ここから本文です。

ホーム税について調べるその他法令解釈に関する情報法人税目次平成20年1月4日付課法2-1ほか1課共同 「租税特別措置法関係通達(法人税編)等の一部 改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明>3 第61条の2《農業経営基盤強化準備金》関係

3 第61条の2《農業経営基盤強化準備金》関係

【制度の概要】

 この制度は、青色申告書を提出する法人で認定農業生産法人等に該当するものが、平成19年4月1日から平成21年3月31日までの期間内において、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律に規定する交付金等の交付を受けた場合において、農業経営基盤強化促進法に規定する認定計画等の定めるところに従って行う農業経営基盤強化に要する費用の支払に備えるため、一定の金額を農業経営基盤強化準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、損金の額に算入することができるというものである(措法61の21)。
 なお、農業経営基盤強化準備金は、原則として、積立てをした事業年度から5年を経過した場合には、その5年を経過した金額部分を取り崩して益金の額に算入することとなる(措法61の22)。

  • 1 適用対象法人
     本制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で次に掲げるもの(認定農業生産法人等)とされている(措法61の21)。
    • 1 農業経営基盤強化促進法第12条第1項に規定する農業経営改善計画に係る同項の認定を受けた農地法第2条第7項に規定する農業生産法人
    • 2 農業経営基盤強化促進法第23条第1項の認定に係る同条第7項に規定する特定農用地利用規程に定める同条第4項に規定する特定農業法人(上記1であるものを除く。)
    • 3 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律第2条第2項第1号ロに掲げるもの(具体的には次の団体)
      • ・ 農業経営基盤強化促進法第23条第4項に規定する特定農業団体
      • ・ 集落営農組織
  • 2 対象となる交付金等
     次に掲げる交付金又は補助金が本制度の対象とされている(措法61の21、措規21の18の21)。
    • 1 生産条件不利補正交付金
    • 2 収入減少影響緩和交付金
    • 3 担い手経営革新促進交付金
    • 4 水田農業構造改革補助金
    • 5 水田農業構造改革交付金
    • 6 耕畜連携水田活用対策事業費補助金(取組面積助成事業に係るものに限る。)
    • 7 営農活動支援交付金
  • 3 準備金の積立限度額
     準備金の積立限度額は、上記2の交付金等の額のうち農業経営基盤強化に要する費用の支出に備えるための金額とされ、認定計画等に記載された農用地又は特定農業用機械等の取得に充てるための金額として証明された金額とされている(措法61の21一、措令37の22)。ただし、この制度の適用を受けようとする事業年度の所得の金額が限度となる(措法61の21二)。
     なお、連結納税制度についても同様の規定が定められている。

【新設】(適格合併により引継ぎを受けた農業経営基盤強化準備金の取崩し)

61の2−1 適格合併により引継ぎを受けた農業経営基盤強化準備金(連結事業年度において積み立てた農業経営基盤強化準備金を含む。以下同じ。)の措置法第61条の2第2項の規定による取崩しについては、55−7の2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

【解説】

  • 1  法人が適格合併により消滅した場合には、その法人が有する農業経営基盤強化準備金は合併法人への引継ぎが認められ、合併法人がその適格合併の日において有する農業経営基盤強化準備金の金額とみなすこととされている(措法61の27、5511)。
     ところで、前事業年度から繰り越された農業経営基盤強化準備金の金額のうちその積立てをした事業年度終了の日の翌日から5年を経過したものについては、5年間の均分取崩し(措法61の22)を行うこととなるが、合併法人が適格合併により被合併法人から引継ぎを受けた農業経営基盤強化準備金勘定の金額についても、この「前事業年度から繰り越された農業経営基盤強化準備金の金額」に含まれるものとされている(措法61の27、5513)。
     この場合、適格合併により引継ぎを受けた農業経営基盤強化準備金の金額に係る措置法第61条の2第2項の規定の適用については、その均分益金算入額の計算の基礎となる金額は、その引継ぎを受けた農業経営基盤強化準備金の金額なのか、被合併法人における「積立てをした事業年度の所得の金額の計算上・・・・・・損金の額に算入された・・・・・・金額」を合併法人が積み立てたものとするのか疑問が生ずるところであるが、損金算入額を均分益金算入して調整することの仕組みからすれば、被合併法人における当初の損金算入額を計算の基礎とすべきものである。
  • 2  また、均分取崩しの始期を特定する上で、いつの時点から起算して5年を経過したものと判定するかの問題も生ずるところである。この点については、平成13年度の税制改正における組織再編成税制の創設により、資産又は負債の移転があった場合の資産又は負債の課税関係に係る計算の継続性が明確にされたことから、本通達において、引継ぎを受けた農業経営基盤強化準備金の金額についての措置法第61条の2第2項の規定の適用については、合併法人がその引継ぎを受けた農業経営基盤強化準備金の金額を、その適格合併に係る被合併法人が当該農業経営基盤強化準備金の積立てをした事業年度と当該合併法人の事業年度とは区分して、かつ、当該被合併法人が積立てをした事業年度において当該合併法人が自ら積立てをしたものとみなして取り扱うことを、海外投資等損失準備金の取扱い(措通55−7の2)に準じて明らかにしている。
     当該適格合併の日を含む連結事業年度後の事業年度における農業経営基盤強化準備金に係る同項の規定の適用についても同様である。
  • 3  連結納税制度に係る租税特別措置法第68条の64《農業経営基盤強化準備金》についても、同様の通達(連措通68の64−1)を新たに定めている。

ページの先頭へ戻る

【新設】(海外投資等損失準備金の取扱い等の準用)

61の2−2 農業経営基盤強化準備金の積立額の損金算入等については、55−17、55−18及び55の5−1の取扱いに準じて取り扱うものとする。

【解説】

  • 1  新旧準備金の区分経理
     農業経営基盤強化準備金を積み立てておく必要がなくなった等の場合には、その準備金の額を益金の額に算入することとされている(措法61の23)。
     しかしながら、この準備金を積み立てている法人が青色申告書の提出の承認を取り消され、又は青色申告書による申告を取りやめた場合には、これにかかわらず、その取消し又は取りやめた日を含む事業年度から2年間で均分して益金の額に算入することとされている(措法61の24)。
     したがって、青色申告承認の取消し等の後、再び青色申告書の提出の承認を受けて農業経営基盤強化準備金の積立てを開始した場合には、その開始後の新準備金と取消し等の前に有していた旧準備金とを区分して経理する必要がある。
     本通達は、海外投資等損失準備金の取扱い(措通55−17)に準じて、その旨を明らかにしている。
     なお、旧準備金は、解散、任意取崩し等があった場合には、益金の額に算入されることとされている(措法61の23五、六)ことについても、併せて留意的に明らかにしている。
  • 2  青色申告書を提出できる者でないものの範囲
     農業経営基盤強化準備金を積み立てている法人が、当該事業年度が連結事業年度に該当しない場合で、かつ、当該事業年度開始の日の前日を含む事業年度が連結事業年度に該当していた場合において、当該事業年度の確定申告書等を青色申告書により提出できる者でないときは、当該事業年度終了の日における農業経営基盤強化準備金の金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入することとされている(措法61の25)。
     本通達は、海外投資等損失準備金の取扱い(措通55−18)に準じて、ここでいう青色申告書を提出できる者でない場合を次のように列挙している。
    • 1 法人税法第4条の5第1項の規定により法人税法第4条の2の承認を取り消された場合 最後の連結事業年度の翌事業年度
    • 2 法人税法第4条の5第2項の規定により法人税法第4条の2の承認を取り消された場合 最後の連結事業年度の翌事業年度
    • 3 法人税法第4条の5第3項の承認を受けた場合 最後の連結事業年度の翌事業年度
    • 4 連結親法人事業年度の中途において分割型分割を行った場合 当該分割の日の前日を含む事業年度
    • 5 適格合併に伴い措置法第68条の64第6項の規定により農業経営基盤強化準備金の金額の引継ぎを受けた連結法人であり、その後、連結親法人事業年度の中途において分割型分割を行った場合 当該分割の日の前日を含む事業年度
      なお、連結法人が自己を分割法人とする分割型分割を行った場合、連結納税の承認の取消しがあった等の場合において、一定の期限までに青色申告の承認申請書を提出してその承認を受けた場合(法1222四〜六、八)には、この益金算入規定の適用はない旨も併せて明らかにしている。
  • 3  任意取崩しの場合の積立限度超過額の認容
     農業経営基盤強化準備金を積み立てている法人が、当該準備金を任意に取り崩した場合には、その取り崩した金額は、その取崩しをした日を含む事業年度の益金の額に算入することとされている(措法61の23六)。
     この場合、当該法人が、当該準備金について積立限度超過額を有する場合において、その任意取崩額のうち既往の積立限度超過額に達するまでの金額を当該超過額を取り崩したものとして確定申告書において損金の額に算入したときは、金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱い(措通55の5−1)に準じて、その計算を認めることとしている。
  • 4  連結納税制度に係る租税特別措置法第68条の64《農業経営基盤強化準備金》についても、同様の通達(連措通68の64−2)を新たに定めている。