ここから本文です。

ホーム税について調べる質疑応答事例財産の評価目次一覧新株引受権等が発生している場合の価額修正の要否

株式の割当てを受ける権利等が発生している場合の価額修正の要否

【照会要旨】

 課税時期において株式の割当てを受ける権利等が発生している場合には、配当還元方式で計算した株式の価額について修正を要するのでしょうか。

【回答要旨】

 配当還元方式により計算した株式の価額の修正は行いません。

(理由)

1 課税時期が株式の割当基準日の翌日からその株式の割当ての日までの間にある場合には、増資による株式の増加は実現していませんが、株式の割当てを受ける権利が発生していることになり、株式とは別に独立したものとして評価することとしています(評基通190)。この場合、株式が上場株式であれば、その株式の割当てを受ける権利の発生と同時に株式の価額は権利落のものとなり、取引相場のない株式については、評価する株式の価額はその株式の割当てを受ける権利を含んだものとなります。
 そこで、1株当たりの純資産価額や類似業種比準価額などの原則的評価方式による方法で評価した取引相場のない株式の価額については、その価額を修正することとしています(評基通184、187、189-7)。

2 一方、配当還元方式による配当還元価額は、課税時期の直前期末以前2年間の配当金額だけを株価の価値算定の要素としているものであり、かつ、その配当金額は企業の実績からみた安定配当によることとしていることに基づくものです。
 増資は、一般的に企業効率の向上を図るためそれぞれの目的のもとに行われるものであり、増資による払込資金は、通常事業活動に投下され相応の収益を生むこととなります。一般に、増資によって株式数が増加しただけ1株当たりの配当金が減少するとは限らず、むしろ維持されるのが通常です。
 このようなことから、安定配当の金額を基礎として評価した株式の価額は、株式の割当てを受ける権利等の権利が発生している場合であっても、1株当たりの純資産価額や類似業種比準価額などの原則的評価方式による方法で評価する株式の場合と同一に考えることは適当ではありませんので、配当還元方式により計算した株式について課税時期において株式の割当てを受ける権利等が発生していても、その株式の価額の修正は行いません。

【関係法令通達】

 財産評価基本通達187、188、188-2、189-7、190〜193

注記
 平成28年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。