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第7編 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律関係

第1条 目的

1 災害の範囲

 災免法第1条《目的》の「災害」には、震災、風水害、落雷、冷害等の天災のほか、自己の意志によらない火災又は自己の責に帰することができない人為的災害(災害と認められる程度の交通事故等を含む。)を含み、盗難は含まないものとして取り扱う。

第7条 控除

第1項関係

1 「販売のために所持」の意義

 災免法第7条第1項《控除》に規定する「販売のために所持」とは、酒類の製造者又は販売業者が、酒類を酒類として販売する目的で現に所持することを意味する。したがって、自家用に供するもの等はこれに含まれないが、売買契約が成立した場合であっても酒類の製造者又は販売業者が、現物を相手方に引き渡さず保管する場合又は輸送途中のもの等はこれに含まれるものとして取り扱う。

2 「酒税を課せられたもの」等の意義

 災免法第7条《控除》第1項に規定する「酒税又はたばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税若しくは石油税を課せられたもの」のうち「酒税を課せられたもの」とは、酒税を既に納付した、又は徴収された酒類のほか、製造場から移出した酒類で当該酒類に係る酒税についてまだ納期限が到来していないもの及び酒税が滞納になっている酒類を含み、また、「課せられた酒税」には、既に納付した、又は徴収された酒税のほか、製造場から移出した酒類に係る酒税でまだ納期限が到来していないもの及び滞納になっている酒税を含む。

3 「災害により亡失し、滅失した場合」の意義

 災免法第7条第1項《控除》に規定する「災害により亡失し、滅失した場合」とは、酒類が災害によって流出した場合、焼失した場合等を指すものであって、「亡失」、「滅失」についての解釈の相違はない。

4 「本来の用途に供することができない状態になった場合」の意義

 災免法第7条《控除》第1項に規定する「本来の用途に供することができない状態になった場合」とは、酒類の形状において現存してはいるが酒類として使用又は消費することができない状態となった場合をいい、単に包装又は商標等が汚損した程度でそのまま商品としての販売は困難であっても、内容品である酒類について品質的に異状のないもの等は含まない。
  なお、例えば、災害により酒類の品質に異状をきたしたもので、なお飲用に供し得る程度のものが現存する場合もあるが、これらの場合には、災免法第7条《控除》第1項の規定を適用しないで、法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》の規定により処理する。

(注) この場合、製造場への戻し入れが困難な場合は、汚損した商標等同一の商標等を製造場から取り寄せて税務職員立会いのもとに販売業者が商標等のはり替え等を行い、正常商品に復元することを認める等の便法を考慮する。

5 「酒税等の納税義務者がその災害のあった日以後において納付すべき酒税等の税額」の意義

 災免法第7条《控除》第1項に規定する「酒税等の納税義務者がその災害のあった日以後において納付すべき酒税等の税額」とは、酒税の納税義務者がその災害にあった日以後において納付しなければならない又は徴収されるべき酒税の税額(例えば、法第30条の2《移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告》に規定する期限内申告に係る同条第1項第5号の酒税額又は法第30条の5《引取りに係る酒類についての酒税の納付等》第1項に規定する酒類に係る酒税額。)をいう。したがって、滞納税額、延滞税額、過少申告加算税額及び無申告加算税額は含まない。

6 「酒税等の税額から、それぞれ控除する。」の意義

 災免法第7条《控除》第1項に規定する「酒税等の税額から、それぞれ控除する。」とは、例えば、酒類について納付された税額は酒税額から控除することをいう。したがって、酒税の納税義務者と揮発油税の納税義務者が同一人である場合において、揮発油税については災害のあった日以後において納付しなければならない揮発油税額があるが、酒税については災害のあった日以後において納付しなければならない酒税額がない場合には、当該酒税については、当該納税義務者が納付しなければならない揮発油税額から控除することはできないのであるから、災免法第7条《控除》第4項の規定により還付する。

7 「当該納税義務者が当該製造者又は販売業者である場合」の意義

 災免法第7条《控除》第1項ただし書に規定する「当該納税義務者が当該製造者又は販売業者である場合」とは、例えば、製造者(法の規定によりみなされた製造者を含む。)の支店、出張所等において、自己が製造した課税済酒類を当該製造者が所持していた場合に当該酒類が災害により亡失し、滅失し、又はその本来の用途に供することができない状態となった(以下本編において「亡失した」という。)場合をいう。

8 「損失の補償を受けた金額を限度とする。」の意義

 災免法第7条第1項ただし書《控除》に規定する「損失の補償を受けた金額を限度とする。」とは、被災酒類について課せられた酒税の額から当該被災酒類について被災酒類の所持者が保険金、損害賠償金等により損失を補填された金額のうち、酒税の額に相当する金額を控除した金額と、当該被災酒類の納税義務者が被災酒類の所持者に対し損失を補償した金額とのうちいずれか少ない金額をいう。

9 「災害のやんだ日」の意義

 災免令第13条《税額相当額の控除又は還付の申告》第1項に規定する「災害のやんだ日」とは、災害が引き続き発生するおそれがなくなり、災害復旧に着手できる状態になったときをいい、この判定は、災害の地域が1税務署の管轄区域内にとどまるときは、その地域を管轄する税務署長、災害の範囲が2税務署の管轄区域に及ぶときは、その地域を管轄する国税局長がその日を決定する。

10 「損失の補償を受けた事実を証する書類」の意義

 災免令第13条第4項《税額相当額の控除又は還付の申告》に規定する「損失の補償を受けた事実を証する書類」とは、損失の補償を受ける相手方すなわち被災酒類の所持者が損失の補償を受けた旨(現実に金銭で補償を受けた場合のほか債務の免除、事後における取引代金との相殺等により補償された又は補償される契約ができている場合にはその旨)を記載した書類をいい、納税義務者が自ら「損失を補償した旨」又は「補償することを契約した旨」を記載した書類等は含まない。
  なお、納税義務者が直接災害被害者に損失の補償を行わず中間の卸売業者を通じて補償を行う場合(小売業者が災害被害者で卸売業者を通じて被災酒類等を購入している場合)においては、災害被害者が中間の卸売業者から損失の補償を受けた事実を証する書類と当該卸売業者が災害被害者に対して損失の補償をした金額について納税義務者から補償を受けた事実を証する書類とを災免令第13条《税額相当額の控除又は還付の申告》に規定する明細書と併せて添付しなければならない。

11 「販売業者」の範囲

 災免法第7条《控除》第1項、災免令第14条《確認書》第1項及び同令第15条《税額相当額から控除すべき金額の計算》に規定する「販売業者」には、法第9条《酒類の販売業免許》第1項ただし書に規定する酒類をもっぱら自己の営業場において飲用に供することを業とする酒場、料理店等をも含む。

12 災害時における確認書交付申請があると認められる場合の事前調査

 災免令第14条第1項《確認書》により確認書の交付を要すると認められる場合で、あらかじめ調査が可能なときは、当該災害被害者が販売のために所持していた酒類の被害の概況及び当該被災酒類に対する保険金若しくは損害賠償金による損失の補填又は納税義務者からの損失の補償の有無を調査しておく。

13 保険金又は損害賠償金で損失が補填される場合の控除すべき金額の計算方法

 被災酒類等及びその他の物件に対して保険金又は損害賠償金等で損失が補填される場合において、被災酒類に対する酒税に相当する金額から控除すべき金額の計算方法については、災免令第15条《税額相当額から控除すべき金額の計算》に規定されているところであるが、これを例示すれば次のとおりである。

保険金又は損害賠償金で損失が補填される場合の控除すべき金額の算式

14 輸入酒類の引取者が販売するために所持する酒類が被災した場合の取扱い

輸入酒類の引取者が保税地域から引き取った輸入酒類については、当該被災した輸入酒類の引取りに係る保税地域の所在地の所轄税関長に還付申告を行うのであるから留意する。

15 同一税務署管内に2以上の販売場を有する場合の取扱い

同一税務署管内に2以上の販売場を有し、それぞれにおいて所持する酒類が被災した場合における確認書の交付申請については、当該販売場ごとの被災酒類を一括して確認を受けることとして差し支えない。
なお、この場合、それぞれの販売場ごとに被災酒類の明細を区分することに留意する。

16 輸送途上において被災した酒類の取扱い

輸送途上において酒類が被災した場合における災免令第14条第2項《確認書》に規定する確認書の交付申請については、当該被災酒類の所有者である酒類製造者又は酒類の販売業者の酒類が輸送途上の場所において被災したものとして取り扱う。
なお、この場合、交付申請書の被災場所欄には、当該輸送途上の場所を被災場所として記載することとし、併せて当該特定被災酒類の所有者の製造場又は販売場の所在地及び名称を付記する。

第3項関係

1 「控除すべきものとして計算したその税目の異なるごとの金額が500円未満である場合」の意義

 災免法第7条第3項《控除》に規定する「控除すべきものとして計算したその税目の異なるごとの金額が500円未満である場合」とは、被災酒類について納付された税額を当該被災酒類の製造者のいかんを問わず所持者ごと及び酒税、たばこ税等税目の異なるごとに計算し、その各税目別の税額から同条第1項の規定の保険金、損害賠償金等により損失を補填された金額を控除した後の金額が500円未満である場合のほか、当該被災酒類の納税義務者が当該被災酒類の所持者に対して損失の補償をした金額の合計が500円未満の場合をいう。

第4項関係

1 納付すべき税額を超える控除税額の還付の適用範囲

 災免法第7条《控除》第4項の規定の適用に当たっては、被災酒類の納税義務者が、災害のあった日前において製造を廃止した場合のほか、相続又は法人の合併があった場合で、相続人又は合併後存続する法人が当該被災酒類の納税義務者でなくなった場合も含む。

(注)

1 相続人又は合併後存続する法人が、被相続人又は被合併法人の製造業を相続又は承継した場合は、災免法第7条《控除》第1項の規定を適用し控除するものであるから留意する。

2 被災酒類の納税義務者が災免法第7条《控除》第1項の規定による控除を受けようとする場合において、その控除の対象となる納付すべき酒税の税額がないとき又は当該税額が不足するときは、その製造を廃止した場合でなくても同条第4項の規定による還付の請求ができるのであるから留意する。

第8条

1 指定酒類製造者の公示の取扱い

災免令第15条の2第3項《特定被災酒類に係る控除の特例》の規定による公示は、次に掲げる事項を記載した書面を通則令第3条第1項《災害等による期限の延長》の規定により指定された地域を所轄する全ての税務署の掲示場に掲示することによって行うものとする。
  • (1) 特定被災酒類に係る酒税の納税義務者に代わる酒類の製造者を指定した旨
  • (2) 指定酒類製造者(災免令第15条の2第3項に定める指定酒類製造者をいう。以下同じ。)の氏名又は名称及び法人にあっては、法人番号並びに代表者の氏名
  • (3) 指定酒類製造者の酒類の製造場(特定被災酒類において課せられた酒税に相当する金額をその災害のあった日以後に納付すべき酒税の税額から控除する酒類の製造場に限る。)の名称及び所在地
  • (4) 指定した日及びその期限

2 指定の解除又は延長の取扱い

災免法第8条第1項《特定被災酒類に係る控除の特例》の規定による指定を解除又は延長する場合は、特定被災酒類に係る酒税の納税義務者に代わる酒類の製造者の指定を解除又は延長した旨を記載した書面を通則令第3条第1項《災害等による期限の延長》の規定により指定された地域を所轄する全ての税務署の掲示場に掲示することによって行うものとする。

3 確認書の交付申請の期限

災免令第15条の2第4項《特定被災酒類に係る控除の特例》の規定により適用される同令第14条第2項《確認書》の規定に基づく確認書の交付申請に係る書類は、同項の規定により災害のやんだ日から1月以内に提出しなければならないこととされているが、災免法第8条第1項の規定により指定された酒類の製造者が当該指定されている期間内(指定の日から災害がやんだ日までの期間を含む。)であれば、何時も提出できることとして取り扱って差し支えない。

4 確認書交付申請の基礎となる特定被災酒類の明細の取扱い

災免法第8条《特定被災酒類に係る控除の特例》の規定により指定酒類製造者を指定している期間において、所轄税務署に確認書の交付申請を行う場合の基礎となる特定被災酒類の明細の取扱いは次による。
  • (1) 帳簿等により特定被災酒類の明細が明らかな場合
    帳簿等により特定被災酒類の品目、製造者名、アルコール分別の数量が明らかな場合については、帳簿等に基づき記載させる。
  • (2) 帳簿等の滅失等により、特定被災酒類の明細が明らかでない場合
    家屋の倒壊等により、帳簿等が滅失又は散逸したこと、特定被災酒類自体が確認できない状況にあること等により特定被災酒類の明細が明らかでない場合については、原則として、交付申請書の作成の基とした資料を添付又は提示等させる。

酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達目次

(前) 第6編 登録免許税法関係

(次) 第8編 酒類行政法令関係