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ホーム税について調べる法令解釈通達酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達>第30条 戻入れの場合の酒税額の控除等

第30条 戻入れの場合の酒税額の控除等

第1項関係

1 「戻入れ」の意義

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》に規定する「戻入れ」とは、製造場から移出した酒類を当該製造場に戻し入れることをいうものであって、当該製造場からの直接の移出先から戻し入れられたかどうかは問わない。

2 「その製造場から移出した酒類」の意義

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第1項、第2項及び第5項に規定する「その製造場から移出した酒類」とは、原則として製造場から移出したそのままの酒類をいい、移出した酒類について、その移出後に加工を施したもの、例えば割水を行ってアルコール分を低下させたもの、移出時の容器と異なる容器に詰め替えたもの、商標その他包装を変更したもの等、移出酒類と同一であるかどうかの判別が困難であるものについては「その製造場から移出した酒類」には含まないものとして取り扱う。ただし、これらの加工を行ったことにつき加工場所の所在地の所轄税務署長の確実な証明がある場合、又はその成分規格の変化が人為的加工により行われたものでない場合は、この限りでない。

(注) 法第43条《みなし製造》本文の規定により新たに酒類を製造したものとみなされたものについては、たとえその混和割合等の加工の事実を明らかにすることができる場合であっても、当該加工後の酒類は、「その製造場から移出した酒類」とはならないものであるから留意する。

3 置回り販売のために移出した酒類が戻し入れられた場合の取扱い

 製造者があらかじめ販売先及び販売数量が確定していない酒類を販売のため製造場から移出した後において、その全部又は一部が販売されないで、当該移出日等極めて短時日の間に当該製造場に戻し入れられた場合は、当該戻入れが当該移出の月と同月中であり、かつ、当該事実の記録が明確であるときに限り、当該戻し入れた酒類については、法に規定する諸種の申告手続を省略しても差し支えない。

4 移出時に適用された税率と異なる税率が適用された酒類が戻し入れとなった場合の取扱い

 移出時に適用された税率と異なる税率が適用された酒類が戻し入れとなった場合の法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第1項に規定する「当該酒類につき当該移出により納付された、又は納付されるべき酒税額」は、他の製造場からの移出につき適用された改正後の税率により納付された又は納付されるべき酒税額とする。

5 戻入れ酒類についての酒税相当額の控除等の時期等

 酒類が製造場に戻し入れられた場合の当該酒類についての酒税相当額の控除等は、法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》の規定により、当該戻入れの日の属する月(当該戻入れの日と当該酒類の移出の日が同一の月に属する場合には、その月の翌月)以後に提出期限の到来する納税申告書等により行うものであるが、同条第2項の規定により戻入れとみなされる場合で当該酒類の移出の日が明らかでないものの酒税相当額の控除等は、当該酒類の移入の日の属する月の翌月以後に提出期限の到来する納税申告書等により行う。
 なお、法第30条の6《納期限の延長》の規定による納期限延長中の酒税額、修正申告に際して修正により増加する酒税額、期限後申告により納付すべき酒税額又は滞納税額から控除することはできないものであるから留意する。

6 「この項又は第3項の規定による控除が行われている場合」等の意義

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第1項に規定する「この項又は第3項の規定による控除が行われている場合」及び同条第3項に規定する「第1項又はこの項の規定による控除が行われている場合」の意義は、次のとおりとする。

(1) 「この項の規定による控除が行われている場合」とは、例えば、製造場から移出する際、100円の酒税が課せられたA酒類が当該製造場へ戻し入れられる場合において、納税申告書上はこの100 円を次に移出するB酒類の酒税300円から控除するため、B酒類は結果的には200 円の課税がされたものと同様になる。さらに、このB酒類が当該製造場へ戻し入れされた場合には、その200 円を控除するように見受けられるので、この場合には、この規定によって控除が行われる前の金額すなわち300 円を控除しようとする場合をいう。

(2) 「第3項の規定による控除が行われている場合」とは、例えば甲製造場で100 円の酒税を課税された酒類を乙製造場に移入し、更にこれを移出する場合には、甲製造場で課税された100 円が法第30 条第3項の適用によって控除されるから、この酒類がまた乙製造場に戻し入れられた場合には控除される金額がないように見受けられるので、この場合には乙製造場から移出する際に控除された金額のその控除前の金額100 円を控除しようとする場合をいう。

第2項関係

1 「その者の他の酒類の製造場」の取扱い

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第2項に規定する「その者の他の酒類の製造場」には、法第28条《未納税移出》第6項の規定等により、製造場とみなされた場所は含まないこととする。

第3項関係

1 「第1項の規定により控除を受けるべき場合を除く」の意義

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第3項に規定する「第1項の規定により控除を受けるべき場合を除く」とは、例えば、甲製造場から移出した酒類を乙製造場に移入し、当該酒類を更に甲製造場に移入した場合には、甲製造場に戻し入れたものとみることもできるし、また、乙製造場から移出して甲製造場に移入したものとみることもできる。したがって、このような場合には戻し入れとして同条第1項の規定を適用することとし、同条第3項の規定の適用から除外しようとする場合をいう。

2 「移入した製造場から更に移出した」の意義

 法第30 条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第3項に規定する「移入した製造場から更に移出した」とは、移入した酒類をそのまま移出する場合のほか、当該移入した酒類に他の酒類との混和、割水、容器の詰め替え、商標又は包装の変更を行う等の加工を施して移出した場合(法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第3項に規定する「当該酒類を第47 条第1項の規定により申告した製造方法に従い酒類の原料として使用した」場合を除く。)をいう。

3 再移出控除を受けようとする場合における移入酒類の数量等の計算

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第3項に規定する「移入した製造場から更に移出したとき」の酒税額の控除(以下「再移出控除」という。)を受けようとする場合における再移出した酒類に占める移入した酒類の数量及び酒税額の計算は、アルコール分の総量によりあん分(あん分に用いる比率は1,000分比とし、小数点未満の端数がある場合は四捨五入(算出した端数がともに五入となる場合には、移入酒類に係る比率を切り上げる。)し、数量に1ミリリットル未満の端数がある場合はそれを切り捨てる。)して行う。

(注) 控除税額のあん分計算による算出が不可能となったものについては、再移出控除は適用できないのであるから留意する。

(計算例)

1 ウイスキー1キロリットル(アルコール分39.5度)を移入して、これを割水しウイスキー500リットル(アルコール分37.5度)を移出した場合の控除額

・原料使用酒類中に占める移入酒類の数量及び税額
原料使用酒類中に占める移入酒類の数量の算式
原料使用酒類中に占める移入酒類の税額の算式

2 ウイスキー300リットル(アルコール分39.5度)を移入し、これを蔵内のウイスキー300リットル(アルコール分37.5度)と混和した後瓶詰めし、ウイスキー500リットル(アルコール分38.5度)を移出した場合の控除額

・アルコール総量によるあん分
アルコール総量によるあん分の算式

・移出酒類中に占める移入酒類の数量及び税額
移出酒類中に占める移入酒類の数量及び税額の算式

4 「酒類の原料として使用した」の意義

 法第30 条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第3項に規定する「酒類の原料として使用した」とは、移入した課税済の酒類を法第47 条《申告義務》第1項の規定により申告した製造方法に従って新たな酒類の製造用の原料に使用した場合をいい、混和した場合(新たな酒類の製造に該当する場合を除く。)を含まない。

(注)

1 法第47 条《申告義務》第1項の規定による申告がない場合又は申告した製造方法以外の方法で酒類の原料として使用された場合は、第30 条第3項関係の3〈再移出控除を受けようとする場合における移入酒類の数量等の計算〉により控除税額のあん分計算による算出が可能なときであっても再移出控除が適用できないのであるから留意する。

2 原料使用控除を受け又は受けようとする場合は、新たに製造した酒類を更に移出しても再移出控除は適用されないのであるから留意する。

5 原料使用控除を受けようとする場合における移入酒類の数量等の計算

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第3項に規定する「第47条第1項の規定により申告した製造方法に従い酒類の原料として使用したとき」の酒税額の控除(以下、「原料使用控除」という。)を受けようとする場合における原料として使用した酒類に占める移入した酒類の数量及び酒税額の計算は、アルコール分の総量によりあん分(あん分に用いる比率は1,000分比とし、小数点未満の端数がある場合は四捨五入(算出した端数がともに五入となる場合には、移入酒類に係る比率を切り上げる。)し、数量に1ミリリットル未満の端数がある場合はそれを切り捨てる。)して行う。

[計算例]

1 ブランデー280リットル(アルコール分55.0度)を移入し、これを割水しブランデー500リットル(アルコール分30.8度)とした後、250リットルをリキュールの原料として使用した場合の控除額

・原料使用酒類中に占める移入酒類の数量及び税額
原料使用酒類中に占める移入酒類の数量及び税額の算式

2 ブランデー100リットル(アルコール分40.0度)を移入し、これを蔵内のブランデー60リットル(アルコール分55.0度)と混和した後、90リットル(アルコール分45.6度)を甘味果実酒の原料として使用した場合の控除額

・アルコール総量によるあん分
アルコール総量によるあん分の算式

・原料使用酒類中に占める移入酒類の数量及び税額
原料使用酒類中に占める移入酒類の数量及び税額の算式

6 製造場に自家消費の目的で課税済酒類を移入した場合の取扱い

 酒類製造者が、他の酒類の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られた課税済の酒類を、自家消費の目的で酒類の製造場に移入し、これをその目的で使用(移出、飲用)した場合において、当該事実の記録が明確である場合は、法に規定する諸種の申告手続を省略しても差し支えない。

第5項関係

1 「製造の廃止」の意義

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第5項に規定する「製造の廃止」とは、酒類の製造免許に付された期限が経過したこと、酒類の製造免許が取消されたこと(法人の合併又は解散によりその免許が消滅した場合を含む。)又は製造者の相続人につき法第19条《製造業又は販売 業の相続》第2項の規定の適用がないことをいい、法第20条《必要な行為の継続等》の規定により必要行為の継続を認められているときとは、その期間が経過したことをいう。したがって、2以上の酒類の品目について製造免許を受けていた場合でそのうちの一部の酒類を廃止した場合(例えば清酒と合成清酒の製造免許を受けていた者が清酒の製造だけを廃止した場合)を含み、製造場の移転に伴う移転前の製造場の廃止は含まない。

2 廃棄の承認を受けようとする者の範囲

 令第37条《廃棄の承認の申請等》に規定する廃棄の承認を受けようとする者は、製造を廃止した者(個人の場合はその相続人、法人の場合は法人の組織変更、合併、分割等によって存続する法人又は解散法人の清算人を含む。)に限る。

3 「廃棄」の範囲

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第5項に規定する「廃棄」とは、物理的に滅失させることをいうものであるが、酒類に不可飲措置を施し、酒類としての効用を失わせること又は酒類の原料に使用することも含むものとする。

4 廃棄の場所の範囲

 戻し入れがあった酒類を廃棄する場所は、当該戻し入れが行われた場所以外の場所であっても差し支えない。

5 廃棄の確認方法

 令第37条《廃棄の承認の申請等》第2項に規定する廃棄の事実の確認は、その数量が50リットル以上の場合は、当該職員の立会いの上行う。

6 控除又は還付を受けるための申告

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第5項の規定の適用を受けようとする者は、納税申告書の提出を要するものである。この場合において製造の一部を廃止した場合であっても、製造者が納税申告書を提出する場合はその納税申告書に合算して記載させる。

第6項関係

1 控除等をする場合の要件

 法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第1項又は第3項から第5項までの規定による控除又は還付は、期限内に提出する納税申告書に法第30条第6項の規定による書類を添付した場合に限り適用されるものである。

2 戻入れ等の事実を証する書類

 令第38条《控除又は還付を受けようとする酒税額の計算に関する書類》に規定する「戻入れの事実を証する書類」とは、戻入れ酒類の返品者(自己の支店、出張所等を含む。)が戻入れ年月日、戻入れ酒類に係る税率の適用区分及び当該税率の適用区分ごとの数量等の事項を記載した送り状等の書類をいい、「移入の事実を証する書類」とは、移入酒類に係る納品書等の書類をいう。

第7項及び第8項関係

1 法人成り等の場合における戻入れ酒類の取扱い

 法人成り等により酒類の製造業を承継した法人又は個人がある場合において、法人成り等する前の製造場から移出した酒類を当該法人成り等の以後において当該製造場に移入したときは、法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第7項の規定に準じ、同条第1項又は第2項に規定する戻入れに該当するものとする。

2 製造場移転の場合における戻入れ酒類の取扱い

 製造場につき移転があった場合において、移転前の製造場から移出した酒類を移転後の製造場に戻し入れたときは、法第30条《戻入れの場合の酒税額の控除等》第7項の規定に準じ、同条第1項の規定による戻入れに該当するものとする。


酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達目次

(前) 第28条の2 未納税移出に関する特例

(次) 第30条の2 移出に係る酒類についての課税標準及び税額の申告