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ホーム税について調べる質疑応答事例法人税目次一覧いわゆる屋根貸し事業における環境関連投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の5)の適用について

いわゆる屋根貸し事業における環境関連投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の5)の適用について

【照会要旨】

 甲社は、複数の住宅の屋根のスペースをそれぞれ第三者から賃借し、当該賃借した屋根に次のとおり太陽光発電設備を設置して発電事業を行うことを予定しています。

設置場所 甲社が設置した各太陽光発電設備 出力の合計
屋根A 設備a 出力3kw 12kw
屋根B 設備b 出力4kw
屋根C 設備c 出力5kw

(注) 屋根A、B、Cはそれぞれ離れた場所にある。

 甲社は、自らが行う発電事業の用に供する上記各太陽光発電設備について、その出力を合計すると10kw以上となることから、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下「再生エネルギー法」といいます。)第6条第1項《再生可能エネルギー発電設備を用いた発電の認定等》に規定する経済産業大臣による認定(以下「設備認定」といいます。)を受ける予定です。
 この場合、旧租税特別措置法第42条の5《エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》(以下「環境関連投資促進税制」といいます。)の適用対象資産の要件である「(認定発電設備の)出力が10 kw以上」(旧措令27の51)であるかの判定においても、甲社が設置する各太陽光発電設備の出力を合計すると10 kw以上となりますので、当該要件を満たすと解して差し支えありませんか。

(注) 再生エネルギー法に定める固定価格買取制度で売電するためには、発電設備が経済産業省令で定める基準に適合すること等について、設備認定を受ける必要があるところ、次の1から4までの要件を全て満たす、複数太陽光発電設備設置事業(いわゆる「屋根貸し事業」)を営む発電事業者は、当該事業に用いる太陽光発電設備について設備認定を受けた場合には、固定価格買取制度の対象とすることとされています(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(以下「再生エネルギー法規則」といいます。)81六、七)。

  • 1 太陽光発電設備を自らが所有していない複数の場所に設置すること
  • 2 太陽光発電設備は、出力が1箇所当たり10kw未満で、合計すると10kw以上になること(10kw未満を複数戸組み合わせる。)
  • 3 全量配線であること
  • 4 設置場所(屋根)の所有者の承諾を得ていること

【回答要旨】

 「(認定発電設備の)出力が10kw以上」であるかどうかは、法人が行う発電事業の用に供する設備ごとに判定します。各設備の出力の合計により判定を行うものではありませんので、甲社が設置する各設備はいずれも当該出力の要件を満たしません。

(理由)
 環境関連投資促進税制の対象となる資産は、設備認定を受けた設備であるため、旧租税特別措置法施行令第27条の5第1項《エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》に規定する「出力が10kw以上」かどうかの判定については、設備認定を受けた設備ごとに行うことが適当です。
 また、設備認定において、再生エネルギー法規則第8条第6号《認定基準》に規定する複数太陽光発電設備設置事業に用いる太陽光発電設備についても、あくまで一の需要場所(電気事業法施行規則第3条第2項に規定する一の需要場所をいいます。)ごとに認定を行うこととされています。その結果、複数太陽光発電設備設置事業に係る認定通知書(「再生可能エネルギー発電設備を用いた発電の認定について(通知)」)は、全ての設備を合計して1通の認定通知書が発行されるわけではなく、設備ごとに発行がされています。
 以上のとおり、「出力が10kw以上」であるかの判定については、法人が行う発電事業の用に供する設備ごとに行うこととなりますので、甲社が本件屋根貸し事業(複数太陽光発電設備設置事業)に供しているa、b、cの各設備については、いずれも出力が10kw未満であり、各認定通知書の発電出力欄にもそれぞれ10kw未満の数値が記載されることからすれば、「出力が10kw以上」の要件を満たさないため、環境関連投資促進税制の対象とはなりません。

(参考)

  • 1  青色申告法人が、平成23年6月30日から平成28年3月31日までの期間内に一定の太陽光発電設備を取得等し、取得等した日から1年以内に事業の用に供した場合(貸付けの用に供した場合及び電気事業法第2条第1項第16号に規定する電気事業の用に供した場合を除きます。)には、その取得価額の30%の特別償却(中小企業者等は7%の税額控除との選択適用)ができることとされています(旧措法42の512)。
  • 2  太陽光発電設備について、環境関連投資促進税制の適用を受ける場合には、その適用を受ける事業年度の確定申告書等に、その減価償却資産が太陽光を電気に変換する認定発電設備でその出力が10kw以上であるものであることを証するものとして、1再生エネルギー法規則第7条第1項《認定手続》の申請書の写し及び2経済産業大臣の再生エネルギー法第6条第1項の認定をした旨を証する書類(認定通知書)の写しを添付しなければならないとされています(旧措令27の5 19、旧措規20の23)。
  • 3   複数太陽光発電設備設置事業に係る認定通知書には、配線方法欄に「全量配線」、設備仕様欄の発電出力欄には各太陽光発電設備の出力(10kw未満の数値)が記載されます。また、備考欄に「屋根貸し」と記載されることとなります。

(注)   平成28年度税制改正において、対象となる太陽光発電設備を電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の認定発電設備以外のものとする見直しが行われました。
 この改正は、平成28年4月1日以後に取得等をするものについて適用され、同日前に取得等をしたものについては従前どおり適用されます。

【関係法令通達】

 旧租税特別措置法第42条の5
 旧租税特別措置法施行令第27条の5第1項、第9項
 旧租税特別措置法施行規則第20条の2第3項
 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法第6条第1項
 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則第8条第1項第6号、第7号
 電気事業法施行規則第3条第2項
 電気事業法施行規則附則第17条

※ 旧租税特別措置法・・・・・・・・・・・平成28年度税制改正前の租税特別措置法
  旧租税特別措置法施行令・・・・・平成28年度税制改正前の租税特別措置法施行令
  旧租税特別措置法施行規則・・・平成28年度税制改正前の租税特別措置法施行規則

注記
 平成28年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。