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ホーム税について調べる法令解釈通達基本通達・法人税法第2款 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金

第2款 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金

(貸倒損失の計上と個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入れ)

11−2−2 法第52条第1項《貸倒引当金》の規定の適用に当たり、確定申告書に「個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書」が添付されていない場合であっても、それが貸倒損失を計上したことに基因するものであり、かつ、当該確定申告書の提出後に当該明細書が提出されたときは、同条第4項の規定を適用し、当該貸倒損失の額を当該債務者についての個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入れに係る損金算入額として取り扱うことができるものとする。(平12年課法2−7「十八」により追加、平14年課法2−1「二十六」により改正)

(注) 本文の適用は、同条第1項の規定に基づく個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入れに係る損金算入額の認容であることから、同項の規定の適用に関する疎明資料の保存がある場合に限られる。

(貸倒れに類する事由)

11−2−3 法第52条第1項《貸倒引当金》に規定する「貸倒れその他これに類する事由」には、売掛金、貸付金その他これらに類する金銭債権の貸倒れのほか、例えば、保証金や前渡金等について返還請求を行った場合における当該返還請求債権が回収不能となったときがこれに含まれる。(平10年課法2−7「十五」により追加、平14年課法2−1「二十六」により改正)

(裏書譲渡をした受取手形)

11−2−4 法人がその有する金銭債権について取得した受取手形で当該金銭債権に係る債務者が振り出し、又は引き受けたものを裏書譲渡(割引を含む。以下11−2−4において同じ。)した場合には、当該受取手形に係る既存債権を法第52条第1項《貸倒引当金》に規定する金銭債権に該当するものとして取り扱う。(平10年課法2−7「十五」により追加、平12年課法2−7「十八」により改正)

(注) この取扱いは、その裏書譲渡された受取手形の金額が財務諸表の注記等において確認できる場合に適用する。

(担保権の実行により取立て等の見込みがあると認められる部分の金額)

11−2−5 令第96条第1項第1号及び第3号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に規定する担保権の実行により取立て等の見込みがあると認められる部分の金額とは、質権、抵当権、所有権留保、信用保険等によって担保されている部分の金額をいうことに留意する。(平10年課法2−7「十五」により追加)

(相当期間の意義)

11−2−6 令第96条第1項第2号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に規定する「債務者につき、債務超過の状態が相当期間継続し、かつ、その営む事業に好転の見通しがないこと」における「相当期間」とは、「おおむね1年以上」とし、その債務超過に至った事情と事業好転の見通しをみて、同号に規定する事由が生じているかどうかを判定するものとする。(平10年課法2−15「3」により追加、平14年課法2−1「二十六」により改正)

(人的保証に係る回収可能額の算定)

11−2−7 令第96条第1項第2号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に規定する「当該金銭債権の一部の金額につきその取立て等の見込みがないと認められる」場合における「当該一部の金額に相当する金額」とは、その金銭債権の額から担保物の処分による回収可能額及び人的保証に係る回収可能額などを控除して算定するのであるが、次に掲げる場合には、人的保証に係る回収可能額の算定上、回収可能額を考慮しないことができる。(平10年課法2−15「3」により追加、平14年課法2−1「二十六」、平24年課法2−17「二」により改正)

(1) 保証債務の存否に争いのある場合で、そのことにつき相当の理由のあるとき

(2) 保証人が行方不明で、かつ、当該保証人の有する資産について評価額以上の質権、抵当権(以下11−2−7において「質権等」という。)が設定されていること等により当該資産からの回収が見込まれない場合

(3) 保証人について令第96条第1項第3号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に掲げる事由が生じている場合

(4) 保証人が生活保護を受けている場合(それと同程度の収入しかない場合を含む。)で、かつ、当該保証人の有する資産について評価額以上の質権等が設定されていること等により当該資産からの回収が見込まれないこと。

(5) 保証人が個人であって、次のいずれにも該当する場合

イ 当該保証人が有する資産について評価額以上の質権等が設定されていること等により、当該資産からの回収が見込まれないこと。

ロ 当該保証人の年収額(その事業年度終了の日の直近1年間における収入金額をいう。)が当該保証人に係る保証債務の額の合計額(当該保証人の保証に係る金銭債権につき担保物がある場合には当該金銭債権の額から当該担保物の価額を控除した金額をいう。以下11−2−7において同じ。)の5%未満であること。

(注)

1 当該保証人に係る保証債務の額の合計額には、当該保証人が他の債務者の金銭債権につき保証をしている場合には、当該他の債務者の金銭債権に係る保証債務の額の合計額を含めることができる。

2 上記ロの当該保証人の年収額については、その算定が困難であるときは、当該保証人の前年(当該事業年度終了の日を含む年の前年をいう。)分の収入金額とすることができる。

(担保物の処分以外に回収が見込まれない場合等の個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入れ)

11−2−8 令第96条第1項第2号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に規定する「その他の事由により、当該金銭債権の一部の金額につきその取立て等の見込みがないと認められること」には、次に掲げる事実が含まれることに留意する。この場合において、同号に規定するその取立て等の見込みがないと認められる金額とは、当該回収できないことが明らかになった金額又は当該未収利息として計上した金額をいう。(平10年課法2−7「十五」により追加、平10年課法2−15「3」、平12年課法2−7「十八」、平14年課法2−1「二十六」、平15年課法2−7「三十三」、平24年課法2−17「二」により改正)

(1) 法人の有するその金銭債権の額のうち担保物の処分によって得られると見込まれる金額以外の金額につき回収できないことが明らかになった場合において、その担保物の処分に日時を要すると認められること

(2) 貸付金又は有価証券(以下この(2)において「貸付金等」という。)に係る未収利息を資産に計上している場合において、当該計上した事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)終了の日(当該貸付金等に係る未収利息を2以上の事業年度において計上しているときは、これらの事業年度のうち最終の事業年度終了の日)から2年を経過した日の前日を含む事業年度終了の日までの期間に、各種の手段を活用した支払の督促等の回収の努力をしたにもかかわらず、当該期間内に当該貸付金等に係る未収利息(当該資産に計上している未収利息以外の利息の未収金を含む。)につき、債務者が債務超過に陥っている等の事由からその入金が全くないこと

(実質的に債権とみられない部分)

11−2−9 令第96条第1項第3号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に規定する「当該金銭債権の額のうち、当該債務者から受け入れた金額があるため実質的に債権とみられない部分の金額」とは、次に掲げるような金額がこれに該当する。(平10年課法2−7「十五」により追加、平14年課法2−1「二十六」、平24年課法2−17「二」により改正)

(1) 同一人に対する売掛金又は受取手形と買掛金がある場合のその売掛金又は受取手形の金額のうち買掛金の金額に相当する金額

(2) 同一人に対する売掛金又は受取手形と買掛金がある場合において、当該買掛金の支払のために他から取得した受取手形を裏書譲渡したときのその売掛金又は受取手形の金額のうち当該裏書譲渡した手形(支払期日の到来していないものに限る。)の金額に相当する金額

(3) 同一人に対する売掛金とその者から受け入れた営業に係る保証金がある場合のその売掛金の額のうち保証金の額に相当する金額

(4) 同一人に対する売掛金とその者から受け入れた借入金がある場合のその売掛金の額のうち借入金の額に相当する金額

(5) 同一人に対する完成工事の未収金とその者から受け入れた未成工事に対する受入金がある場合のその未収金の額のうち受入金の額に相当する金額

(6) 同一人に対する貸付金と買掛金がある場合のその貸付金の額のうち買掛金の額に相当する金額

(7) 使用人に対する貸付金とその使用人から受け入れた預り金がある場合のその貸付金の額のうち預り金の額に相当する金額

(8) 専ら融資を受ける手段として他から受取手形を取得し、その見合いとして借入金を計上した場合のその受取手形の金額のうち借入金の額に相当する金額

(9) 同一人に対する未収地代家賃とその者から受け入れた敷金がある場合のその未収地代家賃の額のうち敷金の額に相当する金額

(第三者の振り出した手形)

11−2−10 令第96条第1項第3号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》の規定を適用する場合において、法人が債務者から他の第三者の振り出した手形(債務者の振り出した手形で第三者の引き受けたものを含む。)を受け取っている場合における当該手形の金額に相当する金額は、取立て等の見込みがあると認められる部分の金額に該当することに留意する。(平10年課法2−7「十五」により追加、平14年課法2−1「二十六」により改正)

(手形交換所等の取引停止処分)

11−2−11 法人の各事業年度終了の日までに債務者の振り出した手形が不渡りとなり、当該事業年度分に係る確定申告書の提出期限(法第75条の2《確定申告書の提出期限の延長の特例》の規定によりその提出期限が延長されている場合には、その延長された期限とする。以下11−2−11において同じ。)までに当該債務者について規則第25条の3第1号《更生手続開始の申立て等に準ずる事由》に規定する手形交換所による取引停止処分が生じた場合には、当該事業年度において令第96条第1項第3号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》の規定を適用することができる。
 法人の各事業年度終了の日までに支払期日の到来した電子記録債権法第2条第1項《定義》に規定する電子記録債権につき債務者から支払が行われず、当該事業年度分に係る確定申告書の提出期限までに当該債務者について同条第2項に規定する電子債権記録機関(規則第25条の3第2号イ及びロに掲げる要件を満たすものに限る。) による取引停止処分が生じた場合についても、同様とする。(平10年課法2−7「十五」により追加、平14年課法2−1「二十六」、平25年課法2−4「二」により改正)

(国外にある債務者)

11−2−12 国外にある債務者について、令第96条第1項第1号又は第3号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に掲げる事由に類する事由が生じた場合には、これらの規定の適用があることに留意する。(平10年課法2−7「十五」により追加、平14年課法2−1「二十六」により改正)

(中央銀行の意義)

11−2−13 令第96条第1項第4号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に規定する「中央銀行」とは、金融機関でその本店又は主たる事務所の所在する国において、通貨の調節、金融の調整又は信用制度の保持育成の業務その他これに準ずる業務を行うものをいう。(平10年課法2−7「十五」により追加、平14年課法2−1「二十六」により改正)

(繰入れ対象となる公的債務者に対する個別評価金銭債権)

11−2−14 令第96条第1項第4号《貸倒引当金勘定への繰入限度額》に掲げる金銭債権は、次に掲げる金銭債権とする。
 ただし、債務者が外国の地方公共団体である場合において、その金銭債権の元本の返済及び利息等の支払に係る債務不履行の原因が当該地方公共団体の属する国の外貨準備高の不足によるものであることが明らかなときは、当該地方公共団体に対する金銭債権については、この限りでない。(平10年課法2−7「十五」により追加、平14年課法2−1「二十六」、平22年課法2−1「二十三」、平23年課法2−17「二十四」、平24年課法2−17「二」により改正)

(1) 債務者たる外国の政府、中央銀行及び地方公共団体(以下11−2−15までにおいて「公的債務者」という。)に対して有する金銭債権につき債務不履行が生じたため、当該公的債務者との間の金銭債権に係る契約において定められているところに従い、当該法人が当該公的債務者に対して債務不履行宣言を行った場合で、次に掲げる要件の全てを満たすとき 当該公的債務者に対して有する金銭債権の額

イ 当該債務不履行宣言を行った日以後その事業年度終了の日までの間において、当該債務不履行の状態が継続し、かつ、当該法人が、当該公的債務者に対する融資又は当該公的債務者との間で金銭債権に係る債務の履行期限の延長に関する契約の締結若しくは物品販売等の取引を行っていないこと。

ロ その事業年度終了の日において、当該法人が、当該公的債務者に対する融資又は当該公的債務者との間で金銭債権に係る債務の履行期限の延長に関する契約の締結若しくは物品販売等の取引を行う具体的な計画を有していないこと。

(注)

1 債務不履行宣言とは、債務者に対する金銭債権につき債務不履行が生じた場合に、当該金銭債権に係る期限の利益の喪失を目的として債権者が行う宣言をいう。

2 当該法人以外の者が外国の公的債務者に対して債務不履行宣言を行った場合において、当該債務不履行宣言の効果が当該法人に及ぶことが金銭債権に係る契約書において定められているときであっても、当該法人の当該公的債務者に対して有する金銭債権につき債務不履行が生じていないときは、同号に掲げる事由に該当しないことに留意する。

(2) 外国の公的債務者が次に掲げる全ての要件を満たす場合 当該公的債務者に対して有する金銭債権のうち元本等の返済及び利息等の支払に係る債務不履行の期間(当該金銭債権が適格組織再編成により移転を受けたものである場合にあっては、当該適格組織再編成に係る被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人における債務不履行の期間を含む。)がその事業年度終了の日以前3年以上の期間にわたっているものの金額

イ その事業年度終了の日以前3年間(以下11−2−14において「期末以前3年間」という。)において、当該公的債務者に対する金銭債権につき元本等の返済及び利息等の支払がないこと。

ロ 当該法人(その金銭債権が適格組織再編成により移転を受けたものである場合にあっては、当該適格組織再編成に係る被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人を含む。)が、期末以前3年間において、当該公的債務者に対する融資又は当該公的債務者との間で金銭債権に係る債務の履行期限の延長に関する契約の締結若しくは物品販売等の取引を行っていないこと。

ハ その事業年度終了の日において、当該法人が、当該公的債務者に対する融資又は当該公的債務者との間で金銭債権に係る債務の履行期限の延長に関する契約の締結若しくは物品販売等の取引を行う具体的な計画を有していないこと。

(取立て等の見込みがあると認められる部分の金額)

11−2−15 令第96条第1項第4号括弧書に規定する「取立て等の見込みがあると認められる部分の金額」とは、次に掲げる金額をいう。(平10年課法2−7「十五」により追加、平10年課法2−17「六」、平14年課法2−1「二十六」、平23年課法2−17「二十四」、平24年課法2−17「二」により改正)

(1) 当該金銭債権につき他の者(当該法人の当該他の者に対する金銭債権につき債務不履行が生じている者を除く。以下(4)において同じ。)により債務の保証が付されている場合の当該保証が付されている部分に相当する金額

(2) 当該金銭債権につき債務の履行不能によって生ずる損失をてん補する保険が付されている場合の当該保険が付されている部分に相当する金額

(3) 当該金銭債権につき質権、抵当権、所有権留保等によって担保されている場合の当該担保されている部分の金額

(4) 当該公的債務者から他の者が振り出した手形(当該公的債務者の振り出した手形で他の者の引き受けたものを含む。)を受け取っている場合のその手形の金額に相当する金額等実質的に債権と認められない金額