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ホーム税について調べる事務運営指針>相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)

課資2-264
課料3-12
査察1-28
平成12年7月3日

(改正)課資2-15
課総6-13
査察1-48
平成28年12月12日

各国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)

 標題のことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第65条及び第66条の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
 相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の賦課に関する取扱基準の整備等を図ったものである。

第1 過少申告加算税の取扱い

(過少申告の場合における正当な理由があると認められる事実)

1 通則法第65条の規定の適用に当たり、例えば、納税者の責めに帰すべき事由のない次のような事実は、同条第4項第1号に規定する正当な理由があると認められる事実として取り扱う。

(1) 税法の解釈に関し申告書提出後新たに法令解釈が明確化されたため、その法令解釈と納税者(相続人(受遺者を含む。)から遺産(債務及び葬式費用を含む。)の調査、申告等を任せられた者又は受贈者から受贈財産(受贈財産に係る債務を含む。)の調査、申告等を任せられた者を含む。以下同じ。)の解釈とが異なることとなった場合において、その納税者の解釈について相当の理由があると認められること。

(注) 税法の不知若しくは誤解又は事実誤認に基づくものはこれに当たらない。

(2) 災害又は盗難等により、申告当時課税価格の計算の基礎に算入しないことを相当としていたものについて、その後、予期しなかった損害賠償金等の支払を受け、又は盗難品の返還等を受けたこと。

(3) 相続税の申告書の提出期限後において、次に掲げる事由が生じたこと。

イ 相続税法(以下「法」という。)第51条第2項各号に掲げる事由

ロ 保険業法(平成7年法律第105号)第270条の6の10第3項に規定する「買取額」の支払いを受けた場合

(修正申告書の提出が更正があるべきことを予知してされたと認められる場合)

2 通則法第65条第1項又は第5項の規定を適用する場合において、その納税者に対する臨場調査、その納税者の取引先に対する反面調査又はその納税者の申告書の内容を検討した上での非違事項の指摘等により、当該納税者が調査があったことを了知したと認められた後に修正申告書が提出された場合の当該修正申告書の提出は、原則として、これらの規定に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当する。

(注) 臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、原則として「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない。

(調査通知に関する留意事項)

3 通則法第65条第5項に規定する調査通知(以下「調査通知」という。)を行う場合の同項の規定の適用については、次の点に留意する。

(1) 通則法第65条第5項の規定は、納税義務者(通則法第74条の9第5項に規定する場合に該当するときは、納税義務者又は同項に規定する税務代理人)に対して調査通知を行った時点から、適用されない。

(注)1 この場合の税務代理人とは、調査通知を行う前に提出された国税通則法施行規則第11条の3第1項に規定する税務代理権限証書(同項に規定する納税義務者への調査の通知は税務代理人に対してすれば足りる旨の記載があるものに限る。)に係る税務代理人(以下「同意のある税務代理人」という。)をいう。

2 同意のある税務代理人が数人ある場合には、いずれかの税務代理人(通則法第74条の9第6項に規定する代表する税務代理人を定めた場合は当該代表する税務代理人)に対して調査通知を行った時点から、通則法第65条第5項の規定は適用されない。

(2) 調査通知を行った場合において、調査通知後に修正申告書が提出されたときは、当該調査通知に係る調査について、実地の調査が行われたかどうかにかかわらず、通則法第65条第5項の規定の適用はない。

(3) 調査通知後の修正申告書の提出が、次に掲げる場合には、調査通知がある前に行われたものとして取り扱う。

イ 当該調査通知に係る調査について、通則法第74条の11第1項の通知をした後又は同条第2項の調査結果の説明に基づき納税義務者から修正申告書が提出された後若しくは通則法第29条第1項に規定する更正若しくは通則法第32条第5項に規定する賦課決定をした後に修正申告書が提出された場合

ロ 当該修正申告書が、例えば、所得税及び復興特別所得税について更正の請求に基づく減額更正が行われたことに伴い提出された場合。
 ただし、当該修正申告書に当該減額更正に係る部分以外の部分が含まれる場合には、当該減額更正に係る部分以外の部分は、調査通知がある前に行われたものとして取り扱わないものとする。

第2 無申告加算税の取扱い

(期限内申告書の提出がなかったことについて正当な理由があると認められる事実)

1 通則法第66条の規定を適用する場合において、災害、交通・通信の途絶その他期限内に申告書を提出しなかったことについて真にやむを得ない事由があると認められるときは、期限内申告書の提出がなかったことについて正当な理由があるものとして取り扱う。

(注) 相続人間に争いがある等の理由により、相続財産の全容を知り得なかったこと又は遺産分割協議が行えなかったことは、正当な理由に当たらない。

(期限後申告書等の提出が決定又は更正があるべきことを予知してされたと認められる場合)

2 第1の2の取扱いは、通則法第66条第1項、第6項又は第7項の規定を適用する場合において、期限後申告書又は修正申告書の提出が決定又は更正があるべきことを予知してされたものである場合の判定について準用する。

(調査通知に関する事項)

3 第1の3の取扱いは、調査通知を行う場合の通則法第66条第6項の規定の適用について準用する。

(無申告加算税を課す場合の留意事項)

4 通則法第66条の規定による無申告加算税を課す場合には、次のことに留意する。

(1) 申告書が期限後に提出され、その期限後に提出されたことについて通則法第66条第1項ただし書に規定する正当な理由があると認められた場合又は同条第7項の規定が適用される場合において、当該申告について、更に修正申告書の提出があり、又は更正があったときは、当該修正申告又は更正により納付することとなる税額については、無申告加算税を課さないで通則法第65条の規定による過少申告加算税を課す。

(2) 通則法第66条第5項において準用する通則法第65条第4項第1号に定める正当な理由があると認められる事実は、第1の1に定めるような事実とする。

(3) 通則法第119条第4項の規定により無申告加算税又は重加算税の全額が切り捨てられた場合には、通則法第66条第4項に規定する「無申告加算税(……)又は重加算税(……)を課されたことがあるとき」に該当しない。

第3 過少申告加算税等の計算

(累積増差税額等に含まれない税額)

1 通則法第65条第3項第1号に規定する累積増差税額には、同条第5項の規定の適用がある修正申告書の提出により納付すべき税額は含まれないものとし、通則法第66条第3項に規定する累積納付税額には、同条第6項の規定の適用がある期限後申告書又は修正申告書の提出により納付すべき税額は含まれないものとする。

(注) 通則法第65条第5項の規定の適用がある修正申告書又は通則法第66条第6項の規定の適用がある期限後申告書若しくは修正申告書において、第1の3(3)の取扱いによって、調査通知がある前に行われたものとして取り扱われないものが含まれる場合は、これに対応する納付すべき税額は、それぞれ通則法第65条第3項第1号に規定する累積増差税額又は通則法第66条第3項に規定する累積納付税額に含まれることに留意する。

(過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎となる税額)

2 過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎となる税額は、通則法第65条、国税通則法施行令第27条又は通則法第66条の規定により、その基因となった更正、修正申告又は決定、期限後申告(以下「更正等」という。)があった後の税額から正当な理由があると認められる事実(以下「正当事実」という。)のみに基づいて更正等があったものとして計算した税額(A)を控除して計算するのであるが、この場合、次の点に留意する。

(1) 相続税の場合

イ 上記Aを算出する上で基となる相続税の総額の基礎となる各人の課税価格の合計額は、その更正等のあった後の各人の課税価格の合計額からその者の正当事実に基づかない部分の価額(以下「過少対象価額」という。)を控除した金額を基に計算する。

ロ 各人の税額計算を行う上で、上記Aの基礎となるその者の課税価格は、その更正等のあった後のその者の課税価格から当該課税価格に係るその者の過少対象価額を控除した金額を基に計算する。

(注)1 過少対象価額の基となる財産に対応することが明らかな控除もれの債務(控除不足の債務を含む。)がある場合には、当該財産の価額から当該債務の金額を控除した額が過少対象価額となる。

2 第1の3(3)ロただし書の取扱い(第2の3において準用する場合を含む。)を行う場合のその者の過少対象価額は、当該減額更正に係る部分の価額を控除したものとなる。なお、通則法第66条第1項に規定する無申告加算税の計算の基礎となる税額を計算する場合における当該減額更正に係る部分には、同条第6項の規定が適用される。

(2) 贈与税の場合

 上記Aの基礎となる課税価格は、その更正等のあった後の課税価格から過少対象価額を控除した金額を基に計算する。

(注) 第1の3(3)ロただし書の取扱い(第2の3において準用する場合を含む。)を行う場合の過少対象価額は、当該減額更正に係る部分の価額を控除したものとなる。なお、通則法第66条第1項に規定する無申告加算税の計算の基礎となる税額を計算する場合における当該減額更正に係る部分には、同条第6項の規定が適用される。

(重加算税について少額不徴収とする場合の過少対象価額の計算)

3 通則法第119条第4項の規定により重加算税を課さない場合には、その課さない部分に対応する課税価格は、過少対象価額に含まれないのであるから留意する。