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ホーム税について調べる法令解釈通達目次第19条関係 船舶に対する強制執行及び仮差押えの執行

第19条関係 船舶に対する強制執行及び仮差押えの執行

1 船舶で登記されるもの

 この条に規定する「船舶で登記されるもの」とは、「船舶」(第2条関係5)のうち、商法第686条第1項及び船舶法第5条の規定に基づき同法第34条第1項に定める手続(船舶登記規則参照)により登記することができる船舶をいう。従って、登記されていない船舶であっても、上記の規定に基づき登記することができる船舶は、「船舶で登記されるもの」に含まれる。

2 滞納処分による差押えがされている船舶で登記されるものに対する強制執行

 滞納処分による差押えがされている船舶で登記されるものに対する強制執行については、この条関係3から5までに定めるところによるほか、滞納処分により差押えられた不動産に対する強制競売に関する第12条関係から第17条関係までに定めるところに準じて取扱う(この条において準用する法12条から17条まで、令11条1項において準用する令7条から9条まで)。

(注) 上記に規定する「不動産に対する強制競売に関する第12条関係から第17条関係までに定めるところに準じて取扱う」事項のうち、主なものは、次のとおりである。

(1) 強制執行による差押え前に参加差押えがされている不動産について、滞納処分による差押えが解除された場合のその参加差押えの効力(法13条2項において準用する法5条3項本文)

(2) 執行裁判所に対する売却代金の残余の交付(法17条において準用する法6条1項及び3項)

(3) 強制執行続行の決定があった場合における滞納処分による差押えの効力(法17条において準用する法10条1項、3項及び4項)

(4) 滞納処分による差押えの解除の通知(法14条)

(5) 強制競売に係る差押えの登記のまつ消(法16条)

3 滞納処分による差押え後に強制競売の開始決定をした船舶

 船舶で登記されるものに対する滞納処分による差押えと強制競売の開始決定とのいずれが先にされたかは、差押えの登記の前後により判定する。従って、強制競売の開始決定に係る差押えの効力の発生(執行法121条において準用する執行法46条1項。なお、執行法114条3項参照)後であっても、その差押えの登記前に滞納処分による差押えの登記がされたときは、この条の適用がある。

4 徴収職員が取上げた船舶国籍証書等の取扱い(平15徴徴4-3により改正)

(1) 船舶国籍証書等を取上げた旨の執行裁判所に対する通知
 徴収職員は、滞納処分による差押えをしている船舶で登記されるものにつき裁判所書記官から書面(強制競売開始決定通知書。規則22条1項において準用する規則15条)により強制競売の開始決定があった旨の通知を受けた場合において、徴収法第70条第3項に規定する「監守及び保存のため必要な処分」として船舶国籍証書その他登記される船舶の航行のために必要な文書(以下「船舶国籍証書等」という。)を取上げているとき又は当該通知を受けた後に取上げたときは、その旨を執行裁判所に対し通知しなければならない(令11条2項)。

(注) 船舶で登記されるものに対し滞納処分による差押え後に強制競売の開始決定があった場合において、執行官が船舶国籍証書等を取上げて執行裁判所に提出したとき(執行法114条1項参照)は、裁判所書記官は、徴収職員に対しその旨を通知することになっている(規則22条2項)。

(2) 差押えを解除した場合における船舶国籍証書等の引渡し
 徴収職員は、上記(1)に掲げる場合において、滞納処分による差押えを解除したときは、執行裁判所に対し船舶国籍証書等を引渡さなければならない(令11条3項)。この場合においては、「差押え及び交付要求解除(通知)書」(別紙様式10)の「備考」欄に船舶国籍証書等を引渡す旨を記載し、受領書を同封して送付するものとする。

(注) 滞納者に対し滞納処分による差押えを解除した旨の通知をする場合には、船舶国籍証書等を執行裁判所に引渡した旨を「差押解除通知書」(様式通達第16号様式(その1))に付記するものとする。

(3) 強制執行続行の決定があった場合における船舶国籍証書等の引渡し
 徴収職員は、上記(1)に掲げる場合において強制執行続行の決定があったときは、執行裁判所に対し船舶国籍証書等を引渡さなければならない(令11条4項)。この場合においては、執行裁判所に対し交付要求をする一方、事件番号、事件名及び令第11条第4項の規定により引渡す旨を記載した書面及び受領書を同封して送付する。

(注) 船舶国籍証蓄等を執行裁判所に引渡したときは、その旨を滞納者に通知するものとする。

(4) 強制競売取下げの申立てがあった場合における船舶国籍証書等の返還
 徴収職員が、上記(3)により船舶国籍証書等を執行裁判所に引渡した場合において、強制競売の申立てが取下げられ、又は強制競売の手続を取消す決定が効力を生じたときは、その船舶国籍証書等は徴収職員に引渡される。

(注) 執行裁判所から船舶国籍証書等の引渡しを受けたときは、その旨を滞納者に通知するものとする。

(5) 船舶国籍証書等の引渡し又は返還に伴う管海官庁に対する通知
 徴収職員は、上記(2)若しくは(3)により船舶国籍証書等を執行裁判所に引渡したとき又は上記(4)により執行裁判所から船舶国籍証書等の引渡しを受けたときは、その旨を船舶の船籍港を管轄する管海官庁(地方運輸局又は地方運輸局海運支局)の長に通知するものとする。

5 執行官が取上げた船舶国籍証書等を執行裁判所が保管している場合の取扱い

(1) 債務者から取上げた場合
 船舶で登記されるものに対し滞納処分による差押えがされた後に強制執行が開始され、執行官が債務者(滞納者)から船舶国籍証書等を取上げ執行裁判所に提出している場合において、滞納処分による換価により当該船舶の所有権を取得した買売人は、執行裁判所からその船舶国籍書等の引渡しを受けることができる。

(注) 上記の場合において、船舶を換価するときは、公売公告に、買受人は執行裁判所に対し「売却決定通知書」を呈示して船舶国籍証書等の引渡しを受けられる旨を記載するものとする(徴収法95条1項9号)。

(2) 第三者から取上げた場合
 船舶で登記されるものに対し滞納処分による差押えがされた後に強制執行が開始され、執行官が債務者(滞納者)以外の第三者から船舶国籍証書等を取上げて執行裁判所に提出した場合において、滞納処分による換価により当該船舶の所有権を取得した買受人は、その第三者の同意を得て、執行裁判所からその船舶国籍証書等の引渡しを受けることができる。

(注) 上記の場合において、船舶を換価するときは、公売公告に、買受人は執行裁判所に対し第三者の同意書を提出するとともに、「売却決定通知書」を呈示して船舶国籍証書等の引渡しを受けられる旨を記載するものとする(徴収法95条1項9号)。
 なお、第三者の同意が得られない場合には、買受人は、船舶国籍証書等の再発行が受けられる。

(3) 強制競売の申立てが取下げ等された場合
 執行裁判所が船舶国籍証書等を保管している場合において、強制競売の申立てが取下げられ、又は強制競売の手続を取消す決定が効力を生じたときは、船舶国籍証書等は債務者(滞納者)に返還されることになっている。

6 滞納処分による差押えがされている船舶で登記されるものに対する仮差押えの執行(平15徴徴4-3により改正)

(1) 仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行がされた場合
 滞納処分による差押えがされている船舶で登記されるものに対し仮差押えの登記をする方法による仮差押えの執行(船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法を併用する場合を含む。)がされた場合には、滞納処分により差押えられた不動産に対する仮差押えの執行に関する第18条関係に定めるところに準じて処理するものとする(この条において準用する法18条、令11条の2において準用する令10条)。

(注) 船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法を併用した場合における船舶国籍証書等の取扱いは、(2)のイに定めるところに準じて処理するものとする。

(2) 船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされた場合
 滞納処分による差押えがされている船舶で登記されるものに対し船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされ、かつ、「仮差押執行通知書」によるその旨の通知(規則21条1項において準用する規則15条参照)があった場合には、次に定めるところによるほか、第18条関係2、3、5及び6に定めるところに準じて処理するものとする。

イ 徴収職員が徴収法第70条第3項に規定する「監守及び保存のため必要な処分」として船舶国籍証書等を取上げているときは、この条関係4の(1)、(2)及び(5)に定めるところに準じ、執行官が取上げた船舶国籍証書等を保全執行裁判所が保管しているときは、この条関係5に定めるところに準じて、それぞれ処理するものとする(令11条の2において準用する令11条2項及び3項)。

(注) 滞納処分による差押えがされている船舶で登記されるものに対して船舶国籍証書等の取上げを命ずる方法による仮差押えの執行がされた場合において、船舶国籍証書等が保全執行裁判所に提出されたときは、裁判所書記官から徴収職員に対し、その旨の通知がされることになっている(規則22条の2第3項において準用する規則22条2項)。

ロ 徴収職員は、船舶を滞納処分により換価した場合において、換価の手続を了したときは、その旨を速やかに保全執行裁判所(船舶の所在地を管轄する地方裁判所。民事保全法48条2項参照)に通知するものとする。

ハ 船舶の滞納処分による売却代金について、滞納者に交付すべき残余が生じたときは、滞納者に交付するものとする。


目次

 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の逐条通達(国税庁関係)の全文改正について

● 引用の法令番号一覧表

● 主用省略用語一覧表