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第51条関係 相続があった場合の差押え

相続があった場合の差押え

(法第49条との関係)

1 法第51条の規定による相続人の権利と第三者の権利とが競合する場合には、第三者の権利を尊重するものとする(法第49条、第50条参照)。

(滞納処分の執行上の支障)

2 法第51条第1項の「支障」とは、おおむね次に掲げる事項をいう。

(1) 第三者の権利の目的となっている相続財産以外に、差押えをすることができる適当な相続財産がないこと。

(2) 第三者の権利の目的となっている相続財産以外の差押えができる相続財産が、すべて換価の著しく困難な財産(差押え困難なものを含む。)だけであること。

(注) 上記の「換価の著しく困難な財産」とは、例えば、弁済期が長期にわたるためその取立てが困難な債権、登記所備え付けの地図に表示された位置及び区画と現地のそれとが著しく相違している土地、訴訟により所有権の帰属が争われており法律的に問題のある財産等をいう。

(限定承認等との関係)

3 限定承認(民法第922条)があったときは、被相続人の国税の弁済の責任は相続財産の範囲に限定されるため(通則法第5条第1項後段)、その国税によって相続人の固有財産が滞納処分を受けることはない。
 なお、相続の放棄(民法第938条)をした者については、被相続人の国税を承継しないため、法第51条の規定は適用がないことに留意する。

差押換えの請求

(換価が容易な相続財産)

4 法第51条第2項の「換価が容易な相続財産」については、第50条関係5と同様である。

(第三者の権利)

5 法第51条第2項の「第三者の権利」とは、第49条関係3に掲げる権利(法第19条第1項各号及び第20条第1項各号に掲げる先取特権以外の先取特権を除く。)のうち、差押換えの請求をした相続人以外の第三者の権利をいう。

(国税の全額)

6 法第51条第2項の「国税の全額」とは、納税義務の承継をした被相続人の国税の全額であり、納付責任のある国税も含まれる。

(請求の方法及び期限)

7 法第51条第2項の規定による差押換えの請求は、令第20条各号《差押換えの請求書の記載事項》に掲げる事項を記載した書面により相続人の固有財産で差し押さえられたものの公売公告の日(随意契約による売却をする場合にはその売却決定の時、また、その財産が金銭による取立ての方法により換価するものである場合にはその取立てが終わる時)までにしなければならない。

(請求を相当と認めるとき)

8 法第51条第3項の差押換えの「請求を相当と認めるとき」とは、相続人が差し押さえるべきことを請求した相続財産により被相続人の国税の全額を徴収することができると認められるときをいうが、次に掲げるときは、その請求を相当と認めるものとする。

(1) 被相続人の国税について他に差し押さえた相続財産がある場合において、その財産と相続人が差し押さえるべきことを請求した相続財産とにより、被相続人の国税の全額を徴収することができると認められるとき。

(2) 差押換えの請求に係る差押えのほか、交付要求をしている場合において、その交付要求に基づく配当が比較的近い時期において確実に得られ、被相続人の国税の全額を徴収することができると認められるとき。

(3) 徴収職員において、新たに換価が容易であり、かつ、第三者の権利の目的となっていないもので被相続人の国税の全額を徴収することができる相続財産を発見したとき。

(4) 2人以上の相続人がそれぞれ差押換えを請求した場合において、差し押さえるべきことを請求した相続財産の価額が被相続人の国税に満たないときにおいても、その相続財産を一括換価(第89条関係5参照)することにより被相続人の国税を徴収することができると認められるとき。

(請求を相当と認めないとき)

9 税務署長は、法第51条第2項の規定による差押換えの請求を相当と認めないときは、その旨を差押換えを請求した相続人に通知しなければならない(法第51条第3項)。この書面の様式は、別に定めるところによる。

(法第48条との関係)

10 法第51条第2項の規定による差押換えの請求に基づく差押えのため一時的に超過差押えとなっても、法第48条第1項《超過差押えの禁止》の規定に反するものではない。

(滞納処分の制限の解除)

11 差押換えをしようとする場合の新たな差押えは、法その他国税に関する法律の規定により新たな差押えをすることができない場合(第47条関係16参照)であっても、することができる(法第51条第3項、第50条第5項)。