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第11章 仕入れに係る消費税額の控除

第1節 通則

(課税仕入れ)

11−1−1 課税仕入れとは、事業者が、事業として資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けることをいうから、個人事業者が家事消費又は家事使用をするために資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けることは、事業として行われるものではないから、課税仕入れに該当しないことに留意する。(平27課消1-17により改正)

(注) 課税仕入れには特定課税仕入れも含まれることに留意する。

(給与等を対価とする役務の提供)

11−1−2 法第2条第1項第12号《課税仕入れの意義》の規定により、課税仕入れの範囲から除かれる「給与等を対価とする役務の提供」とは、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき給与等を対価として労務を提供することをいうのであるが、この場合の給与等には、俸給、給料、賃金、歳費、賞与及びこれらの性質を有する給与のほか、過去の労務の提供を給付原因とする退職金、年金等も該当することに留意する。

(課税仕入れの相手方の範囲)

11−1−3 法第2条第1項第12号《課税仕入れの意義》に規定する「他の者」には、課税事業者及び免税事業者のほか消費者が含まれる。(平27課消1-17により改正)

(注)

1 令第57条第6項《事業の種類》に規定する「他の者」についても同様である。

2 所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)附則第38条第1項《国外事業者から受けた電気通信利用役務の提供に係る税額控除に関する経過措置》により、事業者向け電気通信利用役務の提供以外の電気通信利用役務の提供で、同法附則第39条第1項《国外事業者の登録等》に規定する国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者以外の国外事業者から受けたものは、当分の間、消費税法第30条から第36条《仕入れに係る消費税額の控除等》までの規定は適用されない。

(家事共用資産の取得)

11−1−4 個人事業者が資産を事業と家事の用途に共通して消費し、又は使用するものとして取得した場合、その家事消費又は家事使用に係る部分は課税仕入れに該当しないことに留意する。この場合において、当該資産の取得に係る課税仕入れに係る支払対価の額は、当該資産の消費又は使用の実態に基づく使用率、使用面積割合等の合理的な基準により計算するものとする。
 なお、個人事業者が、課税仕入れに係る資産を一時的に家事使用しても、当該家事使用について法第4条第5項第1号《みなし譲渡》の規定の適用はないのであるから留意する。(平27課消1-17により改正)

(水道光熱費等の取扱い)

11−1−5 個人事業者が支出する水道光熱費等の支払対価の額のうち課税仕入れに係る支払対価の額に該当するのは、所法令第96条各号《家事関連費》に掲げる経費に係る部分に限られるのであるから留意する。

(実質的な輸入者と輸入申告名義人が異なる場合の取扱い)

11−1−6 課税貨物について、関税定率法第9条の2《関税割当制度》の規定により割当てを受け又は関税暫定措置法の規定により関税の軽減若しくは免除を受ける場合には、当該割当てを受けた者又は軽減若しくは免除を受けようとする者(当該課税貨物を使用又は消費する者)の名をもって輸入申告をしなければならないこととされている(いわゆる「限定申告」)が、当該輸入申告を行う者(以下「輸入申告者」という。)が単なる名義人であって当該課税貨物を実質的に輸入する者(以下「実質的な輸入者」という。)が別に存在する場合において、次の全てに該当するときは、実質的な輸入者が当該課税貨物を保税地域から引き取ったものとして法第30条から第36条《仕入れに係る消費税額の控除等》の規定を適用する。(平9課消2−5、平23課消1-35により改正)

(1) 実質的な輸入者が、輸入申告者が引き取ったものとされる当該課税貨物を輸入申告後において輸入申告者に有償で譲渡する。

(2) 実質的な輸入者が、当該課税貨物の引取りに係る消費税額及び地方消費税額を負担する。

(3) 実質的な輸入者が、輸入申告者名義の輸入許可書及び同名義の引取りに係る消費税等の領収証書の原本を保存する。

(新規に開業をした事業者の仕入税額控除)

11−1−7 法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定の適用があるのは、課税事業者に限られるのであるが、新たに事業を開始した個人事業者又は新たに設立した法人は、法第9条の2《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》から法第12条の4《高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例》までの規定により納税義務が免除されない者を除き、法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定により納税義務が免除されることとなるため、法第9条第4項《課税事業者の選択》の規定により課税事業者を選択しない限り、課税仕入れ等の税額を控除することはできないのであるから留意する。(平9課消2−5、平13課消1−5、平22課消1−9、平23課消1-35、平25課消1-34、平28課消1-57により改正)

(相続等により課税事業者となった場合の仕入税額控除)

11−1−8 法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定により消費税を納める義務が免除される事業者が、法第10条第1項《相続があった場合の納税義務の免除の特例》、第11条第1項《合併があった場合の納税義務の免除の特例》又は第12条第1項若しくは第5項《分割等があった場合の納税義務の免除の特例》の規定により、その課税期間の中途において法第9条第1項本文の規定の適用を受けないこととなった場合には、その適用を受けないこととなった日から同日の属する課税期間の末日までの期間について、法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》及び法第32条《仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定を適用することとなるのであるから留意する。(平13課消1−5により追加)

(注) 法第12条第1項の規定により、その課税期間の中途において法第9条第1項本文の規定の適用を受けないこととなった場合とは、法第12条第7項第3号《分割等の意義》に該当する分割等による設立がこれに該当する。