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第48条関係 超過差押え及び無益な差押えの禁止

超過差押えの禁止

(意義)

1 法第48条第1項の規定は、徴収職員が第47条関係17の財産の選択基準に従い差押えをする場合において、国税の徴収に十分な価額の財産を選択し、差し押さえたときは、それ以外の財産の差押えをしてはならないことを定めたものである。
 なお、超過差押えであっても、一部の差押解除等により超過差押えでなくなったときは、その違法性は治ゆされる(昭和34.3.23山口地判参照)。

(財産の価額の計算)

2 1の財産の価額は、差し押さえようとする時の処分予定価額によるものとし、差押えに係る国税に優先する他の国税、地方税、公課その他の債権がある場合には、その処分予定価額からこれらの優先すると認められる債権の額に相当する金額を控除した後の価額によるものとする。

(不可分物)

3 差押財産が不可分物である場合には、その財産の価額が差押えに係る国税の額を超過するときであっても、その差押えは違法でない(昭和46.6.25最高判参照)。
 なお、上記の不可分物とは、おおむね次に掲げるものをいう。

(1) 物の性状から分割することができないもの(例えば、1個の動産)

(2) 分割することはできるが、分割することにより物の経済的価値を著しく害するもの(例えば、1棟の家屋)

(3) 法律上分割して売却することができないもの(例えば、工場財団の組成物件)

(滞納処分の引継ぎをしている場合の判定)

4 滞納処分の引継ぎをしている場合において、その引継ぎを受けた税務署長が差し押さえた財産があるときは、滞納処分の引継ぎをした税務署長が、当該財産を含めたところで超過差押えの有無を判定するものとする。

(超過差押えの禁止の例外)

4-2 租税特別措置法第70条の7第1項《非上場株式等についての贈与税の納税猶予》の規定による納税の猶予の担保として同項に規定する特例受贈非上場株式等に係る同項の認定贈与承継会社の株式又は出資が提供された場合において、当該株式又は出資を換価に付しても買受人がいないときは、法第48条第1項の規定にかかわらず、当該担保を提供した納税者の他の財産を差し押さえることができる(租税特別措置法第70条の7第14項第7号)。
 なお、租税特別措置法第70条の7の2第1項《非上場株式等についての相続税の納税猶予》の規定による納税の猶予の担保として同項に規定する特例非上場株式等に係る同項の認定承継会社の株式又は出資が提供された場合及び同法第70条の7の4第1項《非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予》の規定による納税の猶予の担保として同項に規定する特例相続非上場株式等に係る認定相続承継会社の株式又は出資が提供された場合も同様である(同法第70条の7の2第14項第7号、第70条の7の4第11項)。

無益な差押えの禁止

(財産の価額等)

5 法第48条第2項の「差し押えることができる財産の価額」とは差押えをしようとする時における差押えの対象となる財産の処分予定価額を、「差押に係る滞納処分費」とは差し押さえようとする財産に係る滞納処分費の見込額を、「徴収すべき国税に先だつ他の国税、地方税その他の債権の金額」とは差押えをしようとする時においてその差押えに係る国税に優先すると認められる他の国税、地方税、公課その他の債権のその時における債権額を、それぞれいうものとする。
 なお、差し押さえることのできる財産の価額や優先する債権の金額の正確な評価は実際上必ずしも容易ではなく、その厳密な評価を要するとすると滞納処分の円滑な遂行が期待できないこと、優先する債権の金額は弁済などによって減少する可能性があること等を考慮すると、差押えの対象となる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき税に優先する他の税金その他の債権額の合計額を超える見込みのないことが一見して明らかでない限り、直ちに当該差押えが違法となるものではない(平成11.7.19高松高判参照)。

(個別財産についての判定)

6 法第48条第2項の「合計額をこえる見込がないとき」とは、差押えの対象となる財産についてそれぞれ個別に判定すると合計額を超える見込みがない場合をいうが、これらの財産の全部又は一部を一体として判定すると合計額を超える見込みがある場合を含まない。例えば、数個の不動産上に国税に優先する共同担保権が設定されている場合に、その不動産について個別に判定すると差押えに係る滞納処分費及びその被担保債権の合計額を超える見込みはないが、その数個の不動産の全部又は一部を一体として判定すると、その合計額を超える見込みのある場合は、無益な差押えにはならない。