ここから本文です。

ホーム税について調べるその他法令解釈に関する情報法人税目次平成19年12月7日付課法2-17ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明について>5 リース資産の償却等

5 リース資産の償却等

【新設】(所有権移転外リース取引に該当しないリース取引に準ずるものの意義)

7-6の2-1 令第48条の2第5項第5号《所有権移転外リース取引》に規定する「これらに準ずるもの」として同号に規定する所有権移転外リース取引(以下この節において「所有権移転外リース取引」という。)に該当しないものとは、例えば、次に掲げるものをいう。

  • (1) リース期間(法第64条の2第3項《リース取引の範囲》に規定するリース取引(以下この節において「リース取引」という。)に係る契約において定められたリース資産(同条第1項に規定するリース資産をいう。以下この節において同じ。)の賃貸借期間をいう。以下この節において同じ。)の終了後、無償と変わらない名目的な再リース料によって再リースをすることがリース契約(リース取引に係る契約をいう。以下この節において同じ。)において定められているリース取引(リース契約書上そのことが明示されていないリース取引であって、事実上、当事者間においてそのことが予定されていると認められるものを含む。)
  • (2) 賃貸人に対してそのリース取引に係るリース資産の取得資金の全部又は一部を貸し付けている金融機関等が、賃借人から資金を受け入れ、当該資金をして当該賃借人のリース料等の債務のうち当該賃貸人の借入金の元利に対応する部分の引受けをする構造になっているリース取引

【解説】

1  平成19年度の税制改正において、リース取引はリース資産の賃貸人から賃借人への引渡しの時にそのリース資産の売買があったものとして所得金額を計算することとされ(法64の21)、所有権移転外リース取引に該当するリース取引に係るリース資産の償却の方法は、リース期間定額法によることとされた(令48の21六、5四・五)。
 この所有権移転外リース取引とは、そのリース取引が次の要件のいずれかに該当するもの(又はこれらに準ずるもの)以外のものをいう。

  • (1) リース期間終了の時又はリース期間の中途において、そのリース資産が無償又は名目的な対価の額で賃借人に譲渡されるものであること。
  • (2) 賃借人に対し、リース期間終了の時又はリース期間の中途においてリース資産を著しく有利な価額で買い取る権利が与えられているものであること。
  • (3) リース資産の種類、用途、設置の状況等に照らし、そのリース資産がその使用可能期間中賃借人によってのみ使用されると見込まれるものであること又はそのリース資産の識別が困難であると認められるものであること。
  • (4) リース期間がリース資産の耐用年数に比べて相当短いもの(賃借人の法人税の負担を著しく軽減することになると認められるものに限る。)であること。

 上記(1)から(4)までのいずれかに該当するリース取引は、リース期間終了後に賃借人がリース資産を取得することが予定されていると認められるものや、リース期間定額法により償却した場合には賃借人が通常取得した資産について選定した償却の方法(定率法など)により償却する場合に比べ法人税の負担を著しく軽減するといった課税上の弊害が生ずるようなものである。このようなリース取引については、賃借人は実質的に資産を取得した場合と変わらないと認められることから、リース期間定額法による償却は認められず、賃借人が通常取得した他の資産と同様にそのリース資産の区分に応じた償却の方法により償却を行うこととしているものである。

2  本通達は、上記1の(1)から(4)までに掲げる「所有権移転外リース取引に該当しないリース取引」に準ずるものについて例示的に明らかにしている。なお、本通達は、平成19年改正前における売買とされるリース取引に係る法人税基本通達12の5-2-1《売買とされる取引に準ずるものの意義》の(1)及び(2)と同様の取扱いである。

3  本通達の(1)では、リース期間終了後において賃借人に対してリース資産を譲渡しない場合であっても、無償と変わらない名目的な再リース料によって再リースをすることがリース契約において定められているリース取引は、上記1(1)の「無償又は名目的な対価の額で賃借人に譲渡されるもの」と同視できるものであることから、これに準ずるものとして所有権移転外リース取引に該当しないものであることを明らかにしている。
 なお、このことが契約書等の書面において明記されていないリース取引であっても、当事者間において無償と変わらない名目的な再リース料により再リースすることが予定されていることが一連の事実関係から明らかな場合にも、この取扱いの適用があることとしている。
 ここで、「無償と変わらない名目的な再リース料」かどうかは、個々のリース取引ごとにその事情に応じて判断すべき問題であるが、現在行われているリース取引の実態としては、再リースをする場合の月額再リース料を基本リース期間に係る月額リース料の12分の1程度を下限としており、この程度の再リース料であれば「無償と変わらない名目的なリース料」には該当しないものと考えて差し支えない。

4  本通達の(2)では、いわゆるディフィーザンス(債務引受け)が組み込まれたリース取引についての取扱いを明らかにしている。
 ディフィーザンスが組み込まれたリース取引とは、金融機関等(ディフィーザンス銀行)が賃借人から資金を受け入れてリース料債務を引き受けるとともに、金融機関等はその資金をもって賃貸人にリース資産の購入資金を貸し付けるという仕組みになっているものである。このようなリース取引では、賃貸人はリース資産の所有者としてのリスクを負っているとは認められず、実質的には賃借人が自己資金でリース資産を購入しているのと同様の状況にあるといえることから、このようなリース取引に係るリース資産についてリース期間定額法による償却を行うのはその趣旨に反するため、所有権移転外リース取引に該当しないものとしている。

5  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-1)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(著しく有利な価額)

7-6の2-2 リース期間終了の時又はリース期間の中途においてリース資産を買い取る権利が与えられているリース取引について、賃借人がそのリース資産を買い取る権利に基づき当該リース資産を購入する場合の対価の額が、賃貸人において当該リース資産につき令第56条《減価償却資産の耐用年数、償却率等》に規定する財務省令で定める耐用年数(以下この節において「耐用年数」という。)を基礎として定率法により計算するものとした場合におけるその購入時の未償却残額に相当する金額(当該未償却残額が当該リース資産の取得価額の5%相当額を下回る場合には、当該5%相当額)以上の金額とされている場合は、当該対価の額が当該権利行使時の公正な市場価額に比し著しく下回るものでない限り、当該対価の額は令第48条の2第5項第5号ロ《所有権移転外リース取引》に規定する「著しく有利な価額」に該当しないものとする。

【解説】

1  リース取引のうち、「賃借人に対し、リース期間終了の時又はリース期間の中途においてリース資産を著しく有利な価額で買い取る権利が与えられているもの」に該当するものは、所有権移転外リース取引に該当しないこととなる(令48の25五ロ)。これは、リース契約において賃借人がリース期間終了の時又はリース期間の中途においてリース資産を買い取る権利(以下「購入選択権」という。)が与えられているリース取引について、その購入選択権の行使価格が賃借人にとって著しく有利な価額である場合には、賃借人がその権利行使をしてリース資産を買い取ることが予定されていると認められることから、リース期間に応じた償却をするのではなく、通常取得される資産と同様に償却を行うことになるのである。

2  一般的に、「著しく有利な価額」とは、購入選択権の行使価格がその行使時におけるリース資産の時価に比して著しく低い場合のその行使価格をいうものと解されるが、多種多様なリース資産につき、契約時にそのリース期間終了時の時価を算定することが実務上困難な場合も少なくないと思われる。そこで、本通達において、「著しく有利な価額」に該当するかどうかの判定に際しての一種の簡便基準として、賃貸人がリース資産をそのまま事業供用するものと仮定した場合の定率法により計算したリース期間終了時の未償却残額相当額を権利行使時の時価とみなし、当該未償却残額相当額以上の金額を購入選択権の行使価格としている場合には、原則として、「著しく有利な価額」に該当しないものとすることとしている。ただし、購入選択権の行使価格が未償却残額相当額以上であっても、購入選択権の権利行使時におけるリース資産の時価がその購入選択権の行使価格を著しく上回ると認められる場合には、当然ながら著しく有利な価額となる。
 また、未償却残額がそのリース資産の取得価額の5%相当額を下回る場合には、5%相当額を下限とすることとしている。購入選択権が付されるようなリース資産はリース期間終了後も賃借人によって引き続き使用することが見込まれ、又は第三者に売却が可能であるということが過去の取引や中古市場の相場などにより明らかな資産であることから、そのような取引実態を踏まえて、いわゆる備忘価額等ではなく、そのリース資産の取得価額の5%相当額を簡便基準の下限としているものである。

3 連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-2)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(専属使用のリース資産)

7-6の2-3 次に掲げるリース取引は、令第48条の2第5項第5号ハ《所有権移転外リース取引》に規定する「その使用可能期間中当該リース取引に係る賃借人によつてのみ使用されると見込まれるもの」に該当することに留意する。

  • (1) 建物、建物附属設備又は構築物(建設工事等の用に供する簡易建物、広告用の構築物等で移設が比較的容易に行い得るもの又は賃借人におけるそのリース資産と同一種類のリース資産に係る既往のリース取引の状況、当該リース資産の性質その他の状況からみて、リース期間の終了後に当該リース資産が賃貸人に返還されることが明らかなものを除く。)を対象とするリース取引
  • (2) 機械装置等で、その主要部分が賃借人における用途、その設置場所の状況等に合わせて特別な仕様により製作されたものであるため、当該賃貸人が当該リース資産の返還を受けて再び他に賃貸又は譲渡することが困難であって、その使用可能期間を通じて当該賃借人においてのみ使用されると認められるものを対象とするリース取引

【解説】

1  所有権移転外リース取引の判定において、リース資産の種類、用途、設置の状況等に照らし、そのリース資産が「その使用可能期間中当該リース取引に係る賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」に該当する場合には、所有権移転外リース取引に該当しないこととされている(令48の25五ハ)。これは、そのリース資産の使用可能期間中に賃借人しか使用することができないようなリース取引については、賃借人がその資産を取得したのと何ら変わらない実態にあることから、その償却方法としてリース期間定額法が適用される所有権移転外リース取引には該当しないこととされているのである。
 本通達においては、所有権移転外リース取引に該当しないこととされる「その使用可能期間中当該リース取引に係る賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」にはどのようなものが該当するかを例示的に明らかにしている。

2  本通達の(1)に掲げる建物、建物附属設備又は構築物は、賃借人にとっては必須的な事業用資産として専属的に利用するものであるとともに、賃貸人が賃借人の使用場所から撤去して転貸することが事実上不可能と認められるもので、リース取引の当初から返還不能又は返還を予定されないものであることから、これらの資産を対象とするリース取引は、「その使用可能期間中当該リース取引に係る賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」に該当することとしている。
 ただし、これらの資産を対象とするリース取引であっても、例えば、建設工事等の用に供する簡易建物や広告用の構築物など、通常移設することを常態とするため移設が容易に行い得るような構造になっているものは、専属的に利用するものとはいえないので、「その使用可能期間中に当該リース取引に係る賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」から除くこととしている。
 さらに、そのリース資産と同一種類のリース資産に係る既往のリース取引の状況、そのリース資産の性質その他の状況からみて、リース期間の終了後にそのリース資産が賃貸人に返還されることが明らかなものも、「その使用可能期間中に当該リース取引に係る賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」から除くこととしている。
 なお、この「返還されることが明らかなもの」かどうかは、個々のリース資産の実態に応じて判断すべき事項であるが、例えば、ダム工事のためにその工事現場に設置するバッチャープラント、博覧会場において広告の用に供される構築物、定期的に改装を行う場合の店舗用設備等のように、その工事期間、開催期間又は改装サイクル期間をリース期間とするようなリース取引でその期間経過後、そのリース資産の返還が予定されているものがこれに該当する。

3  本通達の(2)においては、専用機械装置等は、賃借人においてのみ使用されると認められるものであり、その使用可能期間を通じて専属して使用され、賃貸人がその機械装置等の返還を受けても、再び他に賃貸又は譲渡することが困難であることから、このような専用機械装置等を対象とするリース取引は、「その使用可能期間中当該リース取引に係る賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」という要件を満たし、所有権移転外リース取引には該当しないことを明らかにしている。

4  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-3)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(専用機械装置等に該当しないもの)

7-6の2-4 次に掲げる機械装置等を対象とするリース取引は、7-6の2-3の(2)に定めるリース取引には該当しないものとする。

  • (1) 一般に配付されているカタログに示された仕様に基づき製作された機械装置等
  • (2) その主要部分が一般に配付されているカタログに示された仕様に基づき製作された機械装置等で、その附属部分が特別の仕様を有するもの
  • (3) (1)及び(2)に掲げる機械装置等以外の機械装置等で、改造を要しないで、又は一部改造の上、容易に同業者等において実際に使用することができると認められるもの

【解説】

1  専用機械装置等をリース資産とするリース取引は「その使用可能期間中当該リース取引に係る賃借人によってのみ使用されると見込まれるもの」に該当することから、所有権移転外リース取引に該当しないものとされている(法基通7-6の2-3の(2))。本通達においては、その専用機械装置等に該当しないものを例示的に明らかにしている。

2  専用機械装置等は、特別な仕様等により製作されるものであることから、賃借人においてのみ使用され、リース期間終了後に賃貸人に返還されたとしても、賃貸人において他に賃貸又は譲渡することが困難であるような機械装置等をいう。
 本通達に掲げるような機械装置については、一般に汎用性があり、使用者の専属性が希薄であると考えられることから、専用機械装置等に該当しないこととなる。

3  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-4)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(形式基準による専用機械装置等の判定)

7-6の2-5 機械装置等を対象とするリース取引が、当該リース取引に係るリース資産の耐用年数の100分の80に相当する年数(1年未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てる。)以上の年数をリース期間とするものである場合は、当該リース取引は令第48条の2第5項第5号ハ《所有権移転外リース取引》に規定する「その使用可能期間中当該リース取引に係る賃借人によつてのみ使用されると見込まれるもの」には該当しないものとして取り扱うことができる。

【解説】

1  賃借人においてのみ使用されると認められる特別な仕様の機械装置等(専用機械装置等)を対象とするリース取引は、所有権移転外リース取引に該当しないものとされている(令48の25五ハ、法基通7-6の2-3の(2))。
 この判定に当たって、専用機械装置等に該当しないものの例示が法人税基本通達7-6の2-4《専用機械装置等に該当しないもの》に示されているのであるが、実務上、個々の機械装置等についてその汎用性の有無を厳密に判定することが困難な場合も少なくないと思われる。そこで、本通達において、専用機械装置等に該当するかどうかの判定に当たっての一種の形式基準を明らかにしている。
 すなわち、機械装置等を対象とするリース取引でそのリース期間がその機械装置等の耐用年数の100分の80に相当する年数(1年未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てる。)以上の年数である場合には、特段の課税上の弊害も認められないことから、その機械装置等は専用機械装置等には該当しないものとして取り扱うことができることとしている。

2  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-5)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(識別困難なリース資産)

7-6の2-6 令第48条の2第5項第5号ハ《所有権移転外リース取引》に規定する「当該目的資産の識別が困難であると認められるもの」かどうかは、賃貸人及び賃借人において、そのリース資産の性質及び使用条件等に適合した合理的な管理方法によりリース資産が特定できるように管理されているかどうかにより判定するものとする。

【解説】

1  そのリース取引が「当該目的資産の識別が困難であると認められるもの」である場合には、所有権移転外リース取引には該当せず、賃借人はそのリース資産と同じ区分である自己所有の他の減価償却資産に採用している償却の方法により償却を行うこととなる(令48の25五ハ)。
 本通達においては、「当該目的資産の識別が困難であると認められるもの」かどうかは、賃貸人と賃借人とのリース資産の管理方法に差異はあるとしても、その両者によって、そのリース資産の性質及び使用条件等に適合した合理的な管理方法によりリース資産が特定できるように管理されているかどうかにより判定することを明らかにしている。
 例えば、建設工事の仮設資材は、賃借人における使用又は消費の状況からみて、通常はリース資産の特定が不可能と認められ、このようなものを対象とするリース取引は、「当該目的資産の識別が困難であると認められるもの」に該当するものと考えられる。

2  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-6)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(相当短いものの意義)

7-6の2-7 令第48条の2第5項第5号ニ《所有権移転外リース取引》に規定する「相当短いもの」とは、リース期間がリース資産の耐用年数の100分の70(耐用年数が10年以上のリース資産については、100分の60)に相当する年数(1年未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てる。)を下回る期間であるものをいう。

(注)
1  一のリース取引において耐用年数の異なる数種の資産を取引の対象としている場合(当該数種の資産について、同一のリース期間を設定している場合に限る。)において、それぞれの資産につき耐用年数を加重平均した年数(賃借人における取得価額をそれぞれの資産ごとに区分した上で、その金額ウェイトを計算の基礎として算定した年数をいう。)により判定を行っているときは、これを認めるものとする。
2  再リースをすることが明らかな場合には、リース期間に再リースの期間を含めて判定する。

【解説】

1  リース取引においては、当事者間の契約においてそのリース期間を自由に設定することができるため、課税上の弊害が生ずることがある。
 所有権移転外リース取引の対象となるリース資産については、賃借人において、リース期間定額法により償却限度額の計算を行うこととされており、結果として、毎月の支払リース料相当額を損金算入することが可能となっているが、仮に、リース期間がリース資産の耐用年数よりも相当短いリース取引を行った場合に同様の処理を認めるとすれば、賃借人にあっては、他の資産に適用される償却方法(定額法、定率法など)によって減価償却を行う場合に比して損金の前倒し計上が可能となる。
 このように、リース期間がリース資産の耐用年数に比して相当短いリース取引について、リース期間定額法による償却計算を認めると課税上の弊害が生じる場合があるため、そのリース取引の経済的実質に応じ、所有権移転外リース取引には該当しないものとされている(令48の25五ニ)。

2  本通達においては、この「相当短い」とはどの程度であるかを、次により計算される年数を下回る期間かどうかにより判定することとしている。

  • 1 耐用年数が10年未満のもの 耐用年数×0.7
  • 2 耐用年数が10年以上のもの 耐用年数×0.6

 なお、機械装置の耐用年数は、原則として個々の機械装置の個別耐用年数とその取得価額を基礎として算定されるいわゆる総合耐用年数によることとされているが、リース資産が、製造設備一式、プラント一式というものでなく、個々の機械装置である場合であっても、そのリース期間が耐用年数に比して相当短いかどうかの判定は、その個々の機械装置が属する設備(耐用年数省令別表第二の設備)の総合耐用年数を基礎として判定することとなる。

3  ところで、リース取引の中には、一のリース取引において耐用年数の異なる数種の資産を取引の対象としている場合、例えば、事務室の調度一切をリース資産とするようなリース取引もある。本通達の注書の1においては、このようなリース取引の場合で、その数種の資産について、同一のリース期間を設定しているときは、それぞれの資産の耐用年数を加重平均した年数(賃借人における取得価額をそれぞれの資産ごとに区分した上で、その金額ウェイトを計算の基礎として算定した年数をいう。)により、リース期間が耐用年数に比して相当短いかどうかの判定を行うことができる旨を明らかにしている。
 これは、耐用年数の異なる資産を一括して同一のリース期間によりリースしている場合には、そのリース料の額を個々のリース資産に配賦し、個々の資産ごとに耐用年数に比して相当短いかどうかを判定することは事務の手数を要すると考えられること等から、その一括リースに係るリース資産の総合年数を算出し、その年数を基礎として前述の判定をすることができることとしたものである。
 なお、その加重平均して算出した年数に1年未満の端数がある場合には、その端数は切り捨てることができる。
 これを設例で示すと次のようになる。

〔設例〕 リース期間4年でリースする場合
リース資産 リース料の額
1
 耐用年数
2
 1年当たりのリース料の額
1÷2
A 13,500千円 10年 1,350千円
B 4,000千円 8年 500千円
C 14,000千円 7年 2,000千円
合計 31,500千円 - 3,850千円
(計算式)
31,500千円÷3,850千円=8.18…年→8年(端数切捨て)<10年
8年×70/100=5.6年→5年(端数切捨て)

 設例の場合、リース期間(4年)が5年を下回ることから、このリース取引は、「相当短いもの」に該当することとなる。

4  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-8)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(税負担を著しく軽減することになると認められないもの)

7-6の2-8 賃借人におけるそのリース資産と同一種類のリース資産に係る既往のリース取引の状況、当該リース資産の性質その他の状況からみて、リース期間の終了後に当該リース資産が賃貸人に返還されることが明らかなリース取引については、令第48条の2第5項第5号ニ《所有権移転外リース取引》に規定する「賃借人の法人税の負担を著しく軽減することになると認められるもの」には該当しないことに留意する。

【解説】

1  リース取引のうち、リース期間がそのリース資産の耐用年数に比して相当短いものであっても、「賃借人の法人税の負担を著しく軽減することになると認められるもの」に該当しないリース取引については、所有権移転外リース取引に該当することとされている(令48の25五ニ)。
 本通達においては、リース期間の終了後にそのリース資産が賃貸人に返還されることが明らかなリース取引は、この「賃借人の法人税の負担を著しく軽減することになると認められるもの」には該当しないことから、所有権移転外リース取引として取り扱われることを明らかにしている。

2  賃借人におけるそのリース資産と同一種類のリース資産に係る既往のリース取引の状況、当該リース資産の性質その他の状況からみて、リース期間の終了後に当該リース資産が賃貸人に返還されることが明らかなものは、通常の賃貸借が、リース資産が返還されることを本来予定しているものであることからすれば、リース期間が耐用年数に比して短い場合であっても賃借人の期間損益を歪めるものではないと考えられることから、所有権移転外リース取引に該当することとされるのである。
 この場合、「返還されることが明らかなもの」とは、個々のリース資産について、その実態に応じて判断されるべき事項であるが、例えば、ダム工事のために当該工事現場に設置するバッチャープラント、博覧会場において広告の用に供される構築物、定期的に改装を行う場合の店舗用設備等のように、その工事期間、開催期間又は改装サイクル期間をリース期間とするようなリース取引で期間経過後、そのリース資産の返還が予定されているものが、これに該当する。

3  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-8)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(賃借人におけるリース資産の取得価額)

7-6の2-9 賃借人におけるリース資産の取得価額は、原則としてそのリース期間中に支払うべきリース料の額の合計額による。ただし、リース料の額の合計額のうち利息相当額から成る部分の金額を合理的に区分することができる場合には、当該リース料の額の合計額から当該利息相当額を控除した金額を当該リース資産の取得価額とすることができる。

(注)
1  再リース料の額は、原則として、リース資産の取得価額に算入しない。ただし、再リースをすることが明らかな場合には、当該再リース料の額は、リース資産の取得価額に含まれる。
2  リース資産を事業の用に供するために賃借人が支出する付随費用の額は、リース資産の取得価額に含まれる。
3  本文ただし書の適用を受ける場合には、当該利息相当額はリース期間の経過に応じて利息法又は定額法により損金の額に算入する。

【解説】

1  平成20年4月1日以後の契約に係るリース取引については、リース資産を賃貸人から賃借人に引き渡した時に売買があったものとされることから(法64の21)、その引渡しの時に賃借人がリース資産を取得することとなる。そして、賃借人においては、そのリース取引が所有権移転外リース取引に該当するものであれば、リース期間定額法により、所有権移転外リース取引以外のリース取引に該当するものであれば、法人が有するそのリース資産と同じ区分の他の減価償却資産について採用している償却の方法により償却を行うこととなる(令48の21)。
 このように、税務上は賃借人がリース資産を取得したものとして取り扱うのであるが、他方、リース取引は法形式上は資産の賃貸借であるとともに、その実態としては、賃貸借、売買、金融等の異なる取引目的を同時に達成させる複合的な性格を持つものであることから、賃借人においてリース資産の取得価額をどのように算定するのかという問題が生ずる。
 この点、税務上はリース資産の売買があったものとされるのであるから、リース取引において賃借人が支払うリース料の額は、基本的には、そのリース資産の購入代金の分割返済金であるとみて、その総額をリース資産の取得価額とすることが相当であろう。
 一方、リース会計基準においては、賃借人は、原則としてリース料の総額を元本返済額部分と利息相当額部分に区分し、リース取引開始時にリース料総額のうち元本返済額部分の金額をリース資産として資産計上し、同額をリース債務として負債計上することとされている(リース会計適用指針21〜24・36〜39)。そして、リース料の支払時にリース料のうち元本返済額部分の金額をリース債務勘定から減額し、利息相当額部分は支払利息として費用計上することとされている。なお、リース期間中の利息相当額部分の金額の配分は、原則として利息法により配分した金額によることとされている。

(所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る会計処理例)

  • ・4月決算法人
  • ・リース期間 5年
  • ・リース料の総額 60,000千円

    元本返済額部分 48,000千円
    利息相当額部分 12,000千円

  • ・リース料の支払方法 月額1,000千円
1 取引開始時(平成20年5月1日)
リース資産  48,000千円 / リース債務  48,000千円
2 リース料支払時(リース料(1回目):1,000千円)
(リース債務 634千円、支払利息 366千円/現金 1,000千円)
※ 支払利息は利息法により計上されるため、支払利息の金額は支払の都度逓減していく。
3 決算時(リース期間による定額法により償却した場合)
減価償却費  9,600千円 / リース資産 9,600千円

ただし、リース資産総額に重要性が乏しいと認められる場合又は個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合には、リース料総額から利息相当額を控除しない処理も認められている(リース会計適用指針31・32・34・35・45・46)。
 リース取引は、上述のとおり、賃貸借、売買、金融等の異なる取引目的を同時に達成させる複合的な性格を持つものであり、かつ、リース会計基準においては原則としてリース料総額を元本返済額と利息相当額とに区分し、元本返済額部分をリース資産として計上することとされていることを踏まえると、リース会計基準に従い利息相当額が合理的に区分されている場合には、税務上も当該利息相当額については、取得価額とは区分して取り扱うことが適当であると考えられる。
 そこで、本通達において、賃借人におけるリース資産の取得価額は、原則として、リース料の総額によることとし、リース料の総額のうち利息相当額を合理的に区分できる場合には、リース料の総額から利息相当額を除いた金額によることもできることとしている。

2  なお、リース契約において再リース料が定められている場合であっても、再リースをすることが明らかでない限り、再リース料の額をリース資産の取得価額に含める必要はない。ここでいう再リースをすることが明らかな場合とは、契約書上で再リースをすることが明示されている場合だけでなく、当事者間において再リースすることが予定されていることが一連の事実関係から明らかな場合も含まれる。本通達の注書の1において、このことを明らかにしている。
 また、リース料とは別に賃借人がリース資産の設置等に当たり据付費や運送費など、そのリース資産を事業の用に供するに当たって支出した金額がある場合には、それらの金額も取得価額に含まれることを注書の2において明らかにしている。通常資産を取得した場合にその資産を事業の用に供するために直接支出した費用については、取得価額に含まれることとされており、リース資産についても同様であることからこのような取扱いを定めているものである。

3  ところで、リース会計基準にしたがってリース料の総額を利息相当額と元本相当額とに区分し、リース料の総額から利息相当額を控除した金額をリース資産の取得価額とした場合には、その利息相当額はリース期間の経過に応じて利息法又は定額法により費用計上することとなる。本通達の注書の3においてそのことを明らかにしている。

4  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-9)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(リース期間終了の時に賃借人がリース資産を購入した場合の取得価額等)

7-6の2-10 賃借人がリース期間終了の時にそのリース取引の目的物であった資産を購入した場合(そのリース取引が令第48条の2第5項第5号イ若しくはロ《所有権移転外リース取引》に掲げるもの又はこれらに準ずるものに該当する場合を除く。)には、その購入の直前における当該資産の取得価額にその購入代価の額を加算した金額を取得価額とし、当該資産に係るその後の償却限度額は、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次により計算する。

  • (1) 当該資産に係るリース取引が所有権移転リース取引(所有権移転外リース取引に該当しないリース取引をいう。)であった場合 引き続き当該資産について採用している償却の方法により計算する。
  • (2) 当該資産に係るリース取引が所有権移転外リース取引であった場合 法人が当該資産と同じ資産の区分である他の減価償却資産(リース資産に該当するものを除く。以下同じ。)について採用している償却の方法に応じ、それぞれ次により計算する。
    •  その採用している償却の方法が定率法である場合 当該資産と同じ資産の区分である他の減価償却資産に適用される耐用年数に応ずる償却率、改定償却率及び保証率により計算する。
    •  その採用している償却の方法が定額法である場合 その購入の直前における当該資産の帳簿価額にその購入代価の額を加算した金額を取得価額とみなし、当該資産と同じ資産の区分である他の減価償却資産に適用される耐用年数から当該資産に係るリース期間を控除した年数(その年数に1年未満の端数がある場合には、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には、2年とする。)に応ずる償却率により計算する。

(注) 事業年度の中途にリース期間が終了する場合の当該事業年度の償却限度額は、リース期間終了の日以前の期間につきリース期間定額法により計算した金額とリース期間終了の日後の期間につき(2)により計算した金額の合計額による。

【解説】

1  リース取引は、法形式上は資産の賃貸借であり、リース期間終了時に賃借人はリース資産を賃貸人に返還することとなるのであるが、別途、賃借人がリース期間終了時に購入代価を支払ってその資産を購入することがある。
 平成19年度の税制改正において、リース取引について、税務上は賃貸人から賃借人にリース資産を引き渡した時にそのリース資産の売買があったものとして取り扱うこととされ(法64の21)、賃借人はリース取引開始時にリース資産を取得したものとして、償却を行うこととなる。そこで、リース期間終了時に賃借人が賃貸人からリース資産を購入した場合には、そのリース資産の取得価額及び償却の方法について税務上どのように取り扱うことになるのかという疑問が生ずる。

2  この点、リース期間終了の時に賃借人が賃貸人からリース資産を購入した場合には、税務上は賃借人が保有している資産に追加的な支出をすることになると認められることから、平成19年度の税制改正前の資本的支出の取扱いと同様に、その購入の時(リース期間終了時)にその購入代価を取得価額に加算することとしている。また、償却の方法については、購入したリース資産が所有権移転リース(所有権移転外リース取引以外のリース取引をいう。)に係るものである場合には、リース期間中、他の自己所有の資産と同様の方法(定額法、定率法など)により償却を行っていることから、引き続きその採用している償却の方法により償却を行うこととし、購入したリース資産が所有権移転外リース取引に係るものである場合には、リース期間の終了に伴いリース期間定額法によることができなくなり、他の自己所有の資産について採用している償却の方法に変更した場合と同様に償却を行うこととなる。本通達において、このことを明らかにしている。

3  このうち本通達の(2)では、購入したリース資産が所有権移転外リース取引に係るものである場合には、その資産の購入後(リース期間の終了後)の償却限度額の計算に当たっては、償却方法の変更と同様の計算が必要なことから、その計算の詳細について明らかにしている。
 具体的には、賃借人が採用している償却の方法が定率法である場合には、リース資産の取得価額にその資産の購入代価を加算した金額を取得価額として償却保証額(取得価額に保証率を乗じた金額をいう。以下同じ。)の計算を行い、リース期間終了の時におけるリース資産の帳簿価額に購入代価を加算した金額を帳簿価額として調整前償却額(帳簿価額に償却率を乗じた金額をいう。以下同じ。)を計算するのである。そして、調整前償却額が償却保証額に満たないこととなる場合には、その購入時における帳簿価額、つまり、リース期間終了の時におけるリース資産の帳簿価額に購入代価を加算した金額を改定取得価額として改定償却率を乗じて償却限度額を計算することとなる。
 賃借人が採用している償却の方法が定額法である場合には、リース期間終了の時におけるリース資産の帳簿価額に購入代価を加算した金額を取得価額とみなし、その耐用年数からリース期間を控除した年数に応じた償却率により償却限度額を計算することとなる。

4  また、本通達の(2)の注書において、リース期間が事業年度の中途で終了する場合の償却限度額の計算については、次の期間に応じ、次により計算した金額の合計額によることを明らかにしている。

  • (1) 当該事業年度開始の日からリース期間終了の日までの期間 リース期間定額法により計算した償却限度額
  • (2) リース期間終了の日の翌日から当該事業年度終了の日までの期間 法人が採用している償却の方法に応じて計算した償却限度額を当該事業年度の月数で除して計算した金額に、リース期間終了の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数を乗じて計算した金額

5  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-10)を定めている。

(計算例)

リース期間終了時に賃借人(年1回3月決算)がリース資産を30万円で購入した場合

〔前 提〕
  • ・所有権移転外リース取引に該当
  • ・リース期間:100年10月1日〜103年9月30日(3年)
  • ・月額リース料:200,000円、リース資産の取得価額(=リース料総額):7,200,000円
  • ・リース資産と同じ資産区分である他の減価償却資産について採用している償却方法:定率法
  • ・リース資産と同じ資産区分である他の減価償却資産に適用される耐用年数:5年
  • ・耐用年数5年の定率法の償却率、改定償却率、保証率:0.500、1.000、0.06249
(リース期間終了時に賃借人(年1回3月決算)がリース資産を30万円で購入した場合)
  101年3月期 102年3月期 103年3月期 104年3月期
取得価額 7,200,000       7,500,000
期首帳簿価額 7,200,000 6,000,000 3,600,000 1,200,000 300,000
定率法の場合 調整前償却額 - - - - 150,000
3
償却保証額 - - - - 468,675
4
改定償却額 - - - - 300,000
5
償却限度額
(償却方法)
1,200,000
1
2,400,000
2
2,400,000
2
1,200,000
1
150,000
6
(リース期間定額法)
(定率法)
期末帳簿価額 6,000,000 3,600,000 1,200,000 0 150,000
  • 1 : 7,200,000円 × 6月/36月
  • 2 : 7,200,000円 × 12月/36月
  • 3 :  300,000円 × 0.500
  • 4 : (7,200,000円+300,000円)× 0.06249
  • 5 :  300,000円 × 1.000
  • 6 :  300,000円 × 6月/12月

ページの先頭へ戻る

【新設】(リース期間の終了に伴い返還を受けた資産の取得価額)

7-6の2-11 リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からそのリース取引の目的物であった資産の返還を受けた場合には、賃貸人は当該リース期間終了の時に当該資産を取得したものとする。この場合における当該資産の取得価額は、原則として、返還の時の価額による。ただし、当該資産に係るリース契約に残価保証額の定めがある場合における当該資産の取得価額は、当該残価保証額とする。
 リース期間の終了に伴い再リースをする場合についても同様とする。

(注) 残価保証額とは、リース期間終了の時にリース資産の処分価額がリース取引に係る契約において定められている保証額に満たない場合にその満たない部分の金額を当該リース取引に係る賃借人その他の者がその賃貸人に支払うこととされている場合における当該保証額をいう。

【解説】

1  平成19年度の税制改正により、リース取引についてはリース資産の賃貸人から賃借人への引渡しの時にそのリース資産の売買があったものとして所得金額を計算することとされる(法64の21)ことから、賃貸人はリース資産の引渡し時に賃借人に対しリース資産を譲渡したこととなる。しかしながら、リース取引は法形式上は資産の賃貸借であることから、リース期間終了時には賃借人はリース資産を賃貸人に返還することとなる。この場合、返還に伴う金銭の授受は通常行われないのであるが、賃貸人は現実に資産を有することとなることから、税務上これをどのように取り扱うのかという疑問が生ずる。
 また、リース期間の終了に伴い再リースをする場合においても、通常、再リースは税務上売買とされるリース取引には該当しないため、賃貸人においてリース資産の返還を受けた上で、改めて賃借人に対して賃貸をするということになるのかどうかという点に疑問が生じる。

2  そこで、本通達においては、リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からリース資産の返還を受けた場合には、税務上、賃貸人はそのリース期間の終了の時にその資産を取得したものとみることを明らかにしている。この点、リース期間の終了に伴い再リースをする場合においても同様に、税務上は、賃貸人においてリース資産の返還を受けた上で、改めて賃借人に対して賃貸をするということになる。
 また、この場合において、賃貸人が返還を受けた資産及び再リースをする資産の取得価額については、その返還の時における時価によることとなる。賃貸人においては、リース取引の目的であった資産の返還を受け、その後、その資産を処分(売却など)し又は再リースをすることとなるのであるから、何らかの価値を有する資産を無償で取得したものとみて、無償で減価償却資産を取得した場合の取得価額の取扱い(令541六)と同様に、その返還の時における時価をその返還を受けた資産の取得価額とすることとしたものである。
 なお、リース会社(賃貸人)においては、通常リース契約を締結するに当たりそのリース資産がリース期間終了時にどの程度の価額で処分できるのか又は再リースできるのかを過去の実績や中古市場の相場などから見積っており、その見積残存価額もリース料の算定の基礎計数となっている。また、リース会計基準においては、賃貸人は、所有権移転外ファイナンス・リース取引で生じる資産、すなわち、将来のリース料を収受する権利と見積残存価額を、リース投資資産として計上することとされ(リース会計基準40、リース会計適用指針124)、リース期間の終了により賃借人からリース物件の返却を受けた場合は、当該リース物件を見積残存価額でリース投資資産からその後の保有目的に応じ貯蔵品又は固定資産等に振り替えることとされている(リース会計適用指針57)。したがって、リース会社(賃貸人)が、リース会計基準に従い、その見積残存価額を返還を受けた資産の取得価額に振り替えているのであれば、その見積残存価額が中古市場や再リース料などと比較して相当の差異があるものでない限り、その処理を認めて差し支えないと考えられる。

《参考》リース会計基準の取扱い

  • (1)  所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る賃借人においては、リース期間終了の時には、通常、リース資産の償却は完了し、リース債務も完済しているため、リース物件を賃貸人に返却する処理を除き、特に会計処理を要しないこととされている。また、その後、再リースをする場合には、再リース料は、原則として、発生時の費用として処理することとされている(リース会計適用指針29)。
  • (2)  所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る賃貸人においては、リース期間の終了により賃借人からリース物件の返却を受けた場合は、当該リース物件を見積残存価額でリース投資資産からその後の保有目的に応じ貯蔵品又は固定資産等に振り替えることとされている。また、その後、再リースをする場合には、再リース料は発生時の収益に計上し、リース投資資産から振り替えた固定資産については、再リース開始時点の見積再リース期間にわたり減価償却を行うこととされている(リース会計適用指針57)。
リース会計基準の取扱い

3  ところで、リース期間終了の時にリース資産の処分価額がリース契約において定められている保証額に満たない場合にその満たない部分の金額を賃借人又は第三者が賃貸人に支払うという取決め(残価保証)を行うことがある。
 リース会計基準では、リース契約において、借手又は第三者による残価保証の取決めがある場合には、賃貸人は、残価保証額をリース料総額又は受取リース料に含めることとされ(リース会計適用指針52)、リース期間終了時には、その残価保証額により貯蔵品等を計上するとともに同額の売上を計上することとされている(リース会計適用指針〔設例3〕「2 貸手の会計処理」の(2))。
 このような会計処理を踏まえ、本通達において、リース契約に残価保証額の定めがある場合には、リース期間終了の時に返還を受けた資産の取得価額は当該残価保証額とすることとしている。

4  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-11)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(リース期間の終了に伴い取得した資産の耐用年数の見積り等)

7-6の2-12 リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からそのリース取引の目的物であった資産を取得した場合における当該資産の耐用年数は、次のいずれかの年数によることができる。

  • (1) 当該資産につき適正に見積ったその取得後の使用可能期間の年数
  • (2) 次の場合の区分に応じそれぞれ次に掲げる年数(その年数に1年未満の端数がある場合は、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には、2年とする。)
    •  当該資産に係るリース期間が当該資産について定められている耐用年数以上である場合 当該耐用年数の20%に相当する年数
    •  当該資産に係るリース期間が当該資産について定められている耐用年数に満たない場合 当該耐用年数からリース期間を控除した年数に、当該リース期間の20%に相当する年数を加算した年数

【解説】

1  リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からそのリース取引の目的物であった資産の返還を受けた場合には、賃貸人はそのリース期間終了の時にその資産を取得したものとしている(法基通7-6の2-11)。
 この返還により取得した資産を賃貸人が再リースする場合には、賃貸人においてその後の償却を行うのであるが、償却限度額の計算に当たって適用する耐用年数をどうするのかという問題がある。すなわち、法定耐用年数によるのか、中古資産を取得したものとして耐用年数を適用するのか、という疑問が生ずる。
 この点、税務上は、そのリース資産の引渡しの時に賃貸人から賃借人に売買があったものとされ、リース期間中は賃借人がリース資産を事業の用に供し、リース期間終了時に賃貸人が再取得することとなることから、賃貸人が中古資産を取得したものとして耐用年数を算定することが適当である。
 そこで、本通達において、リース期間の終了に伴い賃貸人が取得した資産の耐用年数については、耐用年数省令第3条第1項各号《中古資産の耐用年数等》の「見積法」又は「簡便法」の年数と同様の年数によることができることとしている。ただし、中古資産の耐用年数は、まず「見積法」により使用可能期間の年数を計算し、計算ができない場合には「簡便法」により計算した年数によることを認めているのに対して、リース会社(賃貸人)において大量のリース資産にすべからく見積法を適用することは実務上困難であることを考慮し、本通達では、見積法又は簡便法のいずれによることもできることとしている。

2  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-12)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(賃貸借期間等に含まれる再リース期間)

7-6の2-13 令第48条第1項第6号《旧国外リース期間定額法》に規定する「賃貸借の期間」には、改正前リース取引(同号に規定する改正前リース取引をいう。以下7-6の2-15において同じ。)のうち再リースをすることが明らかなものにおける当該再リースに係る賃貸借期間を含むものとする。
 令第48条の2第1項第6号《リース期間定額法》に規定する「リース期間」及び令第49条の2第1項《旧リース期間定額法》に規定する「改定リース期間」についても同様とする。

【解説】

1  リース資産については、旧国外リース期間定額法、リース期間定額法及び旧リース期間定額法といった償却の方法によるのであるが、これらの方法はいずれもリース契約に係る賃貸借期間を償却限度額の計算の基礎としていることから、例えば、基本リース期間終了後引き続いて再リースをすることが明らかな場合や当初から再リースを予定して基本リース期間を短く設定している場合などには、賃貸借期間に再リース期間を含めるのかどうかにより償却限度額の計算に影響を及ぼすこととなる。
 そこで、本通達において、再リースをすることが当初から明らかなリース取引に係る再リース期間は、償却限度額の計算の基礎となる賃貸借期間に含めることを明らかにしている。ここでいう「再リースをすることが明らかなもの」とは、契約書上で再リースをすることが明示されているリース取引だけでなく、当事者間において再リースをすることが予定されていることが一連の事実関係から明らかなものも含まれる。

2  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-13)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(国外リース資産に係る見積残存価額)

7-6の2-14 賃貸人が、令第48条第5項第2号《見積残存価額の意義》に規定する見積残存価額について、リース料の算定に当たって国外リース資産(同条第1項第6号《旧国外リース期間定額法》に規定する国外リース資産をいう。以下7-6の2-15までにおいて同じ。)の取得価額及びその取引に係る付随費用(国外リース資産の取得に要する資金の利子、固定資産税、保険料等その取引に関連して賃貸人が支出する費用をいう。)の額の合計額からリース料として回収することとしている金額の合計額を控除した残額としている場合は、これを認める。

【解説】

1  旧国外リース期間定額法における償却限度額は、国外リース資産の取得価額から見積残存価額を控除した残額を賃貸借の期間で除して計算することとされ、この場合の「見積残存価額」とは、国外リース資産をその賃貸借の終了の時において譲渡するとした場合に見込まれる譲渡対価の額に相当する金額をいうものとされている(令485二)。

2  ところで、いわゆるファイナンス・リース取引は、物融といわれるように、リース資産に投下した資金をリース期間にわたって全額回収しようとするものである。このため、リース会社(賃貸人)は、リースのコストであるリース資産に関する諸費用(取得価額及び付随費用)を年金現価方式等の一定の基準・方法により計算し、収入となるリース料の総額がそのコストを回収するようにリース料月額を算定することになる。
 リース料の計算を簡単に示すと次のようになる。

(算式)

月額リース料=(リースの質量の購入価額ー見積残存価額)+金利+固定資産税+保険料+手数料/リース期間(月数)

上記算式中の見積残存価額は、リース期間終了時点でリース資産がどのくらいで売却できるかを見積った処分見込価額とされている。言い換えれば、その見積残存価額とは、リース資産に投下した資金をリース期間にわたって全額回収するというファイナンス・リースの性格上、契約当事者間では、リース資産の購入価額及びその付随費用の額の合計額からリース料として回収することとしている金額の合計額を控除した残額ということになる。
 この見積残存価額は、賃貸人において客観的に明らかな金額であり、この金額をもって旧国外リース期間定額法に定める見積残存価額としても適正な期間損益計算を歪めるものではない。
 そこで、上記のようなファイナンス・リースの仕組みや実務上リース期間終了時の譲渡対価の額の見積りが困難であること等を考慮して、リース料算定上の見積残存価額を旧国外リース期間定額法の計算要素である見積残存価額としている場合は、これを認めることとしている。

3 連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-14)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(国外リース資産に係る転貸リースの意義)

7-6の2-15 賃貸人が旧リース資産(改正前リース取引の目的とされている減価償却資産をいう。以下7-6の2-15において同じ。)を居住者又は内国法人に対して賃貸した後、更に当該居住者又は内国法人が非居住者又は外国法人(以下7-6の2-15において「非居住者等」という。)に対して当該旧リース資産を賃貸した場合(非居住者等の専ら国内において行う事業の用に供されている場合を除く。)において、当該旧リース資産の使用状況及び当該賃貸に至るまでの事情その他の状況に照らし、これら一連の取引が実質的に賃貸人から非居住者等に対して直接賃貸したと認められるときは、当該賃貸人の所有する当該旧リース資産は国外リース資産に該当することに留意する。

【解説】

1  国外リース資産の償却の方法は、旧国外リース期間定額法とされている(令481六)。この旧国外リース期間定額法は、平成19年改正前の法人税法施行令第136条第1項《リース取引に係る所得の計算》に規定するリース取引(資産の賃貸借取引以外の取引とされるものを除く。)の目的とされている減価償却資産(以下「旧リース資産」という。)を非居住者等に賃貸している場合(非居住者等の専ら国内において行う事業の用に供されている場合を除く。)に適用される。そこで、この制度の運用に当たり、賃貸人が旧リース資産を居住者又は内国法人に賃貸した後、更にその居住者又は内国法人が非居住者等に対してその旧リース資産を賃貸するいわゆる転貸リース取引が行われた場合、その形式に着目してこの制度の対象外とするのか、それともその実質に着目して判断するのかという疑問が生じる。

2  この点、税務上の取扱いにおいては、その実質に着目して判断するというのが基本であり、このような転貸リースが行われた場合には、当該旧リース資産の使用状況及び当該賃貸に至るまでの事情その他の状況に照らし、これら一連の取引が実質的に賃貸人から非居住者等に対して直接賃貸した(一種のトンネル)と認められるときは、当該賃貸人の所有する当該旧リース資産は国外リース資産に該当するものとして取り扱うこととなる。

3  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-15)を定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(減価償却に関する明細書)

7-6の2-16 令第63条第1項《減価償却に関する明細書の添付》の規定の適用において、同項に規定する「第131条の2第3項(リース取引の範囲)の規定により償却費として損金経理をした金額に含まれるものとされる金額」に該当するものであっても、例えば、リース期間におけるリース料の額が均等でないため、当該事業年度において償却費として損金経理をした金額とされた賃借料の額と当該事業年度のリース資産に係る償却限度額とが異なることとなるものについては、減価償却に関する明細書を用いるなどして償却超過額又は償却不足額の計算をすることに留意する。

【解説】

1 平成19年度の税制改正により、リース取引については、リース資産の賃貸人から賃借人への引渡しの時にそのリース資産の売買があったものとして所得金額の計算をすることとされているが、賃借人の会計処理については一定の要件の下で賃貸借処理によることが認められている(リース会計適用指針34・35)。また、賃借人がリース取引について賃貸借処理をしている場合において、そのリース取引が税務上のリース取引に該当するときには、賃借人が支払うリース料については償却費として損金経理をした金額に含まれるものとされている(令131の23)。

2 同年の税制改正では、所有権移転外リース取引の償却の方法はリース期間定額法によることとされ、その償却限度額は次により計算した金額とする改正も行われている(令48の21六)。

(算式)

償却限度額=(リース資産の取得価額ー残価保証額)×当該事業年度のリース期間の月数/リース期間の月数

 上記の算式により計算した償却限度額は、通常、当該事業年度において支払ったリース料の額と同額となることから、賃借人が賃貸借処理をしている場合には、リース期間定額法による償却限度額の計算についての法人税申告書別表十六(四)への記載は不要とされているところである(令631)。

3  しかしながら、例えば、リース期間中のリース料の額が一定でない場合やリース料を年払いにしているなどにより当該事業年度におけるリース料の額の合計額と当該事業年度における償却限度額が一致しない事業年度が生ずることがある。その場合には、当該事業年度の償却限度額と当該事業年度のリース料の額の合計額との差額について、償却超過額又は償却不足額として申告調整をしなければならないこととなる。
 そこで、本通達において、リース期間定額法により計算した償却限度額と当該事業年度において支払ったリース料の額の合計額との差額については、法人税申告書別表等を用いるなどして償却超過額又は償却不足額の計算を行い、申告調整を行う必要があることを留意的に明らかにしている。

4  連結納税制度においても、同様の通達(連基通6-6の2-16)を定めている。