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NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について

【照会要旨】

 NPO法人A会(以下「A会」といいます。)は、特定非営利活動促進法により設立された特定非営利活動法人であり、法人税法上の公益法人等に該当します(法法2六、特定非営利活動促進法701)。
 今般、A会は、障害者総合支援法(注)に規定する障害福祉サービスを、利用者に対して提供することとしていますが、当該サービスはA会の本来の目的として行う事業であり、公益性を有するものであることから、法人税の納税義務はないと解してよいでしょうか。
 (注)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律をいいます。

【回答要旨】

 原則、法人税法上の収益事業に該当し、法人税の納税義務があります。

(理由)

 法人税法上、公益法人等は、収益事業から生ずる所得以外の所得については、法人税を課さないこととされています(法法41)。ここにいう収益事業とは、法人税法施行令第5条第1項各号((収益事業の範囲))に掲げる34の事業をいいます。
 このため、その行う事業が公益法人等の本来の目的たる事業であるかどうかや会員等に対して利益の分配を行わない(非営利)といったことにより、収益事業に該当するかどうかの判断を行うものではありません。
 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスは、障害者に対して介護等の提供を行う対人サービスであり、こうした障害者は医療保健面でのケアを必要とするのが通例であることから、医療と密接な連携がなされており、実際面において、これらは、個別支援計画の策定過程等を通じて確保されますので、このような特徴を有する障害福祉サービスは、原則として収益事業である「医療保健業」に該当します(法令51二十九)。他方、就労移行支援に代表されるように、看護師の関与も求められていないものについては、必ずしも「医療保健業」とは言えないのではないかと考える向きもあるようです。この点、基本的には上述のとおり、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスは「医療保健業」に該当すると考えられますが、仮に、個別の事業者のサービス内容から見て、実態として医療や保健といった要素がないサービスを提供しているようなケースがあったとしても、障害者総合支援法の下で、事業者と利用者との間で利用契約を締結し、利用者からそのサービスの対価を受領することになりますので、そうした契約関係等を踏まえれば、法人税法施行令第5条第1項第10号に規定する収益事業である「請負業(事務処理の委託を受ける業を含む。)」に該当します。
 したがって、NPO法人が行う障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスは通常、医療保健業か請負業のいずれかに該当し、法人税の納税義務があります。
 ただし、NPO法人が提供する障害福祉サービスが、実費弁償方式(1個々の契約ごとにその都度実費精算が行われるもの、2ごく短期間に実費精算が行われるもの、3手数料等の額が法令により実費弁償の範囲内で定められ、仮に剰余金が生じた場合には手数料を減額する等の適正な是正措置を講ずることになっているもの)により行われるもので、あらかじめそのことについて税務署長の確認を受けた場合については、収益事業としないものとされ(法人税基本通達15-1-28)、また、その障害福祉サービスに従事する者の半数以上が身体障害者等であり、かつそのサービスが身体障害者等の生活の保護に寄与している場合については、収益事業に含まれないものとされますので(法令52二)、いずれかの場合に該当するときには法人税の納税義務はありません。
 なお、法人税の額は、各事業年度の所得の金額を課税標準として、その所得の金額に税率を乗じて計算する仕組みとなっていますので、公益法人等が納税義務者として、法人税の申告をする場合であっても、収益事業から生じた所得がない(例えば赤字)場合には、納付する法人税額は生じません。

【関係法令通達】

 法人税法第2条第6号、第4条第1項
 法人税法施行令第5条第1項第10号、第29号、第2項第2号
 法人税基本通達15-1-1、15-1-27から15-1-29
 特定非営利活動促進法第70条第1項

注記
 平成29年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。