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ホーム税について調べるその他法令解釈に関する情報法人税目次平成19年3月13日付課法2−3ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明>4 資本金等の額及び資本等取引

4 資本金等の額及び資本等取引

【改正】 (資本金の増加の日)

1-5-1 法人の資本金又は出資金の増加があった場合におけるその資本金又は出資金の増加の日は、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定める日による。ただし、外国法人について、その本店又は主たる事務所の所在する国の法令にこれと異なる定めがある場合には、当該法令に定めるところによる。

(1) 金銭の払込み又は金銭以外の財産の給付による増資の場合((3)に該当する場合を除く。) 次に掲げるいずれかの日

 払込み又は給付の期日を定めたとき 当該期日

 払込み又は給付の期間を定めたとき 当該払込み又は給付をした日

(2) 準備金の額若しくは剰余金の額の減少による増資の場合又は再評価積立金の資本組入れによる増資の場合 その効力を生ずる日。ただし、当該効力を生ずる日を定めていない場合には、当該減少又は組入れに関する社員総会又はこれに準ずるものの決議の日

(3) 新株予約権及び新株予約権付社債に係る新株予約権の行使による増資の場合 新株予約権を行使した日

※下線部分が改正部分である。

【解説】

1  法人の資本が増加した場合、その資本の増加は課税関係にいろいろな影響を与えることから、本通達においては、法人の資本金又は出資金の増加の日がいつであるかということについて定めている。

2  本通達の(1)は、金銭の払込み等を要する増資が行われる場合における資本金の増加の日を明らかにしている。
 改正前の本通達の(1)では、払込み又は現物出資による増資の場合の資本の増加の日は、払込期日(現物出資の場合には、現物出資の目的となった財産の給付の期日)となることを明らかにしていた。この取扱いは、旧商法において、払込み又は現物出資による増資が行われた場合、新株の引受人は、払込みにあってはその払込期日、現物出資にあってはその現物出資の目的となった財産の給付の期日において、それぞれ株主となることとされていたことから(旧商法280ノ91)、税務上もこれに合わせて資本増加の日を判断することとしていたものである。
 会社法の下では、その発行する株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、会社は金銭の払込み又は財産の給付の期日(払込期日)を定めなければならないが、払込期日に代えて、その期間(払込期間)を定めることもできることとされている(会社法199 1四)。そして、募集株式の引受人は、会社が払込期日を定めた場合には当該期日に株主となることとされ(会社法209一)、会社が払込期間を定めた場合には出資の履行をした日、すなわち、募集株式の払込金額の全額を払い込んだ日又は募集株式の払込金額の全額に相当する現物出資財産を給付した日において株主となることとされている(会社法209二)。
 そこで、税務上もこの会社法の規定に合わせて、金銭の払込み又は金銭以外の財産の給付による増資が行われた場合において、払込み又は給付の期日を定めたときは当該期日、払込み又は給付の期間を定めたときは当該払込み又は給付をした日において、それぞれ資本金の増加があったものとして取り扱うこととしている。
 本通達の(1)の改正によりこのことを明らかにしている。

3  本通達の(2)は、準備金の額若しくは剰余金の額の減少による増資が行われた場合又は再評価積立金の資本組入れによる増資が行われた場合における資本金又は出資金の増加の日について定めている。
 改正前の本通達の(2)の本文では、旧商法の規定を踏まえ、利益若しくは準備金の資本組入れ又は再評価積立金の資本組入れによる増資が行われた場合の資本の増加の日は、当該組入れに関する取締役会又は株主総会若しくは社員総会の決議の日(ただし、その決議により増資の日として定められた日があるときは、その日)となることを明らかにしていた。
 会社法においては、株式会社が準備金又は剰余金の額を減少して増資を行う場合、その効力を生ずる日を定めなければならないこととされたことから(会社法4481三、4501二)、税務上も当該効力を生ずる日において、資本金の増加があったものとして取り扱うこととしている。なお、持分会社については、効力を生ずる日を定めることが必ずしも義務付けられているわけではないので、効力を生ずる日を定めていない場合には、剰余金の資本組入れ又は再評価積立金の資本組入れに関する社員総会等の決議の日において資本金又は出資金が増加したものと取り扱うこととなる。
 本通達の(2)本文の改正によりこのことを明らかにしている。
 また、改正前の本通達の(2)の注書では、利益又は準備金の資本組入れにより増資が行われた場合には、当該資本の増加の日において当該組み入れた額に相当する金額の資本積立金額を減算することとなる旨を明らかにしていた。これは、利益の資本組入れによる資本の増加の日はその組入れに関する株主総会の決議の日となることから、資本積立金額を減算する日についても、これに対応させて株主総会の決議の日となる旨を留意的に明らかにしていたものである。
 この点、会社法制定を踏まえた平成18年度税制改正後においては、資本積立金額がなくなり、効力発生日において剰余金が資本に組み入れられ、その日において資本金の額が変動することは明らかであることから、本通達の(2)の注書は削除している。

4  本通達の(3)では、新株予約権及び新株予約権付社債に係る新株予約権の行使による増資の場合における資本金の増加の日について定めている。
 改正前の本通達の(3)では、新株予約権及び新株予約権付社債に係る新株予約権の行使による増資の場合には、その払込みがあった日(権利行使があったときに代用払込みの請求があったものとみなす場合には、その権利行使の日)をもって資本増加の日として取り扱うことを明らかにしていた。これは、旧商法において、新株予約権の行使をした者の株主となる時期はその発行価額の払込みをした時とされていること(旧商法280ノ38)、新株予約権付社債の発行に当たり、取締役会又は株主総会で決議すれば、新株予約権の権利行使があったときに、その新株予約権が付せられた社債の償還に代えて新株予約権行使の際の払込みがあったとみなす(代用払込)ことができることとされていること(旧商法341ノ31八)を踏まえ、商法の規定に対応した資本増加の日を明らかにしていたものである。
 会社法では、新株予約権を行使する新株予約権者は、当該新株予約権を行使する日に、当該新株予約権の行使に際して出資される金銭の全額を払込み、又は金銭以外の財産を給付しなければならないこととされている(会社法28112)。また、新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に、当該新株予約権の目的である株式の株主となると規定されている(会社法282)。これらの規定を踏まえ、税務上も、新株予約権の権利行使による資本金の増加の日は新株予約権の行使の日として取り扱うこととしている。なお、旧商法においても、新株予約権を権利行使する場合には全額の払い込みをなすことを要すると規定されていたことから、改正後の「権利行使の日」と改正前の「払込みがあった日」との間に実質的な差異はないと考えられる。
 本通達の(3)の改正によりこのことを明らかにしている。

5  なお、この取扱いは、会社法の施行の日(平成18年5月1日)以後に行われる資本金又は出資金の増加について適用し、同日前に行われた資本又は出資の増加については、改正前の本通達の取扱いによることとしている(経過的取扱い(2))。

6  連結納税制度においても、同様の通達(連基通1-7-1)を定めており、同様の改正を行っている。

【新設】 (資本金の額が零の場合

1-5-8 会社法の規定の適用を受ける法人で資本金の額が零のものについては、資本を有しない法人には該当しないことに留意する。

※下線部分が改正部分である。

【解説】

1  会社法においては、株式会社は、その資本金の額を限度として資本金の額を減少することができることとされていることから(会社法447)、資本金の額が零となることがあり得ることになる。
 ところで、資本金の額が零となった場合、次に掲げるような規定の適用に当たり、資本金の額を有する法人として取り扱うのか、あるいは、資本又は出資を有しない法人として取り扱うのかによりその所得計算の結果が異なることとなる。
・ 寄附金の損金不算入(法37、法令731一・二)
・ 交際費等の損金不算入(措法61の4、措令37の41一)
・ 中小企業投資促進税制等の各種租税特別措置における中小企業者の判定(措令27の416一)
 この点、損金算入限度額の計算等における資本又は出資を有しない法人とは、資本制度自体が存在しない法人形態を指すため、株式会社や持分会社など資本制度の存在する会社で資本金の額が零のものは、資本又は出資を有しない法人には該当しない。本通達はこのことを明らかにしている。

2  なお、連結納税制度においても、同様の通達(連基通1-7-7)を定めている。


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