ここから本文です。

ホーム税について調べる法令解釈通達国税徴収基本通達主要項目別目次>第127条関係 法定地上権等の設定

第127条関係 法定地上権等の設定

法定地上権

(成立要件)

1 法第127条第1項の「地上権が設定されたものとみなす」とは、法第127条第1項の規定により、設定契約を締結しなくても、法律上当然に地上権が成立することをいう。
なお、上記の地上権の成立については、次のことに留意する。

(1) 滞納者の所有に属する土地又は建物等に抵当権の設定があり、その後滞納処分による差押え及び換価をした場合において、民法第388条《法定地上権》、立木法第5条《法定地上権》、工場抵当法第16条第1項《民法第388条の準用》等の規定の類推適用(昭和37.9.4最高判参照)によって法定地上権が成立するときは、法第127条の法定地上権は成立しない。

(注) 例えば、土地と建物とが抵当権設定当時同一人に属していた建物を差し押さえ、公売に付した場合において、公売に付す時に既に当該土地が譲渡されて、それぞれの所有者を異にしているときにおいては、民法上の法定地上権が成立する(大正12.12.14大判参照)から、法第127条の法定地上権は成立しない。

(2) 差押えの当初から滞納者所有の土地の上に滞納者所有の建物等が存在していたことを要する。

(注)

1 土地を差し押さえた時に建物が存在し、その後にその土地の上の建物が滅失(取壊し、焼失等)して再築された場合でも、法定地上権は成立する(昭和10.8.10大判、昭和52.10.11最高判参照)。

2 所有者が土地及び建物に共同抵当権を設定した後、その建物が取り壊され、その土地上に新たに建物が建築された場合には、新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたとき等特段の事情のない限り、新建物のために法定地上権は成立しない(平成9.2.14最高判参照)。

3 新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、新建物が建築された時点での土地の抵当権者が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けた場合であっても、新建物に設定された抵当権の被担保債権に法律上優先する国税が存在するときは、2に掲げる特段の事情がある場合には当たらず、新建物のために法定地上権は成立しない(平成9.6.5最高判参照)。

(3) 土地と建物等との所有者を異にするに至ったことの理由が換価であることを要する。

(地上権の及ぶ範囲)

2 法第127条第1項の規定により地上権が設定されたものとみなされた場合におけるその地上権は、建物等の利用に必要かつ十分な程度の広さに及ぶ(大正9.5.5大判参照)。

(法定地上権の対抗力)

3 法第127条第1項の規定により地上権が設定されたものとみなされた場合におけるその地上権の対抗力は、次のとおりである。

(1) 土地を換価し、地上権が設定されたものとみなされた場合には、建物等の所有者である滞納者がその地上権を土地の買受人以外の第三者に対抗するためには、地上権の登記又は建物等の登記があることが必要である(民法第177条、借地借家法第10条第1項、同法附則第4条、旧建物保護ニ関スル法律第1条、昭和8.12.23大判参照)。
なお、滞納者は、土地の買受人に対しては、何らの手続を要せず、法定地上権を主張することができる。

(2) 建物等を換価し、地上権が設定されたものとみなされた場合には、建物等の買受人がその地上権を第三者に対抗するためには、地上権の登記又は建物等の取得の登記をすることが必要である(民法第177条、借地借家法第10条第1項、同法附則第4条、旧建物保護ニ関スル法律第1条、昭和8.12.23大判参照)。
なお、買受人は、土地の所有者である滞納者に対しては、何らの手続を要せず、法定地上権を主張することができる。

(存続期間)

4 法第127条第1項の規定により地上権が設定されたものとみなされた場合におけるその地上権の存続期間は、まず当事者の協議によって定まるのであるが、協議が調わない場合には、法第127条第3項の規定により、当事者の請求によって裁判所がこれを定める。この場合において、建物の地上権の存続期間については、借地借家法の規定の適用がある(同法第3条、附則第4条、旧借地法第2条第1項参照)。

(地代)

5 法第127条第1項の規定により地上権が設定されたものとみなされた場合におけるその地上権の地代は、まず当事者の協議によって定まるが、協議が調わない場合には、法第127条第3項の規定により、当事者の請求によって裁判所がこれを定める。

法定賃借権

(地上権の存続期間)

6 法第127条第2項の「地上権の存続期間」とは、次に掲げる期間をいう。

(1) 建物所有を目的とする地上権に基づいてその土地の上に存在する建物については、借地権設定契約に存続期間の定めがある場合でその存続期間が借地借家法第3条《借地権の存続期間》の規定に抵触しないものであるときはその期間(同法第5条、第7条又は第24条の規定に該当する場合を除く。)、設定契約に存続期間の定めがない場合においては同法第3条前段《借地権の存続期間》に規定する存続期間(同法第5条、第7条又は第24条の規定に該当する場合を除く。)

(注)

1 建物所有を目的とする地上権の設定契約に存続期間の定めがある場合において、その地上権の存続期間を借地借家法第3条《借地権の存続期間》の存続期間よりも短期とする特約がある場合においては、同法第9条《強行規定》の規定により、その存続期間の定めがなかったものとされる。

2 契約をもって建物所有を目的とする地上権を設定する場合の地上権の存続期間については、借地借家法第3条《借地権の存続期間》の規定がある。

(2) 立木の所有を目的とする地上権に基づいてその土地の上に存在する立木については、地上権設定契約に存続期間の定めがある場合においてはその期間、設定契約に存続期間の定めがない場合においては民法第268条《地上権の存続期間》に規定する存続期間

(みなし賃貸借)

7 法第127条第2項の「土地の賃貸借をした」ものとみなすとは、法第127条第2項の規定により、設定契約を締結しなくても、法律上当然に賃借権が成立することをいう。
なお、上記の賃借権の成立については、次のことに留意する。

(1) 差押えの当初から滞納者に帰属する地上権の目的となっている土地の上に滞納者所有の建物等が存在していたことを要する。

(2) 地上権者と建物等の所有者とを異にするに至ったことの理由が換価であることを要する。

(賃借権の及ぶ範囲等)

8 法第127条第2項の規定により賃借権が設定されたものとみなされた場合におけるその賃借権の及ぶ範囲、対抗力、存続期間及び借賃については、それぞれ2から5までに定めるところに準ずる。