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非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予に関するQ&A

《非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例関係》

Q1 贈与税の納税猶予の特例の適用を受けなければならない株式等の数等

 非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例(措法70の71)(以下Q6までにおいて「贈与税の納税猶予の特例」といいます。)の適用を受けるために必要な非上場株式等の贈与を受けたが、贈与を受けた株式等のうち贈与税の納税猶予の特例の対象となる株式の数又は金額(限度数又は限度額に達するまで部分)の全部についてこの特例の適用を受ける必要があるのか。

A1

 贈与税の納税猶予の特例の適用を受けるためには、一定の数等(限度数又は限度額に達するまでの部分)の非上場株式等の贈与を受けなければなりませんが、その贈与を受けた株式等の数等(限度数又は限度額に達するまでの部分)の全部についてこの特例の適用を受ける必要はなく、この特例の対象となる株式等の数等を限度として選択した部分(数等)について特例の適用を受けることができます。
 なお、このことについては、「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)」(以下Q11までにおいて「相続税の納税猶予の特例」といいます。)及び「非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予の特例(措法70の7の41)」(以下Q2までにおいて「贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予の特例」といいます。)においても同様であり、この特例の対象となる株式等の数等を限度として選択した部分(数等)について特例の適用を受けることができます。

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Q2 贈与税の納税猶予の特例と相続税の納税猶予の特例の適用関係

 子Aは、父から贈与を受けた甲株式会社の株式について贈与税の納税猶予の特例(措法70の71)の適用を受けていたが、その後、贈与者である父が死亡し、当該父に係る相続税の申告において贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予の特例(措法70の7の41)の適用を受けることとなった。
 ところで、子Aは、父が保有していた甲株式会社の株式を相続により取得したが、当該相続により取得した株式について相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)の適用を受けることは可能か。

A2

 子Aについては、父に係る相続開始の時において、現に贈与税の納税猶予の特例の適用を受ける特例受贈非上場株式等があるときは、父から相続により取得した同じ会社である甲株式会社の株式について、相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)の適用を受けることはできません。

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Q3 同族過半要件及び同族内筆頭株主等要件:会社が組織変更している場合

 子Aは、父から甲株式会社の株式を贈与により取得した。
 ところで、甲株式会社は、2年前に組織変更により、持分会社から株式会社に組織変更したところであり、贈与者である父が会社の代表権を有していた時期は、組織変更前の会社の時だけであり、株式会社になってからは代表権を有したことがない。
 この場合、租税特別措置法(以下Q11までにおいて「措置法」といいます。)施行令第40条の8第1項第1号に規定する同族過半要件及び同項第2号に規定する同族内筆頭株主等要件を満たさないことになるのか。

A3

 贈与者である父が代表権を有していた時が、組織変更前の会社の時であったとしても、会社は組織変更の前後を通じて同一人格を有するものと解されている(最判昭46.6.29)ことから、贈与の直前及び組織変更前の会社において代表権を有していた時において、措置法施行令第40条の8第1項第1号に規定する要件及び同項第2号に規定する要件を満たす場合には、同項各号の要件を満たすこととなります。

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Q4 資産保有型会社の判定:帳簿価額

 資産保有型会社に該当するか否かを判定する場合の会社の資産の帳簿価額とは、会社の貸借対照表上に計上されている資産の価額でよいのか。

A4

 中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」といいます。)規則第7条又は第13条に規定する経済産業大臣の認定又は確認において、会社が円滑化法規則第1条第12号に定められた資産保有型会社に該当するか否かを判定する場合の会社の資産の帳簿価額は、会社の貸借対照表上に計上されている価額により判定することとされています(中小企業経営承継円滑化法申請マニュアル)。
 非上場株式等についての納税猶予の特例の適用に当たり、会社が、措置法第70条の7第2項第1号に規定する認定贈与承継会社、同法第70条の7の2第2項第1号に規定する認定承継会社及び同法第70条の7の4第2項第1号に規定する認定相続承継会社に該当するか否かを判定する場合の要件のひとつに、贈与の時又は相続開始の時において、会社が資産保有型会社のうち一定の会社に該当しないことが要件とされていますが、ここにいう資産保有型会社の要件と円滑化法規則第1条第12号に定められた資産保有型会社の要件とは同じになっています。
 したがって、非上場株式等についての納税猶予の特例に当たり、会社が資産保有型会社に該当するかどうかを判定する場合の会社の資産の帳簿価額は、会社の貸借対照表上に計上されている価額によることとなります。
 なお、上記については、会社が資産保有型会社のうち一定の会社に該当したことによる納税の猶予に係る期限の確定事由に該当するか否かを判定する場合も同様です。

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Q5 贈与税の納税猶予の特例の適用を受けない場合の相続時精算課税の適用関係

 贈与税の納税猶予の特例(措法70の71)と相続時精算課税の適用関係について、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けるものとして選択した株式等と贈与税の納税猶予の特例の適用を受けないこととして選択しなかった同じ会社の株式等がある場合、特例の適用を受けないこととして選択しなかった株式等について相続時精算課税を適用することは可能か。

A5

 特例の適用を受けないこととして選択しなかった株式等については、相続時精算課税の規定を適用することができます。

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《非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例関係》

Q6 相続税の納税猶予の特例における相続(事業承継)の態様

 父の相続の開始に伴い、子A及び子Bが次に掲げる相続(事業承継)により取得した株式について相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)の適用を受けることはできるか。

  • (1) 甲株式会社の株式を子Aが、乙株式会社の株式を子Bが相続により取得した場合
  • (2) 甲株式会社及び乙株式会社の株式を子Aが相続により取得した場合
  • (3) 甲株式会社の株式を子A及び子Bが相続により取得した場合

A6

(1)について
 それぞれについて相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができます。
 ただし、子Aについて、既に亡父から生前に甲株式会社の株式の贈与を受け、父の相続開始時において、当該株式について現に贈与税の納税猶予の特例(措法70の71)の適用を受けている場合には、子Aは、同一会社である甲株式会社の株式について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできません。
 また同様に、子Bについて、既に亡父から生前に乙株式会社の株式の贈与を受け、父の相続開始時において、当該株式について現に贈与税の納税猶予の特例の適用を受けている場合には、子Bは、同一会社である乙株式会社の株式について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできません。

(2)について
 子Aについては、甲株式会社及び乙株式会社の株式の両方について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができます。
 ただし、子Aについて、既に亡父から生前に甲株式会社若しくは乙株式会社又は両方の会社の株式の贈与を受け、父の相続開始時において、当該いずれか又は両方の株式について現に贈与税の納税猶予の特例(措法70の71)の適用を受けている場合には、同一会社である甲株式会社若しくは乙株式会社又は両方の会社の株式について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできません。

(3)について
 同一会社の株式について2人以上が同時に相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできないことから、子A又は子Bのいずれかの者について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができます。
 ただし、子A又は子Bのいずれかの者が、既に亡父から生前に甲株式会社の株式の贈与を受け、父の相続開始時において、当該株式について現に贈与税の納税猶予の特例(措法70の71)の適用を受けている場合には、同一会社である甲株式会社について子A及び子Bのいずれの者についても相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできません。

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Q7 特定受贈同族会社株式等がある場合(1):平成21年改正前措置法第69条の5の適用を受ける場合

 子Aは、被相続人から過去に甲株式会社の株式の贈与を受け、当該株式については、平成21年改正前措置法(所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)による改正前の措置法をいいます。以下Q11までにおいて同じです。)第69条の5第10項の書類を所轄税務署長に提出している。
  子Aは、当該株式については、平成21年改正法(所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)をいいます。以下Q11までにおいて同じです。)附則第64条第1項の規定により、平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用を受けることとしているが、この場合に、子Aは、被相続人から相続により取得した同一会社である甲株式会社の株式について「相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)」の適用を受けることができるか。

A7

 特定受贈同族会社株式等の全部について相続税の納税猶予の特例の適用を受けない場合には、子Aは、被相続人から相続により取得した同一会社である甲株式会社の株式について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできません。

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Q8 特定受贈同族会社株式等がある場合(2):平成22年4月1日以後に特定受贈同族会社株式等事前届出書が提出された場合

 子Aは、被相続人から過去に甲株式会社の株式の贈与を受け、当該株式については、平成21年改正前措置法第69条の5第10項の書類を所轄税務署長に提出している。
 ところで、子Aは、当該株式について平成21年改正法附則第64条第2項第1号に規定する届出書を平成22年3月31日までに提出していなかった。 この場合、子Aは、当該贈与により取得した特定受贈同族会社株式等である甲株式会社の株式について「相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)」の適用を受けることはできるか。
 また、子Aが、被相続人から相続により取得した甲株式会社の株式について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできるか。

A8

 子Aは、被相続人から過去に贈与により取得した特定受贈同族会社株式等及び被相続人から相続により取得した甲株式会社の株式のいずれについても相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできません。
 なお、上記は、平成21年改正前措置法第70条の3の3第3項第1号に規定する特定受贈者が相続税の納税猶予の特例の適用を受けるものとして選択した平成21年改正法附則第64条第7項に規定する選択特定同族株式等について、当該特定受贈者が、平成22年3月31日までに納税地の所轄税務署長に平成21年改正法附則第64条第7項第1号に規定する届出書を提出していない場合も同じです。

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《経過措置関係》

Q9 特定受贈同族会社株式等又は特定同族株式等について相続税の納税猶予の特例の適用を受ける場合の相続税法の適用関係

 特定受贈同族会社株式等又は特定同族株式等について、平成21年改正法附則第64条第2項又は第7項の規定により「相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)」の適用を受けた場合、当該特例の適用を受けた株式等は、相続税の申告書上、本来の相続財産として記載するのか。それとも相続時精算課税適用財産として記載するのか。

A9

 平成21年改正法附則第64条第2項又は第7項の規定の適用を受けた特定受贈同族会社株式等又は特定同族株式等は、相続時精算課税適用財産として相続税法の規定の適用を受けます。したがって、相続税の申告書においても、相続時精算課税適用財産として記載することになります。

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Q10 特定受贈同族会社株式等の一部について相続税の納税猶予の特例の適用を受ける場合の「特定事業用資産の特例」の適用関係

 相続人Aが、相続時精算課税により贈与を受けた特定受贈同族会社株式等の一部について「相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)」の適用を受ける場合、当該納税猶予の特例の適用を受けなかった特定受贈同族会社株式等について、特定贈与者の死亡に係る相続税の申告において平成21年改正前措置法第69条の5《特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例》第1項の規定の適用を受けることはできるのか。
 また、上記の場合において、他の相続人Bが同じ会社の株式等について、過去に同じ特定贈与者から贈与を受けた特定受贈同族会社株式等がある場合に、平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用を受けることはできるのか。

A10

 相続人Aについては、相続税の納税猶予の特例の適用を受けなかった特定受贈同族会社株式等ついて、平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用を受けることはできません。
 他方、相続人Bについては、過去に同じ特定贈与者から贈与を受けた同じ会社の特定受贈同族会社株式等について平成21年改正前措置法第69条の5第1項の規定の適用を受けることができます。

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Q11 特定受贈同族会社株式等である医療法人の出資と相続税の納税猶予の特例の適用関係

 相続人Aは、被相続人である父から生前に甲医療法人に係る出資の贈与を受け、取得した甲医療法人に係る出資について「特定受贈同族会社株式に係る届出書(平成21年改正前措置法69の510)」を税務署に提出している。
 ところで、この贈与を受けた甲医療法人に係る出資について、平成21年改正法附則第64条第2項の規定に基づき「相続税の納税猶予の特例(措法70の7の21)」の適用を受けることはできるのか。

A11

 そもそも相続税の納税猶予の特例は、措置法第70条の7の2第2項第2号に規定する非上場株式等について適用されるものであり、医療法人に係る出資は含まれていません。また、相続人Aが被相続人から贈与を受けた出資に係る甲医療法人は会社ではありませんので、平成21年改正法附則第64条第2項第2号の要件(認定承継会社の役員等要件)を満たすことはできません。したがって、相続人Aは、被相続人から贈与を受けた甲医療法人に係る出資について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることはできません。