ここから本文です。

ホーム税について調べる法令解釈通達通達目次 / 所得税基本通達>〔退職給与規程の範囲(令第153条関係)〕

法第54条《退職給与引当金》関係

〔退職給与規程の範囲(令第153条関係)〕

(労働協約による退職給与規程)

54−1 令第153条第1号に掲げる規程については、次のことに留意する。(昭49直所2−23改正)

(1) 労働協約により定められた退職給与規程は、労働組合法第5条第1項《労働組合として設立されたものの取扱》の規定による手続を経ていない労働組合との間に締結したものであっても、これに該当する。

(2) 労働協約により定められている退職給与規程は、労働協約による協定事項の一条項(その条項に基づき別に規程が定められている場合のその規程を含む。)として定められているものであると退職給与の支給に関する事項だけの協約によるものであるとを問わないが、労働協約において単に「退職給与の支給については就業規則に定めるところによる」旨だけを規定している場合には、その就業規則における退職給与の支給に関する規程は、これに該当しない。

(税務署長に届け出た退職給与規程の改正の効力)

54−2 税務署長にあらかじめ届け出た退職給与の支給に関する規程による退職給与引当金勘定を設けている者が、当該規程を改正したことによりその改正に係る令第158条第2項《改正等があった場合の退職給与規程に関する書類の提出》に規定する書類を税務署長に提出する場合において、当該書類をその提出の基因となる事実の生じた年分に係る確定申告書の提出期限までに提出したときは、その提出期限に係る年分以後の各年分における繰入限度額は、その提出した書類に記載されたところにより計算する。(昭51直所3−1、直法6−1、直資3−1改正)

(退職給与規程に係る書面の提出)

54−2の2 令第158条第2項の規定により同項に規定する書類を提出する場合において、令第154条第2項《退職給与引当金勘定への繰入限度額》かっこ書の規定の適用を受けようとするときは、同項かっこ書に規定する書面を当該書類に添付する必要があるのであるが、当該書面を当該書類の提出後に提出した場合には、当該書面の提出後最初に到来する確定申告書の提出期限に係る年分以後の各年分につき同項かっこ書の規定を適用する。(昭51直所3−1、直法6−1、直資3−1追加)

(最低限度の支給率が定められていない場合の不適用)

54−3 退職給与規程において、退職給与の支給率又は支給額について「何%以内を支給する」、「減額することができる」のように、その最低限度が定められていない場合には、法第54条の規定の適用はないことに留意する。


〔退職給与引当金勘定への繰入限度額(令第154条関係)〕

(自己都合により退職する場合の退職給与の額の計算)

54−4 令第154条第1項第1号に規定する自己の都合により退職するものと仮定した場合の退職給与の額を計算する場合において、退職給与規程に自己の都合による退職につき「病気のため」、「結婚のため」などの細目が定められているときは、当該退職給与の額は、そのうちの無条件任意退職の場合の支給率又は支給額により計算する。

(支給基準等が改正された場合の繰入限度額の計算)

54−5 退職給与の支給基準又は給与ベースの改正が行われた場合には令第154条第1項第1号ロの規定により計算される前年12月31日における退職給与の額(以下54-14までにおいて「前年末退職給与の要支給額」という。)は、その改正の効果が前年にさかのぼるかどうかを問わず改正前の支給基準又は給与ベースにより計算する。

(労働協約による退職給与規程と就業規則による退職給与規程とがある場合の繰入限度額の計算)

54−6 使用人の一部については労働協約による退職給与規程の適用があり、他の使用人については就業規則による退職給与規程の適用がある場合には、令第154条第1項第1号に規定する金額は、退職給与規程の適用の異なる使用人ごとにそれぞれの退職給与規程に基づいて計算する。この場合において、就業規則による退職給与規程の適用がある使用人については、同条第2項の規定を適用する。

(注) 令第154条第2項の規定を適用する場合のその計算の基礎となる給与の総額は、就業規則による退職給与規程の適用がある使用人に係る給与の合計額に限られる。

(使用人の一部について就業規則による退職給与規程が適用される場合の繰入限度額)

54−7 使用人の一部については労働協約による退職給与規程の適用があり、他の使用人については就業規則による退職給与規程の適用がある場合においても、それぞれの退職給与規程の内容が同一のものであり、かつ、当該労働協約の適用がある使用人の数が、労働組合法第17条《一般的拘束力》に規定する一の工場、事業場に常時使用される同種の労働者の数の75%以上であるときは、就業規則による退職給与規程の適用がある使用人についても、労働協約による退職給与規程の適用があるものとして、令第154条の規定を適用することができるものとする。

(退職給与の支給の対象となる使用人の範囲)

54−8 令第154条第2項に規定する使用人には、退職給与の支給の対象となる在職年限に達していないため退職給与の支給されない者も含まれる。

(退職金共済契約等に基づく給付金だけを受ける者)

54−9 令第156条《退職金共済契約等を締結している場合の繰入限度額の特例等》に規定する退職金共済契約等又は適格退職年金契約等に基づく給付金だけの支給を受ける者は、令第154条第2項かっこ内に規定する「退職給与の支給の対象とならないもの」に該当することに留意する。

(給与総額に算入する外交員等の報酬等)

54−10 使用人である外交員、集金人等で固定給と歩合給の支払を受ける者に対し退職給与を支給することとしている場合において、退職給与引当金勘定への繰入限度額の計算上当該外交員等と他の使用人とを区分してそれぞれにつき、令第154条第1項第1号及び第2項の規定を適用するときは、当該外交員等に係る同項の金額は、法第204条第1項第4号《源泉徴収義務》に掲げる報酬等とされる金額を給与の額に含めて計算することができる。(昭60直所3−1、直法6−1、直資3−1改正)


〔退職給与引当金勘定の金額の取崩し(令第155条関係)〕

(支給基準等がさかのぼって改正された場合の取崩し)

54−11 退職給与の支給基準又は給与ベースの改正が行われた場合には、当該改正が行われた年の12月31日までに退職した使用人に係る令第155条第1項第1号に規定する退職給与引当金勘定の金額の取崩しは、その改正の効果が前年にさかのぼるかどうかを問わず、改正前の規定又は給与ベースに基づく前年末退職給与の要支給額による。

(使用人の退職による退職給与引当金勘定の金額の取崩しに当たっての留意事項)

54−12 令第155条第1項第1号の規定の適用に当たっては、次のことに留意する。(昭57直所3−1改正)

(1) 退職した使用人に対して退職給与を支給する場合でも、その使用人が前年12月31日において退職給与の受給資格に達しなかったことなどのため前年末退職給与の要支給額がないときは、退職給与引当金勘定の金額を取崩す必要はないこと。

(2) 使用者の都合により退職させるなどのため前年末退職給与の要支給額を超えて退職給与を支給する場合でも、その使用人に係る前年末退職給与の要支給額に相当する金額を取崩せば足りること。

(3) 懲戒解雇などのため退職した使用人に対して退職給与を支給しない場合でも、その使用人に係る前年末退職給与の要支給額があるときは、その要支給額に相当する金額を取崩さなければならないこと。

(4) 使用人に支給すべき退職給与の額の全部又は一部につき退職金共済契約等若しくは適格退職年金契約等に基づく給付金又は厚生年金基金からの給付金に移行した場合においても、その移行した日の属する年において使用人が退職したときは、その移行前の退職給与規程に基づく当該使用人に係る前年末退職給与の要支給額に相当する金額を取崩さなければならないこと。

(退職給与を支給しない正当の理由の範囲)

54−13 令第155条第1項第3号の「正当の理由」がある場合には、例えば、使用人に不正があったなどのため解雇した場合のように、社会通念上退職給与を支給しないことが相当であると認められる場合が該当する。

(要支給額を超えて退職給与引当金を取崩した場合)

54−14 使用人の退職に伴い、その退職した使用人に係る前年末退職給与の要支給額を超えて退職給与引当金勘定の金額を取崩した場合であっても、その取崩した金額が実際に支給した退職給与の額に相当する金額以下であるときは、その取崩しは令第155条第1項第7号に規定する取崩しには該当しないものとする。


〔死亡の場合の退職給与引当金勘定の金額の処理(令第157条関係)〕

(青色申告の承認を受けている者等の範囲)

54−15 令第157条に規定する「青色申告書を提出することについて税務署長の承認を受けているもの」及び「法第144条(青色申告の承認の申請)の申請書を提出したもの」の範囲については、52−23の取扱いに準ずる。(平11課所4−1改正)