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第3款 随意契約による売却

第109条関係 随意契約による売却

随意契約の意義

1 法第109条の「随意契約」とは、差押財産の換価に当たり、入札又は競り売りの方法によることなく、税務署長が、買受人及び価額を決定して売却する契約をいう。

(注) 広告によって行う随意契約(広告随契)による売却とは、法第109条第1項第3号に該当する場合の随意契約による売却の一方法として、直前の公売における見積価額以上の価額で一定の期間内に差押財産を随意契約により売却する旨を広告し、最初に買受申込みをした者に売却する方法である。

随意契約により売却できる場合

(買受人の適格を有する者が1人であるとき)

2 法第109条第1項第1号の「法令の規定により、公売財産を買い受けることができる者が1人であるとき」とは、あへん法第7条第1項«譲渡等の禁止»の規定によりあへんは国に対してでなければ譲渡することができないとされているとき等をいう。

(財産の最高価額が定められているとき)

3 法第109条第1項第1号の「法令の規定により、その財産の最高価額が定められている場合」とは、物価統制令等の規定に基づいて財産の最高価額が定められている場合をいう。
なお、最高価額が定められている財産を、その価額未満の価額で売却するときは、法第109条第1項第1号には該当しない。

(公益上適当でないと認められるとき)

4 法第109条第1項第1号の「その他公売に付することが公益上適当でないと認められる」場合において公売に代えて随意契約により売却することができるときとは、例えば、次に掲げる場合をいう。

(1) あへん法、大麻取締法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法、覚せい剤取締法、火薬類取締法、銃砲刀剣類所持等取締法等の法令の規定により譲渡の相手方が制限されている場合において、その法令の規定により、譲受けが認められている者に対してその財産を売却しようとするとき。

(2) 土地収用法、都市計画法等の規定に基づいて土地を収用できる者から、差し押さえた土地を買い受けたい旨の申出があったとき。

(3) 公売財産が私有道路、公園、排水溝、下水処理槽等である場合において、その利用者又は地方公共団体等から、その私有道路等を買い受けたい旨の申出があったとき(平成9.4.8最高判参照)。

(取引所の相場がある財産)

5 法第109条第1項第2号の「取引所の相場がある財産」とは、金融商品取引所又は商品取引所における相場のある財産、例えば、株式、社債、生糸、天然ゴム、金等(金融商品取引法第2条第1項、商品先物取引法第2条第1項、同法施行令第1条)をいう。
 なお、上記の財産のうち、振替社債等及び有価証券(日本銀行の出資証券等)については、金融商品取引業者である証券会社等を通じて随意契約により売却(以下「委託売却」という。)することができることに留意する。

(注)

  • 1 「金融商品取引所」とは、内閣総理大臣の免許を受けて金融商品市場を開設する金融商品会員制法人又は株式会社をいう(金融商品取引法第2条第16項)。
  • 2 「商品取引所」とは、会員商品取引所及び株式会社商品取引所をいう(商品先物取引法第2条第4項)。
  • 3 「金融商品取引業者」とは、金融商品取引業(金融商品取引法第2条第8項に規定する有価証券の売買等の行為を業として行うことをいう。)を行うことにつき、内閣総理大臣の登録を受けた者をいう(同条第9項)。

売却する場合の通知等

(売却の通知)

6 随意契約による売却をする場合には、7の場合を除き、売却をする日の7日前までに、法第96条«公売の通知»に準ずる通知書を発しなければならないが(法第109条第4項)、この通知等については、第96条関係で定めるところに準じて行う。
  なお、上記の「7日前までに通知書を発しなければならない」とは、売却する日の前日を第1日として7日目に当たる日の前日以前に通知書を発しなければならないことをいう。
また、上記の「7日目に当たる日の前日」が休日等に当たるときは、これらの日の前日とする。

(通知をしない場合)

7 随意契約による売却をする場合において、その売却の期日が、直前の公売期日又は直前の随意契約による売却の期日から10日以内であるときは、6の通知等をする必要がない(法第109条第4項、第107条第3項)。この場合の10日は、通則法第10条第1項«期間の計算»の期間に該当する。

売却の場所

8 随意契約による売却を行う場所については、法第97条«公売の場所»に準ずるものとする。

見積価額

(見積価額を決定する場合)

9 随意契約により売却する財産については、次に掲げる場合を除き、その財産の見積価額を決定しなければならない(法第109条第2項前段、第98条第1項)。この場合において、売却する価額は、見積価額以上の金額でなければならない(法第104条参照)。

(1) 最高価額が定められている財産をその価額で売却するとき(3参照)。

(2) 取引所の相場がある財産をその日の相場で売却するとき(5参照)。

(直前の公売の見積価額との関係)

10 法第109条第1項第3号«公売に付しても入札等がなかった場合等»該当として随意契約により売却する場合における財産の見積価額は、その売却の直前の公売における見積価額と同額又はそれを超える額でなければならない(法第109条第2項後段)。

(見積価額の決定)

11 随意契約により売却する財産の見積価額の決定については、10の制約があるほか、第98条関係で定めるところに準じて行う。
なお、上記により決定した見積価額は、公告をしなければならないものではない。

公売保証金の不必要

12 差押財産を随意契約により売却する場合には、その売却手続に参加するための公売保証金を提供させることはできない。

あらかじめ公告した価額による売却

13 法第109条第1項第3号«公売に付しても入札等がなかった場合等»該当として随意契約により売却する場合において、その財産が動産であるときは、その売却価額(見積価額以上の額で、売却しようとする価額)をあらかじめ公告し、その価額によって売却(随意契約による売却)することができる(法第109条第3項)。この場合における公告については、法第99条第3項ただし書«見積価額の公告の特例»の規定の適用があるものとする。

買受人となるべき者の決定の通知及び公告

14 随意契約による売却について、買受人となるべき者を定めた場合には、法第106条第2項及び第3項«最高価申込者等を決定した場合の利害関係人に対する通知及び公告»の規定が準用されるから(法第109条第4項)、この通知及び公告については、第106条関係3から5までに準じて行う。