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旧定率法を旧定額法に変更した後に資本的支出をした場合

【照会要旨】

 自動車整備業を営むAは、機械・装置の償却方法について旧定率法を選定していましたが、平成28年分から旧定額法に変更することとし、平成28年2月に旧定額法への変更承認申請書を提出しました(みなし承認済み)。
 ところで、平成19年1月に取得した自動車整備用の設備(自動車整備業用設備)について、平成29年7月にその設備に対して資本的支出を行いましたが、この場合、減価償却費はどのように計算するのでしょうか。

  1. (1) 取得価額:3,000,000円
  2. (2) 法定耐用年数:15年(旧定額法の償却率0.066、定額法の償却率0.067)
  3. (3) 平成28年1月1日の未償却残額:755,972円(耐用年数の適用等に関する取扱通達付表7(1)による経過年数9年)
  4. (4) 平成28年分において適用した耐用年数:6年(旧定額法の償却率0.166)
  5. (5) 平成28年分の減価償却費:75,692円
  6. (6) 平成29年1月1日の未償却残額:680,280円
  7. (7) 資本的支出の金額:1,200,000円
  8. (8) 資本的支出時における自動車整備用の設備の再取得価額(新品の価額):2,500,000円

【回答要旨】

 照会の場合は、減価償却資産と資本的支出について耐用年数6年を使って減価償却費を計算することができます。

 減価償却資産に資本的支出をした場合は、その資本的支出の部分について、原則として、もとの減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却費を計算しますが(以下「本則」といいます。)(所得税法施行令第127条第1項)、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産について資本的支出をした場合には、その支出した金額をその減価償却資産の取得価額に加算することができます(以下「特例」といいます。)(同条第2項)。
 また、照会について、この特例によった場合の減価償却費の計算の基礎となる耐用年数は、次の場合に応じそれぞれ次に定める年数によります(所得税基本通達49-20の2)。

  • 1 その資本的支出の金額がその減価償却資産の再取得価額の50%に相当する金額以下の場合・・・・・・その減価償却資産につき現に適用している耐用年数
  • 2 1以外の場合・・・・・・その減価償却資産について定められている耐用年数

 照会の場合には、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産について資本的支出をしていますので、特例を適用することができます。さらに、資本的支出の金額がその減価償却資産の再取得価額の50%に相当する金額以下(1,200,000円≦2,500,000円×50%)ですので、その減価償却資産につき現に適用している耐用年数6年を使って減価償却費を計算することができます。平成29年分の具体的な減価償却費の計算は、次のとおりです。

  • (1) 平成29年の減価償却費の計算
    • イ 本体部分
       {755,972円−(3,000,000円×10%)}×0.166×12/12=75,692円(未償却残額604,588円)
    • ロ 資本的支出部分
       {1,200,000円−(1,200,000円×10%)}×0.166×6/12=89,640円(未償却残額1,110,360円)
    • ハ 平成29年分の償却費の額
       75,692円+89,640円=165,332円
  • (2) 資本的支出後の取得価額
     755,972円+1,200,000円=1,955,972円
  • (3) 期末未償却残額
     604,588円+1,110,360円=1,714,948円

【参考】本則を適用した場合の平成29年の減価償却費の計算

  1. イ 本体部分
     {755,972円−(3,000,000円×10%)}×0.166×12/12=75,692円(未償却残額604,588円)
  2. ロ 資本的支出部分
     1,200,000円×0.067×6/12=40,200円(未償却残額1,159,800円)
  3. ハ 平成29年分の償却費の額
     75,692円+40,200円=115,892円

【関係法令通達】

 所得税法第49条、所得税法施行令第120条第1項、第120条の2第1項、第127条第1項、第2項、所得税基本通達49-20、49-20の2、耐用年数の適用等に関する取扱通達付表7(1)

注記
 平成29年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。