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ホーム税について調べる法令解釈通達不服審査基本通達(国税庁関係)>第104条 《併合審理等》関係

第4章 雑則

第104条 《併合審理等》関係

(併合審理ができる場合)

104−1 法第104条第1項の規定による併合審理は、例えば、次に掲げる不服申立てのように、一又は複数の処分についてされた複数の不服申立てが、それぞれ別個に係属している場合に行うことができる。

(1) 同一年分、同一事業年度分又は同一課税期間の更正又は決定についての再調査の請求と再更正についての再調査の請求

(2) 本税の更正又は決定についての再調査の請求と加算税の賦課決定についての再調査の請求

(3) 青色申告の承認の取消しについての再調査の請求と当該取消しに併せてされた更正又は決定についての再調査の請求

(4) 法人税の更正又は決定についての再調査の請求と当該更正又は決定に関連してされた役員給与等に対する源泉徴収に係る所得税の納税の告知についての再調査の請求

(5) 更正の請求の全部又は一部を認容しない処分についての再調査の請求と当該更正の請求に係る課税標準等又は税額等の更正についての再調査の請求

(6) 一の差押処分についてされた納税者の再調査の請求と利害関係人の再調査の請求

(7) 第二次納税義務の告知処分についての再調査の請求と第二次納税義務の督促についての再調査の請求

(注) (1)及び(5)に掲げる複数の再調査の請求については、併合審理を行うものとし、その旨を再調査の請求人に通知するものとする。

(併せ審理)

104−2 同一の課税標準等又は税額等についてされた次に掲げるような複数の処分のいずれか一方について不服申立てがされている場合には、不服申立てがされていない他の処分(既に不服申立ての決定又は裁決(却下の決定又は裁決を除く。)がされているものを除く。)について、法第104条第2項又は第4項の規定による併せ審理を行うことができることに留意する。

(1) 更正又は決定と再更正

(2) 更正の請求の全部又は一部を認容しない処分と更正

(3) 賦課決定(加算税及び過怠税の賦課決定を除く。以下この項において同じ。)と再度の賦課決定

(注) 「再更正」又は「再度の賦課決定」は、いずれも増額の更正又は賦課決定をいう。

(併合審理をした場合の決定)

104−3 104−1により併合審理をした場合の決定は、それぞれの再調査の請求についてしなければならないが、それぞれの再調査の請求が同一人からされたものであるときは、便宜同一の再調査決定書にそれぞれの主文を併記し、決定の理由の記載は共通にしても差し支えない。

(加算税についての不服申立て)

104−4 加算税の賦課決定について不服申立てがされた場合において、当該加算税の計算の基礎となった本税の更正決定等について不服申立てがされていないときは、当該本税の更正決定等については法第104条第2項の規定による併せ審理はしないことに取り扱う。

(不服申立ての決定又は裁決)

104−5 法第104条第2項ただし書の「不服申立ての決定又は裁決」には、却下の決定又は裁決は含まれないものとする。

第105条 《不服申立てと国税の徴収との関係》関係

(換価の申出の方法)

105−1 法第105条第1項ただし書の規定による不服申立人の別段の申出は、書面の提出によることに留意する。

(必要があると認める場合)

105−2 法第105条第2項の「必要があると認める場合」とは、例えば、次のいずれかに当たる場合をいうものとする。

(1) 不服申立ての対象となった処分の全部又は一部につき取消しが見込まれる場合

(2) 徴収の猶予をしても不服申立ての対象となった処分に係る国税の徴収に不足を生ずるおそれがないと認められる場合(不服申立てに理由がないと認められる場合を除く。)

(3) 不服申立てにある程度理由があり、かつ、滞納処分を執行することにより納税者の事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合

(相当と認めるとき)

105−3 法第105条第3項の「相当と認めるとき」とは、不服申立ての対象となった処分に係る国税の徴収が確実であると見込まれる担保の提供があったときをいうものとする。

(担保の提供先)

105−4 法第105条第3項の規定による担保の提供は、徴収の所轄庁にかかわらず、再調査審理庁又は国税庁長官に対して行うものとする。

(弁明の聴取)

105−5 法第105条第7項の規定により徴収の所轄庁が審査請求の対象となった処分に係る国税の徴収の猶予等の取消しをする場合において、あらかじめ相手方の弁明を聞かなければならないときは、徴収の所轄庁はその弁明を聞いた上で審判所長(令第38条第2項《権限の委任等》の規定に該当する場合以外の場合には、同条第1項の規定により権限を委任された首席国税審判官)の同意を求めるものとする。

第106条 《不服申立人の地位の承継》関係

(相続人)

106−1 法第106条第1項の「相続人」には、包括受遺者が含まれることに留意する。

(権利の承継等の事実を証する書面)

106−2 法第106条第3項後段の「権利の承継又は合併の事実を証する書面」には、例えば、相続の場合における戸籍謄本又は合併の場合における登記事項証明書がこれに当たることに留意する。

(地位承継の効果)

106−3 法第106条の規定による不服申立人の地位の承継については、次のことに留意する。

(1) 同条第3項の規定による届出がない場合においても、不服申立人の地位は当然に承継されるから、地位を承継した者が当該不服申立てを取り下げない限り、当該事案の調査を継続すべきものであること。

(2) 不服申立ての対象となった処分に係る権利を譲り受けた者が同条第4項の規定により不服申立人の地位を承継したときは、当該権利を譲り渡した者(当該権利の一部を譲り渡した者を除く。)は、当該事案の不服申立手続から当然に脱退することとなること。

(処分に係る権利の譲受人)

106−4 法第106条第4項の「不服申立ての目的である処分に係る権利を譲り受けた者」には、例えば、第三者所有の不動産について差押えがされた場合において、その第三者から当該不動産の差押処分についての再調査の請求がされた後に当該不動産をその第三者から譲り受けた者がこれに当たることに留意する。

(地位承継の許可申請)

106−5 法第106条第4項の規定による不服申立人の地位の承継の許可の申請は、当該権利の譲渡人と譲受人が連署した書面の提出によることに留意する。

第107条 《代理人》関係

(納税管理人による代理)

107−1 法第117条《納税管理人》に規定する納税管理人から代理人としての申出があった場合には、法第107条の代理人として取り扱う。この場合には、遅滞なく、令第37条の2第1項《代理人等の権限の証明等》の書面による証明を求めるものとする。

(税理士法との関係)

107−2 不服申立人の代理人となってその事務を行うことが税理士法第2条《税理士の業務》に規定する税理士業務に該当するときは、同法第51条《税理士業務を行う弁護士等》及び第52条《税理士業務の制限》の規定の適用があることに留意する。

(注) 税理士法第2条本文の「業とする」とは、当該事務を反覆継続して行い、又は反覆継続する意思を持って行うことをいい、必ずしも有償であることを要しない。

(代理権の範囲)

107−3 不服申立てに係る代理権は、不服申立ての種類ごとにその範囲を明確にして与えられることを要するから、例えば、再調査の請求についての代理権のみを与えられている場合には、再調査の請求の決定を経た後の処分について審査請求をするとき、又は法第89条第1項《合意によるみなす審査請求》の規定により再調査の請求を審査請求として取り扱うことについての同意をするときは、いずれも新たな授権を必要とすることに留意する。

(代理人が複数選任された場合)

107−4 代理人が複数選任された場合においても、再調査審理庁又は国税庁長官がする代理人に対する通知その他の行為は1人の代理人に対してすれば足りることに留意する。

(書面による証明)

107−5 令第37条の2第1項の書面による証明は、委任状等の提出によることに留意する。

(権限の証明のない場合)

107−6 令第37条の2第1項の規定による不服申立てについての代理人の権限の証明がされない場合又はその証明が明瞭でない場合には、補正要求を行い、当該補正要求が履行されないときは不適法な不服申立てとなることに留意する。ただし、代理人による不服申立てとしては不適法であるが、不服申立人本人の不服申立てとしてみれば適法なもの又は補正可能なものは却下することなく、当該不服申立人本人の不服申立てとして取り扱う。

(代理権の消滅事由)

107−7 不服申立てに係る代理権は、委任の解除により消滅するほか、不服申立人本人が死亡した場合、不服申立人たる法人が合併により消滅した場合、代理人が死亡した場合又は代理人が後見開始の審判若しくは破産手続開始の決定を受けた場合にも消滅することに留意する。

(代理権消滅の効果)

107−8 代理権の消滅は、令第37条の2第2項の規定による代理権消滅の届出前に代理人によってされ、又は代理人に対してされた一切の行為の効力に影響を及ぼさないことに留意する。

第108条 《総代》関係

(共同不服申立て)

108−1 法第108条第1項の「共同して不服申立てをするとき」とは、複数の不服申立人が一の処分又は同一の事実上及び法律上の原因に基づき画一的に処理されなければならない複数の処分について共同して不服申立てをするときをいい、例えば、複数の抵当権者が一の差押処分について共同して再調査の請求をする場合又は複数の相続人が相続税の課税価格の合計額若しくは相続税の総額に係る各相続人の相続税額につきされた更正処分について共同して再調査の請求をする場合がこれに当たることに留意する。

(書面による証明)

108−2 令第37条の2第3項《代理人等の権限の証明等》において準用する同条第1項の書面による証明は、総代選任書等の提出によることに留意する。

(個々の不服申立人の不服申立てとして取り扱う場合)

108−3 共同不服申立てとしては不適法であるが、個々の不服申立人の不服申立てとしてみれば適法なもの又は補正可能なものについては、個々に不服申立てをする意思がないと認められるものを除き、当該個々の不服申立人の不服申立てとして取り扱う。

(総代の権限)

108−4 法第108条第1項又は第2項の規定により総代が選任された場合においては、代理人による不服申立ての場合と異なり、共同不服申立人の不服申立てに関する一切の行為(不服申立ての取下げを除く。)は総代を通じてのみこれを行うことができることに留意する。

(総代の互選命令が履行されなかった場合)

108−5 法第108条第2項の規定による総代の互選命令が履行されなかった場合には、当該共同不服申立ては不適法な不服申立てとなることに留意する。

(総代の権限の消滅等)

108−6 総代の権限の消滅事由及び権限消滅の効果については、107−7及び107−8に準ずる。

第109条 《参加人》関係

(利害関係人)

109−1 法第109条第1項に規定する「利害関係人」(以下第109条関係において「利害関係人」という。)とは、例えば、滞納者から公売処分取消しの再調査の請求がされた場合の公売財産の買受人のように再調査の請求人と利害の相反する者で当該処分の取消しによって法律上の不利益を被る者又は共同再調査の請求人となり得る立場にありながら自らは再調査の請求をしなかった者がこれに当たることに留意する。

(注) 「利害関係人」は、不服申立ての決定又は裁決の結果につき法律上の利害関係を有する者であることを要するから、単に迷惑を被ったこと又は経済的な損害を受けたことを理由とする感情上又は事実上の利害関係を有するにすぎない者はこれに当たらない。

(不服申立人の同意の要否)

109−2 法第109条第1項又は第2項の規定により利害関係人が不服申立てに参加することについては、不服申立人の同意を要しないことに留意する。

(参加の許可)

109−3 法第109条第1項の規定により不服申立てへの参加の許可の申請があった場合には、利害関係人であれば許可すべきであるが、当該参加の許可の申請が多人数によるものであっていたずらに調査の遅延を来すおそれがあるなど支障があると認められるときは、許可しないものとする。

(参加要求の効果)

109−4 法第109条第2項の規定により利害関係人に対し不服申立てに参加することを求めた場合には、当該利害関係人はその諾否にかかわらず参加人となることに留意する。

(参加の取消し)

109−5 再調査審理庁又は国税庁長官が法第109条第1項の規定による参加の許可又は同条第2項の規定による参加の求めをした後において、当該参加人が利害関係人でなくなったとき、又は著しく調査に支障があると認められるときは、当該参加の許可又は参加の求めを取り消すものとする。

(参加人の代理人)

109−6 法第109条第3項の規定による代理人による不服申立てへの参加については、107−1から107−5まで並びに107−7及び107−8に準ずる。ただし、不服申立てへの参加の取下げについては特別の委任を要することに留意する。

(参加人の行為の範囲)

109−7 不服申立てにおける参加人は、不服申立ての取下げをすることはできないことに留意する。

(不服申立ての取下げと参加人の地位)

109−8 不服申立人が不服申立てを取り下げたときは、参加人は当然にその地位を失うことに留意する。

(注) 不服申立ての取下げについては、参加人の同意を要しない。

(不服申立人又は参加人の死亡)

109−9 不服申立人が死亡した場合には、参加人は引き続きその地位にとどまるのであるが、参加人が死亡した場合には、参加の効力は当然に消滅することとなるから、その相続人については、改めて参加の許可の申請を待って許可するか、又は必要に応じて参加を求めるものとする。

第110条 《不服申立ての取下げ》関係

(取下げの権限)

110−1 法第110条第1項の規定により不服申立てを取り下げることのできる者は、不服申立人本人及び取下げについて特別の委任を受けた代理人に限られ、総代又は取下げの委任を受けていない代理人はこれをすることができないことに留意する。

(取下げの権限の証明)

110−2 代理人によって不服申立ての取下げを行う場合には、当該取下げの委任を受けたことを証する書面を提出しなければならないことに留意する。

第111条 《3月後の教示》関係

(再調査の請求がされた日及び期間の計算)

111−1 法第111条第1項の「再調査の請求がされた日」については75−6に、同項括弧書の「不備が補正された日」については75−7に、同項の「3月」の期間の計算については75−8に、それぞれ準ずる。

(教示に係る書面に付記すべき処分理由)

111−2 法第111条第2項の規定により、審査請求をすることができる旨の教示に係る書面に付記すべき処分の理由については、89−3に準ずる。

第112条 《誤つた教示をした場合の救済》関係

(教示)

112−1 法第112条第1項から第3項までの「教示」には、審査法第82条第1項《不服申立てをすべき行政庁等の教示》の規定による処分の際の教示、同条第2項の規定による利害関係人に対する教示及び法第84条第9項《審査庁等の教示》の規定による再調査の請求についての決定の際の教示がこれに当たることに留意する。

(教示に関する他の救済規定との関係)

112−2 不服申立ての種類若しくは申立先につき誤った教示をしたことによりその教示に従って不服申立てがされた場合又は教示をしなかったことにより誤った不服申立てがされた場合の救済については、法第112条第1項から第3項まで及び審査法第83条第1項《教示をしなかった場合の不服申立て》の規定があるが、これらの規定の適用関係は次のとおりである。

(1) 法第112条第1項の規定により救済されるもの

イ 再調査の請求をすることができる処分について、誤って再調査審理庁以外の行政庁を再調査審理庁として教示した場合、例えば、税務署長がした処分について再調査の請求先を当該税務署長以外の税務署長とした場合

ロ 審判所長に対して審査請求をすることができる処分について、誤って審判所長以外の行政庁を審査庁として教示した場合、例えば、登記機関のする課税標準及び税額の認定(登録免許税法第26条第1項)について審査請求先を審判所長とすべきを誤って法務局長とした場合又は再調査の請求の決定を経た後の処分について審査請求先を審判所長とすべきを誤って国税局長とした場合

ハ 国税庁長官に対して審査請求をすることができる処分について、誤って国税庁長官以外の行政庁を審査庁として教示した場合、例えば、複数の国税局の管轄区域にまたがる納税地の指定について審査請求先を国税庁長官とすべきを誤って審判所長とした場合

(2) 法第112条第2項の規定により救済されるもの
 再調査の請求をすることができる処分について、審査請求をすることができる旨のみを教示した場合又は不服申立てをすることができる旨の教示を全くしなかった場合において、審判所長に対して審査請求がされ、かつ、審査請求人から申立てがあったとき。

(3) 法第112条第3項の規定により救済されるもの
 審査請求をすることができる処分(再調査の請求をすることができる処分に限る。)について、再調査の請求をすることができる旨のみを教示した場合又は不服申立てをすることができる旨の教示を全くしなかった場合において、税務署長、国税局長又は税関長に対して再調査の請求がされ、かつ、再調査の請求人から申立てがあったとき。

(4) 審査法第83条第1項の規定により救済されるもの
 (2)又は(3)に該当する場合を除き、不服申立てをすることができる処分について教示をしなかった場合

(再調査の請求又は審査請求とみなす場合の効果)

112−3 法第112条第5項の規定により、「初めから再調査の請求をすべき行政機関に再調査の請求がされ、又は国税不服審判所長若しくは国税庁長官に審査請求がされたものとみなす」こととされるのは、同条第1項から第3項までの再調査の請求又は審査請求が不服申立ての種類及び申立先を除いては、適法にされたものに限られ、例えば、本来不服申立てのできない処分についてされた不服申立て又は不服申立期間を徒過してされた不服申立てが同条第5項の規定により適法となるものではないことに留意する。