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「法人税基本通達の一部改正等について」

2−15
平成10年12月3日

 リース取引の中には、その経済的実質において一般の賃貸借と異なる性格を有しているものがあり、これをそのまま容認すると、課税上の弊害があることから、平成10年度の税制改正において、リース取引のうち売買取引として取り扱うものと金融取引として取り扱ものの範囲が定められました。
 また、海外向けのリース資産の償却方法は、リース期間定額法に改正されました。
 今回の基本通達の改正は、この税制改正を受け、リース取引及びリース期間定額法等に係る取扱いを定めるものであり、主な改正項目は以下のとおりです。

第1 リース取引関係

1 解除をすることができないものに準ずるものの意義(基通12の2−1−1 新設)
 リース取引の要件の一つに、「賃貸借に係る契約が、賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないものであること又はこれに準ずるもの」であることが掲げられていますが、この場合の「これに準ずるもの」とは、例えば、賃借人が中途解約をする場合に、賃借人が、賃貸借期間のうちの未経過期間に対応するリース料の額のおおむね全部(原則として100分の90以上)を支払うこととされているものをいいます。

2 資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきことの意義(基通12の2−1−2 新設)
 リース取引の要件の一つとして掲げられている「当該資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこと」とは、その賃貸借期間中に賃借人が支払うリース料の額の合計額が、賃貸人における賃貸借資産の取得価額及びその取引に係る付随費用(賃貸借資産の取得に要する資金の利子、固定資産税、保険料等その取引に関連して賃貸人が支出する費用をいいます。)の額の合計額のおおむね全部(原則として100分の90以上)とされていることをいいます。

3 専属使用のリース資産(基通12の2−2−3 新設)
 次に掲げるリース取引は、売買取引とされる「その使用可能期間中当該賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」に該当します。

(1) 土地、建物、建物附属設備又は構築物(建設工事等の用に供する簡易建物等で移設が比較的容易に行い得るもの又はリース期間の終了後にリース資産が賃貸人に返還されることが明らかなものを除きます。)を対象とするリース取引

(2) 機械装置等で、その主要部分が賃借人における用途、その設置場所の状況等に合わせて特別な仕様により製作されたものであるため、賃貸人がリース資産の返還を受けて再び他に賃貸又は譲渡することが困難であると認められるものを対象とするリース取引

4 相当の差異の意義(基通12の2−2−7 新設)
 リース期間が耐用年数に比して相当の差異があるリース取引は、原則として売買取引に該当しますが、この場合、「相当の差異があるもの」とは、次のものをいいます。

(1) リース期間が耐用年数に比して短い場合・・・そのリース期間がリース資産の耐用年数の100分の70(耐用年数が10年以上のリース資産については、100分の60)に相当する年数を下回る期間であるもの

(2) リース期間が耐用年数に比して長い場合・・・そのリース期間がリース資産の耐用年数の100分の120に相当する年数を上回る期間であるもの

5 税負担を著しく軽減することになると認められないもの(基通12の2−2−8 新設)
 リース期間が耐用年数に比して相当の差異があるリース取引であっても、「賃貸人又は賃借人の法人税又は所得税の負担を著しく軽減することになると認められるもの」でない限り、売買取引には該当しないこととされています(法令136の3-(1)-四)。
 この場合、次に掲げるリース取引は、法人税等の負担を著しく軽減することには該当しないものとします。

(1) リース期間が耐用年数に比して短い場合・・・賃借人が各事業年度において支払うリース料の額のうちリース期間(再リース期間を含む。)を基礎として計算した適正リース料の額を超える部分の金額につき前払費用処理しているもの及びリース期間終了後リース資産が賃貸人に返還されることが明らかなもの

(2)リース期間が耐用年数に比して長い場合・・・賃貸人におけるリース資産の償却費の額について、当該リース期間にわたって当該リース料の額に応じて損金の額に算入しているもの及びリース契約の中に賃借人が公正な市場価額でリース資産を購入する旨の条項が付されているもの

6 リース取引について売買とされた場合の賃借人及び賃貸人の処理(基通12の2−2−15から基通12の2−2−17 新設)
 売買取引とされた場合の処理は、次によります。

(1) 賃借人の処理

イ リース資産の取得価額は、原則として、そのリース期間中に支払うべきリース料の額の合計額によります。

ロ 賃借人が、支払うべきリース料の額をその支払うべき日の属する事業年度において賃借料等として損金経理をしているときには、当該リース料の額は、法第31条第1項((減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法))に規定する「償却費として損金経理をした金額」に含まれます。

(2) 賃貸人の処理
 当該リース取引が法第62条第2項((長期割賦販売等の要件))に規定する要件を満たすときは、賃貸人はそのリース取引に係る収益及び費用の額の計算につき、同条の規定を適用することができます。

7 金銭の貸借とされるリース取引の判定(基通12の2−3−1 新設)
 譲受人から譲渡人に対するリース取引を条件に資産の売買(いわゆるリースバック取引)を行った場合において、これら「一連の取引」が実質的に金銭の貸借であると認められるときは、金融取引とされますが、「実質的に金銭の貸借であると認められるとき」に該当するかどうかは、取引当事者の意図、リース資産の内容等から、そのリース資産を担保とする金融取引を行うことを目的とするものであるかどうかにより判定します。したがって、譲渡人が譲受人に代わり資産を取得することに相当な理由があり、かつ、当該資産につき、立替金等の仮勘定で経理し、譲渡人の購入価額により譲受人に譲渡するものは、これに該当しません。

第2 リース期間定額法関係

1 見積残存価額(基通7−6−15 新設)
 リース期間定額法を適用する場合における見積残存価額とは、国外リース資産をその賃貸借の終了の時において譲渡するとした場合に見込まれるその譲渡対価の額に相当する金額とされています(令48(2))が、見積残存価額について、リース料の算定に当たって国外リース資産の取得価額及びその取引に係る付随費用の額の合計額からリース料として回収することとしている金額の合計額を控除した残額としている場合は、これを認めます。

2 転貸リース(基通7−6−16 新設)
 リース期間定額法は、非居住者等に賃貸した資産について適用されますが、賃貸人がリース資産を居住者又は内国法人に対して賃貸した後、更に当該居住者又は内国法人が非居住者等に対して当該リース資産を賃貸した場合(いわゆる転貸リースをした場合)において、当該リース資産の使用状況及びその賃貸に至るまでの事情その他の状況に照らし、これら一連の取引が実質的に賃貸人から非居住者等に対して直接賃貸したと認められるときは、当該賃貸人の所有する当該リース資産は国外リース資産に該当します。

第3 その他

 平成10年度の税制改正において、債権償却特別勘定に関する取扱いが貸倒引当金(個別評価)に法令化されました。
 これに伴い、従来個別通達(平成4年9月18日付課法2−4他1課共同「認定による債権償却特別勘定の設定に関する運用上の留意点について」)において定められていた債権償却特別勘定に関する取扱い(人的保証がある場合の回収可能額の算定等)を基本通達に定めることとしました。
 また、次に掲げる通達については、今回の基本通達の改正に伴い廃止されました。

(1) 昭和53年7月20日付直法2−19他1課共同「リース取引に係る法人税及び所得税の取扱いについて」

(2) 昭和63年3月30日付直法2−7他2課共同「リース期間が法定耐用年数よりも長いリース取引に対する税務上の取扱いについて」

(3) 昭和63年4月26日付直法2−8他2課共同「「リース期間が法定耐用年数よりも長いリース取引に対する税務上の取扱いについて」通達の運用について」

(4) 平成4年9月18日付課法2−4他1課共同「認定による債権償却特別勘定の設定に関する運用上の留意点について」

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