞調令31条(33条において準用する場合を含む。)において準用する20条)。

(2) 滞納者に対する通知
 二重差押えがされている電話加入権又は滞納処分と競合する仮差押えのされている電話加入権について、滞納処分による差押えを解除し、滞納者に対して第5の2《滞納者等に対する差押解除の通知》の(1)による「差押解除通知書」によって通知する場合には、当該通知書に、当該電話加入権について強制執行等による差押え又は仮差押えの執行がされている旨を、例えば、「何何地方裁判所事件番号昭和何何年(何)第何号事件名何何何により強制競売の開始決定(又は仮差押えの執行)がされています。」と記載するものとする(滞調法逐条通達第20条の8関係7の(1)のハにおいて準用する第14条関係2のなお書、第29条関係4において準用する第24条関係3のなお書参照)。
 なお、滞納処分による差押えと強制執行等による差押えをしている執行裁判所に対する交付要求を併せて行っているときは、「差押解除通知書」に交付要求を解除した旨を付記することにより行っても差し支えない。

(3) 質権者等に対する通知
 二重差押えがされている電話加入権又は滞納処分と競合する仮差押えの執行がされている電話加入権について、滞納処分による差押えを解除し、質権者等及び交付要求(参加差押えを含む。)をしている者に対して第5の2の(2)に準ずるものとする(滞調令12条の7第2項において準用する7条2項参照)。

(注) 滞納処分と競合する仮差押えの執行がされている電話加入権について参加差押えがされている場合において、滞納処分による差押えを解除したときは、参加差押え(2以上の参加差押えがされているときは、そのうち最も先にされたもの)をしている徴収職員等に対する「差押解除通知書」に当該電話加入権につき仮差押えの執行がされている旨を記載しなければならないことに留意する(滞調令12条の13第2項において準用する10条4項、34条)。

〔交付要求等の解除手続き〕

5 交付要求及び参加差押えの解除手続については、参加差押等実施要領通達に定めるところによるほか、第5の1《差押解除通知書の公社への送達》に定めるところに準じて行うものとする。
 なお、交付要求と参加差押えを同時に行っている場合(第3の13《滞納処分による差押えと強制執行等による差押えとがされている場合の措置》参照)の滞納者及び質権者等に対する交付要求及び参加差押えの解除の通知は、「参加差押え解除通知書」に交付要求を解除した旨を付記することにより行って差し支えない。

第6 電話加入権の換価
 差押えに係る電話加入権の見積価額の評定及び換価関係事務は、公売財産評価事務提要(昭和55年6月5日付徴徴2−9「公売財産評価事務提要の制定について」通達の別冊をいう。)及び換価事務提要(昭和43年10月18日付徴徴2-28ほか5課共同「換価事務提要の制定について」通達の別冊をいう。以下同じ。)に定めるところによるほか、次によるものとする。

〔電話加入権の公売及び権利移転手続〕

1 電話加入権の見積価額の評定
 電話加入権の見積価額の評定は、次の(1)により算出した金額を基にして、公売しようとする電話加入権に係る電話番号が帯有する特殊事情をしんしゃくし、更に公売の特殊性を調整した価格から、次の(2)の金額を控除する方法により行うものとする(第5号様式)。
 なお、電話番号が帯有する特殊事情のしんしゃくに当たっては、できるだけ精通者の意見を徴して参考にするものとし、公売の特殊性の調整は、特にその必要性がないと認められる場合には行わなくても差し支えないものとする。また、買受人が承継すべき未納料金等の支払義務額については、所轄電話局において調査するものとする。

(1) 公売時における通常の時価
公売時における通常の時価は、次の区分による。

イ 取引事例がある場合

(イ) 取引相場がある場合
取引相場を基礎として、算定する。

(ロ) 取引相場がない場合
収集した取引事例に所要の調整を加えて、算定する。

ロ 取引事例がない場合
 公売しようとする電話加入権と同一種類の加入電話を新たに設置しようとする場合の通常要する経費を参考として算定する。

(2) 買受人が承継すべき未納料金等の支払義務額
 買受人が承継すべき未納料金等の支払義務額は、公売しようとする電話加入権に係る次のイ、ロ及びハに掲げるものの合計額である。

イ 所轄電話局が加入電話に係る料金の算定のための基準としている計算期間(以下「料金月」という。)を経過して確定した料金のうち、未納の金額。

ロ 既に料金の支払義務額が確定している料金月末(以下「確定料金月末」という。)の翌日から公売しようとする日までに係る料金の額については、公売しようとする電話加入権の所有者である滞納者について特段の事情のない限り、次に掲げるところにより算出した額の合計額をもって、当該金額に当たるものとして差し支えないものとする。

(イ) 月額で定められている料金(例えば、電話使用料(基本料金等)、付加使用料)については、その金額。
 ただし、月額で定められている料金の額が1万円以上の場合には、その1か月分に相当する金額を30で除したものに公売の日の属する料金月の初日から公売の日までの日数に相当する日数を乗じて得た金額。

(ロ) 通話に関する料金については、直前3料金月の通話に関する料金の合計金額を90で除したものに確定料金月末の翌日から公売の日までの日数に相当する日数を乗じて得た金額。

ハ その他買受人が承縦すべき支払義務

(注) 買受人が承継すべき支払義務とは、加入者が提供を受けた通信役務(通信法2条3号)に対する対価の性質を有する電話使用料、付加使用料、通話に関する料金、割増金、延滞金、補償金及び工事に関する料金をいい、電報託送料、電話帳重複掲載料、電話帳広告料及び損害賠償金は含まないことに留意する。

2 公売公告
 電話加入権を公売しようとするときは、徴収法95条1項《公売公告》に規定する公売公告をしなければならない。この場合においては、次に掲げる事項を記載することに留意する。

(1) 第6の1《電話加入権の見積価額の評定》の(2)に規定する買受人が承継すべき未納料金等の支払義務額がある場合には、買受人に承継される支払義務額がある旨(徴収法95条1項9号、換価事務提要145の(1))。

(2) 買受人が公社の譲渡承認を得られない場合には、売却決定を取り消す旨(徴収法95条1項9号、換価事務提要145の(2))。

3 売却決定及び買受人による権利移転手続

(1) 買受人及び公社に対する売却決定通知書の交付
 税務署長等は、換価した電話加入権の買受人がその買受代金を納付したときは、買受人及び公社に対し売却決定通知書を交付しなければならない(徴収法118条本文、122条1項)。

(2) 買受人による権利移転手続
 電話加入権は、買受人が単独で公社に対して譲渡承認の請求をすることができるから、(1)により交付した売却決定通知書により速やかに権利移転の手続を行わせる(電話質特例規則8条2項)。

(注)

1  譲渡承認済みの有無については、売却決定後相当の期間内に所轄電話局において確認するものとする。

2 公社は、滞納処分による差押え後に強制執行等による差押えのされている電話加入権、滞納処分続行承認の決定を受けた電話加入権又は滞納処分と競合する仮差押えの執行がされている電話加入権について滞納処分による換価が行われ、それに基づく譲渡承認をしたときは、強制執行等による差押え又は仮差押えの登録を抹消することとしている。
 また、強制執行等による差押え後に滞納処分による差押えのされている電話加入権又は強制執行続行の決定を受けた電話加入権について、強制執行等による競売が行われ、それに基づく譲渡承認をしたときの滞納処分による差押えの登録も上記と同様の取扱いをすることとされているので、差押解除の手続をとる必要はない。

4 執行裁判所等に対する残余金の交付

(1) 滞納処分による差押え後に強制執行等による差押えがされている電話加入権を換価した場合における執行裁判所への残余金の交付等については、次による。

イ 換価代金について滞納者に交付すべき残余が生じたとき「残余金交付通知書」(滞調法逐条通達の別紙様式7)に「残余金計算書」(滞調法逐条通達の別紙様式7の付表)を添付して通知するとともに残余金を交付する(滞調法20条の11、20条の8第1項(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する6条1項、滞調令12条の8(12条の12において準用する場合を含む。)において準用する4条)。

ロ 換価代金について滞納者に交付すべき残余が生じないとき「残余金皆無通知書」(滞調法逐条通達の別紙様式8)に「残余金計算書」を添付して通知する(滞調法20条の11第1項、20条の8第1項(20条の10において準用する場合を含む。)において準用する6条3項、滞調法逐条通達第6条関係3)。

(注) 滞納処分続行承認の決定があった電話加入権を換価した場合においても上記と同様である。

(2) 滞納処分と競合する仮差押えの執行がされている電話加入権を換価した場合において、その換価代金について滞納者に交付すべき残余が生じたときは、当該電話加入権に対する強制執行について管轄権を有する裁判所に交付しなければならない(滞調法20条の11第1項、36条の14第1項、20条の9第1項及び36条の12第1項において準用する18条2項)。
 なお、残余金が生じなかった場合には、その旨を仮差押えの執行裁判所に通知するものとする(滞調法逐条通達第18条関係9参照)。
また、残余金を交付する場合又は残余金がない場合の処理については、上記(1)と同様に行うものとする(滞調令12条の11第1項及び32条において準用する10条1項(4条の準用))。

(注) 上記の「電話加入権に対する強制執行について管轄権を有する裁判所」とは、債務者(滞納者)の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所をいい(民事執行法167条1項、144条1項)、仮差押えの執行裁判所と異なる場合があることに留意する。

5 公社の譲渡承認が得られない場合の売却決定の取消し
滞納処分により電話加入権を換価した場合においても、公社の譲渡承認がなければその譲渡の効力は生じないこととされているので(通信法38条1項)、公社の譲渡承認が得られない場合(通信法38条2項)には、売却決定の取消しをする(換価事務提要145の(2))。

〔買受人が譲渡承認の請求をしない場合の措置〕

6 買受人に対する譲渡承認の請求の催告
換価した電話加入権の買受人が、売却決定を受けた後相当の期間内に当該電話加入権の譲渡承認の請求をしていないことが判明した場合には、買受人に対してその請求を行うように催告をするものとする。
 なお、催告してもその請求がされないときは、その換価に係る関係書類は、請求があるまでの間別途保存するものとする(換価事務提要101なお書参照)。

第7 着信用電話に係る権利の滞納処分

1  着信用電話に係る権利の意義
着信用電話に係る権利とは、着信用電話の加入契約に基づいて公衆電話通信役務の提供を受ける権利(通信法12条の2及び利用規定81条の2参照)をいう。

(注)

1 着信用電話に係る権利は、電話加入権とは異なるので、電話質特例法86条《質権設定の許容》及び徴収法第86条《参加差押えの手続き》の規定は適用されないことに留意する。

2 着信用電話とは、通話の着信のみに使用される電話であって、加入電話による通話の疎通の円滑化を目的として公社と加入者又は加入電話申込者との契約により設置されるものをいう(利用規定79条、81条の2第1項)。

2 着信用電話に係る権利の滞納処分
 着信用電話に係る権利の滞納処分は電話加入権の滞納処分に準じて行うものとする。この場合には、電話加入権の滞納処分に当たって用いる様式を適宜補正(例えば、「電話加入権」を「着信電話に係る権利」、「加入電話」を「着信用電話」とそれぞれ補正する。)して使用する。

3 着信用電話の廃止に伴う取扱い
 着信電話に係る権利を差し押さえた後に、滞納者が当該着信用電話を廃止しようとするときは、所轄電話局から税務署長等にその旨の連絡があるので、この場合には、加入電話の新設の有無を調査し、新設された加入電話があれば遅滞なく当該電話加入権を差し押さえる。

(注)

1 着信用電話に係る権利の差押後に当該着信用電話が廃止された場合には、加入電話が新設されたときであっても、その差押えは失効することに留意する。

2 電話加入権と着信用電話に係る権利とを差し押さえている場合には、一括して換価することができる(換価事務提要30の(2)参照)。

4 着信用電話に係る権利の公売上の留意事項
 着信用電話に係る権利の公売に当たっては、公売公告に「加入電話等利用規定(昭和45年日本電信電話公社公示第102号)第81条の2第4項の規定により買受後においても、同規定第79条に規定する着信用電話の要件を満たさなければ日本電信電話公社の譲渡承認が得られない」旨及び「日本電信電話公社の譲渡承認が得られない場合には、売却決定の日から7日以内に売却決定の取消しを求めた者に限りその売却決定を取り消す」旨を記載し、入札に先立ち、公売参加者に上記の条件を周知徹底させる。
 この場合においては、当該換価代金の交付期日は、売却決定の取消しを求めることができる期間を経過した日以後とすることに留意する。