ここから本文です。

ホーム税について調べる法令解釈通達目次>第20条の6関係 第三債務者の供託

第20条の6関係 第三債務者の供託

1 供託することができる場合

 この条第1項の規定により第三債務者が供託することができるのは、差押競合債権のうち金銭の支払を目的とするもの(以下この節において「差押競合の金銭債権」という。)に限られる。

(注)

1 この条第1項の規定による供託ができる場合であっても、滞納処分による差押えがされた部分については、第三債務者は、徴収職員に対し直接に弁済(徴収法67条4項の弁済委託を含む。)することができることに留意する。

2 法第20条の8第1項において準用する法第9条の規定により強制執行続行の決定があったときは、第三債務者は差押えに係る金銭債権の全額を供託しなければならないことに留意する(法10条1項、36条の6第1項、第20条の8関係5参照)。
 なお、上記の強制執行続行の決定があったときは、裁判所書記官は、その旨を第三債務者に通知することになっている(規則23条の5第1項において準用する規則16条、20条)。

2 供託することができる金額

 この条第1項の規定により第三債務者が供託することができる金額は、差押えに係る金銭債権の全額(相殺などによりその一部が消滅しているときは、その消滅した部分の金額を控除した金額)である。

(注)

1 この条第1項(法36条の11第1項において準用する法26条1項の規定により滞納処分続行承認の決定があった場合を含む。)の規定により供託をした第三債務者は、供託をするための旅費、日当及び宿泊料その他の供託のために要した費用並びに事情届のために要した費用を請求することはできないことに留意する(民事訴訟費用等に関する法律28条の2参照)。

2 第20条の3関係1の(1)の注書に該当する場合においては、先行の滞納処分による差押えがされた部分を差引いた残額については、第三債務者は、供託しなければならないことに留意する(法36条の6第1項)。

(例) 債権の全額が100万円の場合において、第1順位滞納処分40万円、第2順位強制執行30万円、第3順位滞納処分80万円のそれぞれの差押えがされたときは、第1順位滞納処分40万円を差引いた残りの60万円については、第三債務者は供託をしなければならないことになる。

3 金銭債権を滞納処分により差し押さえる場合の留意事項

 金銭債権を滞納処分により差し押さえるに当たつては、次に留意する。(平15徴徴4-3により改正)

(1) 金銭債権の一部を差し押さえることによつてその差押えに係る国税の全額を徴収することが確実であると認められるときを除き、その全額を差し押さえる(徴収法63条)。この場合において、差押競合の金銭債権の取立てに当たつては、その金銭債権の額が差押えに係る国税その他徴収法第129 条第1項各号に掲げる債権の合計額を超える場合であつても、原則として、その差押えに係る金銭債権の全額を取り立てるものとする。

(注)

1 上記の取立てには、この条第1項の規定により供託された供託金の還付請求による場合も含まれることに留意する。

2 金銭債権に対する滞納処分に当って、全額差押え及び全額取立てを原則としたのは、執行裁判所における配当等の手続が1回で済むことも考慮したことによる。

3 金銭債権について仮差押えの執行がされ第三債務者が供託(民事保全法50条5項において準用する執行法 156条)をしたことにより、債務者が供託所に対して有する還付請求権を滞納処分により差し押さえた場合において、その還付請求権の額が差押えに係る国税その他徴収法第 129条第1項に掲げる債権の額を超えるときは、その一部の還付を受けるものとする。

(2) 第三債務者に対し「債権差押通知書」(徴収規則3条1項。別紙第4号書式)を送付するときは、第三債務者は差押えに係る金銭債権についてこの条の規定による供託ができる旨を記載した「お知らせ」(別紙様式12)及び「事情届」(別紙様式13。令12条の5第1項)の用紙を同封するものとする。

4 第三債務者からの事情届

 この条第1項の規定により供託をした場合には、第三債務者は、「事情届」(別紙様式13)によりその事情を徴収職員に届出なければならない(この条2項)。
 なお、「事情届」については、次に留意する。

(1) 「事情届」には、供託書正本を添付しなければならないこと(令12条の5第2項)。

(2) 強制執行による差押え前に滞納処分による差押えが2以上されているときは、「事情届」は、先に送達された「債権差押通知書」(徴収規則3条1項。別紙第4号書式)を発した徴収職員に対してしなければならないこと(令12条の5第3項)。

5 事情届があった場合の処理

(1) 事情届があった場合の執行裁判所への通知

イ 第三債務者から事情届があった場合には、徴収職員は、令第12条の6第1項に掲げる事項を記載した「事情届通知書」(別紙様式14。令12条の6第1項)により、事情届があった旨を執行裁判所に対して通知しなければならない(この条3項)。

(注) 上記の通知をしたときは、裁判所書記官は、強制執行による差押命令が発せられた旨の徴収職員に対する通知は行わないことに留意する(法20条の3第2項ただし書)。

ロ 金銭債権の一部につき滞納処分による差押えをしている場合において、上記イの「事情届通知書」を送付するときは、「供託書正本の保管を証する書面」を添付しなければならない(令12条の6第2項)。この場合の「供託書正本の保管を証する書面」は、供託書正本をコピーし、その適宜の箇所に「供託書正本を保管していることを証明する」旨を記載した上、税務署長の官印を押捺した書面とする。

(2) 事情届があった旨の徴収職員等への通知

イ 強制執行による差押え前に滞納処分による差押えが2以上されている場合において、第三債務者から事情届がされたときは、徴収職員は、「事情届通知書」により、その旨を滞納処分による差押えをした徴収職員等で第三債務者から事情届がされていない者に通知するものとする(この条3項参照)。

ロ 上記イの場合において、第3債務者から事情届がされた滞納処分による差押えが金銭債権の一部についてされているときは、上記(1)のロと同様の処理をする。

(注) 滞納処分による差押えがされた後に強制執行による差押命令が発せられ、その後、更に滞納処分による差押えがされた場合においても、上記イと同様の処理をするものとする。

6 供託金の還付等

(1) 供託金の還付請求
 この条第1項の規定により供託された供託金のうち、滞納処分による差押金額に相当する部分の払渡しは供託所に対する徴収職員の還付請求によって行う(昭和55年9月6日付民四第5333号「民事執行法等の施行に伴う供託事務の取扱いについて」民事局長通達第三の三の1の(一)の(2)のイ)。

(注)

1 供託金の還付を受けるための手続は、昭和44年12月11日付徴徴2- 30ほか1課共同「滞納処分における供託手続等について」通達の記の3に定めるところにより行うことに留意する。

2 上記の供託金のうち、その一部について滞納処分による差押えを打っている場合において、差押えた部分に相当する供託金の還付を受けたときは、その供託書正本は供託所から返還されないことに留意する。

(2) 供託金の一部につき還付を受ける場合

イ 滞納処分により債権を差押えた場合において、その一部に相当する部分につき供託金の還付を受けたとき(この条関係3の(1)の(注)3参照)は、その残余について差押えの解除処理をするとともに、「差押え及び交付要求解除(通知)書」(別紙様式10)により執行裁判所にその旨を通知しなければならない(法20条の8第1項において準用する法14条)。
 なお、この書面には、供託官から返還を受けた供託書正本を添付するものとする(供託規則31条1項参照)。

ロ 上記の解除処理をする場合においては、第三債務者に対しては、供託により免責されているので差押えを解除した旨の通知はしないものとする。また、滞納者に対する「差押解除通知書」には、その「備考」欄に、当該債権が供託されている旨を付記するものとする。

ハ 徴収職員が、上記イにより滞納処分による差押えに係る債権の一部に相当する部分について供託金の還付を受けるときは、その還付を受けた金額について徴収法第129条第1項各号に掲げる国税その他の債権に配当して残余が生じることがないよう留意する。


目次

● 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の逐条通達(国税庁関係)の全文改正について

● 引用の法令番号一覧表

● 主用省略用語一覧表