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第58条関係 第三者が占有する動産等の差押手続

引渡し

1 法第58条の「引渡」とは、滞納者の親族その他の特殊関係者以外の第三者が、動産又は有価証券を徴収職員に、占有して差し押さえることができるように提供することをいう。

差押えの制限

(親族その他の特殊関係者の判定)

2 法第58条第1項の「親族その他の特殊関係者」とは、令第13条各号に掲げる者をいい(法第38条参照)、これに該当するかどうかの判定は、差押えをしようとする時の現況によるものとする。

(第三者が占有している財産でないものとみなす場合)

3 次に掲げる場合には、それぞれに掲げる者は、法第58条第1項の規定による差押えについての制約を受けない(令第24条第4項、第5項)。

(1) 法第24条第3項《譲渡担保財産の滞納処分》の規定により譲渡担保財産につき差押えをする場合 その譲渡担保財産を占有する滞納者(譲渡担保権設定者)又はその親族その他の特殊関係者

(2) 第二次納税義務者又は保証人として納付すべき国税の滞納処分として、その者の財産につき差押えをする場合 その財産を占有する滞納者(主たる滞納者)又はその親族その他の特殊関係者

(執行官が動産等を占有する場合)

4 執行官が滞納者の動産又は有価証券を仮差押え又は仮処分により占有している場合においても、差し押さえることができる(法第140条参照。強制執行又は競売による差押えがされている場合には、滞調法が適用される。)。この場合において、執行官が占有する前に法第58条第1項の第三者がその動産又は有価証券を占有していたときは、その動産又は有価証券につき法第58条第1項の第三者が占有権を有しているときは、その第三者との関係においては、法第58条及び第59条《第三者が占有する動産等の差押手続等》等の規定が適用される。

(占有)

5 法第58条第1項の「占有」とは、物が外観的に直接支配されている状態をいい、時間的継続及びその主体の意思を問わない(大正3.10.22大判参照)。

(引渡しの拒否)

6 法第58条第1項の「引渡を拒む」とは、徴収職員が動産又は有価証券を占有して差し押さえようとすることを拒むことをいう。

引渡命令

(発付の要件)

7 引渡命令は、次に掲げる要件を満たしたときに発することができる(法第58条第2項前段)。これらの要件に該当するかどうかの判定は、引渡命令を発する時の現況によるものとする。

(1) 滞納者の動産又は有価証券を占有する滞納者の親族その他の特殊関係者以外の第三者が引渡しを拒むとき。

(2) 滞納者が他に換価が容易であり(第50条関係5参照)、かつ、その滞納に係る国税の全額(第50条関係8参照)を徴収することができる財産を有しないと認められるとき。

(期限の指定)

8 法第58条第2項前段の「期限」は、引渡しを命ずる書面を発する日から起算して7日を経過した日以後の日としなければならない。この場合の「7日を経過した日」が休日等に当たるときは、これらの日の翌日をもってその期限とみなされる(通則法第10条第2項)。

(期限の繰上げ)

9 令第24条第3項の「国税通則法第38条第1項第1号(強制換価手続等があつた場合の繰上請求)の規定に該当する事実が生じたとき、その他特にやむを得ない必要があると認められるとき」とは、第三者につき同法第38条第1項各号に該当する事実が生じた場合等で、かつ、引渡命令に係る期限後においてはその財産の差押えをすることができないと認められるとき(ただし、期限内に引渡しがあると認められるときを除く。)をいう。

(引渡命令)

10 法第58条第2項前段の規定による引渡命令は、その命令に係る動産又は有価証券を差し押さえるための前提要件であり、令第24条第1項各号《引渡命令書の記載事項》に掲げる事項を記載した書面により行う。この書面の様式は、別に定めるところによる。

(滞納者に対する通知)

11 法第58条第2項後段の規定による滞納者に対する通知は、令第24条第2項各号《引渡命令に係る通知の記載事項》に掲げる事項を記載した書面により行う。この書面の様式は、別に定めるところによる。

引渡命令書を送達した後他の第三者に占有が移転している場合

12 法第58条第2項前段の引渡命令書を送達した後、他の第三者に占有が移転している場合の差押えについては、次のことに留意する。

(1) 占有の移転により、引渡命令に係る滞納者の動産又は有価証券を現に占有する第三者がその引渡しを拒むときは、(2)の場合を除き、その第三者に対して改めて引渡命令を発しなければならない。

(2) 占有の移転が相続又は法人の合併若しくは分割等の包括承継による場合には、引渡命令を再び発する必要はない。

差押動産等の搬出の制限

13 法第58条第2項前段の規定による引渡命令を受けた第三者が、その引渡命令に係る財産が滞納者の所有に属していないことを理由として、その引渡命令につき不服申立てをしたときは、その不服申立ての係属する間は、その財産を搬出することができない(法第172条)。この場合において、再調査の請求についての決定から審査請求がされるまでの間(審査請求をすることができる間に限る。)は、第90条関係10の「訴訟の係属する間」に準じ、その財産の搬出を行わないものとする。