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ホーム税について調べる法令解釈通達酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達>第30条の4 移出に係る酒類についての期限内申告による納付等

第30条の4 移出に係る酒類についての期限内申告による納付等

第30条の5 引取りに係る酒類についての酒税の納付等

1 輸入酒類の容量計算の取扱い

 輸入酒類の容量は、関税の課税数量によることに取り扱う。

2 プルーフのアルコール分の換算方法

 酒類のアルコール分をプルーフ(proof) で表示しているものは、次により換算する。

(1) 米プルーフ(American Proof)については、1プルーフを0.5度として換算する。

(2) 英プルーフ(British,London of Imperial Proof)は、温度か氏60度(せっ氏15.6度)におけるアルコール分57.1度からアルコール分100度までを75等分したものを1オーバープルーフ(Over Proof (以下「O.P」という。))と表わし、アルコール分57.1度からアルコール分0度までを100等分したものを1アンダープルーフ(Under Proof(以下「U.P」という。))としている。
 その換算は次による。
プルーフのアルコール分の換算の算式

(注)

1 上記の算式で換算したアルコール分の標準温度はせっ氏15.6度であるが、せっ氏15度のときの誤差は、きん少であるから、そのまま使用して差し支えない。

2 英国産酒類においても米プルーフ(単に「プルーフ」と表示される。)を用いることが多いので留意する。

3 英プルーフで表示されている英国国内用等酒類が輸入された場合は、O.Pの表示 に代えて、単に100を加えた数字(例えば14O.Pは114)でプルーフ表示されているものがあり、また、U.Pの場合は、100からU.Pを差引いた数字(例えば30U.Pは70)でプルーフ表示されているものがあるから留意する。

第30条の6 納期限の延長

第1項、第2項及び第3項関係

1 納期限の延長の取扱い

 担保を提供し、納期限の延長について申請があったときは、税務署長又は税関長は4及び5に定めるところにより酒税額及び期限を限度として、当該担保の額(国税通則法基本通達(徴収部関係)(昭和45年6月24日付徴管2−43・間酒2−58ほか8課共同「国税通則法基本通達(徴収部関係)の制定について」通達の別冊。以下同じ。)の第50条関係《担保の種類》の10〈担保物の見積価額〉に定める額)に相当する酒税の納期限を延長する。ただし、提供があった担保物が、通則法第50条《担保の種類》第3号から第5号までに掲げる担保物(以下、「土地、建物、工場財団等」という。)であるときは、その担保物について第三者の抵当権の設定の登記又は登録がなされていないものに限る。

2 「酒類の販売代金の回収に相当期間を要することその他これに類する事由」の取扱い

 法第30条の6《納期限の延長》第1項、第2項及び第3項に規定する「酒類の販売代金の回収に相当期間を要することその他これに類する事由」の取扱いは、次による。

(1) 「酒類の販売代金の回収に相当期間を要する」の「相当期間」とは、酒類を課税移出又は課税引取してから、その販売代金の回収までの平均期間がおおむね75日以上をいう。

(2) 「その他これに類する事由」とは、次のいずれかの事態が発生した場合をいう。

イ 取引先の倒産等によって酒類の販売代金の回収が困難となった場合

ロ 課税移出されてから取引先へ到着するまでの期間が、輸送事情等によって通常要する期間より15日以上長くなったものがあった場合で、その数量が前年度の月平均課税移出数量のおおむね10分の1以上である場合

3 「納期限に納付することが著しく困難であると認められる場合」等の取扱い

 法第30条の6《納期限の延長》第1項、第2項又は第3項に規定する「納期限内に納付することが著しく困難」又は「一月以内に納付することが著しく困難」かどうかは、申請者の経営内容、信用力等により税務署長又は税関長が判断するものであるが、次のいずれかに該当する場合は、これに当たるものとして取り扱って差し支えない。

(1) 1年決算の法人又は個人にあっては、前事業年度又は前年の税引前純利益額又は所得金額が300万円以下(半年決算の法人にあっては前事業年度の税引前純利益額又は所得金額が150万円以下)である場合

(注)

1 税引前純利益額又は所得金額は、決算によることを原則とするが、売上計上漏れ等による所得の脱漏がある場合には、それを修正した場合の税引前純利益額又は所得金額による。

2 決算において税引前純利益額又は所得金が300万円又は150万円を上回る場合であっても、その利益が減価償却を限度額まで行っていないこと又は役員報酬(給料)を同規模の同業他者と比べ極端に低く抑えていること等によって生じている場合には、減価償却を限度額まで行うと仮定し、又は役員報酬(給料)を同業他者と同程度支払うと仮定して決算を見直したときの税引前純利益額又は所得金額が300万円又は150万円を下回っていればこの規定に該当することとして差し支えない。

(2) 前事業年度又は前年の各月末当座比率の平均値が30パーセント以下である等手元資金繰りが著しく窮迫していると認められる場合

(3) 次の算式により求められる数値(売上高対売上債権比率の前年同期の比率)が 1.2を上回っている場合
売上高対売上債権比率の前年同期の比率の算式

(注) 総売上高に占める酒類外の売上高の割合がおおむね20パーセントを超える者である場合には、酒類の売上高及び売掛金残高・受取手形残高により判断する必要がある。

(4) (1)から(3)までには該当しないがそれに類似する状況にあって、税務署長が納期限内納付又は1か月以内の納期限の延長では納付することが著しく困難であると認められる場合

4 延長する酒税額の範囲

 法第30条の6第1項、第2項括弧書又は第3項《納期限の延長》の規定により納期限の延長をする酒税額は、次に掲げる額を限度とする。ただし、次に掲げる額により下回る額の申請をした場合には、その申請額とする。

(1) 2の(1)に該当する場合には、法第30条の2第1項第6号《移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告》に規定する酒税額又は法第30条の3第1項第4号《引取りに係る酒類についての課税標準及び税額の申告等》に規定する酒税額

(2) 2の(2)のイに該当する場合には、酒類の販売代金の回収が困難になった数量に相当する酒税額

(3) 2の(2)のロに該当する場合には、当該移出した月分の酒税額のうち輸送期間が通常の期間より15日以上長くなった数量に相当する酒税額

5 延長する期限の範囲

 納期限を延長する場合の延長後の納期限は、次に定める日とする。

(1) 2及び3に該当するものとして、税務署長又は税関長が納期限を延長することが相当と認める場合は、法第30条の6《納期限の延長》第1項又は第3項のときは法定納期限の翌日から起算して1か月を経過する日、同条第2項のときは引取りの日の翌日から起算して2か月を経過する日とする。ただし、申請者が上記の日より早い日を延長後の納期限として申請した場合は、その申請日とする。

(2) (1)以外の、法第30条の6《納期限の延長》第2項のときは引取りの日の翌日から起算して1か月を経過する日とする。ただし、申請者が上記の日より早い日を延長後の納期限として申請した場合は、その申請日とする。

(注) 法第30条の4《移出に係る酒類についての期限内申告による納付等》第1項又は法第30条の5《引取りに係る酒類についての酒税の納付等》第1項に規定する納期限(いわゆる本来の納期限)が通則法第10条第2項《期限の特例》の規定に該当する場合における(1)又は(2)による延長後の納期限は、同項の規定により納期限とみなされる日の翌日から起算して1か月又は2か月を経過する日を指定する。ただし、この場合における延長後の納期限として指定すべき日が「6月1日」又は「6月2日」となるときは、「5月31日」を延長後の納期限として指定する。

6 納期限の延長を認める時期等の取扱い

 納期限の延長申請の時期、納期限延長期間の認定の時期及び延長を認めるかどうかの通知等の取扱いは、次による。

(1) 納期限の延長を受けようとする者に対しては、法定納期限の15日前(法第30条の6《納期限の延長》第2項の規定による1か月以内の納期限延長の場合には、法定納期限の10日前)までに申請書を提出するよう指導する。ただし、(2)のロに該当する者については、該当することになった翌月以降その期間内における申請書は、法定納期限の10日前までに申請書を提出させる。

(2) 法第30条の6《納期限の延長》第2項の規定による1か月の納期限延長以外の納期限の延長を認めるかどうかの認定の時期は、次による。

イ 2の(2)のロに該当するものである場合 申請の都度とする。

ロ 2の(1)又は2の(2)のイに該当するものである場合

(イ) 当初の申請の時とし、納期限延長が相当であると認めた場合には、その後1年間は認定時と同様の状態にあるものとみなして差し支えない。この場合においては、今後1年間は、同旨の納期限延長を認める見込みであることをあらかじめ申請者に通知する。

(注) 2の(2)のイに該当するものである場合には、販売代金の回収が困難であることを理由に納期限の延長申請をした月分を含め1年間は各月とも4の(2)の金額の延長を認めることになる。

(ロ) (イ) に該当する場合(2の(2)のイに該当するものである場合は除く。)には、当初の申請から6か月ごとに見直しを行い、その結果2及び3に該当せず当該納期限延長を認める必要がない状態に回復している場合には、6か月後からは同旨の納期限延長は認められないことになる見込みであることをあらかじめ通知する。

(3) 申請に係る納期限の延長を認めるかどうかの通知書は、法定納期限までのできるだけ早い日(当該月の25日までを目途とする。)に申請者に到達するよう処理する。

(4) 提供された担保物件が根担保であるときは、同一担保物により納期限の延長を認められている酒税がある場合で、当該納期限の延長を認められている酒税が納期限までに納付されないことにより担保価格に不足が生じたときは、申請に係る酒税の納期限の延長は認められないこととなる旨の条件を付けて納期限の延長を認める。

7 担保に根抵当権を設定した場合の取扱い

 提供された担保物件に根抵当権を設定した場合の納期限延長承認限度額は、当該根抵当の債権極度額の93パーセント(納期限延長に係る酒税が滞納となった場合における当該担保物の処分の日までの期間を納期限後1年としたときの延滞税相当額7.3パーセントを控除した割合)に相当する金額とする。

8 担保の提出先を指示する場合の取扱い

 2以上の税務署の管轄区域内にそれぞれ製造場を有する製造者から、これら2以上の製造場における酒税の納期限の延長を受けるための担保として土地、建物、工場財団等の提供の申出があった場合には、それぞれの税務署長は令第41条《納期限の延長の担保の提供》の規定により、担保の提供先として次に掲げる者を指示することに取り扱う。

(1) 2以上の国税局の管轄区域内にそれぞれ製造場を有する製造者については、国税庁長官

(2) 同一国税局の管轄区域内の2以上の税務署の管轄区域内にそれぞれ製造場を有する製造者については、所轄国税局長

9 国税庁長官又は国税局長が担保を受理した場合の取扱い

 8により国税庁長官又は国税局長が納期限の延長の担保を受理した場合には、その担保価額を各製造場ごとに分割し、その額(納期限を延長する酒税の限度額)を各製造場の所在地の所轄税務署長に通知する(国税庁長官が受理したものについては、国税局長を経由する。)。

10 その他担保についての取扱い

 第三者の物件を担保として受理する場合の取扱い、建物等を担保として受理する場合の取扱い、担保物件の評価の基礎となる時価評価の取扱い、工場財団の担保価額、担保の管理等及び工場財団目録記載事項の変更の場合の取扱いについては、第31条第1項関係及び第2項関係のそれぞれについて定めるところによる(第31条第1項関係の20の担保の管理等については、「増担保の提供」及び「保証人の変更」に係る規定を除く。)。

第31条 担保の提供及び酒類の保存

第1項関係

1 担保の提供等を命ずる場合の取扱い

 法第31条《担保の提供及び酒類の保存》第1項に規定する「酒税の保全のため必要があると認めるとき」とは、次のいずれかに該当する場合をいう。

(1) 現に酒税を滞納している場合
 なお、酒類製造者が製造場(製造場とみなされる場所を含む。以下、(2)において同じ。)を2以上有している場合において、そのいずれか一の製造場から移出した(移出したものとみなされる場合を含む。以下、(2)において同じ。)酒類に対する酒税を現に滞納しているときは、これに該当するのであるから留意する。

(2) 既往3年以内に酒税に係る滞納処分(交付要求を除く。)を受けた場合
 なお、酒類製造者が製造場を2以上有している場合において、そのいずれか一の製造場から移出した酒類に対する酒税につき、既往3年以内に滞納処分を受けたときは、これに該当するのであるから留意する。

(3) 今後1年間に課税移出する見込の酒類に対する酒税額が製造場又は蔵置場1場当たり600万円超であり、かつ、次のいずれかに該当する場合

(注) 「今後1年間に課税移出する見込の酒類に対する酒税額」は、原則として、その製造場又は蔵置場の最近過去1年間に課税移出した酒類に対する酒税額に、酒税額の増減率(最近1年間に課税移出した酒類に対する酒税額のその前1年間に課税移出した酒類に対する酒税額に対する割合をいう。)を乗じて算出するものとする。ただし、製造設備の拡大又は縮小その他の特別な事情があり上記算出方法によることが適当でないと認められる場合は、酒類製造者の製造計画書その他の記録を基礎に合理的に算出した金額又はその製造場若しくは蔵置場の過去1年間に課税移出した酒類に対する酒税額としても差し支えない。

イ 製造免許に期限が付けられている場合
 なお、酒類製造者が製造場を2以上有している場合において、そのいずれか一の製造場に係る製造免許に期限が付されているときは、これに該当するのであるから留意する。

ロ 法第28条第6項《未納税移出酒類についてのみなし製造者及びみなし製造場》又は法第28条の3第4項《未納税引取酒類についてのみなし製造者及びみなし製造場》の規定によるみなし製造者である場合(蔵置場の設置後1年以上を経過している共同蔵置法人である場合を除く。)

ハ イ及びロに掲げるほか、酒類製造者が第10条第10号関係の1《「経営の基礎が薄弱であると認められる場合」の意義》の(1)から(5)のいずれか一に該当する場合

(注) イからハに該当する場合であっても、今後において経営が急速に悪化するおそれがあると認められる事情がなく、かつ、次の(1)又は(2)のいずれかに該当するときはこの限りではない。
なお、「経営が急速に悪化するおそれがあると認められる」とは、例えば主要取引先の倒産、市中金利に比して著しく高利な借入れがある、既往1年以内における手形・小切手の不渡事故の発生、融通手形の発行、採算を著しく度外視した販売、著しい社会的信用の失墜等の事情がある場合をいう。

(1) 既往3年以内に酒税を滞納したことがなく、かつ、今後1年間に課税移出する見込の酒類に対する酒税額が製造場若しくは蔵置場1場当たり1,200万円以下であるとき

(2) 酒類製造者の経営状況、信用状況及び資産状況等から実質的に判断して酒税を滞納するおそれがないと認められるとき
 なお、「実質的に判断して酒税を滞納するおそれがない」とは、次のいずれかに該当する場合をいう。

1 親会社の資産及び経営状況が良好であり、かつ、当該親会社の支援が期待できる場合

2 酒類製造者が同族会社である場合において、役員の資産状況が良好であり、かつ、当該役員の支援が期待できるとき

3 酒類製造者が今後1年間に課税移出する見込の酒類に対する酒税額に比し、当該酒類製造者の保有する資産(換価が容易であって、かつ、処分しても事業の継続が可能なものに限る。)の含み益が十分である場合

4 欠損となった要因が事業合理化のための設備投資に伴う一時的な費用の増加であり、当該投資に係る費用を除外すれば欠損とならない場合又は翌事業年度以降減価償却費が減少し欠損とならないと見込まれる場合

5 その他、酒類製造者の経営状況、信用状況及び資産状況等から見て、これらに類する特別な事情があると国税庁長官又は国税局長が認めた場合

2 担保の提供等を命ずる場合の金額

  担保の提供又は酒類の保存を命ずる場合の金額は、次に掲げる額による。ただし、現に酒税の滞納がある場合には、次に掲げる額についての命令の実効性を確保するため、当該滞納額(附帯税を含み、当該滞納額に係る差押財産がある場合にはその徴収見込額を控除した金額とする。)を加算した金額とする。

(注) 担保の提供又は酒類の保存を命ずる場合の金額は、担保の提供又は酒類の保存を命ずる期間における酒類の課税移出見込数量に対する酒税相当額が限度となるのであるから留意する。

(1) 製造者又は法第28条《未納税移出》第1項の規定により許可を受けた蔵置場については、その製造場又は蔵置場から今後1年間に課税移出する見込の酒類に対する酒税額の4分の1に相当する金額

(2) 法第28条第6項《未納税移出酒類についてのみなし製造者及びみなし製造場》又は法第28条の3第4項《未納税引取酒類についてのみなし製造者及びみなし製造場》に規定するみなし製造者のうち、(1)に該当する者以外の者についてはその未納税移入した酒類に対する酒税相当額

3 担保の提供等を命ずる期間

 担保の提供又は酒類の保存を命ずる期間は、酒税の保全のため担保の提供又は酒類の保存を命ずる必要があると認められる事態が継続する移出期間とし、原則として、1会計年度とする。ただし、次の場合にはそれぞれに定める期間とする。

(1) 会計年度の途中において担保の提供を命じる場合には、当該会計年度末までの期間
 ただし、当該会計年度末までの期間が6か月未満となるときは、翌会計年度末までの期間((2)の場合を除く。)

(2) 免許に期限が付けられている製造者に対し担保の提供を命ずる場合は、当該期限付免許の期限までの期間

4 担保提供等の期限の指定の取扱い

 担保の提供又は酒類の保存を命ずる場合において、令第43条《担保の提供の期限等》第1項の規定により指定する期限は、命令する日の翌日から起算して少なくとも10日を経過した日から20日までの間において適宜の日を定めることに取り扱う。ただし、税務署長等において特に必要があると認めるときはこの期限を延長し又は短縮することができる。

5 担保の種類及び価額の取扱い

 担保の種類及び価額の取扱いは、通則法第50条《担保の種類》及び国税通則法基本通達 (徴収部関係) の第50条関係《担保の種類》による。

6 酒類の保存を命ずる場合の取扱い

 酒類の保存を命ずる場合は、他の提供すべき担保がないときに限る。ただし、他に提供可能な担保を有している場合であっても、酒類製造者の申請があり、かつ、酒類の保存を命ずることがやむを得ないと認められるときは、酒類の保存を命ずることができるものとする。

(注)

1 次のいずれかに該当する場合は、原則として「酒類の保存を命ずることがやむを得ないと認められるとき」に該当するものとして取り扱って差し支えない。

(1) 酒造用として次のいずれかの資金に充てるために金融機関からの融資を受けることが確実な場合において、当該担保につき、当該融資のための差し入れ担保とする予定があるとき

イ 原料、材料の購入に必要な資金

ロ 機械、器具又は容器の購入に必要な資金

ハ 製造に従事する者に対する賃金の支払いに必要な資金

(2) 当該担保を提供することによって酒類製造者の経営状況に著しい影響を及ぼすなど酒税の保全に支障を生じるおそれがある場合

2 酒類の保存を命じた酒類(以下「保存酒類」という。)には、当該容器等に保存酒類である旨を明示する。

7 第三者の物件を担保として受理する場合の取扱い

 担保として受理する物件は、担保を提供しようとする者の所有物に限ることなく、第三者の所有物であっても差し支えない。

8 同一物件を納期限の延長の担保及び保全担保として提供する場合の取扱い

 土地、建物、工場財団等について、その同一物件を法第30条の6《納期限の延長》の規定による担保及び法第31条《担保の提供及び酒類の保存》第1項の規定による担保として提供があった場合は、担保の提供を命じた金額(以下「担保提供額」という。)と納期限の延長を受けようとする金額の合計が当該担保の担保価額の範囲内である場合に限り受理する。

9 抵当権の設定してある不動産等を担保として受理する場合の取扱い

 担保として土地、建物、工場財団等が提供された場合において、当該物件について既に他の債権の担保として抵当権(根抵当権を含む。以下同じ。)が設定されているときは、当該物件の担保余力額(担保価額の総額から、先順位の抵当権によって担保される債権額(将来発生することのある利息等を含む。民法(明治29年法律第89号)第375条、第398条の3参照)を差し引いた額)が担保提供額以上であることを確認して受理する。

(注)

1 抵当権によって担保される債権額は、不動産登記法第83条《担保権の登記の登記事項》の規定により、登記簿に登記されていることに留意する。

2 当該物件につき差押えがされている場合は担保として受理できないのであるから留意する。

10 建物等を担保として受理する場合の取扱い

 工場財団又は建物を担保として受理する場合は、工場財団の組成物件中土地及び不燃物以外の物件又は建物について、当該物件に対する担保価額を下らない保険金額の火災保険(住宅又は店舗について総合保険が付けられている場合を含む。以下同じ。)が付されているときに限り受理する。
 なお、この火災保険を付けた工場財団の土地及び不燃物以外の物件又は火災保険を付けた建物を担保として受理した場合において、担保として提供している期間内に保険期間が満了するときは、当該期間の満了前に保険期間を更新させるか、又は他の担保の提供を命ずる。

(注) 火災保険を付けた建物を新たに担保として受理する場合又は既に担保として受理している物件に係る火災保険の契約期間が更新される場合には、その担保を受理しようとし、又は受理している税務署長は、当該火災保険契約に係る保険金請求権について質権を設定する等の措置(例えば、「質権設定承認請求書」により質権の設定について保険者(保険会社)の承認を受けるとともに、保険証券について保険者の裏書承認を受け、かつ、その裏書承認事項に確定日付を受けた上、当該証書の交付を受けること。)を講ずる必要があることに留意する。

11 共同びん詰場又は共同果実酒集荷場設置者が提供する保全担保の取扱い

 びん詰等のための蔵置場又は果実酒集荷のための蔵置場の設置者(共同蔵置法人に限る。)が提供する保全担保については、蔵置場設置場所を管轄する税務署長が酒税の保全上支障がないと認めたときは、共同蔵置法人の構成酒類製造者(共同蔵置法人の構成酒類製造者のうち、酒税の 保全担保の提供を命じられている者を除く。)の連帯保証をもって、通則法第50条《担保の種類》第6号の規定による「税務署長等が確実と認める保証人の保証」として取り扱って差し支えない。

12 担保物件の評価の基礎となる時価評価の取扱い

 担保物件(通則法第50条第1号《担保の種類》に規定する「国債」を除く。)の時価は、原則として、平成26年6月27日付徴徴3-7「公売財産評価事務提要の制定について」(事務運営指針)(第2章第4節2〈公売の特殊性による減価〉に規定する価額減価割合の勘案についての規定を除く。)により算出する。ただし、相続税若しくは固定資産税の課税標準となる評価額又は担保物件所有者の帳簿価額で、時価として適当と認められる価額がある場合は、これによることとして差し支えない。

13 工場財団の担保価額

 工場財団の担保価額は、個々の工場財団の組成物件について、国税通則法基本通達(徴収部関係)の第50条関係《担保の種類》の10《担保物の見積価額》に定めるところにより計算した担保価額の合計額による。ただし、根担保として提供された工場財団の組成物件中、根担保の存続期間内に当該工場財団から分離される見込みの物件がある場合には、当該分離見込みの物件の価額は算入しない。

14 保存酒類の担保価額

 保存酒類の担保価額は、次の金額とする。

(1) 市販規格酒類(酒類の成分が市販規格で容器に詰口されており、移入場所において詰め替えしないで、そのまま流通過程に入るものをいう。以下同じ。)については、当該製造者の一般的な酒税抜き(消費税が含まれている場合には、消費税分を除く。)生産者価格の60パーセントの金額

(2) 市販規格酒類以外の酒類(原酒等)については、当該製造者の一般的な未納税取引価格(消費税が含まれている場合には、消費税分を除く。)の70パーセントの金額

(3) (1)及び(2)の方法により難い場合は、当該酒類の製造原価又は類似酒類の市場価格等を勘案して、(1)又は(2)に準じた金額

15 担保の分割提供又は保存酒類の分割保存の取扱い

 担保の提供又は酒類の保存を命ぜられた者から、指定された金額の全額に相当する担保又は酒類を一時に提供し、又は保存することが困難なため担保の分割提供又は酒類の分割保存を認められたい旨の申請があった場合において、事情やむを得ないと認められるときは、原則として、提供又は保存が完了するまでの期間は3か月以内、分割回数は3回以内、1回の提供額又は保存酒類の担保価格は、総額の3分の1を下らない(最終回はこの限りでない。)ことを内容として、令43条第2項《担保等の分割提供》の規定により順次その総額に相当する金額の担保を分割して提供し又は酒類を分割して保存することを承認しても差し支えない。

16 国税庁長官の担保提供命令

 国税庁長官が担保の提供を命ずる場合は、2以上の国税局のそれぞれの管轄区域内に製造場を有している製造者について、担保を提供させる必要があると認めるときに限る。

17 国税局長の担保提供命令

 国税局長が担保の提供を命ずる場合には、特に指示する場合を除き、その国税局管轄区域内にある2以上の税務署のそれぞれの管轄区域内に製造場を有している製造者について、担保を提供させる必要があると認めるときに限る。

18 国税庁長官等が担保の提供を命じた場合の通知

 国税庁長官又は国税局長が16又は17に定めるところにより製造者に対し担保の提供を命じた場合には、直ちにその旨を関係の国税局長又は税務署長に通知する。

19 担保提供についての局署相互間の連絡

 2以上の国税局又は税務署のそれぞれの管轄区域内に製造場を有している製造者に係る担保提供命令等に関しては、当該局署間において、情報交換等密接な連絡協調を保ち、保全措置に遺漏がないよう留意する。

20 担保の管理等

 担保を受理した場合には、次に掲げるところにより、当該担保に対して担保権者としての必要な注意及び管理を行うものとし、調査の結果その担保物件等について担保保全上の措置を講ずる必要があると認めたときは、通則法第51条《担保の変更等》第1項の規定により、増担保の提供、保証人の変更その他担保を保全するための必要な行為(例えば火災保険の付保、火災保険金請求権に対する質権の設定、変更登記承諾書の提出等)をすることを担保提供者に命ずる。

(1) 担保物件が不動産の場合には、原則として年2回以上その内容及び価額又は保険契約若しくは賃借契約等に変更がないかどうかを実地に調査する。

(2) 担保物件が株式、社債、貸付信託又は投資信託の受益証券及びその他の有価証券(国債及び地方債を除く。)の場合には、原則として年4回以上その市場調査をする。

(3) 担保物件が保証人の保証の場合(保証人が金融機関である場合を除く。)には、原則として年2回以上その保証人の資力及び保証能力等について調査する。

21 担保の解除

  法第31条《担保の提供及び酒類の保存》第1項の規定により担保の提供があった場合において、その担保を引き続いて提供させる必要がないこととなったときは、通則法施行令第17条《担保の解除》に定めるところにより解除する。
なお、次のいずれかに該当する場合は、原則として、「その担保を引き続いて提供させる必要がないこととなったとき」に該当するものとして取り扱う。

(1) 第31条第1項関係の1に定めるところに該当しないこととなった場合

(2) 現に酒税の滞納がない場合で、提供を受けている担保財産の価額が上昇したことにより、一部の担保を解除してもその余の担保の価額が担保提供額を上回るとき

第2項関係

1 担保提供命令金額の変更の取扱い

 法第31条《担保の提供及び酒類の保存》第1項の規定により担保の提供があった後において、当該担保提供者の課税移出見込数量が著しく増減することとなった場合又は酒税の滞納が発生した場合は、随時、第31条第1項関係の2に定めるところに準じて提供金額を変更する。

(注) 「課税移出見込数量が著しく増減する」とは、第31条第1項関係の2の(1)に定める「今後1年間に課税移出する見込の酒類に対する酒税額」が2倍以上に増加又は2分の1以下に減少することとなった場合をいう。

2 担保提供期間の変更

 法第31条《担保の提供及び酒類の保存》第1項の規定により担保の提供があった後において、担保提供期間を変更する場合の取扱いは次による。

(1) 原則として当該担保の提供期間(担保される移出期間)の満了時において提供期間を変更する必要性を判断し、第31条第1項関係の1に規定するところにより今後も引き続き担保の提供を命ずる必要があると認められるときは、第31条第1項関係の3の規定により期間を延長する。

(2) 当該担保の提供期間内おいて、その満了時まで当該担保の提供を命じておく必要がなくなったときは、第31条第1項関係の3の規定により期間を短縮する。

3 工場財団目録記録事項の変更の場合の取扱い

 工場財団目録変更登記について、工場抵当法(明治38年法律第54号)第38条第2項《変更登記の際の同意書の添付》の規定による同意を受けたい旨の申請があったときは、当該申請書を受理した国税庁長官、国税局長又は税務署長はその内容について調査し、その変更後の工場財団の担保価額が当初の担保価額を下回らない場合又は当初の担保価額より減少する場合であって担保提供額を上回っている場合は同意を証する書類を交付し、担保提供額を下回ることとなるときは、通則法第51条《担保の変更等》第1項の規定により増担保の提供を命じ、その提供を受けた後同意を証する書類を交付する。

(注) 工場財団目録に掲げた事項に変更を生じた場合には、工場抵当法第38条《変更の登記》の規定により所有者は、遅滞なく抵当権者の同意を証する情報又はこれに代わるべき裁判のあったことを証する情報を提供して、工場財団目録の変更の登記を申請しなければならない。

第4項及び第5項関係

1 保存酒類の保存の責任者

 法第31条《担保の提供及び酒類の保存》第1項の規定による保存酒類に対する管理の責任は、当該酒類の保存を命ぜられた製造者が負うものである。したがって、保存酒類が腐敗その他の理由により担保価値を減少することがないように留意させる。

(注) 保存酒類に対し封を施した場合において当該製造者から酒類の検査等のため封の解除の申請があったときは、封を解除し、管理に支障を来さないよう留意する。

第34条 保存酒類の変換及び処分等

第35条 保存酒類の処分禁止

第36条 酒類の差押え


酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達目次

(前) 第30条の2 移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告

(次) 第43条 みなし製造