ここから本文です。

ホーム税について調べる法令解釈通達国税徴収基本通達主要項目別目次>第108条関係 公売実施の適正化のための措置

第108条関係 公売実施の適正化のための措置

公売参加の制限を受ける者

(制限を受ける者の範囲)

1 法第108条第1項の規定により公売への参加を制限させる者は、次に掲げる者である。

(1) 法第108条第1項各号に掲げる者に該当すると認められる事実があった後2年を経過しない者

(2) 法第108条第1項各号に掲げる者に該当すると認められる事実があった後2年を経過しない者を使用人その他の従業者として使用する者であって、当該妨害行為につき使用人等に指示した者。この場合における「使用人その他の従業者」とは、事務員、工員、雇人その他雇用契約等に基づき従業している者をいう。

(3) (1)及び(2)に掲げる者を、入札等の代理人とする者

(公売への参加を妨げた者)

2 法第108条第1項第1号の「公売への参加を妨げた者」とは、公売が中止又は延期されたと偽り他の者をして公売に参加させなかった者、公売に参加すれば暴行を加えると脅迫した者、公売の場所への入場を威力をもって妨げた者等をいう。この場合においては、妨害の結果として、妨害を受けた者が公売に参加したかどうかを問わない。

(入札等を妨げた者)

3 法第108条第1項第1号の「入札等を妨げた者」とは、入札に当たって入札書の記載を妨げた者、大声を発して競り売りについての買受申込みを妨げた者等をいう。

(最高価申込者等の決定を妨げた者)

4  法第108条第1項第1号の「最高価申込者等の決定を妨げた者」とは、徴収職員に暴行を加えて最高価申込者等の決定を妨げた者、最高価申込者等を定めるための「くじ」(法第104条第2項、第104条の2第3項、第105条第1項後段、同条第3項参照)を引く者を脅迫して「くじ」に参加させなかった者、急病等真にやむを得ない事由がないにもかかわらず最高価申込者を定めるための追加入札をしなかった者、追加入札の基因となった入札価額に満たない価額で入札した者等をいう。

(買受代金の納付を妨げた者)

5 法第108条第1項第1号の「買受代金の納付を妨げた者」とは、買受代金を納付すれば暴行を加えると脅迫した者、買受代金を納付することが極めて不利益であると欺いた者等をいう。

(不当に価額を引き下げる目的をもって連合した者)

6 法第108条第1項第2号の「不当に価額を引き下げる目的をもって連合した者」とは、公売に際し、価額を引き下げるため、競争による公正な価額の形成を妨げる意思をもって、入札者等相互間で、ある価額以上の入札等を行わず、ある特定の者に低額で買い受けさせるように合意約定した者をいう。
なお、上記の場合においては、利益の一部に相当する金額を配分することが多いと考えられるが、その合意約定について利益配分の目的がないとき及び現実の入札等がなく単に合意約定したにとどまるときにおいても、上記に該当する。

(偽りの名義で買受申込みをした者)

7 法第108条第1項第3号の「偽りの名義で買受申込みをした者」には、架空の人物の名義を用いた入札者等だけではなく、実在する他の人物の名義を勝手に用いた入札者等も含まれる。

(正当な理由がなく代金を納付しない買受人)

8 法第108条第1項第4号の「正当な理由がなく、買受代金の納付の期限までにその代金を納付しない買受人」とは、換価処分を妨げる意思を有し、又は換価処分を妨げる結果となることを知りながら、故意に期限までに買受代金を納付しない者をいい、例えば次に掲げる者がこれに当たる。

  •  (1) 自己の責めに帰することができない事由がないにもかかわらず、その財産に転売性がないとして買受代金を納付しない者
  •  (2) 自己の責めに帰することができない事由がないにもかかわらず、結果的に自己の期待に反して高価に入札等をしたこと等により買受代金を納付しない者
  •  (3) 公売の引延し又は再公売による見積価額の引下げの目的等のために、その公売においては自己がその財産を買い受ける意思がないにもかかわらず最高価での買受申込みを行い、買受代金を納付しない者

(故意に財産を損傷した者)

9 法第108条第1項第5号の「故意に公売財産を損傷し、その価額を減少させた者」とは、公売財産の価額を減少させる意思をもって、財産の形状、性質等を損なった者はもちろん、その結果を生ずることを知りながら財産を損傷して価額を減少させた者をいい、過失によって公売財産を損傷し、その価額を減少させた者は含まれない。

(公売等の実施を妨げる行為をした者)

10 法第108条第1項第6号の「公売又は随意契約による売却の実施を妨げる行為をした者」とは、法第108条第1項第1号から第5号に該当する者以外の者であって、公売又は随意契約による売却手続が、公正かつ円滑に行われることを妨げた者をいい、例えば、暴力をもって開札を妨げた者、随意契約により買い受けることは不利益であると欺いた者、公売に係る電磁的記録を不正に改ざんした者等をいう。

公売への参加制限

(制限の内容)

11 法第108条第1項の規定による公売への参加制限は、公売の場所へ入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は入札等をさせないことによって行うが、この場合における「公売の場所」とは、入札又は競り売りを実施するための場所、公売財産のある場所等上記の制限をしなければ、公売手続の公正かつ円滑な執行が害される場所をいう。

(制限できる期間)

12 法第108条第1項の規定により公売への参加を制限できる期間は、法第108条第1項各号に掲げる者に該当すると認められる事実のあった時から2年間である。

(参加を制限する公売)

13 法第108条第1項の規定による公売への参加制限については、法第108条第1項各号に掲げる者に該当すると認められる事実があった公売の後に行われる公売への参加制限はもちろん、その事実があった公売のその後の手続への参加も制限することができる。

(入札者等の身分の証明)

14 税務署長は、法第108条第1項の規定による公売への参加制限をするために必要があると認めるときは、入札者等の身分に関する証明を求めることができる(法第108条第4項)。

(刑罰法規との関係)

15 法第108条第1項各号に掲げる者については、刑法第96条の3《強制執行行為妨害等》、第96条の4《強制執行関係売却妨害》、第96条の5《加重封印等破棄等》、第96条の6《公契約関係競売等妨害》等の刑罰法規による処罰の有無にかかわらず、公売への参加を制限することができる。

最高価申込者の決定の取消し等

(第1項に該当する者)

16 法第108条第2項の「前項の規定に該当する者」とは、法第108条第1項の規定により税務署長が公売への参加制限ができる者をいい、法第108条第1項の規定によって公売への参加を制限したかどうかは関係がない。

(入札者等への通知)

17 税務署長が、法第108条第2項の規定により「入札等がなかったものとする」場合には、その入札者等に対して、原則として、その旨を通知するものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。

(最高価申込者等の決定の取消し)

18 法第108条第2項の「その決定を取り消す」とは、最高価申込者等が16に掲げる者である場合には、その最高価申込者等とする決定を取り消すことをいう。この場合においては、19により売却決定を取り消したときを除き、最高価申込者等及び利害関係人(滞納者を含む。)に対してその旨を通知するものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。

(売却決定の取消し)

19 売却決定後において、法第108条第2項の規定により最高価申込者等とする決定を取り消すときは、その売却決定も取り消すものとする。この場合においては、買受人及び利害関係人(滞納者を含む。)に対して、その旨を通知するものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。

公売保証金の国庫帰属

(入札等がなかったものとされた者等)

20 法第108条第3項の「同項の処分を受けた者」とは、法第108条第2項の規定によって入札等がなかったものとされ、又は最高価申込者等とする決定を取り消された者をいう。

(国庫に帰属する公売保証金)

21 法第108条第3項の「その公売保証金」とは、20に掲げた者が法第100条第1項第1号に規定する現金で納付する方法により提供した公売保証金又は保証銀行等が納付した入札者等に係る公売保証金に相当する現金(第100条関係9参照)をいう。この場合において、現金で納付する方法により提供した公売保証金について、法第100条第3項又は第6項《公売保証金の買受代金への充当等》の規定によって公売保証金が既に買受代金納付としての効果を生じているとき(第100条関係8参照)、買受人へ交付されているとき等は、法第108条第3項の規定による国庫に帰属すべき公売保証金はないものとする。

(国庫への帰属)

22 法第108条第3項の「国庫に帰属する」とは、同条第2項の規定によって入札等をなかったものとし、又は最高価申込者等とする決定を取り消した場合には、その処分をした時に、当然に公売保証金が国庫に帰属することをいう。
なお、17から19までに定める通知に当たっては、上記の旨を、併せて通知するものとする。

(法第100条第6項との関係)

23 法第108条第3項の「第100条第6項(公売保証金の返還)の規定は、適用しない」とは、法第108条第3項の規定により公売保証金が国庫に帰属する場合には、法第100条第6項の規定による公売保証金の返還をしないことを明らかにしたものである。

(法第100条第3項ただし書き又は第4項との関係)

24 正当な理由がなく買受代金を納付しない者(法第108条第1項第4号)の公売保証金が、法第108条第3項の規定により国庫に帰属する場合においては、法第100条第3項ただし書又は第4項《公売保証金の国税への充当等》の規定により公売保証金を国税へ充てること又はその残余を滞納者に交付することは、行わないものとする(第100条関係10参照)。