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ホーム税について調べる法令解釈通達酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達3 果実酒等の製法品質表示基準の取扱い

3 果実酒等の製法品質表示基準の取扱い

 果実酒等の製法品質表示基準(平成27年10月国税庁告示第18号。以下この3において「表示基準」という。)の取扱いは、次による。

(1) 表示基準の意義

 原料の果実としてぶどうのみを使用した果実酒が、国際貿易において主要な産品として取引されていることに鑑み、国内外における取引の円滑な運行に資する目的で国際的なルールを踏まえた表示の基準を定めるとともに、国内においては、様々な原料を用いた果実酒及び甘味果実酒(以下「果実酒等」という。)が生産されているため、消費者の商品選択に資する目的でこれらの表示を明確化することにより、表示の適正化を図るものである。

(2) 表示基準の対象となる果実酒等について

 この表示基準は、法第28条第1項《未納税移出》の規定の適用を受けて酒類の製造場から移出する果実酒等についても適用されることに留意する。
 なお、消費者に対して通常そのままの状態で引き渡すことを予定していない容器(例えば、タンクローリー)に充填した果実酒等への表示については、当該果実酒等の送り状、納品書、規格書その他当該果実酒等と合わせて譲渡される書類に表示することとして差し支えない。

(3) 用語の定義

イ 「地名」とは、行政区画(都道府県、市町村(地方自治法(昭和22年法律第67号)第281条に定める特別区を含む。以下この3において同じ。))、郡、区、市町村内の町又は字等の名称をいう。なお、社会通念上、特定の地域を指す名称(例えば、旧地名、山や川の名称等)を含むものとする。

ロ 「醸造地」とは、果実酒等の原料を発酵させた場所をいう。

ハ 「使用量」は原則として原材料の重量とする。なお、濃縮果汁の重量には希釈するために使用した水の重量も含むものとする。

ニ 「ぶどうの収穫年」は、当該ぶどうを収穫した日の属する暦年をいう。

(4) 「国内製造ワイン」について

イ 表示基準1の(1)に規定する「同一の酒類の品目の果実酒等との混和」とは、法第3条《その他の用語の定義》第13号に規定する果実酒と果実酒との混和及び同条第14号に規定する甘味果実酒と甘味果実酒との混和をいう。

ロ 輸出した国内製造ワインが日本に輸入され、保税地域から引き取ることとなったものについては、「輸入ワイン」に該当することに留意する。

(5) 「輸入ワイン」について

 「輸入ワイン」については、次を除いて表示基準の適用がないことに留意する。

イ 表示基準2の(4)

ロ 表示基準8

(6) 「日本ワイン」について

イ 表示基準1の(3)に規定する「原料として水を使用したもの」には、濃縮果汁を希釈するため水を使用したもの又は法第3条第13号に掲げる酒類に水を加えたものを含むことに留意する。

ロ 表示基準1の(3)に規定する「国内で収穫されたぶどう」には、国内で収穫されたぶどうの果汁、当該ぶどうの濃縮果汁、当該ぶどうを乾燥させたもの、当該ぶどうを煮詰めたもの又は当該ぶどうの搾りかすを含む。

ハ 表示基準2の(1)に規定する「日本ワイン」の表示は、日本ワインにのみ表示できることに留意する。

(7) 「原材料名」の表示について

イ 表示基準2の(2)に規定する「使用量の多い順」とは、果実、濃縮果汁及び輸入ワインの別にそれぞれの使用量の合計の多い順をいう。
 また、果実及び濃縮果汁について複数の果実又は複数の果実の濃縮果汁を使用している場合には、複数の果実の名称をその使用量の多い順に表示する。なお、果実又は濃縮果汁の次に括弧を付して、複数の果実の名称を表示することとしても差し支えない。濃縮果汁を希釈して使用した場合も同様とする。

ロ 表示基準2の(2)ニの規定により、国内製造ワインの原材料を原材料とみなして表示する場合の使用量は、原則として、使用した当該国内製造ワインの重量に、当該国内製造ワインの原材料の重量比を乗じた量とする。
 ただし、当該国内製造ワインの原材料の重量比が不明である場合に限り、表示基準2の(2)ニの規定に関わらず、原材料を「国内製造ワイン(○○)」と表示しても差し支えない。この場合において、「○○」については、当該国内製造ワインの原材料名を転記するものとする。

ハ 表示基準2の(2)で規定する以外の原材料は、同規定により表示する原材料に続けて表示することができる。

(注) 消費者の商品選択に資する観点から、表示基準2の(2)で規定する以外の原材料についても、可能な限りこれを表示することが望ましい。

(8) 表示基準2の(3)「原材料の原産地名」の表示について

イ 同一の原材料であって日本産及び外国産の両方を使用している場合には、使用量の多い順に「日本産・外国産」等と表示する。

ロ 原材料として使用した原産地の異なる果実等について、日本産の表示に代えて都道府県名その他の地名を表示する場合には、使用量の多い順に全ての都道府県名その他の地名を表示する。外国産の表示に代えて原産国名を表示する場合も同様とする。

ハ 外国産の表示に代えて原産国名を表示する場合には、原産国名に続けて当該原産国内の地名(例えば、「米国カリフォルニア産」等)を表示して差し支えない。表示基準3において原産国名を表示する場合も同様とする。

(9) 表示基準3「特定の原材料を使用した旨の表示」について

イ 表示基準3の(1)に規定する「濃縮果汁を使用したことが分かる表示」とは、「濃縮果汁使用」のほか、外国産の濃縮果汁を使用している場合には、例えば次の表示をいう。

[表示例]

・ 輸入濃縮果汁使用

・ 輸入果汁使用

・ ○○(原産国名)産果汁使用

(注) 原材料に濃縮果汁が含まれる国内製造ワインを国内製造ワインに混和した場合についても適用されることに留意する。

ロ 表示基準3の(2)に規定する「輸入ワインを使用したことが分かる表示」とは、「輸入ワイン使用」のほか、例えば次の表示をいう。

[表示例]

・ 輸入果実酒使用

・ ○○(原産国名)産ワイン使用

(注) 原材料に輸入ワインが含まれる国内製造ワインを国内製造ワインに混和した場合についても適用されることに留意する。

ハ 濃縮果汁及び輸入ワインの両方を使用した場合については、例えば次のように使用量の多い順に濃縮果汁及び輸入ワインの両方を使用したことが分かる表示をする。

[表示例]

・ 濃縮果汁・輸入ワイン使用

・ 輸入果汁・輸入ワイン使用

・ ○○(原産国名)産果汁・○○(原産国名)産ワイン使用

(10) 表示基準4「ぶどう以外の果実を使用した旨の表示」について

 「その果実を使用したことが分かる表示」とは、その果実の呼称として一般的に使用されている名称の表示のほか、例えば次の表示をいう。

イ 当該果実の絵又は写真

ロ 当該果実の品種名

ハ シードル等ぶどう以外の果実を原料とする酒類の名称

(11) 表示基準5「地名の表示」について

イ 地名と同一である又は地名を含む会社名、人名、組織名又は個人事業者等の商号(法令等により明確である名称に限る。)の表示であって、次に掲げる方法により表示している場合については、表示基準5に規定する地名として取扱わないこととする。

(イ) 会社名、組織名又は個人事業者等の商号について、「株式会社」、「梶v、「商号」等の表示を併せて行うなど、会社名等として消費者が容易に判別できる方法により表示している場合

(ロ) 人名について氏名を併せて表示するなど、人名として消費者が容易に判別できる方法により表示している場合(例えば、「長野太郎」等)

ロ 表示基準5に規定する地名の表示には、原則として建物名、施設名等を構成する文字の一部として表示する地名も含まれるものとする。ただし、当該建物名、施設名等の名称が固有名詞として一般に流布しており、ぶどうの収穫地又は醸造地であると消費者が混同しない表示は、この限りでない。

(注) 消費者が混同する表示とは、「○○(地名)ワイナリー」、「○○(地名)ヴィンヤード」、「○○(地名を含む建物名等)ワイン」等をいう。

ハ 表示する地名が一の都道府県内の地域を示すもの又は都道府県を跨ぐ地域を示すものであって、当該地域を含む市町村内に醸造地がある場合又は当該地域を含む市町村に隣接した市町村(表示する地名が含まれる都道府県内の市町村に限る。)に醸造地がある場合は「表示する地名が示す範囲に醸造地がない場合」に該当しないものとして取り扱う。

ニ 「ぶどうの収穫地を含む地名であることが分かる方法」とは、次に掲げる全ての事項を満たす表示方法をいう。

(イ) 次に掲げるいずれかの方法により地名を表示していること

A 表示する地名に当該収穫地のぶどうを原料として使用した旨を併せて表示する方法
 例:「○○産ぶどう使用」

B 表示する地名に当該収穫地のぶどうの使用割合を併せて表示する方法
 例:「○○産ぶどう100%使用」

C 表示する地名にぶどうの品種名を併せて表示する方法(当該収穫地で収穫された単一品種のぶどうを85%以上使用した場合に限る。)
 例:「○○シャルドネ」

(ロ) 表示基準2の(3)に規定するぶどうの原産地の表示について、「日本産」に代えて当該表示する地名を表示していること

(ハ) 別記様式に醸造地を表示していること

ホ 「醸造地を含む地名であることが分かる方法」とは、次に掲げる表示方法をいう。

(イ) 表示する地名に「醸造」の文字を併せて表示する方法
 例:「○○醸造ワイン」、「○○醸造」

(ロ) 表示する地名に、当該醸造地で醸造した旨を併せて表示する方法
 例:「○○で造ったワイン」

ヘ 「ぶどうの収穫地を含む地名ではないことが分かる表示」とは、次に掲げる表示をいう。

(イ) 表示基準5の(1)の規定により地名を表示できる場合のニによる表示

(ロ) 原料として使用したぶどうの収穫地ではないことの表示

例:「○○は原料として使用したぶどうの収穫地ではありません」、「○○で収穫した以外のぶどうも○割使用しています」

ト 地名を含む果実酒等の商標(登録商標(商標法(昭和34年法律第127号)第2条第5項に規定する登録商標をいう。)を含む。)を表示する場合についても、地名として表示基準の規定に沿って表示しなければならないことに留意する。

(12) 表示基準6「ぶどうの品種名の表示」について

イ 表示基準6の(1)及び(2)の規定により表示するぶどうの品種名については、その使用量の割合を併記して差し支えない。

ロ 表示基準6の(3)の規定により表示するぶどうの品種名については、その表示する品種の使用量の割合の合計が85%以上となるまで表示する必要があることに留意する。

ハ 別記様式へのぶどうの品種名の表示については、濃縮果汁としたぶどうの品種名のほか、原材料として使用した国内製造ワイン又は輸入ワインの原料となったぶどうの品種名も表示して差し支えない。

(13) 表示基準8「表示の方式等」について

 組合法第86条の5《酒類の品目等の表示義務》の規定により表示する項目については、当該規定に従って表示が必要とされるものであり、表示基準ではその表示の方式等についてのみ規定しているものであることに留意する。

(14) 「別記様式」について

イ 別記様式以外に「日本ワイン」と表示した場合であっても、別記様式への表示は省略できないことに留意する。

ロ 備考7に規定する「消費者の選択に資する適切な表示事項」には、表示基準5から7までに規定する表示事項も含まれることに留意する。


酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達目次

(前) 第86条の6 酒類の表示の基準 1,2

(次) 第86条の6 酒類の表示の基準 4,5,6