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ホーム税について調べる質疑応答事例法人税目次一覧老朽化地下貯蔵タンクに対する危険物流出防止対策費用に係る税務上の取扱い

老朽化地下貯蔵タンクに対する危険物流出防止対策費用に係る税務上の取扱い

【照会要旨】

 老朽化地下貯蔵タンクからの危険物(石油等)流出事故防止のため、危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)等が改正され、危険物(石油等)の製造所、貯蔵所又は取扱所の地盤面下に直接埋没された地下貯蔵タンクのうち、腐食のおそれが特に高いとされるもの等については、腐食を防止するためのコーティング等の改修を行わなければならないこととされました。こうした改修を行わない場合には、市町村長等から改修等を命ぜられ、改修等の命令に違反したときには、地下貯蔵タンクの使用許可の取消し又は使用停止を命ぜられることとなります。
 このように、一定の地下貯蔵タンクについては同規則等の改正により改修を行うことを義務付けられましたが、地下貯蔵タンクの保有者が同規則等の規定に従って行う改修は、原状機能と原状価値を維持できなくなることを防止するために行うものであり、通常の維持管理の範囲内の行為であることから、当該改修に係る費用は修繕費に該当すると解して差し支えありませんか。

《参考》

  • 1 危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)等の改正
     近年、消防法(昭和23年法律第186号)上で定める危険物(石油等)を一定数量以上取り扱う施設(危険物施設)における流出事故が増加傾向にあることから、老朽化地下貯蔵タンクの流出事故防止対策を図るため、既設の地下貯蔵タンクの設置年数、塗覆装の種類及び設計板厚から腐食のおそれが特に高いもの等について、腐食を防止するためのコーティング等の流出事故防止対策を講ずること等を内容とする「危険物の規制に関する規則等の一部を改正する省令(平成22年総務省令第71号)」が平成23年2月1日から施行されました。同省令により、腐食のおそれが特に高い地下貯蔵タンク等の構造及び設備に係る技術上の基準の改正、具体的には、既に設置年数等が要件を充足している地下貯蔵タンクの腐食を防止するための改修は、平成25年1月31日までの間に実施しなければならないこととされています。
     なお、上記の省令の公布に併せて、「危険物の規則に関する技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件(平成22年総務省告示第246号)」が平成23年2月1日から施行されています。
  • 2 改修内容等
     上記1の改正においては、地盤面下に直接埋没された鋼製一重殻の地下貯蔵タンクのうち、設置年数、塗覆装の種類及び設計板厚が一定の要件に該当するものを「腐食のおそれが特に高いもの」と「腐食のおそれが高いもの」に区分し、その区分に応じて地下貯蔵タンクの内面に腐食を防止するためのコーティング(※1)や電気防食(※2)を行うなど、地下貯蔵タンクの保有者が行わなければならない改修内容等が定められています。
    • ※1 地下貯蔵タンクの腐食の進行を抑制するためにクリーニング及び素地調整後、タンクの内面に厚さ2.0ミリメートル以上のFRP(ガラス繊維強化プラスチック)層を成形するもの。
    • ※2 地下貯蔵タンクの周囲に電極を埋める等をすることにより、地下貯蔵タンクへ外部から電流を流し、腐食の進行を防止するもの。

【回答要旨】

 照会意見のとおりに解して差し支えありません。

(理由)
 地下貯蔵タンクの保有者が参考1及び2の規定に従って行う改修は、法令等の改正により新たに義務付けられたものであり、当該地下貯蔵タンクの改修を行わない場合には、市町村長等から改修等を命ぜられ、改修等の命令に違反した場合には、地下貯蔵タンクの使用許可の取消し又は使用停止を命ぜられることとなります。
 今回改正された法令等に照らせば、地下貯蔵タンクの保有者が参考1及び2の規定に従って行う改修工事の内容は、老朽化した地下貯蔵タンクを流出事故が発生しない程度に機能回復するものであり、地下貯蔵タンクの原状機能と原状価値を維持できなくなることを防止するためのものと認められます。したがって、地下貯蔵タンクの保有者が参考1及び2の規定に従い改修を行うことは通常の維持管理の範囲内の行為であることから、当該改修に係る費用は修繕費に該当します。
 なお、既設の地下貯蔵タンクの改修を行わず、新たに地下貯蔵タンクを取得した場合の取得に要した費用は修繕費には該当せず、その取得に要した費用の全額は減価償却資産の取得価額となります。

【関係法令通達】

 法人税法施行令第132条

注記
 平成29年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。