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ホーム税について調べる法令解釈通達不服審査(国税不服審判所関係)>第96条 《証拠書類等の提出》関係

第96条 《証拠書類等の提出》関係

(証拠書類等の提出に係る相当の期間)

96−1 法第96条第3項の「相当の期間」とは、証拠書類等(同条第1項に規定する証拠書類若しくは証拠物又は同条第2項に規定する書類その他の物件をいう。以下同じ。)を提出するのに通常要する期間をいい、その期間は、証拠書類等の量や、入手の難易などの事情に応じて定められるべきものであることに留意する。

第97条 《審理のための質問、検査等》関係

(実質審理の範囲)

97−1 実質審理は、審査請求人の申立てに係る原処分について、その全体の当否を判断するために行うものであるが、その実施に当たっては、審査請求人及び原処分庁双方の主張により明らかとなった争点に主眼を置いて効率的に行うことに留意する。

(申立てがされた場合)

97−2 法第97条第1項に規定する審理関係人の申立てがされた場合、担当審判官は、審理に必要がないと認めるときは当該申立てを採用しないことに留意する。
 なお、担当審判官は、当該申立てに対する判断を示すものとする。

(帳簿書類その他の物件の提出に係る相当の期間)

97−3 法第97条第1項第2号の「相当の期間」とは、帳簿書類等(同号に規定する帳簿書類その他の物件をいう。以下同じ。)を提出するのに通常要する期間をいい、その期間は、帳簿書類等の量や、帳簿書類等の所有者、所持者又は保管者の事情などに応じて定められるべきものであることに留意する。

(留置物件の返還)

97−4 法第97条第1項第2号の規定により提出された帳簿書類等が担当審判官に留置されている場合において、留置の必要がなくなったと認められるものは速やかに返還することに留意する。

(物件の検査)

97−5 法第97条第1項第3号に掲げる「その他の物件を検査すること」には、土地、建物その他の物件の存在する場所に赴いてその状況を確認することも含まれることに留意する。

(審査請求人と特殊な関係がある者)

97−6 法第97条第4項括弧書の「審査請求人と特殊な関係がある者」とは、同条第1項第1号から第3号まで又は第2項の規定による質問、提出要求又は検査の時における令第34条《審査請求人の特殊関係者の範囲》に定める者をいう。

第97条の2 《審理手続の計画的遂行》関係

(審理手続の計画的遂行が必要であると認められる場合)

97の2−1 法第97条の2第1項の「審理手続を計画的に遂行する必要があると認める場合」とは、例えば、次のような事件で、審理手続に要する期間が長期間に及ぶことが見込まれる場合をいう。

(1) 争点が多数ある事件

(2) 事実関係が錯綜(そう)している事件

(3) 審理関係人から提出された証拠書類等が膨大にある事件

(4) 証拠又は資料の収集やその検討に時間を要する事件

第97条の3 《審理関係人による物件の閲覧等》関係

(審理手続が終結するまでの間)

97の3−1 法第97条の3第1項の「審理手続が終結するまでの間」とは、法第94条第1項《担当審判官等の指定》の規定により担当審判官が指定された時から法第97条の4第1項又は第2項《審理手続の終結》の規定により審理手続を終結した時までをいう。

(第三者の利益を害するおそれ等)

97の3−2 法第97条の3第1項の「第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき」とは、例えば、同項の規定による閲覧又は交付を求める者以外の者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるときをいい、また、同項の「その他正当な理由があるとき」とは、例えば、国の機関、地方公共団体等が行う事務又は事業に関する情報であって、閲覧又は交付の対象とすることにより、当該事務又は事業の性質上、それらの適正な遂行に支障を来すおそれがあるときをいう。

(提出人の意見を聴く必要がないと認めるとき)

97の3−3 法第97条の3第2項ただし書の「必要がないと認めるとき」とは、提出人の意見を聴くまでもなく、担当審判官が閲覧又は交付の求めに対する判断が可能であるときをいい、例えば、次のときをいう。

(1) 公になっている情報と判断できるとき。

(2) 明らかに97の3−2に該当すると判断できるとき。

第97条の4 《審理手続の終結》関係

(必要な審理を終えたと認めるとき)

97の4−1 法第97条の4第1項の「必要な審理を終えたと認めるとき」とは、担当審判官及び参加審判官が、当該審査請求に係る事件の調査及び審理を行い、合議により、当該審査請求に係る事件について令第36条《議決》に規定する議決をするのに熟したと判断したときをいう。
 なお、担当審判官は、審理関係人から審理手続を終結することを求められたとしても、これに応ずる義務はないことに留意する。

(審理手続を終結した場合の効果)

97の4−2 法第97条の4第1項又は第2項の規定に基づき担当審判官が審理手続を終結した場合には、審理関係人又は担当審判官は、例えば、次の行為をすることができないことに留意する。

(1) 答弁書の提出(法第93条第1項)

(2) 反論書の提出(法第95条第1項)

(3) 参加人意見書の提出(法第95条第2項)

(4) 口頭意見陳述の申立て(法第95条の2第1項)

(5) 証拠書類等の提出(法第96条第1項及び第2項)

(6) 審理関係人による担当審判官に対する質問・検査等の申立て(法第97条第1項)

(7) 担当審判官による質問、検査等(法第97条第1項第1号から第4号まで)及び国税審判官等に対する質問、検査等を行わせるための嘱託等(同条第2項)

(8) 閲覧請求又は写し等の交付請求(法第97条の3第1項)

(9) 審理関係人の主張の追加、変更又は撤回

(注) 担当審判官が審理手続を終結した後であっても、審査請求人は、法第110条第1項《不服申立ての取下げ》の規定に基づき審査請求を取り下げることができることに留意する。

(審理手続の終結)

97の4−3 審理手続は、法第97条の4第1項又は第2項に該当すると担当審判官が判断することにより終結することに留意する。
 なお、法第97条の4第3項の「通知」は、書面により行うものとする。

(審理手続の再開)

97の4−4 担当審判官は、法第97条の4の規定により審理手続を終結した後であっても、裁決までの間に、例えば、次に掲げる事由が生じた場合には、審理手続を再開する。担当審判官が審理手続を再開したときは、速やかに、審理関係人に対し、審理手続を再開した旨を書面により通知するものとする。
 なお、担当審判官は、審理関係人から審理手続を再開することを求められたとしても、これに応ずる義務はないことに留意する。

(1) 法第104条第1項《併合審理等》の規定により審理手続を併合する場合

(2) 審判所長が、主張、証拠等を補充する必要があると認めた場合

(更に一定の期間)

97の4−5 法第97条の4第2項第1号の「更に一定の期間」は、同号イからホまでに定める物件につき93−1、95−1、96−1及び97−3の定めにより担当審判官が先に審理関係人に対してそれぞれ相当の期間を定めてこれらの提出を求めているのであるから、原則として、先に示した相当の期間よりは短い期間となることに留意する。

(口頭意見陳述に出頭しない場合の正当な理由)

97の4−6 法第97条の4第2項第2号の「正当な理由」には、例えば、次の場合がこれに当たることに留意する。

(1) 担当審判官が口頭意見陳述の日時又は場所を誤って教示したことにより出頭できない場合

(2) 口頭意見陳述の申立てをした審査請求人又は参加人の責めに帰すべからざる事由により、出頭することが不可能と認められるような客観的な事情がある場合(具体的には、地震、台風、洪水、噴火などの天災に起因する場合や、火災、交通の途絶等の人為的障害に起因する場合)

第98条 《裁決》関係

(審査請求が不適法な場合)

98−1 法第98条第1項の「その他不適法である場合」の審査請求には、92−2に定める場合のほか、担当審判官が指定された後、例えば、次の事由が生じた場合における、それぞれ次の処分を対象とした審査請求がこれに当たる。

(1) 審査請求の対象となった処分について、原処分庁により職権でこれが取り消された場合 当該処分

(2) 審査請求の対象となった更正処分について、課税標準等及び税額等を申告額以下とする減額の再更正処分がされた場合 当該更正処分

(3) 審査請求の対象となった決定処分について、納付すべき税額を零円とする減額の再更正処分がされた場合 当該決定処分

(4) 審査請求の対象となった更正の請求に対する処分について、課税標準等及び税額等を更正の請求額以下とする減額の更正処分又は再更正処分がされた場合 当該更正の請求に対する処分

(5) 審査請求の対象となった加算税の賦課決定処分について、当該加算税の額を零円とする減額の変更決定処分がされた場合 当該賦課決定処分

(6) 審査請求の対象となった更正処分について、当該更正処分後に審査請求人が修正申告書を提出した場合 当該更正処分

(注) 更正処分に伴ってされた加算税の賦課決定処分について審査請求の対象とされている場合は、修正申告書の提出があったとしても、当該賦課決定処分は「その他不適法である場合」には該当しないことに留意する。

(審査請求が理由がある場合)

98−2 法第98条第3項の「審査請求が理由がある場合」とは、例えば、次に該当する場合をいう。

(1) 法第2条第6号ニ《定義》の「納付すべき税額」が当該審査請求の目的となった更正処分に係る納付すべき税額に満たない場合

(2) 法第2条第6号ホの「還付金の額に相当する税額」が当該審査請求の目的となった更正処分に係る還付金の額に相当する税額を超える場合

(3) 法第2条第6号ハの「純損失等の金額」が当該審査請求の目的となった更正処分に係る純損失等の金額を超える場合

(変更)

98−3 法第98条第3項の「変更」には、国税に関する法律に基づく処分のうち、例えば、次に掲げる処分についての異動がこれに該当することに留意する。

(1) 耐用年数の短縮に関する処分(所得税法施行令第130条第3項及び第4項並びに法人税法施行令第57条第3項及び第4項)

(2) 特定船舶に係る特別修繕準備金に関する処分(租税特別措置法施行令第13条第6項及び第7項、同令第33条の6第10項及び第11項並びに同令第39条の85第10項及び第11項)

(3) 相続税額及び贈与税額の延納条件に関する処分(相続税法第39条第2項、第29項及び第32項)

(4) 納税の猶予に関する処分(法第46条及び第49条)

(法の特則)

98−4 審判所長が行う裁決については、法第98条のほか、法第104条第3項《併合審理等》の定めがあることに留意する。

(徴収法の特則)

98−5 徴収法第171条第1項第3号《公売等に関する不服申立て等の期限の特例》に掲げる処分に欠陥があることを理由として滞納処分に関する審査請求がされた場合における当該審査請求に対する裁決については、同法第173条 《不動産の売却決定等の取消の制限》の定めがあることに留意する。

第99条 《国税庁長官の法令の解釈と異なる解釈等による裁決》関係

(法令解釈の重要な先例)

99−1 法第99条第1項の「他の国税に係る処分を行う際における法令の解釈の重要な先例となると認められる裁決をするとき」とは、法令の解釈に関する国税庁長官通達が存在しない場合であって、裁決で採用しようとする法令の解釈が他の処分を行う際における重要な先例となると認められるときをいう。

第101条 《裁決の方式等》関係

(課税標準等又は税額等の調査及び審理)

101−1 国税の課税標準等又は税額等に係る処分についての審査請求の調査及び審理は、次の範囲内において行うものとする。

(1) 当該処分が決定である事件については、当該決定に係る額の範囲

(2) 当該処分が増額(還付金に相当する税額又は純損失等の金額にあっては減額)の更正(更正の請求にあっては当該請求の全部又は一部を認容しない処分。(2)において同じ。)又は再更正(更正の請求にあっては当該請求の全部又は一部を認容しない処分を行った後の増額の更正。(2)において同じ。)である事件については、当該更正又は再更正後の額と申告額(更正の請求にあっては当該請求の額)との差額の範囲。ただし、当該処分が増額の再更正である事件に係る当初更正又は決定について既に不服申立ての決定又は裁決がされているとき(却下の決定又は裁決がされているときを除く。)は、当該再更正後の額と不服申立ての決定又は裁決後の額との差額の範囲

(3) 当該処分が賦課決定(加算税及び過怠税の賦課決定を除く。(3)において同じ。)である事件については、当該賦課決定に係る額(増額の賦課決定にあっては当該増額の賦課決定後の額)の範囲。ただし、当該処分が増額の賦課決定である事件に係る当初賦課決定について既に不服申立ての決定又は裁決がされているとき(却下の決定又は裁決がされているときを除く。)は、当該増額の賦課決定後の額と不服申立ての決定又は裁決後の額との差額の範囲

(裁決書謄本の送達方法)

101−2 法第101条第3項の規定により、審判所長が裁決書の謄本を送達する場合における送達の方法については、法第12条《書類の送達》及び法第14条《公示送達》の定めがあることに留意する。

(注) 裁決書の謄本を郵便又は信書便によって送達するときは、配達証明郵便又は信書便の役務のうち配達証明郵便に準ずるものとして別途定めるもの、あるいは書留郵便又は信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして別途定めるものによって行うものとする。

(公示送達についての留意事項)

101−3 裁決書の謄本の公示送達に当たっては、次のことに留意する。

(1) 審査請求が代理人又は総代によってされている場合における裁決書の謄本の公示送達は、当該審査請求が代理人によってされているときは審査請求人本人及び当該代理人の双方について、総代によってされているときは全ての総代について、それぞれ法第14条第1項に規定する「送達を受けるべき者の住所及び居所が明らかでない場合」又は「外国においてすべき送達につき困難な事情があると認められる場合」に限られること。

(2) 法第14条第1項の「送達を受けるべき者の住所及び居所が明らかでない場合」とは、送達を受けるべき者について賦課関係書類の調査、実地調査、住民票の調査等を行ってもなお住所、居所その他送達すべき場所がいずれも不明な場合をいい、単に郵便局又は一般信書便事業者等の事業所から宛先人不明で返戻されたことのみを理由として公示送達を行うことはできないこと。

(審査請求人に対する送達)

101−4 法第101条第3項の規定による審査請求人に対する裁決書の謄本の送達は、当該審査請求が代理人によってされているときにおいても、本人に対してこれを行うものとする。ただし、審査請求人から裁決書の謄本の送達先を代理人とする旨の書面の提出があった場合には、原則として当該代理人に対して送達するものとする。

(注) 当該審査請求が総代によってされているときは、当該総代の1人に対して送達を行えば足りる。

(裁決の効力の発生時期)

101−5 法第101条第3項の規定により、裁決書の謄本を審査請求人及び処分の相手方の双方に送達した場合において、送達の時点に前後があるときは、後の時点において裁決の効力が生ずることに留意する。したがって、その国税の徴収のため差し押さえた財産の滞納処分による換価は、法第105条第1項ただし書《滞納処分による換価の制限》に規定する除外事由に該当する場合を除き、後の時点まではすることができないこととなる。

(参加人への送付)

101−6 法第101条第4項の規定による参加人に対する裁決書の謄本の送付は、裁決の効力の発生に関係がないことに留意する。

(注) 参加人の所在が知れないときであっても、当該謄本の送付については、公示送達による必要はない。

(裁判所への送付)

101−7 国税に関する法律に基づく処分についての訴訟が係属している場合における当該処分に係る裁決書の謄本の送付については、法第115条第2項《裁決書等の謄本の係属裁判所への送付》の定めがあることに留意する。

(記名押印)

101−8 法第101条第1項の「記名押印」とは、官職及び氏名を表示し、官印を押なつ(印影の印刷を含む。)することをいうことに留意する。

(納税地指定処分の取消裁決の効力)

101−9 納税地指定の処分に係る審査請求についての取消裁決の効力については、所得税法第19条《納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力》、法人税法第19条《納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力》及び消費税法第24条《納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力》の定めがあることに留意する。

(裁決書謄本の原処分庁への送付)

101−10 法第101条第4項の規定による原処分庁に対する裁決書の謄本の送付は、裁決の効力の発生に関係がないことに留意する。

(注) 審査請求人について納税地に異動があった場合における裁決書の謄本の送付は、異動後の納税地を所轄する税務署長等(国税の徴収に関する処分(法第36条第1項(納税の告知)の規定による納税の告知のうち同項第1号(不納付加算税及び法第68条第3項(重加算税)の規定による重加算税に係る部分に限る。)及び第2号に係るものを除く。)及び滞納処分(その例による処分を含む。)についての審査請求に係る裁決書の謄本については、処分庁である税務署長等)に対して行う。