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第3節 財産の換価

第1款 通則

第89条関係 換価する財産の範囲

差押財産

1 法第89条第1項の「差押財産」とは、差し押さえた財産のうち、次に掲げるものを除いた財産をいう。

(1) 金銭及び債権

(2) 法第57条第1項«有価証券に係る債権の取立て»の規定により取り立てる場合の有価証券

(3) 法第73条第5項«差し押さえた債権の取立て等の準用»において準用する第67条第1項«差し押さえた債権の取立て»の規定により取り立てる場合の無体財産権等

(4) 法第73条の2第4項«差し押さえた債権の取立ての準用»において準用する第67条第1項«差し押さえた債権の取立て»の規定により取り立てる場合の振替社債等

換価することができる債権

2 次に掲げる債権は、法第89条第2項の規定により換価することができる。

(1) 差し押さえた債権のうち、その全部又は一部の弁済期限が取立てをしようとする時から6月以内に到来しないもの。この場合において、6月の計算の始期は、差押えの効力の発生した日とする。

(2) 取立てをすることが著しく困難であると認められるもの。この場合において、著しく困難とは、差し押さえた債権が、不確定期限のついたもの、条件の付けられたもの、反対給付に係るもの等で、かつ、取立てまでに要する期間、条件その他債権の内容により取立てをすることが社会通念上著しく困難なことをいう。なお、6月以内に取立ての見込まれないことが明白な債権は取立てが著しく困難なものとして換価できるものとする。

一括換価

(一括換価をする場合)

3 次の財産については、原則として、それぞれに定めるところに従い、一括して換価する。

(1) 工場抵当法第2条«財団を組成しない工場の土地、建物の抵当権»の規定の適用を受ける財産については、土地又は建物とともに換価する。ただし、当該抵当権の目的となっている機械、器具等のほとんどが脱落し、工場としての機能を喪失していると認められる場合において、土地又は建物と機械、器具との結合によって生ずる企業施設としての特殊価値(有機的価値)が存在しないときは、これらを個々の物件として各別に換価しても抵当権者の利益を害することにはならないから、個別に換価することができることに留意する(昭和29.5.6大阪地判参照)。

(2) 工場財団その他の財団の組成物件については、工場財団その他の財団として換価する。ただし、財団として売却することが困難である場合には、工場抵当法第46条«個々のものとしての売却»の規定の趣旨に従い、抵当権者等の同意を得て、個々の物件として換価することができる。

(3) 担保権の目的となっている財産の従物については、主物とともに換価する。ただし、担保権者の同意がある場合には、主物と別個に換価することができる。

(4) 区分所有建物及びその敷地について、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権(当該専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利(建物の区分所有等に関する法律第2条第6項))が一体化している場合(規約により分離処分が可能とされている場合を除く。)には、分離処分ができない(同法第22条第1項)ので、一括して換価する。

(一括換価をすることができる場合)

4 法第89条第3項の「相当であると認めるとき」とは、次のいずれにも該当するときをいう。ただし、下記(5)の要件に該当しなくても、当該複数の差押財産が主物と従物の関係にあり、個々に換価して買受人が別々になると、一方の差押財産の搬出等に多額の費用を要するとき(例えば、主物である不動産と、それに設置される従物である動産)には、一括して換価することとして差し支えない。

(1) 差押財産が不動産である場合は、それぞれの財産が客観的かつ経済的にみて、有機的に結合された一体をなすと認められること。差押財産が不動産以外である場合は、それぞれの財産が同種又は相互に関連性があること。

(2) 一括換価をすることにより高価有利に売却できること。

(3) 滞納者を異にする場合は、それぞれの滞納者の国税について配当があること。

(4) 一括換価をすることを不当とする事由(例えば、権利関係が複雑で担保権者等に対する配当に支障を来すおそれがあること。)がないこと。

(5) 売却決定が同一の日であること。

(注) 共有に係る差押財産を一括換価する場合は、差押財産の共有者の全員が滞納している場合に限ることに留意する。

(滞納者)

4-2 法第89条第3項の「滞納者」には、連帯納付の義務又は責任を負っている者、譲渡担保権者、第二次納税義務者、保証人及び物上保証人も含まれる(法第2条第6号、第9号。第2条関係10、11参照)。
 なお、譲渡担保権者、第二次納税義務者及び保証人の財産については、法第24条第3項若しくは第32条第4項又は通則法第52条第5項の規定により換価が制限されているが、主たる納税者の財産を換価に付す前であっても、主たる納税者の財産が換価することができる唯一の財産である場合は、当該財産と一括換価することとして差し支えない。

5 削除

換価ができない場合

6 次に掲げる国税については、原則として、それぞれに掲げる期間内は、換価をすることができない。
なお、果実等については、法第90条第1項及び第2項«果実等の換価の制限»の規定の適用がある。

(1) 納税者の国税を第二次納税義務者又は保証人から徴収する場合におけるその第二次納税義務者及び保証人の納付すべき国税 その納税者の財産を換価に付すまでの期間(法第32条第4項、通則法第52条第5項)又は第二次納税義務者若しくは保証人が、納付通知書による告知、納付催告書による督促若しくはこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起した場合におけるその訴訟の係属する期間(法第90条第3項)

(2) 担保のための仮登記がされた財産を差し押さえた場合の法第55条第2号«仮登記の権利者に対する差押えの通知»の通知(担保のための仮登記に係るものに限る。)に係る国税 同条第2号の通知に係る差押えにつき訴えを提起した場合におけるその訴訟の係属する期間(法第90条第3項)

(3) 法第24条第1項«譲渡担保財産からの国税の徴収»の規定により譲渡担保財産から徴収する納税者の国税 その納税者の財産を換価に付すまでの期間(法第24条第3項、第32条第4項)又はその譲渡担保権者が同条第2項の告知(同条第4項の規定による場合のものを含む。)若しくはこれに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起した場合におけるその訴訟の係属する期間(法第90条第3項)

(4) 法第50条第3項«第三者による換価の申立てと換価の制限»の申立てがあった場合において、その申立てに係る財産が換価の著しく困難なもの又はその申立者以外の第三者(滞納者を除く。)の権利の目的となっているもの以外のものであるときの、その申立てに係る財産についてのその差押えをすべき国税 その申立てがあった時からその申立てに係る財産を換価に付すまでの期間

(5) 法第151条第1項又は第151条の2第1項«換価の猶予の要件»の規定による換価の猶予がされている場合におけるその猶予された国税 その猶予期間

(6) 通則法第23条第5項ただし書«更正の請求があった場合の徴収の猶予»又は第105条第2項及び第6項«不服申立てに係る徴収の猶予等»の規定による徴収の猶予がされている場合におけるその猶予された国税 その猶予期間

(7) 通則法第46条第1項から第3項まで«納税の猶予の要件等»、租税特別措置法第40条の3の4«内部取引に係る課税の特例に係る納税の猶予»、第41条の19の5«国外所得金額の計算の特例»、第66条の4の2«国外関連者との取引に係る課税の特例に係る納税の猶予»、第66条の4の3«外国法人の内部取引に係る課税の特例»、第67条の18«国外所得金額の計算の特例»、第68条の88の2«連結法人の国外関連者との取引に係る課税の特例に係る納税の猶予»又は第68条の107の2«連結法人の連結国外所得金額の計算の特例»の規定による納税の猶予がされている場合におけるその猶予された国税 その猶予期間(通則法第48条第1項、租税特別措置法第40条の3の4第4項、第41条の19の5第10項、第66条の4の2第4項、第66条の4の3第11項、第67条の18第10項、第68条の88の2第4項、第68条の107の2第10項)

(8) 不服申立てに係る国税 その不服申立てについての決定又は裁決があるまでの期間(通則法第105条第1項ただし書)

(9) 通則法第105条第2項及び第6項«不服申立てに係る滞納処分の続行の停止等»の規定により滞納処分の続行が停止されている場合におけるその停止に係る国税 その続行の停止期間

(10) 滞調法第9条«強制執行続行の決定»等の規定により強制執行等の続行の決定があった場合のその滞納処分による差押えに係る国税 その強制執行等の係属する期間(同法第10条、第22条等)

(11) 会社更生法第24条第2項«滞納処分の中止命令等»の規定により滞納処分(共益債権を徴収するためのものを除く。)の中止命令がされた場合におけるその中止に係る国税 その中止命令の決定があった日から2月を経過した時又は更生手続開始の決定があった時のいずれか早い時までの期間(同法第24条第3項参照)

(12) 会社更生法第25条第1項«包括的禁止命令»の規定により包括的禁止命令がされた場合における既にされている滞納処分に係る国税 その包括的禁止命令の日から2月を経過した時又は更生手続開始の決定があった時のいずれか早い時までの期間(同法第25条第3項参照)

(13) 会社更生法第41条«更生手続開始の決定»の規定により更生手続開始の決定があった場合におけるその更生会社の滞納国税(共益債権を除く。) その更生手続開始の決定があった日から1年間(1年経過前に更生計画が認可されることなく更生手続が終了し、又は更生計画が認可されたときは、終了又は認可の時までの間)(同法第50条第2項)

(14) 会社更生法第169条第1項«租税等の請求権の取扱い»の規定による猶予がされている場合におけるその猶予された国税 その猶予期間

(15) 没収保全がされている財産に対してした滞納処分に係る国税 その没収保全の効力が失われ、又は代替金が納付されるまでの期間(組織的犯罪処罰法第40条第1項、第35条、麻薬特例法第19条第4項)

(16) 行政事件訴訟法第25条第2項本文«執行停止»の規定により執行の停止を命ぜられた処分に係る国税 その停止期間

(17) 企業担保権の実行手続の開始があった株式会社に係る国税 その実行手続の係属する期間(企業担保法第28条)

(18) 予定納税額に係る所得税 その年分の所得税に係る確定申告期限までの期間(所得税法第117条)

換価の効果

(承継取得)

7 換価は、滞納者と買受人との間に売買契約を成立させるものであるから、買受人の権利の取得は、原始取得ではなく、承継取得である(昭和8.12.2大判、昭和32.4.24岐阜地判参照)。

(担保権等の消滅)

8 買受人が買受代金の納付により換価に係る権利を取得したときは、換価財産の上にあった質権、抵当権、先取特権、留置権、担保のための仮登記に係る権利及び担保のための仮登記に基づく本登記でその財産の差押え後にされたものに係る権利は、消滅する(法第124条第1項前段)。ただし、法第124条第2項«担保権の引受け»の規定による担保権の引受けがあったときは、その引受けに係る担保権は、消滅しない(法第124条第2項後段)。
なお、法第24条«譲渡担保権者の物的納税責任»の規定により譲渡担保財産に対して滞納処分を執行した場合において、滞納者がした再売買の予約の仮登記があるときは、その仮登記により保全される請求権も、上記と同様に消滅する(法第124条第1項後段)。

(用益物権等の存続)

9 換価財産が不動産その他の登記を権利移転の対抗要件又は効力発生要件とする財産であって、その財産上に差押えの登記前に第三者に対抗できる地上権その他の用益物権、買戻権、賃借権、仮登記(担保のための仮登記を除く。)等(以下「用益物権等」という。)がある場合には、その用益物権等は、換価によっては消滅しない。ただし、第三者に対抗できる用益物権等であっても、それらの権利の設定前に換価によって消滅する質権、抵当権、先取特権、留置権、買戻権又は担保のための仮登記がある場合には、その用益物権等も消滅する。

(注) 抵当権の設定登記後に登記その他の対抗要件を備えた賃借権(借地借家法第31条等)であっても、その賃貸借が平成16年4月1日に存在し(その後、差押え前に更新されたものを含む。)、民法第602条«短期賃貸借»に定める期間を超えないものである場合は、その賃借権は抵当権に対抗することができる(担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律附則第5条)

(賃借権等の消滅)

10 差押え前に換価財産上に賃借権(9に定める換価によって消滅しない賃借権を除く。)、使用貸借権等の権利が設定されている場合においても、換価による買受人に対抗できないから、これらの権利は消滅する。

(土地の賃借権の存続)

11 換価により建物の所有を目的とする賃借地上の建物の所有権を取得した買受人は、その土地の賃借権も取得する(借地借家法第20条第1項、第5項、昭和47.7.18最高判参照)。

(仮差押え等の消滅)

12 換価財産上にある仮差押え及び仮処分の消滅については、第140条関係3及び12から21までに定めるとおりである。

(差押え後の権利の消滅)

13 換価財産につき差押え後に取得した所有権、担保権、用益物権等を有していた者は、その換価財産の買受人に対して所有権等の権利を主張することができない。

譲渡の制限

(あへん法)

14 あへんについては、あへん法第7条第1項«譲渡及び譲受の禁止»の規定により、国に対してでなければ換価により売却することができない。
けしがらについては、同条第2項«譲渡及び譲受の禁止»の規定により、けし栽培者、麻薬製造業者又は麻薬研究施設の設置者に対してでなければ換価により売却することができない。

(注)

  • 1 「あへん」とは、けしの液汁が凝固したもの及びこれに加工を施したもの(医薬品として加工を施したものを除く。)をいう(同法第3条第2号)。
  • 2 「けしがら」とは、けしの麻薬を抽出することができる部分(種子を除く。)をいう。(同条第3号)

(大麻取締法)

15 大麻については、大麻取締法第3条第1項«譲渡等の制限»の規定により、大麻取扱者に対してでなければ換価により売却することができない。

(注)

  • 1 「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいい、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。(同法第1条)。
  • 2 「大麻取扱者」とは、都道府県知事の免許を受けて繊維又は種子を採取する目的で大麻草を栽培する大麻栽培者及び都道府県知事の免許を受けて大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、又は大麻を使用する大麻研究者をいう(同法第2条)。

(毒物及び劇物取締法)

16 特定毒物については、毒物及び劇物取締法第3条の2第6項«特定毒物の譲渡»の規定により、毒物劇物営業者、特定毒物研究者又は特定毒物使用者に対してでなければ換価により売却することができない。

(注)

  • 1 「特定毒物」とは、毒物(同法第2条第1項«毒物の定義»の規定による同法別表第1に掲げるものであって医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。)であって、同法別表第3に掲げるものをいう。
  • 2 毒物劇物営業者」とは、毒物又は劇物の製造業者、輸入業者又は販売業者をいう(同法第3条第3項)。
  • 3 「特定毒物研究者」とは、学術研究のため特定毒物を製造し、若しくは使用することができる者として都道府県知事の許可を受けた者をいう(同法第3条の2第1項)。
  • 4 「特定毒物使用者」とは、特定毒物を使用することができる者として品目ごとに政令で指定する者をいう(同条第3項)。

(覚せい剤取締法)

17覚せい剤の製造業者が製造して所有する覚せい剤については、覚せい剤取締法第17条«譲渡及び譲受の制限及び禁止»の規定により、覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者に対してでなければ換価により売却することができない。

(注)

  • 1 「覚せい剤」とは、同法第2条第1項«覚せい剤の意義»の規定に掲げるフェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン等をいう。
  • 2 「覚せい剤製造業者」とは、覚せい剤を製造すること(覚せい剤を精製すること、覚せい剤に化学的変化を加え、又は加えないで他の覚せい剤にすること、及び覚せい剤を分割して容器に収めることを含む。ただし、調剤を除く。)、及びその製造した覚せい剤を覚せい剤施用機関又は覚せい剤研究者に譲り渡すことを業とすることができるものとして、厚生労働大臣の指定を受けた者をいう(同条第2号)。
  • 3 「覚せい剤施用機関」とは、覚せい剤の施用を行うことができるものとして、都道府県知事の指定を受けた病院又は診療所をいう(同条第3号)。
  • 4 「覚せい剤研究者」とは、学術研究のため、覚せい剤を使用することができ、また、厚生労働大臣の許可を受けた場合に限り覚せい剤を製造することができるものとして、都道府県知事の指定を受けた者をいう(同条第4号)。

(麻薬及び向精神薬取締法)

18 麻薬については、麻薬及び向精神薬取締法第26条第1項«譲受»の規定により、同項各号のいずれかに該当する場合を除き、麻薬営業者、麻薬診療施設の開設者又は麻薬研究施設の設置者に対してでなければ換価により売却することができない。
 向精神薬輸入業者、向精神薬製造製剤業者及び向精神薬卸売業者が所有する向精神薬については、同法第50条の16第2項«譲渡し等»の規定により、向精神薬営業者(向精神薬輸入業者を除く。)、病院等の開設者及び向精神薬試験研究施設設置者以外の者に譲渡してはならないことに留意する。

(注)

  • 1 「麻薬」とは、同法第2条第1号«用語の定義»の規定による同法別表第1に掲げるコカ葉、モルヒネ等をいう。
  • 2 「麻薬営業者」とは麻薬輸入業者、麻薬輸出業者、麻薬製造業者、麻薬製剤業者、家庭麻薬製造業者、麻薬元卸売業者、麻薬卸売業者及び麻薬小売業者をいう(同条第8号、第9号)。
  • 3 「麻薬診療施設」とは、麻薬施用者が診療に従事する病院等をいう(同条第22号)。
  • 4 「麻薬研究施設」とは、麻薬研究者が研究に従事する研究施設をいう(同条第23号)。
  • 5 「向精神薬」とは、同条第6号«用語の定義»の規定による同法別表第3に掲げるコカ葉、モルヒネ等をいう。
  • 6 「向精神薬輸入業者」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を輸入することを業とする者をいう(同法第2条第28号)。
  • 7 「向精神薬製造製剤業者」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を製造すること(向精神薬を精製すること、及び向精神薬に化学的変化を加えて他の向精神薬にすることを含む。)、向精神薬を製剤すること(向精神薬に化学的変化を加えないで他の向精神薬にすることをいう。ただし、調剤を除く。)、又は向精神薬を小分けすること(他人から譲り受けた向精神薬を分割して容器に収めることをいう。)を業とする者をいう(同条第30号)。
  • 8 「向精神薬卸売業者」とは、都道府県知事の免許を受けて、向精神薬取扱者(向精神薬輸入業者を除く。)に向精神薬を譲り渡すことを業とする者をいう(同条第32号)。
  • 9 「向精神薬営業者」とは、病院等の開設者及び向精神薬試験研究施設設置者以外の向精神薬取扱者をいう(同条第27号)。
  • 10 「向精神薬試験研究施設設置者」とは、学術研究又は試験検査のため向精神薬を製造し、又は使用する施設の設置者であって、厚生労働大臣又は都道府県知事の登録を受けたものをいう(同条第34号)。

(日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律)

19 一定の題号を用い時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式については、日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律第1条«株式の譲渡制限等»の規定により、株式の譲受人を、その株式会社の事業に関係のある者に限ることについて定款をもって定められている場合には、その株式会社の事業に関係のある者に対してでなければ換価により売却することができない。

(火薬類取締法)

20 火薬類については、火薬類取締法第17条第1項«譲渡又は譲受の許可»の規定により、同項各号のいずれかに該当する場合を除き、譲り受けようとするときは都道府県知事の許可を受けなければならないとされているから、原則として当該許可を受けた者に対してでなければ換価により売却することができない。

(注) 「火薬類」とは、黒色火薬等の火薬、ニトログリセリン等の爆薬及び信管等の火工品をいう(同法第2条)。

(銃砲刀剣類所持等取締法)

21 銃砲又は刀剣類については、銃砲刀剣類所持等取締法第3条第1項«所持の禁止»の規定により、同項各号のいずれかに該当する場合を除き、その所持が禁止されているところ、同法第4条第1項各号«許可»のいずれかに該当する者は、所持しようとする銃砲又は刀剣類ごとに、その所持について、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならないとされているから、当該許可を受けた者に対してでなければ換価により売却することができない。

(注)

  • 1 「銃砲」とは、同法第2条第1項«銃砲の定義»に規定するけん銃、小銃、機関銃等をいう。
  • 2 「刀剣類」とは、同条第2項«刀剣類の定義»に規定する刃渡15センチメートル以上の刀、剣、やり等をいう。

(たばこ事業法)

22 耕作者が所有する葉たばこについては、たばこ事業法第3条第4項«原料用国内産葉たばこの生産及び買入れ»の規定により、製造たばこの原料の用に適さないものを除き、日本たばこ産業株式会社がすべて買い入れることとされていることに留意する。

(注)

  • 1 「耕作者」とは、あらかじめ、日本たばこ産業株式会社に売り渡す目的をもってたばこを耕作しようとする者で、日本たばこ産業株式会社とたばこの売渡しに関する契約を締結した者をいう(同法第3条第1項)。
  • 2 「葉たばこ」とは、たばこの葉をいい、「製造たばこ」とは、葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう(同法第2条)。

(漁港漁場整備法)

23 漁港施設については、漁港漁場整備法第37条第1項«漁港施設の処分の制限»の規定により、その所有者は、漁港管理者の許可を受けなければ譲渡することができないとされていることに留意する。

(注)

  • 1 「漁港施設」とは、同法第3条«漁港施設の意義»の規定に掲げる施設であって、漁港の区域内にあるものをいう。
  • 2 「漁港管理者」とは、同法第25条各号«漁港管理者の決定»に掲げる漁港ごとに、当該各号に定める地方公共団体をいう。

(海上運送法)

24 日本の国籍を有する者又は日本の法令により設立された法人その他の団体(以下24において「日本の国籍を有する者等」という。)が所有する国際船舶については、海上運送法第44条の2第1項«国際船舶の譲渡等の届出»の規定により、日本の国籍を有する者等以外の者に譲渡しようとするときは、その所有者は、譲渡しようとする日の20日前までに国土交通大臣に届け出なければならないとされていることに留意する。

(注) 「国際船舶」とは、日本船舶であってその輸送能力、航海の態様、運航体制の効率性、運航に必要とされる技術の水準等からみて本邦と外国との間において行われる海上輸送の確保上重要なものとして国土交通省令で定める船舶をいう。

(飼料需給安定法)

25 政府が、輸入飼料を売り渡す場合には、飼料需給安定法第6条«売渡の附帯条件»の規定により、その相手方に対し、譲渡に関し地域又は時期の指定、価格の制限その他必要な条件を付することができるから、条件の付された輸入飼料の換価に当たっては、買受人に対し当該条件を付するものとする。