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ホーム税について調べるその他法令解釈に関する情報その他目次電子帳簿保存法について電子帳簿保存法Q&A(平成28年9月30日以後の承認申請対応分)>適用要件〜スキャナ編

適用要件〜スキャナ編

問31 どのような書類がスキャナ保存の対象となりますか。

回答

 規則第3条第3項に規定する書類を除く全ての国税関係書類が対象となります。

解説

 スキャナ保存の対象は、規則第3条第3項に規定する書類以外の書類とされています。
 規則第3条第3項に規定する書類とは、具体的には、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの計算、整理又は決算関係書類となっていますので、これ以外の書類がスキャナ保存の対象となります。
 また、スキャナ保存に関しては平成17年1月31日付国税庁告示第4号がありますが、この告示はスキャナ保存できる書類を定めたものではなく、スキャナ保存できる書類のうち、規則第3条第6項の規定により、入力期間の要件、電子計算機処理システムの要件の一部(赤・緑・青それぞれ256階調(1677万色)以上で読み取れるスキャナ)、大きさ情報の保存の要件、適正事務処理要件及びカラーディスプレイ・カラープリンターの備付けの要件がなくスキャナ保存が可能となる書類を定めたものです。具体的には、この告示の各号に掲げている国税関係書類については、これら5つの要件が必要となり、各号に掲げている書類以外の国税関係書類については、5つの要件がなくてもスキャナ保存が可能な書類となります。

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国税関係帳簿書類のスキャナ保存の区分の図

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問32 当社は、従業員が立替えた交際費等の領収書について、所要の事項を整理した精算書とともに提出させていますが、このような精算書は、スキャナ保存の対象とすることができますか。また、適時入力方式の対象となりますか。

回答

 法人税法施行規則第59条第4項等に規定する「帳簿代用書類」に該当すれば、スキャナ保存の対象とすることができます。また、「帳簿代用書類」は、適時入力方式の対象とはなりません。

解説

  • 1 法人税法施行規則第59条第4項等に規定する「帳簿代用書類」は、同条第1項第3号等の規定により保存しなければならないこととされている書類であることから、電子帳簿保存法では国税関係帳簿ではなく国税関係書類に該当することとなります(法2二)。
    このため、スキャナ保存(法43)の対象とすることができます。
  • 2 「帳簿代用書類」は、規則第3条第6項に規定する国税庁長官が定める書類から除かれている(平成17年1月31日付国税庁告示第4号)ことから、規則第3条第5項第1号に規定する速やかな入力及び同項第2号ハに規定する大きさに関する情報の保存などが必要となります。

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問33 スキャナについて原稿台と一体型に限るとする要件が廃止されたので、当社は、営業担当者が私物のスマートフォンで領収書等の読み取りを行うこととして申請を検討していますが、利用機器が私物であることについて、制約はありますか。

回答

 私物か否かについて、法令上の制約はありません。

解説

 私物か否かについて、法令上の制約はありませんが、私物か否かにかかわらず、申請に当たっては当該機器の機器名等を承認申請書に記載する必要があります。また、保存場所において当該機器に係る操作マニュアルなどの備付けが必要となります(規則3条第5項第7号において準用する規則第3条第1項第3号ハ)。
 なお、操作マニュアルの備付けについては、問20を参照してください。

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問34 スマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取りを行った場合、解像度について、規則第3条第5項第2号イ(1)に規定する「スキャニング時の解像度である25.4ミリメートル当たり200ドット以上」の要件を満たしていることをどのように判断するのでしょうか。

回答

 読み取った書類の大きさと画素数を基に判断することとなります。

解説

 A4サイズの大きさの書類を例にとると、A4サイズの紙の大きさは、縦297ミリメートル、横210ミリメートルであり、1インチは25.4ミリメートルです。
 このA4サイズの紙の大きさは、インチ換算すると、縦約11.69インチ、横約8.27インチになります。
 これを画素に換算すると、縦11.69インチ×200ドット=2,338画素、横8.27インチ×200ドット=1,654画素、そして総画素を算出すると2,338画素×1,654画素=3,876,052画素になります。
 したがって、A4サイズの紙が規則第3条第5項第2号イ(1)に規定する解像度の要件を満たすためには、約388万画素以上が必要となり(A4サイズを画面最大で保存する際に必要な画素数です。)、このように、読み取った書類の大きさと画素数を基に解像度の要件が満たされていることを判断することとなります。
 また、機器によっては、A4サイズと縦横比が異なっている場合もあることから、そのような場合には、縦2,338画素、横1,654画素をそれぞれ満たしている必要があります。
 なお、スマートフォンやデジタルカメラ等で読み取りを行った場合、画像の解像度が72dpiと表示される場合がありますが、これは、デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格(一般社団法人カメラ映像機器工業会・社団法人電子情報技術産業協会 策定)において、「画像の解像度が不明のときには72dpiを記録しなければならない。」とされていることにより表示されるものであり、必ずしも画像の解像度を取得できているわけではありません。
 おって、階調に関する情報の保存については、例えば、赤・緑・青、各256階調の場合、Exifの「Bits Per Sample」のタグに「8 8 8」が格納され、ファイルのプロパティに「24ビット」と表示されるなど、その階調が分かる情報が保存されれば良いことになります。

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問35 規則第3条第5項第1号に規定する「入力する」とは、単にスキャニングすることだけをいうのでしょうか。

回答

 単にスキャニングすることだけをいうのではなく、スキャナで読み取った後、国税関係書類にタイムスタンプを付し、当該電磁的記録に係る訂正又は削除の履歴等が確保された状態にするまでをいいます。

解説

 規則第3条第5項第1号では、国税関係書類に係る記録事項の入力を一定期間内に行うこととされています。これは、国税関係書類の受領等後できるだけ早く電磁的記録にすることによって紙の段階における改ざんの可能性を低くし、タイムスタンプ及び訂正又は削除の履歴の確保の要件等を満たした電磁的記録については、電磁的記録における改ざんを防ぐことができるため、当該国税関係書類に係る電磁的記録の真実性を確保する目的から設けられているものです。
 したがって、このような趣旨から「入力する」とは、単に国税関係書類をスキャナで読み取る作業をいうのではなく、電磁的記録の真実性を確保するための同項第2号に規定するタイムスタンプ及び当該電磁的記録の訂正又は削除の履歴の確保の要件等を備えるまでをいいます。

(注) 入力者等の情報の確認、帳簿との相互関連性の確保及び検索機能の確保は当該電磁的記録の入力に含まれないことから、原則として当該電磁的記録を保存するまでに確保しなければなりませんが、国税関係書類の保存時点で帳簿が作成されていない場合には、決算終了後遅滞なくこれらの要件を満たしていれば認められます。

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問36 規則第3条第5項第1号イに規定する「速やかに」とは1週間を1日でも超えたら要件違反となるのでしょうか。

回答

 原則として要件違反と考えられますが、1週間以内に入力できない特別な事由がある場合に、その1週間以内に入力することができない事由が解消した後直ちに入力したときには、速やかに入力したものとして取り扱われます。

解説

 本来国税関係書類の入力は、紙段階の改ざんの可能性を低くする観点からは、国税関係書類の受領等後直ちに行うことが望まれますが、様々な事由によりそれができないことも一般的に考えられることから、1週間以内に入力すれば速やかに入力しているものとして取り扱うこととされています。
 したがって、1週間で入力できないような特別な事由が存在する場合には、その事由が解消した後直ちに入力を行うことによって、規則第3条第5項第1号イに規定する速やかに入力する目的は達せられると考えられることから、例えば、1週間以上の出張の際に出張先で国税関係書類を受領等したように、スキャナ保存すべき場所にスキャニングすべき国税関係書類がなく、1週間以内に入力するためには特別な手段を講ずる必要がある場合であって、その事由が解消した後直ちに入力を行っている場合には、速やかに行っているものとされます。
 なお、機器のメンテナンスを怠ったことにより、スキャナ機器の故障が生じた場合など明らかに保存義務者の責めに帰すべき事由が存在するときには、これらの取扱いはないこととなります。

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問37 規則第3条第5項第1号ロに規定する「業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行う」とは何日以内に入力すればよいのでしょうか。

回答

 最長では、国税関係書類の受領等から1ヶ月と1週間以内に入力すればよいこととなります。

解説

 「その業務の処理に係る通常の期間」とはそれぞれの企業において採用している業務処理サイクルの期間をいい、また、1週間以内に入力している場合には「速やかに」行っているものと取り扱う(取扱通達4−20)ことから、仮に2週間を業務処理サイクルとしている企業であれば2週間と1週間(3週間)以内、20日を業務処理サイクルとしている企業であれば20日と1週間以内に入力すればよいこととなります。
 なお、最長1ヶ月の業務処理サイクルであれば「その業務の処理に係る通常の期間」として取り扱う(取扱通達4−21)ことから、規則第3条第5項第1号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと」については、国税関係書類の受領等から最長1ヶ月と1週間以内に入力すればよいこととなります。
 また、この場合、最長1ヶ月とは暦の上での1ヶ月をいうことから、例えば4月21日に受領した書類の場合、業務処理サイクルの最長1ヶ月は5月20日であり、プラス1週間後の5月27日までに入力すればよいこととなります。

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問38 会計システムのサブシステムにあるマスターデータについて、課税期間終了時点のもののみを保存することとしてもよいのでしょうか。

回答

 単価などのマスターデータは、課税期間中に何度も改定されることもあることから、マスターデータと関連付けられた事項を正しく表示させるためには、電磁的記録の保存対象となった取引記録と関連するマスターデータを全て保存する必要があります。

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問39 当社は各種の業務システム(販売等の個別取引データを保存)と会計システム(業務システムの集計データを保存)を連携させています。「仕訳帳」及び「総勘定元帳」を電子帳簿として申請した場合、会計システムのデータのみ保存しておけばよいでしょうか。

回答

 原則として、会計システムのデータとともに業務システムのデータを合わせて保存する必要があります。

解説

 会計システムのデータのみを保存することとした場合、業務システムの集計データのみが保存され、販売等の個別取引データは保存されないため、結果として、保存した仕訳帳及び総勘定元帳のデータは、全ての取引を記載した帳簿とはなりません。
 これは、法人税法施行規則第54条において、仕訳帳は「全ての取引を借方及び貸方に仕訳する帳簿」、総勘定元帳は「全ての取引を勘定科目の種類別に分類して整理計算する帳簿」と規定されていること、また、集計データのみの保存では、全ての取引に係るデータの訂正又は削除の履歴が確保できないことや、帳簿間の相互関連性が明確にならないことなどから、規則第3条第1項第1号の要件が満たされないこととなります。

(注) 業務システムのデータを合わせて保存する方法以外に、法人税法施行規則第54条の要件を確保する方法として、業務システムのデータの保存に代えて、販売等の個別取引が記載された売上帳(補助簿等)を書面に出力して保存する方法も認められています。
 また、訂正又は削除の履歴の確保方法として、会計システムの前段階のシステムのデータを訂正又は削除することによって会計システムの記録事項が訂正又は削除されることとなっている場合に、業務システムに当該訂正又は削除の履歴の事実及び内容の電磁的記録を保存又はこれを出力した書面により確認する方法も認められています(取扱通達4−6本文注書き)。

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問40 規則第3条5項第1号イ及びロに規定する入力期間を、誤って経過してしまった場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。

回答

 入力期間を経過した国税関係書類についてもその他の保存要件に沿って入力するとともに、当該国税関係書類を紙のまま保存することとなります。

解説

 スキャナ保存の承認を受けている国税関係書類については、その全てについてスキャナ保存する必要があることから、誤って入力期間を経過した場合であっても、その他の要件に従ってスキャナ保存することとなります。ただし、入力期間の制限というスキャナ保存における要件を満たしていない電磁的記録となることから、それをもって当該国税関係書類の保存に代えることはできず、元の書類は紙のまま保存することとなります。
 なお、この取扱いは、たまたま入力期間を経過してしまった場合に限るものであり、入力期間を経過した場合は本来要件違反となりますので、入力期間の経過が散見されるような場合にはこの取扱いはなく、また、元となった国税関係書類を保存することによって、保存要件を満たしているとみなすものではありません。

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問41 「その業務の処理に係る通常の期間」については、規則第3条第1項第1号ロ及び同条第5項第1号ロにそれぞれ規定されていますが、その期間については同様に解してよいのでしょうか。

回答

 規則第3条第1項第1号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、事務処理後データの入出力を行うまでの業務サイクルの期間をいい、同条第5項第1号ロに規定する「その業務の処理に係る通常の期間」とは、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取り可能となる前までの業務サイクルの期間をいいます。

解説

 規則第3条第1項第1号ロ及び同条第5項第1号ロでは、いずれも「その業務の処理に係る通常の期間」と規定しています。それは、企業等においてはデータ入力又は書類の処理などの業務を一定の業務サイクル(週次及び月次)で行うことが通例であり、また、その場合には適正な入力又は処理を担保するために、その業務サイクルを事務の処理に関する規程等で定めることが通例であるという共通した考え方によるものです。
 しかしながら、規則第3条第1項第1号ロは国税関係帳簿に係る記録事項を入力する場合であり、同条第5項第1号ロは国税関係書類に係る記録事項を入力する場合であることから、「その業務」の内容が異なり、それぞれが具体的に指し示す期間には次のとおり差があります。
 したがって、規則第3条第1項第1号ロについては事務処理終了後の入力までの期間であることからおおむね1ヶ月程度、また、同条第5項第1号ロについては事務処理の期間であることから最長1ヶ月の業務サイクルであれば、通常の期間として取り扱われます。

≪その業務とその期間≫

  • イ 規則第3条第1項第1号ロの場合

     その業務とは、帳簿の元となるデータの入出力を含むことと考えられることから、その期間については、事務処理終了後データの入出力を行うまでの業務サイクルの期間をいいます。

  • ロ 規則第3条第5項第1号ロの場合

     その業務とは、企業等における書類の事務処理と考えられることから、その期間については、国税関係書類の受領等からスキャナで読み取り可能となる前までの業務サイクルの期間をいいます。

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問42 速やかに入力又は業務サイクル後速やかに入力などの入力方式を、課税期間の中途で変更することは認められるのでしょうか。

回答

 入力方式ごとの要件を満たしていれば認められます。

解説

 入力方式については、「速やかに入力」(規則35一イ)、「業務サイクル後速やかに入力」(規則35一ロ)及び「適時に入力」(規則36)の3方式がありますが、法第4条第3項の承認を受けていれば、それぞれに規定する要件を満たしてスキャニングを行うことにより、書類の種類ごとや事業部ごと等を問わず、承認申請書の「入力方式」の欄にチェックを付した方式の範囲内でどの方式を採用してもよく、また、課税期間の中途で変更することも納税者の選択により行うことができます(変更の届出は必要ありません。)。

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問43 国税関係書類の受領者等が読み取る場合で、当該国税関係書類の大きさがA4以下のときには、大きさに関する情報の保存が不要となりますが、国税関係書類の大きさがA4以下とはどのように判断するのでしょうか。

回答

 基本的には、日本工業規格(JIS P0138)において、A列4番以下の大きさであるかを判断することとなります。このため、A列4番からA列10番がA列4番以下の大きさに該当することとなります。
 ただし、A列の規格に該当しない大きさの書類についても、日本工業規格A列4番に収まる大きさである場合、A列4番以下の大きさとして扱います。

解説

 大きさに関する情報の保存を要しない書類について、規則第3条第5項第2号ハ括弧書は、「国税関係書類の大きさが日本工業規格A列4番以下であるとき」と規定していますので、基本的には、規格内における大小の判断をすることとなりますが、日本工業規格A列の規格に該当しない書類についても、A列4番に収まる大きさの書類についてはA列4番以下の大きさと扱います。
 また、日本工業規格において、A列4番は短辺が210mm、長辺が297mmとされ、±2mmが許容されています。したがって、日本工業規格A列に該当しない大きさの国税関係書類の判断に当たっては、短辺が212mm、長辺が299mmの枠内に収まる大きさのものがA列4番以下の大きさの国税関係書類となります。

参考:日本工業規格(JIS P0138)

単位mm
呼び A列
A0 841×1189
A1 594× 841
A2 420× 594
A3 297× 420
A4 210× 297
A5 148× 210
A6 105× 148
A7  74× 105
A8  52×  74
A9  37×  52
A10  26×  37

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問44 国税関係書類の受領者等が読み取る場合、受領等後、タイムスタンプを付すに当たり受領者等が当該国税関係書類に署名することとされていますが、押印は必要でしょうか。

回答

 押印は不要です。

解説

 署名とは、一般的に、自分が作成等をした書類等に自分の氏名を書くことと解されています。
 したがって、氏名の記載があれば足り、また、押印があることをもって署名に代えることとはなりません。
 また、受領者等以外の者が受領者等の氏名を記載しても署名にはなりません。

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問45 国税関係書類の受領者等が読み取る場合に行う署名は、国税関係書類の表面に限られますか。

回答

 国税関係書類の受領者等が読み取る場合に行う署名は、国税関係書類の表面に限られませんが、裏面に署名を行った場合、裏面についても受領者等が読み取りを行い、入力する必要があります。

解説

 国税関係書類の入力すべき範囲については、法第4条第3項で、「当該国税関係書類に記載されている事項を・・・電磁的記録に記録する場合であって」と規定していることから、国税関係書類の表裏にかかわらず、原則として記載されている事項については全て入力する必要があります。
 したがって、裏面には印刷等がなく、全くの白紙である場合は裏面の入力を要しませんが、何らかの符号で裏面に記したりしている場合には、当該裏面も入力を要することとなり、これについては、署名を行った場合についても同様です(参考:取扱通達4−18)。

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問46 受領者等が読み取りを行うこととして承認申請をした国税関係書類については、その全てについて、受領者等が読み取りを行うことが必要となりますか。また、受領者等が読み取りを行わないこととする場合、変更の届出が必要でしょうか。

回答

 受領者等が読み取りを行うこととして承認申請をした国税関係書類について、場面に応じて、受領者等以外の者が読み取りを行うことは可能です(問56参照)。
 なお、上記のように場面に応じて受領者等以外の者が読み取りを行うような場合とは異なり、承認申請をした国税関係書類について、今後全て、受領者等以外の者が読み取りを行うこととするのであれば、申請書に記載した事項の変更をしようとする場合(規則62)に該当することから、変更の届出が必要となります。

解説

 国税関係書類の受領者等が読み取る場合には、受領等後、受領者等が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付す必要がある旨定められていますが(規則35二ロ)、これは、承認を受けた全ての領収書等について受領者等がスキャナで読み取りを行うことを要するものではありません。
 なお、これを踏まえ、平成28年度の税制改正後の承認申請書においては、承認を受けようとする書類に、受領者等が読み取るものがある場合は、「受領者等による読取」欄にレ印を付して表示することとしています。

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問47 領収書等について、受領者等以外の者が社内などにおいて、スマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取りを行うことは可能でしょうか。

回答

 可能です。

解説

 この場合、国税関係書類の受領者等が読み取る場合に該当しないため、受領等後、受領者等が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付す必要はありませんが、当該国税関係書類がA4以下の大きさであったとしても、大きさに関する情報の保存が必要になります。
 一般的には、スマートフォンやデジタルカメラ等においては、読み取りの際に、大きさに関する情報の取得等が困難となっています。このため、別途、大きさに関する情報を入力して保存するなどの対応が必要となります。

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問48 領収書等について、受領者等が社内などにおいて、原稿台と一体型のスキャナを用いて読み取りを行うことは可能でしょうか。

回答

 可能です。

解説

 この場合、国税関係書類を受領者等が読み取る場合に該当するため(規則35二ロ)、受領等後、受領者等が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付すことが必要です。
 なお、A4以下の大きさの国税関係書類に係る大きさに関する情報の保存は不要です。

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問49 規則第3条第6項に規定する適時に入力する方法が可能なのは、具体的にどのような書類が対象となるのでしょうか。

回答

 規則第3条第6項において、国税関係書類のうち国税庁長官の定める書類については、入力期間の制限なく入力することができることとされており、その書類については平成17年1月31日付国税庁告示第4号により告示されています。
 この告示により、例えば、次のような書類が入力期間の制限なく適時に入力することができます。

  • イ 保険契約申込書、電話加入契約申込書、クレジットカード発行申込書のように別途定型的な約款があらかじめ定められている契約申込書
  • ロ 口座振替依頼書
  • ハ 棚卸資産を購入した者が作成する検収書、商品受取書
  • ニ 注文書、見積書及びそれらの写し
  • ホ 自己が作成した納品書の写し

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問50 規則第3条第6項に規定する適時に入力する方法であれば、過去に遡って保存されている書類をスキャナ保存に代えてもいいのでしょうか。

回答

 資金や物の流れに直結・連動しない書類(平成17年1月31日付国税庁告示第4号に定めるものに限ります。)で、要件に沿って保存することが可能であれば、過去に受領等した書類についてもスキャナ保存ができます。

解説

 スキャナ保存が可能か否かについては、要件に沿った保存が可能か否かで判断することとなります。規則第3条第5項第1号イ、ロでは、国税関係書類を受領等してから入力するまでの期間制限が規定されていますが、平成17年1月31日付国税庁告示第4号に定める書類については規則第3条第6項により、この期間の制限がなく適時に入力できることから、これらの書類については、他の要件を満たす限り、過去において受領等した書類についてもスキャナ保存することが可能となります。

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問51 見積書や注文書などのいわゆる一般書類(規則第3条第6項に規定する国税庁長官が定める書類)について、その書類を受領者等がスマートフォンやデジタルカメラ等を使用して読み取りを行うことは可能でしょうか。

回答

 可能です。
 なお、タイムスタンプについては、次のいずれかにより付すこととなります。

  • 1 正しくスキャニングされていることを確認した都度付す。
  • 2 受領等後、受領者等が署名の上、3日以内に付す。

解説

 いわゆる一般書類に係るタイムスタンプについては、「1当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に、又は2当該国税関係書類を作成又は受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合におけるその作成又は受領後その者が署名した当該国税関係書類について、特に速やかに」付すこととされています。
 平成28年度の税制改正前においては、「スキャナで読み取る際に」すなわち、正しくスキャニングされていることを確認した都度タイムスタンプを付す必要がありましたが、平成28年度の税制改正において、一般書類に係るタイムスタンプについて、書類の受領等後、受領者等が署名の上、3日以内に付すことも選択できるように改正されています。
 これは、例えば、一般書類について、受領者等が社外でデジタルカメラを使用して読み取りを行う場合のように、「スキャナで読み取る際に」すなわち、正しくスキャニングされていることを確認した都度タイムスタンプを付すことが困難な場合があることを踏まえ、受領等後、受領者等が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付すことを選択できるように改正されたものです。

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問52 規則第3条第6項に規定する国税庁長官が定める書類を定める告示(平成17年1月国税庁告示第4号)について、平成28年3月に改正が行われましたが、これはどのような改正でしょうか。

回答

 恒久的施設との間の内部取引に関して外国法人等が作成した書類について対応するよう改正したものです。

解説

 OECD承認アプローチ(AOA:Authorized OECD Approach)を踏まえ、平成26年度の税制改正により、外国法人等と恒久的施設との内部取引についても損益として認識することとされ、恒久的施設を有する外国法人等は、恒久的施設との間の内部取引に関して書類を作成し、保存しなければならないこととされました。
 平成17年1月国税庁告示第4号は、いわゆる一般書類(規則第3条第6項に規定する国税庁長官が定める書類)を定める告示で、同告示の各号に掲げる書類以外の書類については、規則第3条第6項により入力期限の要件の緩和などがされています。
 上記の恒久的施設との間の内部取引に関して外国法人等が作成した書類のうち、同告示の各号に掲げる書類に相当するもの(及びその写し)について対応するよう改正したものです。

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問53 規則第3条第5項第1号ロに規定する「各事務の処理に関する規程」、同項第4号の「適正な実施を確保するために必要な体制及び手続に関する規程」及び同条第6項の「事務の手続を明らかにした書類」との違いは何でしょうか。

回答

 「各事務の処理に関する規程」とは、作業責任者、処理基準及び判断基準等を含めた業務サイクルにおけるワークフローなどの企業の方針を定めたものです。また、「適正な実施を確保するために必要な体制及び手続に関する規程」とは、相互けんせい、定期的なチェック及び再発防止を定めたものです。それに対して「事務の手続を明らかにした書類」とは、責任者、作業の過程、順序及び入力方法などの手続を明確に表現したものをいいます。

解説

 規則第3条第5項第1号ロの「各事務の処理に関する規程」については、業務サイクルに応じた入力事務を行うことにより、改ざん等の誘因を制限するものですから、書類の受領又は作成を始めとする企業のワークフローに沿ったスキャニング、タイムスタンプの付与の時期等について規定し、その規程に沿った入力事務の処理を行う責任者を規定することにより責任の所在を明らかにするという企業の方針を定め、真実性を確保するためのものです。
 また、同項第4号の「適正な実施を確保するために必要な体制及び手続に関する規程」については、スキャナによる読み取り前の紙段階で行われる改ざん等の不正を防ぐ観点から、事務担当者間でチェック機能を働かせる仕組み(担保措置)を講じるために、相互けんせい、定期的なチェック、再発防止に関する規程を定めるものです。一方、同条第6項の「事務の手続を明らかにした書類」は、責任者、入力の順序、方法などの処理手続、さらにはアウトソーシングの際の事務の手続を定めることによる、適切な入力を確保するためのものです。
 なお、これらの規程の例については、問63を参照してください。

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問54 一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプとはどのようなものでしょうか。

回答

 タイムビジネスの信頼性向上を目的として、一般財団法人日本データ通信協会が定める基準を満たすものとして認定された時刻認証業務によって付与され、その有効性が証明されるものです。
また、認定を受けたタイムスタンプ事業者には、「タイムビジネス信頼・安心認定証」が交付され、以下に示す「タイムビジネス信頼・安心認定マーク」を使用できることから、その事業者の時刻認証業務が一般財団法人日本データ通信協会から認定されたものであるか否かについては、この認定マークによって判断することもできます。

《タイムビジネス信頼・安心認定マーク》

タイムビジネス信頼・安心認定マーク

認定マークを使用できる場所
・ホームページ ・名刺 ・説明書 ・宣伝広告用資料 ・取引書類 等

※ 認証番号等とは、一般財団法人日本データ通信協会から発行される認定番号に続けて、認定回数を括弧内に記載しているものです。

(注) 規則第3条第5項第2号ロ(1)及び(2)に規定する要件を満たすものに限ります。

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問55 規則第3条第5項第2号ロ(タイムスタンプ)に規定するタイムスタンプについては、「一の入力単位ごと」に付すこととされていますが、このタイムスタンプが一の入力単位ごとに検証できるものである場合には、書類種別や部署ごとの電磁的記録の記録事項にまとめて付してもよいのでしょうか。

回答

 まとめてタイムスタンプを付しても差し支えありません。

解説

 規則第3条第5項第2号ロ(タイムスタンプ)の規定によれば、「一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に、一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ…を付すこと」とされています。
 このタイムスタンプを付す方法については、1一の入力単位である単ファイルごとにタイムスタンプを付す方法及び2複数ファイルにまとめてタイムスタンプを付す方法が考えられます。
 上記2の方法の改ざんの検証については、通常、複数ファイルのうち1つの単ファイルが改ざんされた場合には、その複数ファイルのうち改ざんされた単ファイルのみを検証することができないため、その複数ファイルの全体について、変更されていないことの確認ができなくなります。
 しかしながら、上記2の方法の改ざんの検証については、単ファイルのハッシュ値を束ねて階層化した上でまとめてタイムスタンプを付す技術を使用する方法によりタイムスタンプを付した場合には、改ざんされた単ファイルのみを検証することができ、また、このような方法であれば、一の入力単位である単ファイルごとにその単ファイルのハッシュ値を通じてタイムスタンプを付している状態となり、実質的には「一の入力単位ごと」にタイムスタンプを付しているものと解することができます。
 したがって、このような方法であれば、まとめてタイムスタンプを付しても差し支えありません。

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問56 受領者が領収書の読み取りを行ったため、受領の日から3日以内にタイムスタンプを付しましたが、その後、経理担当者が電磁的記録の記録事項の確認を行ったところ、問題があり、再度読み取りを行うことが必要となりました。すでに領収書の受領の日から3日を経過してしまいましたが、どのように対応すればよいでしょうか。

回答

 当該領収書の受領者以外の者が読み取りを行い、選択した入力方式に応じて速やかに、又は業務の処理に係る通常の期間を経過した後速やかに入力することとなります。

解説

 タイムスタンプを特に速やか(3日以内)に付すという要件は、国税関係書類の受領者等が読み取る場合の要件です(規則35二ロ)。したがって、読み取りを行った者が当該国税関係書類の受領者等でなければ、この要件は不要となります。
 なお、受領者等以外の者が領収書の読み取りを行うこととした場合、当該領収書がA4以下の大きさであったときでも、書類の大きさに関する情報の保存は必要となります(規則35二ハ)。

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問57 市販のヴァージョン管理ソフトを使用すれば、規則第3条第5項第2号ニに規定する訂正又は削除の履歴の確保(ヴァージョン管理)の要件を満たしているといえるのでしょうか。

回答

 市販のヴァージョン管理ソフトを使用しても、必ずしも要件を満たしているとはいえません。

解説

 ソフト業界などでは、一般に新聞の版数管理のような、新しく作り直したものを第2版、第3版と関連付けていくことがヴァージョン管理と認識されていますが、スキャナ保存の要件であるヴァージョン管理においては、訂正したものを上書き保存するのではなく、その訂正の履歴を残すため第2版、第3版として管理(保存)するので、その内容は異なり、市販されているソフトには前者をヴァージョン管理とするものも存在するため、市販のヴァージョン管理ソフトを使用しているからといって、全てスキャナ保存の要件を満たしていることにはなりません。
 なお、スキャナ保存の要件であるヴァージョン管理とは、次に掲げることを全て満たすものである必要があります。

  • 1 スキャナで読み取った電子データは必ず初版として保存し、既に保存されているデータを改訂したもの以外は第2版以降として保存されないこと
  • 2 更新処理ができるのは一番新しいヴァージョンのみとすること
  • 3 削除は物理的に行わず、削除フラグを立てるなど形式的に行うこととし、全ての版及び訂正した場合は訂正前の内容が確認できること
  • 4 削除されたデータについても検索を行うことができること

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問58 具体的にどのようなシステムであれば、訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしているといえるのでしょうか。

回答

 スキャナ保存における訂正又は削除の履歴の確保については取扱通達4−29及び4−31で例示していますが、それを図示すれば次の図1から3のとおりです。

図1 訂正削除履歴の確保の方法
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図1 訂正削除履歴の確保の方法

図2 更新処理の方法
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図2 更新処理の方法

図3 訂正及び削除前の内容確認ができる
クリックでPDFが開きます(PDF/292KB)
図3 訂正及び削除前の内容確認ができる

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問59 訂正削除ができないシステムでもよいのでしょうか。

回答

 画像データを全く変更できないシステムであり、かつ、保存されているデータがスキャニング直後のデータであることを証明できるシステムであれば、スキャナ保存における訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしているものとして取り扱われます。

解説

 規則第3条第5項第2号ニのスキャナ保存における訂正又は削除の履歴の確保の要件は、訂正又は削除前のデータを確実に確認できることを目的にしたものですので、以下のようなシステム(訂正削除ができないシステム)であれば、規則第3条第5項第2号ニの要件を満たすものとして取り扱われます。
 訂正削除ができないシステムとしては、内容の書き換えができないメディアへのデータの保存が考えられますが、そのような場合であっても確実に確認できることにはならないため、例えば訂正削除できないシステムとして内容の書き換えができない保存媒体の場合で、保存媒体へのデータ記録年月日の記録、保存媒体自体に変更又は複製できない一連番号等を記録し、保存媒体自体の差し替え及び破棄を防止するなど、保存媒体自体の管理が適切に行われていることなどにより、保存されているデータがスキャニング直後のデータであることを証明できるようなシステムであれば、スキャナ保存における訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしているものとして取り扱われます。
 なお、訂正又は削除の履歴を確保しているシステムから、訂正削除ができないシステムへデータを移行する場合には、訂正又は削除の履歴も併せて移行する必要があります。

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問60 スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を分割するなどしてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。

回答

 ディスプレイの画面及び書面に規則第3条第5項第6号の要件を満たし、整然とした形式かつ原稿と同程度に明瞭な状態で、速やかに出力することができれば、どのような入力方法でも差し支えありません。

解説

 規則第3条第5項第2号イ及びハにおいて、国税関係書類を読み取るに当たっての要件として200dpi以上、赤・緑・青それぞれ256階調以上及び書類の大きさに関する情報を保存することを規定していますが(国税関係書類の受領者等が読み取る場合で、当該書類の大きさがA4以下であるときは、書類の大きさに関する情報を保存する要件はありません。また、同条第6項に規定する国税関係書類の場合は、いわゆるグレースケールで保存することが規定されており、書類の大きさに関する情報を保存する要件はありません。)、その他は特に規定していませんので、1頁の書類が2頁にまたがるなど、分割して出力されることなく原稿と同程度の出力ができる保存方法として規則第3条第5項第6号の要件を満たしていれば、入力方法については問わないこととされています。
 したがって、本来はディスプレイに出力する際にファイル等が分割されることなく整然とした形式で出力することが必要であり、また、仮にA3の書類であれば当然にA3が出力できるプリンタ及びA3サイズの用紙を備え付けるべきですが、たまたま備え付けられているプリンタの最大出力サイズより大きい書類を1枚受領したときは、スキャン文書と元の書類の両方を保存することで差し支えありません。

(注) 備え付けられているスキャナがA3サイズに対応していないからといって、国税関係書類を複写機などで縮小コピーしたものをスキャニングすることは、法第4条第3項に規定する国税関係書類に記載されている事項をスキャニングすることには当たりません。

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問61 規則第3条第5項第3号は、「入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと」と規定していますが、電子署名を行うことによってもこの要件を満たしますか。

回答

 電子署名を行うことによって、入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができれば、この要件を満たします。

解説

 平成27年度の税制改正により、国税関係書類をスキャナで読み取る際の電子署名の要件が不要とされ、これに代え、国税関係書類に係る記録事項の入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認できるようにしておくことが要件とされました。
 このため、平成27年度の税制改正後において、規則第3条第5項第3号(入力者等の情報の確認)の規定は、電子署名を行うことを規定したものではありませんが、電子署名を行うことによっても、入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるため、この要件を満たすと考えられます。

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問62 受領者が領収書の読み取りを行い、その後、経理担当者が経理処理の際に必要に応じ領収書の書面を確認することとしていますが、この場合、入力を行う者とはどの者になりますか。

回答

 一般的には、経理担当者となります。

解説

 規則第3条第5項第3号に規定する「入力を行う者」については、スキャナで読み取った画像が当該国税関係書類と同等であることを確認する入力作業をした者をいうこととしており、その者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができる必要があります(取扱通達4−32)。
 企業の事務処理体制により異なりますが、例えば、領収書の受領者がスマートフォンで読み取りを行う場合、一旦、受領者が読み取った画像が当該国税関係書類と同等であることを確認しますが、その後、経理担当者等がその画像を基に経理処理をし、必要に応じて領収書の書面の確認を行い、また、その後訂正削除の履歴等の確認を行うこととなると考えられます。このような処理体制であれば、経理担当者が、その確認作業をもって、読み取った画像が当該国税関係書類と同等であることを確認する入力作業をした者に該当することとなり、経理担当者(またはその者を直接監督する者)に係る情報を確認することができるようにすることとなります。

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問63 当社は、代表取締役とその妻が経理部長を務め、2人で製品製造販売を営んでいる同族法人です。この度、国税関係書類(請求書、納品書、見積書(控)、注文書)のスキャナ保存を始めようと考えていますが、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)に規定する「次に掲げる事項に関する規程」とは具体的にどのような規程を整備すればよいのでしょうか。

回答

 規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)に規定する、いわゆる、「適正事務処理要件」については、スキャナによる読み取り前の紙段階で行われる改ざん等の不正を防ぐ観点から必要な措置として要件とされたものです。
 このため、中小企業や個人事業者においても、規則第3条第5項第4号に掲げる事項(1相互けんせい、2定期的なチェック、3再発防止策)を社内規程等において整備し、事務処理を行うことで「適正事務処理要件」を満たすものと考えられます。
 この社内規程等については、事業規模、書類の管理状況、別な規程の存在など(以下「事業規模等」といいます。)により、異なることとなりますが、質問のケースの規定は、例えば、次のようなものが考えられます(PDF/255KB)。
 なお、適正事務処理要件を満たすため社内規程等をどこまで整備するのかについては、事業規模等を踏まえ、「改ざん等の不正を防ぐ」ことができるのかについて、判断する必要があることに留意してください。

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問64 私は、1人で建設業を営んでいます。この度、国税関係書類(契約書、領収書)のスキャナ保存をはじめようと考えていますが、1人では、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)イ及びロに規定する要件を満たすことはできないのでしょうか。

回答

 小規模企業者に該当することから、定期的な検査を税務代理人に依頼することにより、相互けんせい要件は不要となります。
 なお、国税関係書類の受領等から当該国税関係書類に係る記録事項の入力までの各事務の一部及び定期的な検査を税務代理人以外の外部の者に委託するなどの対応をすれば、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)イ及びロの各要件を満たすことはできます。

解説

 規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)に掲げる事項(1相互けんせい、2定期的な検査、3再発防止策)について規程を整備するとともに、これに基づき事務処理を行うことが要件とされています。
1については、同号イにおいて、「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」とされていることから、「1人」で各事務を行う場合には、この規定の要件を満たさないと考えられます。
 しかしながら、「別の者」について特別の制限が設けられていないことから、外部の者を別の者と解することができるため、明確な事務分掌の下に、各事務の一部について委託し、別の者が行う体制としているのであれば、この規定の要件を満たすことはできると考えられます(どの事務を別の者が行うかについては、問65を参照願います。)。
 また、2については、事務を担当している者が定期的な検査を行った場合、仮に紙段階で改ざんを行っているときには、自ら検査をしてもチェック機能が働かないこととなるため、「1人」で各事務を検査することは認められないと考えられます。
 また、税務代理人に限らず、各事務を検査するのが外部の者でも差し支えありませんので、検査を税務代理人以外の外部の者に委託し、その者がその事務を担当していなければ、この規定の要件を満たすことはできると考えられます。
 なお、上記により外部の者に委託している場合で、外部の者が同号ハに定める「当該各事務に係る処理に不備がある」と認めたときは、委託されている外部の者から同号ハに定める報告が行われる必要があります。
 ただし、平成28年度の税制改正により、小規模企業者の特例が新設され、小規模企業者については、定期的な検査を税務代理人が行うことにより、相互けんせい要件は不要となりました。

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問65 妻と2人で事業を営んでいる個人事業者ですが、規則第3条第5項第4号イの「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」とは、具体的には、どのように体制を整備したらよいのでしょうか。

回答

 「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」については、特に、国税関係書類に係る電磁的記録の確認を行う事務を中心に、相互けんせいが働く必要があります。
 具体的な体制については事業規模等を踏まえ、個々に検討していく必要がありますが、受領者等と読み取りを行う者が異なる場合は、最低限、入力のうち、「スキャナで読み取った画像が紙の記載事項や色調と同等であることを確認し、タイムスタンプを付す事務」と「これ以外の事務」とについて、それぞれ別の者が行う体制を整備することが必要です。
 また、国税関係書類の受領者等が読み取る場合においては、最低限、「受領等をする事務」と「経理処理等に当たり、電磁的記録の記録事項の確認を行う事務」とについて、それぞれ別の者が行う体制を整備することが必要です。

解説

 規則第3条第5項第4号イの「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」とは、具体的には、各事務に関する職責をそれぞれ別の者にさせるなど、明確な事務分掌の下に相互にけんせいが機能する事務処理の体制がとられていることが必要とされるものです。
 事業規模の小さな事業者にとっては、1人で全ての事務を行うことが可能な場合もありますが、1人で全ての事務を行うこととなると、チェック機能が働かないことから、この要件を満たさないこととなります。
 具体的な体制については事業規模等を踏まえ、個々に検討していく必要がありますが、スキャナ保存が、書面の国税関係書類を電磁的記録に変換するものであることを踏まえると、変換された電磁的記録について事務担当者間でチェック機能が働く必要があります。
 受領者等と読み取りを行う者が異なる場合、入力事務の中で事務担当者間でチェック機能が働くようにする必要があり、「スキャナで読み取った画像が紙の記載事項や色調と同等であることを確認し、タイムスタンプを付す事務」と「これ以外の事務」とについて、それぞれ別の者が行う体制を整備することが必要です。
 一方、受領者等と読み取りを行う者が同一となる場合、「スキャナで読み取った画像が紙の記載事項や色調と同等であることを確認する事務」については、基本的には、受領者等が行うこととなるので、その後の「経理処理等に当たり、電磁的記録の記録事項の確認を行う事務」と「受領等をする事務」をそれぞれ別の者が行う体制を整備することになります。

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問66 規則第3条第5項第4号ロの「定期的な検査」とは、具体的にどの程度定期的に検査を行えばよいのでしょうか。

回答

 最低限、1年に1回以上の検査を行う必要があります。

解説

 平成27年度の税制改正において、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)を新たに設けることにより、事務担当者間でチェック機能を働かせる仕組み(担保措置)が講じられました。
 この要件のうち、同号ロの「定期的な検査を行う体制」については、個人事業者であっても、法人であっても、1年に1回決算を組むことが通常であり、これ以上の期間、検査を行わないとなると決算の際にも確認していないこととなるため、同号でいう「各事務について、その適正な実施を確保する」ことができていないと考えられることから、最低限、1年に1回以上の検査を行う体制が必要となります。

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問67 規則第3条第5項第4号ロの「定期的な検査」は、検査の対象となる各事務を行っている者が行ってもよいのでしょうか。

回答

 最低限、検査の対象となる各事務を行っている者以外の者が検査を行う必要があります。

解説

 平成27年度の税制改正において、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)を新たに設けることにより、事務担当者間でチェック機能を働かせる仕組み(担保措置)が講じられました。
 この要件のうち、同号ロの「定期的な検査を行う体制」とは、具体的には、定期的に事務処理手続のチェック・検査を行う仕組み(体制、手続)がとられていることが必要とされるものです。
 仮に、検査の対象となる各事務を担当している者が定期的な検査を行った場合において、紙段階で改ざんを行っているときには、チェック機能が働かないこととなります。
 このため、最低限、その事務を担当している者ではなく、それ以外の者が定期的な検査を行う必要があります。
 また、事業規模の小さな事業の場合、当該各事務を担当している者以外の者が検査を行うことが難しいことも想定されます。このような場合、外部の者に委託する方法なども考えられます。

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問67-2 当社では、受領者が事業用のクレジットカードにより支払を行った経費の領収書について、受領者自身が読み取りを行い、その後、クレジットカード会社から発行されるカード利用明細(一般的に月末等に送られる明細であって、店頭において決済時に交付される「カード利用控え」ではありません。以下同じ。)と読み取った画像をひも付けて管理することとしています。
 この場合、規則第3条第5項第4号ロの「定期的な検査」の前に領収書の書面を廃棄してもよいでしょうか。

回答

 スキャナ保存を行った国税関係書類の書面については、当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項の確認等に際して原本確認が必要となった場合に、速やかに確認できるよう、定期的な検査が行われるまでの間、本店、支店、事務所、事業所その他これらに準ずるものにおいて管理する必要があります。
 ただし、経費の支払に事業用のクレジットカードを利用している場合で、1クレジットカード会社から発行されるカード利用明細と領収書を読み取った画像を的確にひも付けること、2経理担当者等において領収書を読み取った画像の内容を確認し、カード利用明細と的確にひも付けられていることを確認・管理することの双方を満たす場合には、当該領収書の書面については、それらの行為が完了した後は、廃棄して差し支えありません。

解説

 事業用のクレジットカードを利用している場合で、1クレジットカード会社から発行されるカード利用明細と領収書を読み取った画像を的確にひも付ける(注)こと、2経理担当者等において領収書を読み取った画像の内容を確認し、カード利用明細と的確にひも付けられていることを確認・管理することの双方を満たす場合には、規則第3条第5項第4号ロに規定する定期的な検査を行う体制が整っているとみなすことができると考えられます。
 したがって、事業用のクレジットカードで経費の支払を行った場合には、上記12の行為が完了したことをもって、領収書の書面の保存は要しないこととしたものです。
 なお、小規模企業者において、経理担当者等の内容確認を不要とし、税理士等が定期的な検査を行う特例を適用する場合には、上記の取扱いはできません。

(注) 「ひも付ける」とは、

1 「カード番号の一部」(又はカード支払である旨)、「利用日」、「利用金額」、「利用店名」等の情報に基づき、

2 クレジットカード会社から発行されるカード利用明細がデータである場合には、カード利用明細と領収書の画像をシステム上で関連付けることであり、また、カード利用明細が書面である場合には、例えば、カード利用明細に記載された各支払項目の横に手書きで番号を付すとともに、領収書の画像のファイル名にも同番号を付すことです。
 なお、カード利用明細は保存しておく必要があります。

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問68 規則第3条第5項第4号ハの「不備があると認められた場合において、その報告」とは誰に報告すればよいのでしょうか。また、同号ハの「改善のための方策の検討を行う体制」はどのような体制をいうのでしょうか。

回答

 経営者を含む幹部に報告することが必要です。また、改善のための方策の検討を行う体制については、必要に応じて、再発防止委員会を設置すればよく、最低限、経営者を含む幹部を含めて検討が行われるような体制としてください。

解説

 規則第3条第5項第4号ハ(適正事務処理要件)の規定は、具体的には、検査等を通じて問題点が把握された場合に、経営者を含む幹部に不備の内容が速やかに報告されるとともに、原因究明や改善策の検討、必要に応じて手続規程等の見直しがなされる体制がとられていることが必要とされるものです。
 例えば、事業規模が小さな事業者においては、検査等を通じて問題点が把握された場合には、事業主に不備の内容が速やかに報告され、原因究明や改善策も事業主自ら行うようなことも考えられますが、事業規模が大きな事業者においては、検査等を通じて問題点が把握された場合、必ずしも事業主(法人の場合は代表取締役)に報告されるとは限らず、経営に参画する者にまず報告がなされ、株主等に説明する観点から、弁護士や税理士などの第三者を含む再発防止委員会などを設置する必要も考えられます。
 このように、どこまで報告されるのか、また、改善策を検討する体制をどのようにするのかについては、それぞれの事業規模や事業形態によって異なります。
 しかしながら、各事務の適正な実施を確保するために必要なものとしての体制を整備するのですから、少なくとも、経営者を含む幹部に報告がなければそれに対処することができず、また、その幹部に改善策が説明されなければ、手続規程等の見直しをすることもできないことを考えれば、最低限、経営者を含む幹部に報告され、検討結果が報告されている体制が必要と考えられます。