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ホーム税について調べる質疑応答事例法人税目次一覧分割と合併を同日に行う場合に当該分割により移転する資産及び負債に係る譲渡損益の取扱いについて

分割と合併を同日に行う場合に当該分割により移転する資産及び負債に係る譲渡損益の取扱いについて

【照会要旨】

 A社は、B社を分割承継法人とする吸収分割(以下「本件分割」といいます。)を行うことを予定しています。なお、本件分割は適格要件を満たさないため、非適格分割に該当します。
 また、本件分割後のA社は、本件分割の直後(本件分割の日と同日)に、C社を合併法人とする吸収合併(以下「本件合併」といいます。)により消滅する予定です。

 非適格分割により分割承継法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、当該移転をした資産及び負債の当該分割の時の価額による譲渡をしたものとされ、その譲渡損益額は、原則的には、当該分割を行った日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入されます。しかし、A社は本件合併により解散し、その最後事業年度は、事業年度開始の日から本件合併の日(本件分割の日と同日)の前日までの期間となりますので、分割を行った日の属する事業年度がないこととなります。

 この場合、本件分割によりB社に移転する資産及び負債に係る譲渡損益は、どのように取り扱うこととなりますか。

譲渡損益の図

【回答要旨】

 本件分割によりB社に移転する資産及び負債に係る譲渡損益は、A社の最後事業年度(本件合併の日の前日の属する事業年度)の益金の額又は損金の額に算入することとなります。

(理由)

1 内国法人が合併又は分割により合併法人又は分割承継法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、当該合併法人又は分割承継法人に当該移転をした資産及び負債の当該合併又は分割の時の価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の所得の金額を計算することとされています(法62丸1)。
 そして、被合併法人が合併により合併法人に移転をした資産及び負債に係る譲渡損益額は、資産及び負債を移転した日(合併の日)の属する事業年度ではなく、当該合併に係る最後事業年度(※)の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入することとされています(法62丸2)。
 一方で、分割法人が分割により分割承継法人に移転をした資産及び負債に係る譲渡損益額については、上記の合併のように別段の定めがありませんので、原則的には、資産及び負債を移転した日(分割の日)の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入することとなります。

(※) 被合併法人の合併の日の前日の属する事業年度をいいます(法62丸2)。法人が事業年度の中途において合併により解散した場合には、その事業年度開始の日から合併の日の前日までの期間がみなし事業年度とされますので(法14丸1二)、このみなし事業年度が合併に係る最後事業年度となります。

2 法人が事業年度の中途において合併により消滅した場合のみなし事業年度(最後事業年度)については、平成13年度税制改正前においては、事業年度開始の日から合併の日までの期間とされていましたが、同改正によって、事業年度開始の日から合併の日の前日までの期間と改められました。
 また、同改正によって、合併に係る被合併法人の移転資産等の譲渡損益については、合併の日の前日の属する事業年度(みなし事業年度)の益金の額又は損金の額に算入することとされました。
 被合併法人の移転資産等の譲渡損益は、本来であれば、合併の日の属する事業年度に計上すべきものと考えられますが、合併の日だけの1日の事業年度を設けることによる納税者への負担を考慮して、便宜的にこのような規定とされたものと考えられます。

 このような考え方からすれば、被合併法人が、合併の日と同日(合併の直前)に行う分割に係る移転資産等の譲渡損益についても、合併に係る移転資産等の譲渡損益と同様に取り扱い、合併の日の前日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入するのが相当と考えられます。

 また、本照会においては、本件分割に係る資産及び負債の移転の後に残された資産及び負債が、本件合併による移転の対象となりますので、このような資産及び負債の移転の順番から考えても、本件分割に係る資産及び負債の移転を本件合併に係る資産及び負債の移転よりも後に認識することは不合理と考えられます。

3 以上のことからすれば、本件分割により移転する資産及び負債に係る譲渡損益は、A社(分割法人かつ被合併法人)の最後事業年度(合併の日の前日の属する事業年度)の益金の額又は損金の額に算入するのが相当と考えられます。

【関係法令通達】

 法人税法第14条第1項第2号、第62条

注記
 平成28年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。