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第38条関係 事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務

納税義務の成立

(特殊関係者)

1 法第38条の生計を一にする親族その他納税者と特殊な関係のある個人又は被支配会社(これに類する法人を含む。)で「政令で定めるもの」とは、令第13条第1項《納税者の特殊関係者の範囲》に規定する者をいう。この場合において、同項各号に掲げる者に該当するかどうかの判定は、納税者がその事業を譲渡した時の現況によるから(令第13条第2項)、その後離婚、解雇等によって各号に掲げる者に該当しないこととなっても、法第38条の規定が適用される。

2 削除

(親族)

3 令第13条第1項第1号《納税者の特殊関係者の範囲》の「親族」とは、六親等内の血族及び三親等内の姻族(民法第725条)をいう。

(生計を一にする)

4 令第13条第1項第1号《納税者の特殊関係者の範囲》の「生計を一に」するは、第37条関係6と同様である。

(生計の維持)

5 令第13条第1項第1号から第3号まで《納税者の特殊関係者の範囲》の「生計を維持」とは、給付を受けた金銭その他の財産及びその金銭その他の財産の運用によって生ずる収入を日常生活の資の主要部分(おおむね2分の1以上とする。)としていることをいう。

(特別の金銭等)

6 令第13条第1項第2号及び第3号《納税者の特殊関係者の範囲》の「特別の金銭」とは、給料、俸給、報酬、売却代金等の役務又は物の提供の対価として受ける金銭以外で、対価なく又はゆえなく対価以上に受ける金銭をいい、また、「その他の財産」についても、おおむねこれと同様である。

(財産の提供)

7 令第13条第1項第3号《納税者の特殊関係者の範囲》の「財産を提供して」いる場合には、財産を譲渡している場合のほか、賃貸等により利用させている場合も含まれる。

(被支配会社に該当する他の会社)

8 令第13条第1項第6号《納税者の特殊関係者の範囲》の「被支配会社に該当する他の会社」とは、具体的には次に掲げる会社をいう。

(1) 下図のA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1及びD2

(2) 下図のA、A1、B、B1、C、C1、D及びD1の全部又は一部を判定の基礎として被支配会社に該当する会社
 例えば、次に掲げる会社が該当する。

イ A、Bを判定の基礎として被支配会社に該当する会社

ロ C、D1を判定の基礎として被支配会社に該当する会社

ハ B1、C1を判定の基礎として被支配会社に該当する会社
被支配会社に該当する他の会社の図

(注)1 上図のうちA(個人の場合に限る。)、B、C及びDは、令第13条第1項第4号《納税者の特殊関係者の範囲》の特殊関係者に該当する。

2 令第13条第1項第6号かっこ書《納税者の特殊関係者の範囲》のうち前者の「これらの者」とは上図のAをいい、後者の「これらの者」とは上図のA、B、C及びDをいう。

3 令第13条第1項第6号かっこ書《納税者の特殊関係者の範囲》の「被支配会社に該当する他の会社」とは、上図のA1、B1、C1及びD1をいう。

(事業譲渡)

9 法第38条の「事業の譲渡」とは、納税者が一個の債権契約で、一定の事業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産の全部又は重要な一部を令第13条第1項《納税者の特殊関係者の範囲》に規定する者に譲渡することをいうが、一個の債権契約によらないものであっても、社会通念上同様と認められるものはこれに該当する(昭和40.9.22最高判、昭和41.2.23最高判参照)。したがって、得意先、事業上の秘けつ又はのれん等を除外して、工場、店舗、機械、商品等の事業用財産だけを譲渡する場合には、法第38条の事業譲渡には該当しない。
 なお、事業譲渡については、次のことに留意する。

(1) 社員が2人以上ある持分会社にあっては、定款に別段の定めがある場合を除き、事業譲渡につき社員の過半数による決定が必要である(会社法第590条第2項、第650条第3項)。

(2) 株式会社にあっては、原則として事業譲渡につき株主総会の特別決議によってその契約の承認を得ることが必要である(会社法第467条第1項、第468条、第309条第2項第11号参照)。

(注)1 一人会社にあっては、招集手続がなくても、1人の株主の意思決定により解散決議をし得る(昭和44.3.18大阪地判、昭和46.6.24最高判参照)ことから、客観的事実(例えば、事業譲渡をした後に廃業しているような場合)に基づき、招集手続がなくても事業譲渡の特別決議があったと認定できる場合には、法第38条の「事業の譲渡」に該当する。また、一人会社と実質的に同様と認められるような株式会社についても、同様である(昭和52.2.14最高判参照)。

2 株式会社が解散し特別清算をする場合において、清算株式会社が事業譲渡をするときは、裁判所の許可が必要である(会社法第536条)。

3 会社更生法の適用を受けた株式会社が事業譲渡をする場合には、株主総会の特別決議を要せず、更生計画の定めによってすることができる(会社更生法第167条第2項、第210条)。

(3) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定により事業の譲受けにつき制限を受ける場合がある(同法第16条参照)。

(4) 法人の分割(会社法第757条、第762条参照)によって事業の譲渡が行われた場合についても、第38条の「事業の譲渡」に該当するものとする。

(注) 法人の分割(分社型分割を除く。)による事業の譲渡が行われた場合は、当該分割により事業を承継した法人に対して通則法第9条の3《法人の分割に係る連帯納付の責任》の連帯納付責任を追及することができる。

(5) 財産分与(民法第768条、第771条)として行われた事業譲渡について、その事業譲渡が財産分与として社会通念上相当と認められる場合には、法第38条の規定を適用しないものとする。

10 削除

(類似の事業)

11 法第38条の「類似の事業」とは、譲り受けた事業につき重要な事業活動の施設又は態様の変更をその事業内容に加えることなく事業活動が行われているような場合のその譲受け後の事業をいう。

(類似の事業の判定の時期)

12 法第38条の「同一又は類似の事業を営んでいる」かどうかの判定は、納付通知書を発する時の現況による。

(事業に係る国税)

13 法第38条の「事業に係る国税」が一つの国税の一部である場合の国税の額の算定は、第36条関係2と同様である(令第12条第3項)。

(徴収すべき額に不足すると認められるとき)

14 法第38条の「徴収すべき額に不足すると認められるとき」の判定は、第22条関係4と同様であり、また、その判定の時期は、第33条関係1と同様である。

(1年以上前)

15 法第38条の「1年以上前にされている場合は、この限りでない」とは、法定納期限の1年前の応当日以前に譲渡した場合は法第38条の規定の適用がないことをいう。この場合の応当日については、通則法第10条第2項《期限の特例》の規定は適用されない。

納税義務の範囲

(譲受財産)

16 法第38条の「譲受財産」とは、譲受けに係る事業に属する積極財産をいい(平成23.2.22東京高判参照)、事業の譲受け後に取得した財産は含まれない。

(譲受財産の価額)

17 法第38条の「譲受財産の価額」とは、事業譲渡を受けた時における譲受けに係る事業に属する積極財産の価額をいう。